隨心院の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
隨心院の見どころは本堂・表書院・奥書院・能の間・小野梅園などです。
隨心院の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには本尊を祀る本堂、小野小町の一生を鮮やかな薄紅色で描いた襖絵がある能の間、はねずの梅が植えられている小野梅園(名勝)などがあります。また表書院・奥書院等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
【隨心院の歴史・簡単概要】
隨心院(随心院)は女流歌人・小野小町邸があった場所とも言われています。また隨心院は991年(正暦2年)に雨僧正とも言われる真言宗小野流の開祖・仁海僧正が第66代・一条天皇から土地を賜って創建した牛皮山曼荼羅寺があった場所とも言われています。隨心院は鎌倉時代(1185年~1333年)に曼荼羅寺5世住持・増俊が曼荼羅寺の塔頭として創建したと言われています。その後第84代・順徳天皇、第86代・後堀河天皇、第87代・四条天皇の祈願所になり、1229年(寛喜元年)に後堀河天皇の宣旨によって門跡寺院になり、一条家・二条家・九条家などから入寺したと言われています。
【本尊・如意輪観世音菩薩を祀る本堂-見どころ】
- 概要:本堂は能の間に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。本堂は鎌倉時代(1185年~1333年)に造仏された本尊(秘仏)・如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)坐像(重要文化財)を安置しています。また本堂は快慶(かいけい)作の金剛薩た(こんごうさった)坐像(重要文化財)・定朝(じょうちょう)作と言われる阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像(重要文化財)・薬師如来(やくしにょらい)坐像・不動明王(ふどうみょうおう)立像、そして弘法大師(こうぼうだいし)坐像・仁海僧正(にんかいそうじょう)坐像なども安置しています。本堂には心を落ち着けて仏・菩薩と対峙するという意味の扁額「豁如(かつじょ)」が掛けられています。
- 歴史:本堂は九条家(くじょうけ)の出身である第24世・増孝の時代、1599年(慶長4年)に再建されました。
- 様式:本堂は桃山時代(1583年~1603年)の寝殿造(しんでんづくり)です。本堂は四柱造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。
- 豆知識:九条家は一条家(いちじょうけ)・二条家(にじょうけ)・近衛家(このえけ)・鷹司家(たかつかさけ)とともに摂家(せっけ)の家格を有しました。
【尼僧・天真院尼の寄進で再建された表書院-見どころ】
- 概要:表書院には狩野派(かのうは)の絵師が描いた襖絵「四愛図」・「四季花鳥図」が飾られています。「四愛図」・「四季花鳥図」は狩野永納(かのうえいのう)の時代に描かれたと言われています。
- 歴史:表書院は寛永年間(1624年~1631年)に九条家ゆかりの尼僧・天真院尼(てんしんいんに)の寄進によって再建されました。
【狩野派の絵師が描いた襖絵がある奥書院-見どころ】
- 概要:奥書院には狩野派の絵師が描いた襖絵「舞楽図」・「宮廷人物図」・「賢聖障子絵」・「竹虎図」が飾られています。
- 歴史:奥書院は江戸時代(1603年~1868年)初期に建立されました。
【小野小町の一生を描いた襖絵がある能の間-見どころ】
- 概要:能の間は修学旅行・観光で絶対に見る価値があります。能の間には2009年(平成21年)に絵描きユニット・だるま商店(島直也・安西智)が制作した襖絵「極彩色梅匂小町絵図」4面が飾られています。「極彩色梅匂小町絵図」は女流歌人・小野小町の一生を鮮やかな薄紅色(はねず色)を基調として描いています。
- 歴史:能の間は宝暦年間(1751年~1764年)に九条家の寄進によって建立されました。1991年(平成3年)に改修工事が行われました。
【尼僧・天真院尼の寄進で建立された大玄関-見どころ】
- 概要:大玄関には左右に小玄関(左)・使者の間(右)があります。
- 歴史:大玄関は寛永年間(1624年~1631年)に九条家ゆかりの天真院尼の寄進によって建立されました。
【二条家の政所御殿が移築された庫裏-見どころ】
- 概要:庫裏(庫裏)は拝観入口になります。庫裡は二条家の政所御殿(まんどころごてん)だったと言われています。
- 歴史:庫裏は1753年(宝暦3年)に二条家から移築されて建立されました。
【二条家か移築され、正門である総門-見どころ】
- 概要:総門は隨心院の正門です。
- 歴史:総門は1753年(宝暦3年)に二条家から移されて建立されました。
【尼僧・天真院尼の寄進で建立された薬医門-見どころ】
- 概要:薬医門は大玄関近くに建立されています。
- 歴史:薬医門は寛永年間(1624年~1631年)に九条家ゆかりの天真院尼の寄進によって建立されました。
【心字池を中心とする池泉鑑賞式の庭園-見どころ】
- 概要:庭園は心字池(しんじいけ)を中心とする池泉鑑賞式庭園です。庭園は一面が大杉苔に覆われ、古くは洛巽(らくそん)の苔寺とも言われていました。
【はねずの梅が植えられている小野梅園(名勝)-見どころ】
- 概要:小野梅園は修学旅行・観光で見る価値があります。小野梅園は京都を代表する梅名所で、梅シーズンに美しい情景を眺められます。小野梅園には遅咲きで薄紅色のはねずの梅(八重紅梅(やえこうばい))・紅梅・白梅などの梅が植えられています。ねずの梅は例年3月中旬頃から下旬頃に見ごろを迎えます。
- 行事:ねずの梅の見ごろ(例年3月の最終日曜日)にねず踊りが行われています。ねず踊りは絶世の美女で、六歌仙に数えられる小野小町と深草少将(ふかくさのしょうしょう)との恋物語・百夜通い(ももよがよい)を題材にした踊りです。
【小野小町の邸跡にあったと言われる化粧井戸-見どころ】
- 概要:化粧井戸は修学旅行・観光で見逃せません。化粧井戸は小野小町の邸跡にあった井戸とも言われています。化粧井戸は「都名所図会(みやこめいしょずえ)」に小野小町が化粧井戸の水を使って化粧をしていたと記されています。
【恋文上達の祈願に信仰される小町文塚-見どころ】
- 概要:小町文塚は本堂裏に築かれています。小町文塚は深草少将(ふかくさしょうしょう)などが小野小町に送った千束の文を埋めたと伝えられています。小町文塚は恋文上達の祈願に信仰されているそうです。
【隨心院 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・隨心院(見どころ・アクセス・・・)