伏見稲荷大社の見どころ完全ガイド|千本鳥居などの観光スポット解説

伏見稲荷大社(Fushimi Inari taisha Shrine)

伏見稲荷大社の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

伏見稲荷大社は京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。伏見稲荷大社には感謝のしるしに奉納された千本鳥居をはじめ、稲荷大神を祀る本殿、豊臣秀吉が再建した楼門など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【千本鳥居の見どころ解説|伏見稲荷大社最大の見どころ】

千本鳥居は伏見稲荷大社観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。千本鳥居は長さ約70メートルで、左右に1,000基よりも少ない900基弱(約860基)の鳥居が幻想的な回廊をつくり、最大のフォトスポットで、伏見稲荷大社の中で一番写真・SNS映えします。海外では見ることができない神秘的な光景が日本人以上に外国人に大変人気があります。千本鳥居には「願い事が通る」・「願い事が通った御礼」などの意味があり、信者が感謝のしるしに奉納しました。
★千本鳥居の奉納は江戸時代(1603年~1868年)に始まり、その後に盛んになりました。伏見稲荷大社には千本鳥居を含め、約1万基の鳥居が建立されているのが豆知識です。
★千本鳥居は柱と笠木(かさぎ)の接合部に台輪を取り付けた稲荷鳥居(台輪鳥居(だいわとりい))です。鳥居は稲荷塗り(稲荷朱(いなりあか))と言われる朱塗り(しゅぬり)で、色は稲荷大神が楓(かえで)を好んだことに由来しています。また破邪(はじゃ)の呪力(じゅりょく)を示すものとも言われています。

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【本殿(重要文化財)の見どころ解説|伏見稲荷大社の信仰の中心】

本殿は伏見稲荷大社の信仰の中心で、必ず訪れるべきスポットです。本殿は中央座に下社の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)、北座に中社の佐田彦大神(さたひこのおおかみ)、南座に上社の大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)、最北座に下社摂社の田中大神(たなかのおおかみ)、最南座に中社摂社の四大神(しのおおかみ)を祀り、五柱の神は稲荷大神と総称されています。稲荷大神は伏見稲荷大社を訪れた際に最初にお参りしたい神様です。
★本殿は応仁の乱に伴う1468年(応仁2年)3月の兵火で焼失し、その後同年12月に仮殿が建立されました。現在の本殿は1494年(明応3年)または1499年(明応8年)に再建されたと言われています。本殿前の内拝殿は1961年(昭和36年)に建立されました。
★本殿は五間社(ごけんしゃ)流造(ながれづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。屋根に千木(ちぎ)・鰹木(かつおぎ)がない独特の形状で、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の影響と言われ、歴史的価値があります。本殿は内陣・外陣に分かれ、内陣が格天井(ごうてんじょう)、外陣が小組(こぐみ)格天井になっています。軒下に豪華な彫刻があり、懸魚(げぎょ)の金覆輪(きんぷくりん)・垂木鼻(たるきばな)の飾金具・蟇股(かえるまた)の意匠などが豪放で優華な趣きになっており、見どころになっています。

【狛狐(こまぎつね)の見どころ解説|稲荷大神のお使い】

狛狐は狛犬(こまいね)の代わりに境内に置かれ、訪れたいスポットです。狛狐は珍しい存在で、写真スポットとして人気です。狛狐はキツネが稲荷大神のお使い(神使(しんし)・眷族(けんぞく))とされていることに由来しています。ただキツネと言っても野山に生息するキツネではなく、目に見えない透明の白狐(びゃっこ)です。
★狛狐は口に稲穂・巻物・玉(宝珠(ほうじゅ))・鍵(かぎ)を咥えています。稲穂は稲荷大神が農業の神であることに由来しています。巻物は知恵を象徴しています。玉と鍵は玉が稲荷大神の霊徳、鍵がその霊徳を身に付ける願望を象徴しています。口に何を咥えているかをチェックすることが見どころのひとつです。

【楼門(重要文化財)の見どころ解説|伏見稲荷大社の正門】

楼門は伏見稲荷大社の正門で、一番鳥居・楼門・外拝殿・内拝殿・本殿が一直線に並んでおり、訪れたいスポットです。楼門には関白・豊臣秀吉が「病悩平癒祈願が成就すれば一万石奉加する」と記した「命乞い(いのちごい)の願文」が伝えられ、歴史的価値があります。楼門は両側に稲荷大神を守る随神(ずいじん)が祀られ、神域への出入口として荘厳な雰囲気を醸し出しています。随神は左大臣(さだいじん)が阿形(あぎょう)、右大臣(うだいじん)が吽形(うんぎょう)になっています。楼門は朱塗りが美しく、フォトジェニックな門で、写真映えします。
★楼門は1589年(天正17年)に豊臣秀吉が母・大政所(おおまんどころ)の病気回復を祈願して再建しました。1973年(昭和48年)の解体修理の際に願文と同じ「天正17年」の墨書が頭貫(かしらぬき)から発見されたのが豆知識です。
★楼門は三間一戸(さんげんいっこ)で、屋根が入母屋造の檜皮葺です。
★楼門の左右にはほぼ同じ大きさの北廻廊・南廻廊があります。北廻廊・南廻廊は1694年(元禄7年)に建立されました。北廻廊・南廻廊は切妻造(きりづまづくり)の檜皮葺です。

