聴竹居本屋・閑室・茶室・聴竹居見どころ(修学旅行・観光)

聴竹居本屋・閑室・茶室

●聴竹居本屋・閑室・茶室は2017年(平成29年)7月31日に国の重要文化財に指定されました。
●聴竹居本屋・閑室・茶室は1928年(昭和3年)に建築環境工学の先駆者の一人で、建築家・建築学者である藤井厚二(ふじいこうじ)が5回目の自邸として建設しました。本屋は藤井厚二が家族と暮らしたメインの建物、閑室は藤井厚二が和敬清寂を愉しむ私的な建物、茶室(下閑室)は藤井厚二がお客を迎い入れた建物です。
藤井厚二は1888年(明治21年)に酒造家・金融業の「くろがねや」の次男として広島県福山市で生まれました。福山中学校(福山誠之館高校)・第六高等学校を経て、東京帝国大学工科大学建築学科に入学し、1913年(大正2年)に東京帝国大学を卒業すると神戸にあった竹中工務店に就職しました。大阪朝日新聞社などの設計を手掛け、1919年(大正8年)に竹中工務店を6年弱で退職し、その後約9ヶ月間に渡って欧米諸国を巡遊し、その際に環境工学への関心を高めたと言われています。1920年(大正9年)に巡遊が帰国すると同郷の京都帝国大学建築学科教授・武田五一(たけだごいち)が創設した京都帝国大学工学部建築学科に招かれて講師になり、1926年(大正15年)に教授になりました。ちなみに1920年(大正9年)の京都赴任の際に標高約270メートルの天王山(てんのうざん)山麓・京都府乙訓郡大山崎町に面積約4万平方メートルの山林を購入し、その後インフラを整備して聴竹居(ちょうちくきょ)の前身になる建物や1928年(昭和3年)に聴竹居などを建築しました。日本の気候風土と室内環境の関係を科学的に分析し、自邸を実験台に通風・熱音・設備などの機能面と美的側面の両面から住様式を探求しました。建築環境工学研究の草分けと言われています。藤井厚二は村山邸(香雪美術館内)・大覚寺(だいかくじ)心経殿・喜多源逸邸(登録有形文化財)・池田邸・八木重兵衛邸・野村家茶室・小川邸なども設計し、「日本の住宅・1928年(昭和3年)」・「床の間」・「聴竹居図案集」などを出版しました。ちなみに藤井厚二は趣味人としても名を馳せ、茶道・華道、そしてボートや焼き物なども嗜みました。聴竹居の敷地内にはいくつかの茶室と陶芸窯などがありました。なお藤井厚二は1938年(昭和13年)7月17日に亡くなりました。
●聴竹居本屋・閑室・茶室はいずれも鉄板葺(てついたぶき)一部桟瓦葺(さんがわらぶき)です。本屋・茶室は導気口(どうきこう)付きです。
桟瓦葺は平瓦と丸瓦を一体化させた波型の桟瓦を使用して屋根を葺く方法です。ちなみに本瓦葺は平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。
聴竹居

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