浄瑠璃寺本堂・浄瑠璃寺見所(修学旅行・観光)

浄瑠璃寺本堂

●浄瑠璃寺本堂は1897年(明治30年)12月28日に国の重要文化財、1952年(昭和27年)3月29日に国宝に指定されました。
●浄瑠璃寺本堂は平安時代後期の1157年(保元2年)頃に再建されました。その後鎌倉時代前期の1207年(承元元年)・鎌倉時代後期の1328年(嘉暦3年)に檜皮葺(ひわだぶき)が葺き替えられ、1666年(寛文6年)に本瓦葺(ほんがわらぶき)に改められました。1967年(昭和42年)に修理が行われました。本堂は9体の阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像(国宝)が横一列に安置されています。ちなみに阿弥陀如来坐像は中尊が像高約224.0センチ、脇仏8体は像高約139.0センチから145.0センチです。、また木造四天王立像(国宝)・厨子入木造吉祥天立像(重要文化財)も安置されています。(木造四天王立像は広目天が東京国立博物館、多聞天が京都国立博物館に寄託され、持国天、増長天が安置されています。)
阿弥陀如来は大乗仏教の如来の一尊で、西方の極楽浄土(ごくらくじょうど)の教主とされています。阿弥陀如来は弥陀仏(みだぶつ)・阿弥陀仏(あみだぶつ)・無量光仏(むりょうこうぶつ)・無量寿仏(むりょうじゅぶつ)などとも言われています。阿弥陀如来は生あるものを全てを救う如来とされています。阿弥陀如来は紀元100年頃に編纂された大乗仏教の経典「無量寿経(むりょうじゅきょう)」によると世自在王仏(せじざいおうぶつ)のもとで出家して修行していた時、法蔵比丘(ほうぞうびく)という菩薩(法蔵菩薩( ほうぞうぼさつ))であったが、48の誓願(四十八願 (しじゅうはちがん))を立てて修行して仏になり、仏国土(ぶっこくど)である極楽浄土(ごくらくじょうど)を設立して現在もそこで説法しているとされています。阿弥陀如来は飛鳥時代に日本に伝わり、平安時代後期に末法思想(まっぽうしそう)が広がり、鎌倉時代に念仏によって極楽浄土に往生できるという阿弥陀信仰が盛んになり、法然上人(ほうねんしょうにん)を宗祖とする浄土宗(じょうどしゅう)・親鸞聖人(しんらんしょうにん)を宗祖とする浄土真宗(じょうどしんしゅう)・一遍上人(いっぺんしょうにん)を宗祖とするを時宗(じしゅう)が成立しました。
四天王は持国天(じこくてん)・増長天(ぞうじょうてん)・広目天(こうもくてん)・多聞天(たもんてん・毘沙門天(びしゃもん))のことです。四天王はインド神話時代から護世神(ごせしん)とされ、仏教では古代インドの世界観で中心にそびえる須弥山(しゅみせん)中腹の東西南北の四方に住し、仏法の守護神とされています。四天王は須弥山頂上のとう利天(とうりてん)に住む帝釈天(たいしゃくてん)に仕え、乾闥婆(けんだつば)・毘舎闍(びしゃじゃ)・鳩槃荼(くばんだ)・薜茘多(へいれいた)・那伽(ナーガ)・富單那(ふたんな)・夜叉(やしゃ)・羅刹(らせつ)の八部鬼衆(はちぶきしゅう)を支配するとされています。大乗経典「金光明経(こんこうみょうきょう)・4世紀頃成立」では四天王を信仰すると国家安穏・五穀豊穣になるとされ、日本では仏教伝来とともに国家的に信仰されました。
吉祥天は仏教の守護神である天部(てんぶ)の一尊です。吉祥天はヒンドゥー教の女神であるラクシュミーが仏教に取り入れられたものと言われています。ちなみに吉祥天はインド神話に於ける三女神(さんじょしん)とされています。吉祥天は父が徳叉迦(とくさか)、母が鬼子母神(きしぼじん)、夫が毘沙門天(びしゃもんてん)とされています。吉祥は繁栄・幸運を意味し、吉祥天は幸福・美・富を表す神とされ、美女の代名詞になりました。吉祥天は同じ仏教の守護神である天部の一尊である弁才天(べんざいてん)と混同されています。
●浄瑠璃寺本堂は桁行十一間・梁間四間で、寄棟造(よせむねづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。本堂は向拝(こうはい)一間です。
寄棟造は四方向に傾斜する屋根面を持つ屋根の形式です。寄棟造は大棟(おおむね)の両端から四方に隅棟(すみむね)が降り、2つの台形と2つの二等辺三角形で構成されます。いずれも奈良県の東大寺の大仏殿や正倉院(しょうそういん)・唐招提寺(とうしょうだいじ)の金堂が代表例です。
本瓦葺は陶器製で、断面が湾曲した矩形の平瓦と断面が半円状の丸瓦とを交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。なお本瓦葺は本葺き(ほんぶき)とも言われています。
向拝は寺院・神社建築で仏堂・社殿の屋根の中央が前方に張り出した部分です。向拝は仏堂・社殿の入口に階段上に設けられることから階隠(はしかくし)とも言われています。
浄瑠璃寺

京都観光おすすめ

  1. 錦市場(Nishiki Market)
  2. 竹林の道(Bamboo Forest Path)
  3. 嵐山
ページ上部へ戻る