妙法院の見どころ-修学旅行・観光の簡単解説
妙法院の見どころは大庫裏・大書院・本堂・宸殿・唐門・三十三間堂などです。
妙法院の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには豊臣秀吉が千僧供養を行った際に建立した大庫裏(国宝)、東福門院の旧殿を移築した大書院(重要文化財)、本尊・普賢菩薩を祀る本堂などがあります。また宸殿・唐門・龍華蔵なども見逃せません。
- 豊臣秀吉が千僧供養を行った際に建立した大庫裏(国宝)
- 東福門院の旧殿を移築した大書院(重要文化財)
- 本尊・普賢菩薩を祀り、普賢堂と言われる本堂
- 阿弥陀如来や歴代天皇の位牌などを祀る宸殿
- 南北に走る東大路通に面して建立されている唐門
【豊臣秀吉が千僧供養を行った際に建立した大庫裏(国宝)-見どころ】
大庫裏は絶対に見る価値がある文化財です。大庫裏は通常非公開だが、特別公開されることがあります。大庫裏は庫裏として日本最大級とも言われています。大庫裏は本来台所で、屋根に煙出があり、土間・板間・座敷に分かれています。土間・板間は天井板を張らず、梁(はり)などの構造が見えています。
- 歴史:大庫裏は1595年(文禄4年)に関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)が先祖の菩提(ぼだい)を弔う為に千僧供養(せんそうくよう)を方広寺(ほうこうじ)で行った際に建立したと言われています。千僧供養は1595年(文禄4年)に方広寺の大仏殿が完成し、この年以降豊臣秀吉が日本仏教の八宗(天台宗(てんだいしゅう)・真言宗(しんごんしゅう)・律宗(りっしゅう)・禅宗(ぜんしゅう)・浄土宗(じょうどしゅう)・日蓮宗(にちれんしゅう)・時宗(じしゅう)・一向宗(いっこうしゅう))の僧を集めて行われるようになりました。
- 様式:大庫裏は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。大庫裏は桁行約21.8メートル・梁間約23.7メートル・高さ約18メートル(約60尺)です。
【東福門院の旧殿を移築した大書院(重要文化財)-見どころ】
大書院は大庫裏に次ぎ、見る価値がある文化財です。大書院は通常非公開だが、特別公開されることがあります。大書院には狩野派の絵師が描いた襖絵などがあります。大書院は東福門院の旧殿を前身とし、桃山時代(1583年~1603年)の豪華な特色があります。
- 歴史:大書院は1619年(元和5年)に第108代・後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の中宮・東福門院(とうふくもんいん・徳川和子(とくがわまさこ))の旧殿を賜り、妙法院に移築して建立されました。
- 様式:大書院は入母屋造のこけら葺(こけらぶき)です。大書院は桁行五間・梁間六間です。
【東福門院の旧殿を移築した玄関(重要文化財)-見どころ】
玄関は東福門院の旧殿を前身としています。玄関には唐破風(からはふ)屋根の式台(しきだい)が設けられています。玄関には狩野派の絵師が描いた障壁画があります。
- 歴史:玄関は1619年(元和5年)に第108代・後水尾天皇の中宮・東福門院(徳川和子)の旧殿を賜り、妙法院に移築して建立されました。
- 様式:玄関は入母屋造のこけら葺です。
【本尊・普賢菩薩を祀り、普賢堂と言われる本堂-見どころ】
本堂は見逃せません。本堂は山内の東南にあります。本堂は6本の牙を持つ象に乗った本尊・普賢菩薩(ふげんぞうぼさつ)騎象像(重要文化財)を安置し、普賢堂(ふげんどう)と言われています。本堂は本尊の背後に日本画家・石踊達哉(いしおどりたつや)が描いた蓮があります。
- 歴史:本堂は1799年(寛政11年)に建立されました。
