貴船神社の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
貴船神社の見どころは本宮・奥宮・結社・神馬像・絵馬・春日灯籠などです。
貴船神社の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには祭神・高おかみ神を祀る本宮(本殿・拝殿)、元の鎮座地で、祭神・高おかみ神を祀る奥宮、磐長姫命を祀り、縁結びのご利益がある結社などがあります。また神馬像・絵馬・春日灯籠等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
【貴船神社の歴史・簡単概要】
貴船神社は起源が明確ではありません。貴船神社は社伝によると初代・神武天皇の母である玉依姫命が黄色い船に乗って淀川・鴨川・貴船川を遡り、水神を祀ったのが起源と言われています。また第18代・反正天皇の時代の造営されたとも言われています。666年(白鳳6年)に社殿造替の記録があり、それ以前から祀られていたとも言われています。その後1046年(永承元年)7月の出水によって社殿が流失し、1055年(天喜3年)に現在の本宮の場所に社殿が再建され、かつての場所は奥宮になりました。
【祭神・高おかみ神を祀る本宮(本殿・拝殿)-見どころ】
- 概要:本宮(本殿・拝殿)は修学旅行・観光で絶対に見る価値があります。本宮の本殿は祭神・高おかみ神(たかおかみのかみ)を祀っています。高おかみ神は伊奘諾尊(いざなぎのみこと)の御子神(みこがみ)で、水の供給を司る神とされています。
- 歴史:本宮の本殿・拝殿は2005年(平成17年)に平成の造替事業として、基礎から新たに竣工されました。ちなみに2005年(平成17年)は本宮がかつての本宮であった奥宮から現在の場所に遷されて950年目に当たり、遷宮950年大祭・奉祝祭などが行われました。なお本宮は1863年(文久3年)までに36回余り造替(ぞうたい)が行われたと言われています。
- 様式:本殿は流造(ながれづくり)です。拝殿は入母屋造(いりもやづくり)で、切妻向拝(きりづまこうはい)付きです。
【元の鎮座地で、祭神・高おかみ神を祀る奥宮-見どころ】
- 概要:奥宮は修学旅行・観光で見逃せません。奥宮は本宮から距離があります。奥宮は祭神・高おかみ神(たかおかみのかみ)を祀っています。また奥宮は闇おかみ神(くらおかみのかみ)・玉依姫命も祀られているとも言われています。ちなみに闇おかみ神は高おかみ神と同一神とも言われています。
- 歴史:奥宮の社殿は天保年間(1831年~1845年)に再建されました。その後度々修理が行われ、2011年(平成23年)からは大規模な解体修理が行われ、約150年振りに神聖な龍穴(りゅうけつ)に由来する特殊神事・附曳神事(ふびきしんじ)が行われました。なお奥宮は真下に人目を忌むべき龍穴があるとも言われ、造替・修理の際には附曳神事が行われていたそうです。
- 龍穴:龍穴は奈良の室生龍穴・岡山の備前龍穴とともに日本三大龍穴と言われています。龍穴には文久年間(1861年~1864年)の修理の際、大工が誤って龍穴に落としたノミが竜巻のような突風で屋根に戻ったという伝承が残されています。
【祭神・磐長姫命を祀る結社-見どころ】
- 概要:結社(ゆいのやしろ)は本宮(本殿・拝殿)に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。結社は本宮と奥宮の中間にあることから中宮(なかみや)とも言われています。結社は祭神・磐長姫命(いわながひめのみこと)を祀り、縁結びのご利益があります。結社ではかつて細長い葉を玉垣(たまがき)などに結んで縁結びを願っていたが、現在細長い緑色の結び文に願い事を書いて結び処に納めて祈願するようになりました。
- 歴史:結社の社殿は2011年(平成23年)の奥宮改修に合わせ、2012年(平成24年)に新たに竣工されました。
- 伝承:磐長姫命には天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が磐長姫命の妹・木花開耶姫(このはなさくやひめ)と結婚した際、父・大山祇命(おおやまつみのみこと)が姉妹を瓊瓊杵尊に送ったが、磐長姫命だけが返されて恥じ、「我長くここにありて、縁結びの神として、世のため人のために良縁を得させん」と言って祀られたという伝承が残されています。
