建仁寺見どころのマトメ-修学旅行・観光の解説

建仁寺(Kennin-ji Temple)

建仁寺見どころのマトメ・解説

建仁寺見どころを簡単にまとめてポイント解説します。建仁寺は祇園エリアに位置し、見どころには双龍図が描かれた法堂(府指定有形文化財)・風神雷神図(国宝)と複製・方丈(重文)・勅使門(重文)があります。また修学旅行生や観光客に人気がある大雄苑・潮音庭・○△ロ乃庭・三門・東陽坊・本坊(府指定有形文化財)・開山堂・浴室(府指定有形文化財)・梵鐘・楽神廟(府指定文化財)などの見どころもあります。なお国宝・重要文化財・名勝・史跡などの文化財を中心に解説しています。

【貴重な風神雷神図(国宝)・二曲一双屏風の解説】

★概要:風神雷神図は京都国立博物館に寄託され、見られるのは複製の屏風と陶板です。風神雷神図は珍しい二曲一双屏風(にきょくいっそうびょうぶ)です。左に雷神(らいじん)・右に風神(ふうじん)がダイナミックに描かれています。なお風神雷神図は建仁寺に里帰りすると雷鳴が響くとも言われています。
★歴史:風神雷神図は元々豪商・打它公軌(うだきんのり)が建仁寺派の末寺・妙光寺(みょうこうじ)の再興を記念し、絵師・俵屋宗達(たわらやそうたつ)に制作を依頼したものです。風神雷神図は俵屋宗達の真筆とされているが、俵屋宗達の印章(いんしょう)・落款(らっかん)はどこにもありません。風神雷神図は1639年(寛永16年)頃に妙光寺に奉納されたが、その後1829年(文政12年)に妙光寺から寄贈されました。
★様式:風神雷神図は縦154.5センチ・横169.8センチです。俵屋宗達は三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)に安置され、国宝に指定されている像高約111センチの風神像・像高約100センチの雷神像を参考に制作したと言われています。
★豆知識:妙光寺は1285年(弘安8年)に内大臣(ないだいじん)・花山院師継(かさのいんもろつぐ)が長子・花山院忠季(かさのいんただすえ)の死を悼んで、山荘を寺院に改めて菩提寺(ぼだいじ)にしたのが起源です。

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【重要な方丈(重要文化財)・十一面観音菩薩坐像の解説】

★概要:方丈は日本画家・橋本関雪(はしもとかんせつ)が描いた美しい60面の障壁画に彩られています。方丈は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。方丈は第108代・後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の中宮・東福門院(とうふくもんいん・徳川和子(とくがわまさこ))から寄進された本尊・十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)坐像を安置しています。方丈には仏間・書院・室中(しつちゆう)・礼(らい)の間・檀那(だんな)の間・衣鉢(いはつ)の間があります。方丈には橋本関雪が描いた障壁画「生生流転(しょうじょうるてん)」・「伯楽(はくらく)」・「深秋」・「蕭條」・「松韻(寒山子)」が飾られています。
★歴史:方丈は1487年(長享元年)に安芸(広島)・安国寺(あんこくじ)の方丈として建立され、1599年(慶長4年)に武将で、臨済宗(りんざいしゅう)の僧・安国寺恵瓊(あんこくじえけい)が建仁寺に移築しました。その後1934年(昭和9年)に室戸台風で倒壊し、1940年(昭和15年)に再建されました。なお方丈は1736年(享保21年)に大規模な修理が行われ、こけら葺(こけらぶき)から桟瓦葺(さんがわらぶき)に改められ、1940年(昭和15年)の再建時に軽量化からこけら葺に戻されたが、1962年(昭和37年)に銅板葺(どうばんぶき)に改められました。2013年(平成25年)の開山千光祖師八百年大遠諱法要に併せ、こけら葺に戻されました。
★様式:方丈は柱などが桃山風だが、禅宗様(ぜんしゅうよう)です。方丈は屋根が入母屋造(いりもやづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。方丈は桁行約27.6メートル・梁行約20.8メートルです。
★豆知識:方丈には絵師・海北友松(かいほうゆうしょう)が描いた水墨障壁画(すいぼくしょうへきが)「竹林七賢図」・「花鳥図」・「琴棋書画図」・「雲竜図」・「山水図」が飾られていたが、現在は掛軸に改められ、京都国立博物館に寄託されています。