- 様式:本堂は二層(二階建て)の建物です。本堂は宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺です。本堂は間口約7.1メートル・奥行き約8.9メートルです。
【阿弥陀如来や歴代天皇の位牌などを祀る宸殿-見どころ】
宸殿は阿弥陀如来(あみだにょらい)像を安置しています。宸殿は歴代天皇・皇后・中宮の位牌も祀っています。位牌は般舟三昧院(はんじゅざんまいいん)から移されたと言われています。
- 歴史:宸殿は1898年(明治31年)に建立されました。
- 様式:宸殿は入母屋造の檜皮葺です。
【護摩壇が設置されている護摩堂-見どころ】
護摩堂には中央に護摩壇(ごまだん)が設置されています。護摩堂に安置されていた平安時代(794年~1185年)前期に造仏された不動明王(ふどうみょうおう)立像は2020年(令和2年)から東京国立博物館に寄託されています。
- 歴史:護摩堂は比叡山(ひえいざん)西塔・常住金剛院が起源と言われています。護摩堂は17世紀(江戸時代前期から中期)に移築されたとも、関白・豊臣秀吉が建立し、不動明王を安置したとも言われています。
- 様式:護摩堂は宝形造の瓦葺です。
【松村呉春が描いた襖絵などがある白書院-見どころ】
白書院は境内の奥にあり、門主の私的な空間として使われています。白書院には一の間・二の間などがあります。白書院には机である付書院(つけしょいん)と物を収納する棚があります。白書院には絵師・松村呉春が描いた襖絵などがあります。
【南北に走る東大路通に面して建立されている唐門-見どころ】
唐門は東大路通(ひがしおおじどおり)に面して建立されています。なお唐門は新日吉神宮(いまひえじんぐう)の祭礼の際、神幸拝所が置かれました。
- 歴史:唐門は1730年(享保15年)以前に建立されたと言われています。
- 様式:唐門は四脚門(しきゃくもん)です。唐門は切妻造(きりづまづくり)のこけら葺です。
【寺宝を収蔵・展示する龍華蔵(宝物館)-見どころ】
龍華蔵(宝物館)は見逃せません。龍華蔵は宝物館で、所有する文化財を収蔵・展示しています。龍華蔵ではポルトガル王印度副王信書(国宝)のレプリカを見ることができます。なお本物は京都国立博物館に寄託されています。
【例年5月14日に行われてい五月会(一般公開)-見どころ】
五月会(さつきえ)は例年5月14日に行われています。五月会は6本の牙を持つ象に乗った本尊・普賢菩薩(ふげんぼさつ)の縁日として行われます。妙法院は通常非公開だが、五月会で一般公開され、法要・法華三昧が行われたり、文化財が公開されたりします。
【境外仏堂で、三十三間堂と言われる蓮華王院本堂(国宝)-見どころ】
三十三間堂は妙法院から少し距離があるが、妙法院の境外仏堂で、妙法院が所有・管理しています。
- 歴史:三十三間堂は1165年(長寛2年)に後白河上皇(第77代・後白河天皇(ごしらかわてんのう))が平清盛(たいらのきよもり)に資材協力を命じ、離宮・法住寺殿(ほうじゅうじどの)の一画に創建したのが起源です。
- 仏像:三十三間堂(国宝)は内陣中央に本尊・千手観音(せんじゅかんのん)坐像(国宝)を安置し、その左右10段の階段に1段に50体ずつ、合計1,000体の千手観音立像(国宝)を安置しています。また本尊・千手観音坐像の背後には1,001体目となる千手観音立像(国宝)も安置しています。
【かつて兼帯していた新日吉神宮-見どころ】
新日吉神宮(いまひえじんぐう)はかつて妙法院が兼帯していました。
- 歴史:新日吉神宮は1160年(永暦元年)に後白河上皇(第77代・後白河天皇)が離宮・法住寺殿を造営した際、延暦寺(えんりゃくじ)の守護神・日吉大社(ひよしたいしゃ)を法住寺殿の鎮守社として勧請したのが起源と言われています。
【妙法院 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・妙法院(見どころ・アクセス・・・)