伏見稲荷大社の見どころ-修学旅行・観光の簡単まとめ

伏見稲荷大社(Fushimi Inari taisha Shrine)

伏見稲荷大社の国宝・重文などの文化財の見どころ解説

伏見稲荷大社の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには「願い事が通る」や「願いが通った御礼」で奉納された千本鳥居、祭神のお使いを示す狛狐、豊臣秀吉が再建した楼門(重要文化財)などがあります。また本殿・白狐社・おもかる石なども見逃せません。

【祭神・稲荷大神を祀る本殿(重要文化財)の解説】

  • 概要:本殿は千本鳥居に次ぎ、見る価値があるハイライトです。本殿は稲荷大神と言われる宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ・下社)、配神として大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ・上社)・佐田彦大神(さたひこのおおかみ・中社)・田中大神(たなかのおおかみ・下社摂社)・四大神(しのおおかみ・中社摂社)を祀っています。本殿は一つの社殿に五柱の神を合祀する形になっています。
  • 歴史:本殿は1494年(明応3年)または1499年(明応8年)に再建されたと言われています。ちなみに本殿は応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))に伴う1468年(応仁2年)3月の兵火で焼失し、その後同年12月に仮殿が建立されていました。本殿前の内拝殿は1961年(昭和36年)に建立されました。
  • 様式:本殿は五間社(ごけんしゃ)流造(ながれづくり)で、檜皮葺(ひわだぶき)です。本殿は屋根に千木(ちぎ)・鰹木(かつおぎ)がなく、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の影響と言われています。本殿は内陣・外陣に分かれ、内陣が格天井(ごうてんじょう)、外陣が小組(こぐみ)格天井になっています。本殿は軒下に豪華な彫刻があり、懸魚(げぎょ)の金覆輪(きんぷくりん)・垂木鼻(たるきばな)の飾金具・蟇股(かえるまた)の意匠などが豪放で優華な趣きになっています。
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【「願いが通った御礼」などで奉納された千本鳥居の解説】

  • 概要:千本鳥居は絶対に見る価値があります。千本鳥居の奉納には「願い事が通る」・「願い事が通った御礼」という意味があります。千本鳥居は日本人だけでなく、外国人にも人気がある世界的な観光名所です。千本鳥居では1,000本よりも少ない、900基弱(約860基)の鳥居が建立されています。千本鳥居は長さ約70メートルで、左右に分かれて密集するように建立され、七不思議に数えられています。
  • 歴史:千本鳥居の奉納は江戸時代(1603年~1868年)に始まり、その後に盛んになりました。
  • 様式:千本鳥居などの鳥居は柱と笠木(かさぎ)の接合部に台輪を取り付けた稲荷鳥居(台輪鳥居(だいわとりい))です。鳥居は稲荷塗り(稲荷朱(いなりあか))とも言われる朱塗り(しゅぬり)です。鳥居の色は稲荷大神が楓(かえで)を好んだことに由来しています。また破邪(はじゃ)の呪力(じゅりょく)を示すものとも言われています。
  • 豆知識:千本鳥居を含め、伏見稲荷大社には約1万基の鳥居が建立されていると言われています。

【稲荷大神のお使いであることを示す狛狐の解説】

  • 概要:狛狐(こまぎつね)は見逃せません。狛狐はキツネが祭神・稲荷大神のお使い(眷族(けんぞく))とされていることから狛犬(こまいね)の代わりに境内各所に建立されています。ただキツネと言っても野山に生息するキツネではなく、目に見えない透明の白狐(びゃっこ)です。
  • 特徴:狛狐は口に稲穂・巻物・玉(宝珠(ほうじゅ))・鍵(かぎ)を咥え、咥えている物に違いがあります。稲穂は稲荷大神が農業の神であることに由来しています。巻物は知恵を象徴しています。玉と鍵は玉が稲荷大神の霊徳、鍵がその霊徳を身に付ける願望を象徴しています。なお玉と鍵は花火を打ち上げた際、「鍵屋」・「玉屋」という掛け声の由来になっています。

【本殿の修理などの際、稲荷大神が遷される権殿(重要文化財)の解説】

  • 概要:権殿は本殿の修理などの際、稲荷大神の神霊が一時的に遷されました。権殿は本殿の左後方に建立されています。
  • 歴史:権殿は1635年(寛永12年)または1639年(寛永12年)に建立されたと言われています。
  • 様式:権殿は本殿よりも一回り小さい仮殿で、若宮と言われています。権殿は本殿と同じ五間社流造で、檜皮葺です。

【奉納行事が行われる外拝殿(重要文化財)の解説】

  • 概要:外拝殿では献花祭・節分祭など行事・奉納行事が行われたり、春の稲荷祭の際に稲荷大神の神霊を遷した5基(田中社・上社・下社・中社・四之大神)の神輿(みこし)が泰安されたりします。外拝殿は舞殿とも言われています。外拝殿は軒下(のきした)に星座・黄道十二宮(こうどうじゅうにきゅう)を表す絵柄の鉄灯篭(てつとうろう)が釣られています。
  • 歴史:外拝殿は1589年(天正17年)に建立され、1840年(天保11年)に改築されたと言われています。
  • 様式:外拝殿は入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。外拝殿は桁行五間・梁間三間です。