【おもかる石の見どころ解説|伏見稲荷大社のパワースポット】

おもかる石は伏見稲荷大社のパワースポットで、訪れるべきスポットです。おもかる石は二対ある石灯籠(いしどうろ)の空輪(くうりん・宝珠(ほうじゅ))のことで、どちらを持ち上げても構いません。願い事を念じながら持ち上げ、予想よりも軽く感じると願いが叶い、重く感じると願いが叶わないと言われています。おもかる石は人気の体験スポットで、重く感じる方が多いようです。
★一般的に石燈籠は上部から空輪(宝珠)・笠(かさ)・火袋(ひぶくろ)・中台(ちゆうだい)・竿(さお)・基礎などから構成され、火袋に火が灯されます。

【白狐社(重要文化財)の見どころ解説|命婦専女神】

白狐社は下社・中社・上社からなる三社別殿だった時代の下社の末社・阿古町(あこまち)が起源とされ、白狐霊を祀る唯一の社殿と言われています。鎌倉時代頃から宮廷人が奉幣(ほうへい)を行ていたと言われています。白狐社は命婦専女神(みょうぶとうめのかみ)を祀っています。
★白狐社は1694年(元禄7年)に建立されました。
★白狐社は一間社(いっけんしゃ)春日造(かすがづくり)の檜皮葺です。
★白狐社には伝承が残されています。船岡山(ふなおかやま)に狐の老夫婦と五匹の子狐が棲んでいました。狐一家は稲荷山に参詣し、使者になることを祈念し、願いが叶って、オスは上社に仕えて小薄(をすすき)、メスは下社に仕えて阿古町(あこまち)と称しました。

【権殿・外拝殿・奥宮(重要文化財)の見どころ解説】

伏見稲荷大社にはいずれも重要文化財に指定されている権殿・外拝殿・奥宮があります。
★権殿は本殿の左後方に建立され、本殿の修理などの際に稲荷大神が一時的に遷される重要な社殿です。権殿は仮殿で、若宮・遷殿と言われています。権殿は1635年(寛永12年)または1639年(寛永12年)に建立されたと言われています。権殿は本殿よりも小さいが、本殿と同じ五間社流造の檜皮葺です。
★外拝殿は舞殿とも言われ、節分祭などの神事や奉納行事が行われ、春の稲荷祭の際に稲荷大神を遷した5基(田中社・上社・下社・中社・四之大神)の神輿を泰安します。外拝殿は軒下(のきした)に星座・黄道十二宮(こうどうじゅうにきゅう)を表す絵柄の鉄灯篭(てつとうろう)が釣られ、ユニークな装飾を確認できます。外拝殿は1589年(天正17年)に建立され、1840年(天保11年)に改築されたと言われています。外拝殿は入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。
★奥宮は下社・中社・上社からなる三社別殿だった時代の上社、または上社に関係する建物とも言われています。奥宮は稲荷大神を祀っています。奥宮は三社殿・上御殿などと言われていたそうです。奥宮は桃山時代(1583年~1603年)に建立されました。奥宮は三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の檜皮葺です。

【御茶屋(重要文化財)の見どころ解説|仙洞御所の遺構】

御茶屋は仙洞御所の遺構で、歴史的に貴重な建物です。御茶屋は書院造(しょいんづくり)から数寄屋造(すきやづくり)に建築様式が移る過程を見ることができる貴重なスポットです。御茶屋は一の間・次の間があり、玄関・車寄が附属しています。一の間は七畳で、付書院(つけしょいん)・違棚(ちがいだな)があり、次の間には縁座敷(えんざしき)があります。
★御茶屋は江戸時代(1603年~1868年)前期に仙洞御所(せんとうごしょ)に造営され、1641年(寛永18年)に祠官(しかん)・羽倉延次(はくらのぶつぐ)が後水尾上皇(後水尾天皇(ごみずのおてんのう))から賜りました。
★御茶屋は桁行約7.6メートル・梁間約7.9メートル、屋根が入母屋造で、上部が桟瓦葺(さんがわらぶき)・腰廻(こしまわり)が檜皮葺です。特徴的な屋根になっています。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
伏見稲荷大社見どころ(稲荷山・御膳谷奉拝所・御幸奉拝所・・・)

【伏見稲荷大社の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
伏見稲荷大社では拝観料がなく、24時間参拝可能です。ただマナーを守りましょう。伏見稲荷大社では例年土用入りした直後の日曜日または祝日に本宮祭が行われ、前夜の宵宮祭とともに石灯篭や提灯に明かりが灯されて幻想的な光景が見られ、見どころになっています。千本鳥居も提灯が灯され、いつもよりも神秘的です。
●住所:京都府京都市伏見区深草藪之内町68
●アクセス:JR奈良線の「稲荷駅」下車徒歩すぐ、京阪本線の「伏見稲荷駅」下車徒歩約5分
*参考・・・伏見稲荷大社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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