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法観寺五重塔・法観寺見所(修学旅行・観光)
法観寺五重塔
●法観寺五重塔は1897年(明治30年)12月28日に国の重要文化財に指定されました。
●法観寺五重塔は室町時代中期の1440年(永享12年)に再建されました。中心の礎石は五重塔創建当初のものがそのまま使われています。五重塔は寺伝によると589年(崇峻天皇2年)に建立されたとも言われ、法観寺の門には「日本最初之寶塔(ほうとう)」と書かれています。その後3度焼失し、その度に再建され、室町時代中期の応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))での焼失を免れました。五重塔は初層内部に大日如来(だいにちにょらい)を中心とする五智如来(ごちにょらい)像が安置されています。
一般的に五重塔は仏教の祖・お釈迦さまの遺骨(仏舎利(ぶしゃり))を納める仏塔です。仏塔は紀元前3世紀頃から造られるようになったお釈迦さまの遺骨(仏舎利)を祀る饅頭形(半球形)のストゥーパが起源とも言われています。ストゥーパはインド(天竺(てんじく))から中国に伝えられると高層の楼閣建築形式になり、朝鮮半島から日本に伝わったと言われています。現在、7世紀後半の飛鳥時代に建立された法隆寺(ほうりゅうじ)の五重塔が日本最古の五重塔です。なお五重塔は外観が基壇・塔身・相輪(そうりん)からなり、五重の屋根が下から地(基礎)・水(塔身)・火(笠)・風(請花(うけばな))・空(宝珠(ほうじゅ))を表し、それぞれが5つの世界(五大思想)を示し、仏教的な宇宙観を表しています。
五智如来は中心の大日如来(だいにちにょらい)・北方の不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)・東方の阿しゅく如来(あしゅくにょらい)・西方の阿弥陀如来(あみだにょらい)・南方の宝生如来(ほうしょうにょらい)から構成されています。五智如来は金剛界五仏のことで、密教での5つの知恵(法界体性智(ほうかいたいしょうち・大日如来)・大円鏡智(だいえんきょうち・阿しゅく如来)・平等性智(びょうどうしょうち・宝生如来)・妙観察智(みょうかんざつち・阿弥陀如来)・成所作智(じょうそさち・不空成就如来))を5体の如来にあてはめたものです。なお安祥寺の五智如来は五躰一具が揃って伝わる日本最古の五智如来像で、2019年(令和元)に国宝に指定されました。
●法観寺五重塔は高さ約46メートルの三間(さんげん)五重塔婆(ごじゅうとうば)で、本瓦葺(ほんがわらぶき)です。五重塔は京都・東寺(とうじ)、奈良・興福寺(こうふくじ)に次いで、国内で3番目に高い五重塔です。なお五重塔は縁・高欄が5層目にしか付いていない珍しい様式になっています。
本瓦葺は陶器製で、断面が湾曲した矩形の平瓦と断面が半円状の丸瓦とを交互に組み合わせて屋根を葺く方法です。瓦葺は飛鳥時代に中国・朝鮮半島から寺院建築の技術とともに伝来しました。瓦葺は檜皮葺(ひわだぶき)・茅葺(かやぶき)・板葺(いたぶき)などに比べ耐水性・耐火性に優れ、台風の多い日本に適していました。なお本瓦葺は本葺き(ほんぶき)とも言われています。
法観寺