【関白・豊臣秀吉が再建した楼門(重要文化財)の解説】

  • 概要:楼門は見る価値があるハイライトです。楼門には関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)が「病悩平癒祈願が成就すれば一万石奉加する」と記した「命乞い(いのちごい)の願文」が伝えられています。楼門は表参道に建立され、一番鳥居・楼門・外拝殿・内拝殿・本殿が一直線に並んでいます。楼門は伏見稲荷大社の正門で、両側に随神(ずいじん)が置かれ、稲荷大神を守っています。随神は左大臣(さだいじん)が阿形(あぎょう)、右大臣(うだいじん)が吽形(うんぎょう)になっています。
  • 歴史:楼門は1589年(天正17年)に豊臣秀吉が母・大政所(おおまんどころ)の病気回復を祈願して再建しました。1973年(昭和48年)の解体修理の際に願文と同じ「天正17年」の墨書が頭貫(かしらぬき)から発見されました。豊臣秀吉は1588年(天正16年)に伏見稲荷大社に祈願し、母・大政所の病気が回復したと言われています。なお豊臣秀吉は1587年(天正15年)に聚楽第(じゅらくてい)を造営した際、邸内に稲荷社を勧請していました。
  • 様式:楼門は三間一戸(さんげんいっこ)で、入母屋造の檜皮葺です。

【北廻廊(重要文化財)・南廻廊(重要文化財)の解説】

  • 概要:北廻廊・南廻廊は楼門の左右にあり、ほぼ同じ大きさです。大きさは桁行五間・梁間一間です。
  • 歴史:北廻廊・南廻廊は1694年(元禄7年)に建立されました。
  • 様式:北廻廊・南廻廊は切妻造(きりづまづくり)の檜皮葺です。

【稲荷大神を祀る奥宮(重要文化財)の解説】

  • 概要:奥宮は稲荷大神を祀っています。奥宮は下社・中社・上社からなる三社別殿だった時代の上社、または上社に関係する建物と言われています。
  • 歴史:奥宮は桃山時代(1583年~1603年)に建立されました。
  • 様式:奥宮は三間社流造(さんげんしゃながれづくり)で、檜皮葺です。

【稲荷大神の眷属・命婦専女神を祀る白狐社(重要文化財)の解説】

  • 概要:白狐社は稲荷大神の眷属を祀り、鎌倉時代(1185年~1333年)頃から宮廷人が奉幣(ほうへい)を行ていたと言われています。白狐社は命婦専女神(みょうぶとうめのかみ)を祀っています。白狐社は下社・中社・上社からなる三社別殿だった時代の下社の末社・阿古町(あこまち)が起源とされ、白狐霊を祀る唯一の社殿と言われています。
  • 歴史:白狐社は1694年(元禄7年)に建立されました。
  • 様式:白狐社は一間社(いっけんしゃ)春日造(かすがづくり)で、檜皮葺です。
  • 豆知識:白狐社には伝承が残されています。船岡山(ふなおかやま)に狐の老夫婦と五匹の子狐が棲んでいました。狐一家は稲荷山に参詣し、使者になることを祈念しました。願いは叶って、オスは上社に仕えて小薄(をすすき)、メスは下社に仕えて阿古町(あこまち)と称しました。

【仙洞御所から移築された御茶屋(重要文化財)の解説】

  • 概要:御茶屋には一の間・次の間があり、玄関・車寄が附属しています。一の間は七畳で、付書院(つけしょいん)・違棚(ちがいだな)があり、次の間には縁座敷(えんざしき)があります。御茶屋は書院造(しょいんづくり)から数寄屋造(すきやづくり)に移る過程を見ることができます。
  • 歴史:御茶屋は江戸時代(1603年~1868年)前期に仙洞御所(せんとうごしょ)に造営され、1641年(寛永18年)に祠官(しかん)・羽倉延次(はくらのぶつぐ)が後水尾上皇(第108代・後水尾天皇(ごみずのおてんのう))から賜りました。なお仙洞御所は天皇を退位した上皇が住む内裏で、院御所とも言われています。
  • 様式:御茶屋は入母屋造で、上部が桟瓦葺(さんがわらぶき)・腰廻(こしまわり)が檜皮葺です。御茶屋は桁行約7.6メートル・梁間約7.9メートルです。

【石灯籠の空輪を持ち上げるおもかる石の解説】

  • 概要:おもかる石は見逃せない見逃せません。おもかる石は石灯籠(いしどうろ)の空輪(くうりん・宝珠(ほうじゅ))です。おもかる石(石灯籠)は二対あり、どちらを持ち上げてもかまいません。おもかる石は願い事を念じながら持ち上げ、予想よりも軽く感じると願いが叶い、重く感じると願いが叶わないと言われています。おもかる石は七不思議に数えられています。
  • 豆知識:一般的に石燈籠は上部から空輪(宝珠)・笠(かさ)・火袋(ひぶくろ)・中台(ちゆうだい)・竿(さお)・基礎などから構成され、火袋に火が灯されます。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
伏見稲荷大社見どころ(稲荷山・御膳谷奉拝所・御幸奉拝所・・・)

【伏見稲荷大社の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・伏見稲荷大社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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