【珍しい勅使門(重要文化財)・矢の根門の解説】

★概要:勅使門(矢の根門・矢立門)は八坂通(やさかどおり)に面して建立されています。勅使門には戦乱の矢の痕があり、矢の根門(やのねもん)・矢立門 (やたちもん) と言われています。
★歴史:勅使門は鎌倉時代後期(1275年~1332年)に建立されました。勅使門は平清盛(たいらのきよもり)の嫡男・平重盛(たいらのしげもり)の六波羅(ろくはら)邸の門を建仁寺に移築したとも、平清盛の異母弟・平教盛(たいらののりもり)邸の門を応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))後に建仁寺に移築したとも言われています。その後1953年(昭和28年)に解体修理が行われました。
★様式:勅使門は一間一戸(いっけんいっこ)の四脚門(しきゃくもん)です。勅使門は屋根が銅板葺です。なお勅使門はかつてこけら葺だったと言われています。

【注目の法堂(京都府指定有形文化財)・圧巻の「双龍図」の解説】

★概要:法堂は建仁寺の本堂で、鏡天井に縦・横ともに10メートル以上の「双龍図」が描かれています。法堂は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。法堂は仏殿も兼ねています。法堂は須弥壇(しゅみだん)に建仁寺の本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)坐像、脇侍(きょうじ)に迦葉尊者(かしょうそんじゃ)・阿難尊者(あなんそんじゃ)を安置しています。法堂には鏡天井(かがみてんじょう)に日本画家・小泉淳作(こいずみじゅんさく)が描いた天井画「双龍図(そうりゅうじ)」があります。なお法堂は拈華堂(ねんげどう)とも言われています。
★歴史:法堂は1765年(明和2年)に再建されました。ちなみに法堂は1363年(正平18年・貞治2年)に青山慈永が創建したと言われています。
★様式:法堂は禅宗様(ぜんしゅうよう)です。法堂は屋根が入母屋造の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。法堂は一見二階建てに見えるもこし(裳階)付きです。法堂は桁行五間(約24メートル)・梁行四間(約19.4メートル)です。
★「双龍図」:「双龍図」は2002年(平成14年)の創建800年を記念し、日本画家・小泉淳作が約2年の歳月を掛けて描きました。同年4月14日に開眼法要が行われました。「双龍図」は丈夫な和紙である麻紙108枚分に墨・程君房(ていくんぼう)を使って描かれています。「双龍図」は縦11.4メートル・横15.7メートルで、「双龍図」は阿吽(あうん)になっています。
★豆知識:釈迦如来坐像はかつて越前国(福井)・弘祥寺に安置され、戦国時代に細川元常の三男で、永源庵庵主・玉蜂永宋が求めて安置したと言われています。

【圧巻の三門・望闕楼の解説】

★概要:三門は法堂と放生池(ほうじょうち)の間に建立され、放生池越しの光景が美しいと言われています。三門は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。三門は楼上に釈迦如来・迦葉尊者・阿難尊者・十六羅漢(じゅうろくらかん)を安置しています。三門には第4代管長・竹田黙雷(宗淵)筆の扁額「望闕楼(ぼうけつろう)」が掛けられています。三門は望闕楼と言われています。望闕楼とは御所を望む楼閣を意味します。
★歴史:三門は江戸時代末期に静岡・安寧寺(あんねいじ)に建立され、1923年(大正12年)に建仁寺に移築されました。
★様式:三門は八脚門(はっきゃくもん)です。三門は屋根が入母屋造の本瓦葺です。

【美しい大雄苑・潮音庭・○△ロ乃庭の解説】

★概要:庭園には趣が異なる大雄苑(だいおうえん)・潮音庭(ちょうおんてい・三連の庭)・○△ロ乃庭(まるさんかくしかくのにわ)があります。庭園は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。大雄苑は方丈、潮音庭は本坊、○△ロ乃庭は小書院に作庭されています。
★大雄苑:大雄苑は1940年(昭和15年)に作庭された枯山水式庭園です。大雄苑は中国の百丈山(ひゃくじょうざん)の眺めを模し、百丈山の別名・大雄山から大雄苑と名付けられました。
★潮音庭:潮音庭は小堀泰巌老大師が作庭した四面正面の枯山水式庭園です。潮音庭には法堂の三尊仏に見立てた三尊石や座禅石があります。
★○△ロ乃庭:○△ロ乃庭は2006年(平成18年)に北山安夫が作庭しました。○△ロ乃庭は臨済宗古月派の禅僧で、画家・仙がい義梵(せんがいぎぼん)の「○△ロ」の掛軸から名付けられました。

