下鴨神社の見どころ簡単解説2-修学旅行・観光の豆知識
下鴨神社の見どころは祝詞舎・西唐門・御手洗社・河合神社・相生社・葵祭
下鴨神社の見どころを簡単にマトメて解説します。見どころには祝詞舎(重要文化財)、西唐門(重要文化財)、中門(重要文化財)、馬場、みたらし団子の御手洗社、鏡絵馬の河合神社、連理の賢木の相生社・葵祭などがあります。(個別解説下記参照)
●東西本殿(国宝)・舞殿(重要文化財)・橋殿(重要文化財)などの下鴨神社見どころは下記リンクから確認することができます。
下鴨神社見どころ(舞殿・細殿など)
【下鴨神社の歴史・簡単概要】
下鴨神社(しもがもじんじゃ)・賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)は起源が明確ではありません。下鴨神社は社伝によると初代・神武天皇(じんむてんのう)の御代(紀元前660年~紀元前582年)に賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)が比叡山(ひえいざん)西麓の御蔭山(みかげやま)に降臨したのが起源と言われています。また下鴨神社は紀元前90年(第10代・崇神天皇(すじんてんのう)7年)に瑞垣(みずがき)の修造の記録があり、それ以前から祀られていたとも言われています。その後第29代・欽明天皇(きんめいてんのう)の時代(539年~571年)に葵祭(あおいまつり・賀茂祭(かもまつり))が始まり、678年(第40代・天武天皇(てんむてんのう)7年)に社殿が建立されたと言われています。
下鴨神社歴史(起源・・・)
【東本殿と西本殿を結ぶ祝詞舎(重要文化財)】
- 概要:祝詞舎は東本殿と西本殿の間にあり、南端が幣殿に接続しています。
- 歴史:祝詞舎は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
- 様式:祝詞舎は北端が唐破風造(からはふづくり)で、屋根が檜皮葺です。祝詞舎は桁行五間・梁間一間です。
【神饌を準備した東西御料屋(重要文化財)】
- 概要:東西御料屋は幣殿の東西端にあり、神饌の準備をして盛り付けを行っていました。
- 歴史:東西御料屋は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
- 様式:東西御料屋は屋根が入母屋造の檜皮葺です。細殿は桁行四間・梁間三間です。
【葡萄門と言われる西唐門(重要文化財)】
- 概要:西唐門には欄間(らんま)に葡萄(ぶどう)の紋様があり、葡萄門と言われています。西唐門は門をくぐる人にお祓いするという意味があるそうです。
- 歴史:西唐門は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
- 様式:西唐門は一間一戸(いっけんいこ)の向唐門(むかいからもん )です。西唐門は屋根が檜皮葺です。
【最初の祓所である中門(重要文化財)】
- 概要:中門は本殿への最初の祓所(はらいしょ)になります。中門は左右に雅楽(ががく)を奏した楽屋(重要文化財)があります。
- 歴史:中門は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
- 様式:中門は弊殿に繋がる四脚門(しきゃくもん)です。中門は屋根が切妻造の檜皮葺です。
【流鏑馬神事が行われる馬場】
- 概要:馬場は境内に3つあります。古馬場は河合神社の西にあり、奈良時代以前から使用されていたとも言われています。糺の森の馬場は長さ約350メートルです。
- 行事:馬場では例年5月3日に葵祭の前儀・流鏑馬神事(やぶさめしんじ)が行われ、流鏑馬が披露されます。
【絵師・尾形光琳ゆかりの光琳の梅】
- 概要:光琳の梅は境内を流れる御手洗川に架けられた輪橋(そりはし)近くに植えられている紅梅です。光琳の梅は絵師・尾形光琳(おがたこうりん)が描いた「紅白梅図屏風(国宝)」のモデルの後継樹と言われています。
【ちいさな石を意味するさざれ石】
- 概要:さざれ石は参道脇にあり、神霊が宿ると言われています。さざれ石はちいさな石という意味です。さざれ石は年とともに大きく成長し、岩になると信じられているそうです。なおさざれ石は国歌「君が代」の中にも歌われています。
【二葉葵などが栽培されている葵の庭】
- 概要:葵の庭は大炊殿近くにあります。葵の庭には葵祭の由来になっている二葉葵(ふたばあおい)やカリン(花梨)・ヌルデ(白膠木)・クチナシ(梔子)・カツラ(桂)・ヤマウコギ(山五加)などの薬草が栽培されています。カリンの古木がよく知られ、カリンの庭とも言われています。
- 豆知識:葵の庭で栽培された薬草は大炊殿で御薬酒などに調製されました。
【みたらし団子ゆかりの末社・御手洗社】
- 概要:御手洗社(みたらししゃ)は末社で、東本殿・西本殿などの東側に祀られています。御手洗社は祓戸四神の一神で、災厄抜除の女神である瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)を祀っています。なお御手洗社は井上社(いのうえしゃ)とも言われています。
- 歴史:御手洗社は加茂川(かもがわ・鴨川)と高野川(たかのがわ)の合流地の東岸にあった唐先社が起源とも言われています。