- 豆知識:結社では平安時代(794年~1185年)の女性歌人・和泉式部(いずみしきぶ)が参詣し、恋の願いが叶えられたとも言われています。和泉式部は大江雅致(おおえまさむね)の娘で、第63代・冷泉天皇(れいぜいてんのう)の皇后・昌子(しょうし)に仕えました。その後和泉守・橘道貞(たちばなみちさだ)と結婚して、小式部内侍(こしきぶのないし)を生んだが、橘道貞とは夫の心変わりから別居しました。その後冷泉天皇の第3皇子・為尊親王(ためたかしんのう)やその弟・敦道親王(あつみちしんのう) から求愛を受けたり、道長四天王と称された藤原保昌(ふじわらのやすまさ・平井保昌)と再婚したりしました。なお和泉式部の恋の願いが叶えられたことから恋の宮とも言われ、本宮・結社・奥宮を結ぶ道は恋の道とも言われています。
【白髭社・牛一社・川尾社などの摂末社-見どころ】
- 概要:貴船神社では本宮内に白髭社(猿田彦命)・牛一社(木花開耶姫命)・川尾社(罔象女命)・鈴鹿社(大比古命)・祖霊社(氏子の祖霊)、奥宮内に吸葛社(味耜高彦根命)・日吉社(大山咋神)・鈴市社(五十鈴姫命)などの摂末社(摂社・末社)があります。また境外には楫取社(宇賀魂命)・梅宮社(木花開耶姫命)・白石社(下照姫命)・私市社(大國主命)・林田社(少名彦命)などがあります。
【ご神木である桂の木(市天然記念物)-見どころ】
- 概要:ご神木・桂の木は本宮・奥宮・結社(中宮)にあります。奥宮の本殿北側に植えられている桂の木は樹齢約400年・高さ約30メートルです。桂の木は市天然記念物に指定されています。
【重森三玲が2日間で作庭したと言われる石庭-見どころ】
- 概要:石庭は本宮にあります。石庭は貴船神社の由緒に因んで、全体が船の形をしています。
- 歴史:石庭は1965年(昭和40年)に造園家・重森三玲(しげもりみれい)が古代人が神祭りを行っていた神聖な祭場・天津磐境(あまついわさか)をイメージして作庭しました。石庭は作意を捨て、2日間で完成したそうです。
【絵馬発祥の社を示す神馬像・絵馬-見どころ】
- 概要:神馬像・絵馬は修学旅行・観光で見逃せません。貴船神社では古くから雨乞いが行われ、絵馬発祥の社とも言われています。神馬像は本宮に建立されています。貴船神社では例年3月9日に雨乞祭(あまごいまつり)が行われ、1年間の天候順調による適量の降雨と五穀豊穣を祈願します。
- 歴史:818年(弘仁9年)に第52代・嵯峨天皇(さがてんのう)が黒毛の馬を献じて、雨乞いを行ったと言われています。その後雨乞いの際には黒毛の馬、雨止めの際には白毛の馬・赤毛の馬を神前に捧げて祈願するようになりました。その生き馬はやがて絵馬(板立馬)に変わり、貴船神社は絵馬発祥の社とも言われています。
【表参道に建立されている朱い春日灯籠-見どころ】
- 概要:朱い春日灯籠(かすがどうろう)は修学旅行・観光で見る価値があります。春日灯籠は二の鳥居から本宮に通じる表参道(石段87段)に建立され、美しい光景が見られます。春日灯籠は昼間も美しいが、ライトアップされると絶景と言われています。なお春日灯籠は毎日夕刻から20:00に明かりが灯されます。
【水占みくじに使われている御神水-見どころ】
- 概要:御神水は標高699.8メートルの聖なる山・貴船山(きぶねやま)を源とし、本宮社殿前の石垣からこんこんと湧き出しています。ちなみに御神水は夏でも冷たく、弱アルカリ性です。
- 概要:御神水は水占みくじに使われています。水占みくじは御神水に浸すと文字が浮かび上がって読むことができます。
【玉依姫命が乗った黄色い船が包まれている船形石-見どころ】
- 概要:船形石は奥宮にあります。船形石は長さ約10メートル・幅約4メートル・高さ約2メートル・外周約24メートルです。船形石には航海安全・旅行安全のご利益があるとも言われています。なお本宮には船形をした石庭・天津磐境の庭、中宮には天の磐船(長さ約3.3メートル・幅約1メートル・重さ約6トン)があります。
- 歴史:玉依姫命が黄色い船に乗って淀川・鴨川・貴船川を遡った際、黄色い船は人目に触れぬよう石で包まれたとも言われています。
【神輿渡御・出雲神楽が行われる貴船祭-見どころ】
- 概要:例祭・貴船祭(きふねまつり)は例年6月1日に行われています。貴船祭では神輿が氏子地区を通り、本宮から奥宮に巡行します。本宮では楽辰会(がくしんかい)による舞楽、奥宮では出雲神楽(いずもかぐら)が奉納されます。
- 歴史:貴船祭はかつて春(旧暦4月1日)と秋(旧暦11月1日)に行われていた貴布禰御更祭(きふねごこうさい)が起源です。春の貴布禰御更祭は神職らが虎杖(いたどり)を摘んでいたことから虎杖祭(いたどりまつり)とも言われていたそうです。
【貴船神社 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・貴船神社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