【茶室・東陽坊の解説】

★概要:茶室・東陽坊(とうようぼう)は二畳台目下座床の茶室です。東陽坊は薮内家(藪内流)の燕庵(えんなん)と意匠などで共通点が多くあると言われています。東陽坊の南側には関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)遺愛と言われている烏帽子石(えぼしいし)が据えらています。また東陽坊の西側には茶室・清凉軒が建てられています。
★歴史:東陽坊は1587年(天正15年)に関白・豊臣秀吉が北野大茶会を行った際に紙屋川(かみやがわ・天神川)の土手に建てられた副席です。東陽坊は茶人・千利休(せんのりきゅう)の高弟・真如堂東陽坊長盛(とうようぼうちょうせい)好みと言われています。東陽坊は1892年(明治25年)に建仁寺に移築され、1921年(大正10年)に現在の場所に移されました。

【本坊(京都府指定有形文化財)・庫裏の解説】

★概要:本坊はかつて台所だった庫裏(くり)で、屋根に煙り出しがあります。なお本坊では御朱印「拈華堂」・オリジナル御朱印帳「雲龍図」・「風神雷神図」を授与しています。(要確認)
★歴史:本坊は1814年(文化11年)に建立されました。
★様式:本坊は屋根が切妻造の桟瓦葺です。本坊は東面約17.8メートル・西面約19.9メートル・梁行約19.8メートルです。

【厳かな開山堂(栄西禅師の入定塔)・護国院の解説】

★概要:開山堂は開山・栄西禅師の入定塔(墓所)です。栄西禅師の木像を安置しています。開山堂には客殿(方丈)・経蔵・開山塔・楼門(宝陀門・宝陀閣)があります。また苔むした庭には栄西禅師お手植えの菩提樹(ぼだいじゅ)が植えられています。なお開山堂はかつて護国院・興禅護国院と言われ、楼門は宝陀門(ほうだもん)・宝陀閣(ほうだかく)と言われています。
★歴史:開山堂は1884年(明治17年)に再建されたと言われています。

【浴室(京都府指定有形文化財)・蒸し風呂の解説】

★概要:浴室には待合・蒸し風呂・土間(火炊場)があります。浴室は蒸気で体を温める蒸し風呂です。なお入浴は修行とされ、厳しい作法が細かく定められていたそうです。
★歴史:浴室は1628年(寛永5年)に三江紹益(さんこうじょうえき)が再建しました。浴室は2002年(平成14年)に法堂の東から現在の場所に移されました。

【貴重な梵鐘・陀羅尼鐘の解説】

★概要:梵鐘は東鐘楼に釣るされています。梵鐘は京都第3位の大鐘と言われています。なお梵鐘は観音慈救陀羅尼(かんのんじくだらに)を1万回唱えながら撞いたことから陀羅尼鐘(だらにがね)・陀羅尼の鐘とも言われています。
★歴史:梵鐘は鎌倉時代に鋳造されたと言われています。梵鐘は光源氏のモデルと言われている源融(みなもとのとおる)の六条河原院(塩竃第)にあったと言われています。

【厳かな楽神廟(京都府指定文化財)・楽大明神の解説】

★概要:楽神廟は吉備津神社(きびつじんじゃ)の末社です。開山・栄西禅師の母が岡山・吉備津神社の末社・楽の社に参詣した後、夢に明星が現れて栄西禅師を懐妊したことから祀られています。楽神廟は楽大明神(らくのだいみょうじん)を祀っています。ちなみに虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が本地仏とされています。
★歴史:楽神廟は江戸時代前期に建立されたと言われています。
★様式:楽神廟は一間社(いっけんしゃ)流見世棚造(ながれみせだなづくり)で、屋根が桟瓦葺です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
建仁寺見どころ(風神雷神図・方丈など)

【建仁寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・建仁寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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