- 豆知識:御手洗社は御手洗池から湧き出る水泡をかたどった団子が「みたらし団子」になり、「みたらし団子」発祥の地と言われています。
【鏡絵馬で知られる摂社・河合神社】
- 概要:河合神社(かわいじんじゃ)は摂社で、境内南端に祀られています。河合神社は女性の守護神で、日本第一の美麗神と言われる玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀り、縁結び・安産などのご利益があると言われています。
- 歴史:河合神社は858年(天安2年)に下鴨川合神が神階(しんかい)・従五位上(じゅうごいじょう)を授けられたと記され、それ以前から祀られていたと言われています。
- 鏡絵馬:手鏡の形をした鏡絵馬は裏に願い事・名前を書き、表の女性の顔に自分のメイク道具を使って化粧を施して奉納します。
- 豆知識:河合神社は鎌倉時代の随筆「方丈記(ほうじょうき)」を記した鴨長明(かものちょうめい)にゆかりがあります。鴨長明は下鴨神社の神事を統率する禰宜・鴨長継(かものながつぐ)の子として生まれました。
【十二支の守護神である末社・言社】
- 概要:言社(ことしゃ)は末社で、東本殿・西本殿前に祀られています。言社は大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀っています。言社には7つの社があり、一言社(東社)が巳(み)・未(ひつじ)、一言社(西社)が午(うま)、二言社(北社)が子(ね)、二言社(南社)が丑(うし)・亥(い)、三言社(北社)が卯(う)・酉(とり)、三言社(中社)が寅(とら)・戌(いぬ)、三言社(南社)が辰(たつ)・申(さる)の守護神になっています。
- 歴史:言社は起源が明確ではありません。
【連理の賢木がある末社・相生社】
- 概要:相生社(あいおいのやしろ)は末社、南口鳥居と楼門の間に祀られています。相生社は縁結びの神・神皇産霊神(かむむすびのかみ)を祀っています。相生社には2本の木が途中から1本に結ばれた連理の賢木があり、縁結びのご利益があると言われています。
- 歴史:相生社は起源が明確ではありません。
【境外摂社・御蔭神社】
- 概要:御蔭神社(みかげじんじゃ)は境外摂社で、比叡山(ひえいざん)西麓の御蔭山に祀られています。御蔭神社が祀られている御蔭山は御生山(みあれやま)とも言われ、神体山(しんたいさん)とされています。
- 歴史:御蔭神社は起源が明確ではありません。御蔭神社では紀元前から御生神事が始まったとも、社伝によると古代から山背北部豪族が祭祀を行っていたとも言われています。また御蔭神社では677年(天武天皇6年)に山背国司が建立した賀茂神宮があったとも言われています。
【賀茂波爾神社などの摂末社(摂社・末社)】
- 概要:摂社・末社には河合神社・御手洗社・言社・御蔭神社・相生社以外にも出雲井於神社(いづもいのへのじんじゃ)・賀茂波爾神社(かもはにじんじゃ)・三井神社・日吉神社・愛宕社・稲荷社などがあります。
- 出雲井於神社:出雲井於神社は賀茂氏と同じ祖先を持つ氏族・持葛野主殿県主部(かどののとのもりのあがたぬしら)が祖神として祀ったのが起源とも言われています。
【申餅などを味わえる休憩処さるや】
- 概要:休憩処さるやは南口鳥居近くにあります。休憩処さるやでは良縁ぜんざい・申餅・葵の最中・まめ豆茶・かき氷・氷菓・ソフトクリーム・あま酒などを楽しむことができます。ちなみに申餅は葵祭期間中の申の日に食して無事息災を願ったもので、140年振りに復元されました。休憩処さるやにはお持ち帰り商品もあります。
- 豆知識:下鴨神社の境内東側で、下鴨本通り沿いに1922年(大正11年)創業の加茂みたらし茶屋・本家亀屋粟義(京都市左京区下鴨松ノ木町53)があり、みたらし団子を楽しむことができます。
【京都三大祭りに数えられる葵祭】
- 概要:葵祭(あおいまつり)は例年5月15日に行われています。葵祭では平安装束(しょうぞく)に身を包んだ斎王代(さいおうだい)など人約500名・馬約40頭・牛4頭・牛車2台・輿1丁が巡行します。なお葵祭は祇園祭・時代祭とともに京都三大祭りと言われています。
- 名称:葵祭は正式には賀茂祭(かもまつり)と言うが、祭儀に関わる全ての人や社殿の御簾(みす)・牛車(御所車)に至るまで二葉葵を桂の小枝に挿し飾ることから葵祭と言われています。
【例年6月に行われている蛍火の茶会】
- 概要:蛍火の茶会(ほたるびのちゃかい)は例年6月に行われています。蛍火の茶会では糺の森などで集められた蛍数百匹が御手洗川などに放たれます。
- 歴史:蛍火の茶会は明治時代に御手洗川で行われていた納涼茶席に由来し、1991年(平成3年)に約100年振りに再興させました。
【かつて一体で、賀茂社と言われた上賀茂神社】
- 概要:上賀茂神社(賀茂別雷神社)はかつて下鴨神社と一体で、賀茂社と言われていました。上賀茂神社の主祭神・賀茂別雷命は東本殿に祀られている玉依姫命の子神になります。
- 歴史:上賀茂神社は社伝によると神代の昔に賀茂別雷命(かもわけいかづちのかみ)が現社殿の北北西にある秀峰・神山(こうやま)に降臨したのが起源とも言われています。
【下鴨神社 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・下鴨神社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