二条城の見どころ完全ガイド|二の丸御殿などの観光スポット解説

二条城唐門・二条城見どころ

二条城の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

二条城は世界遺産に登録された京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。二条城には徳川家康が建てた二の丸御殿をはじめ、小堀遠州が作庭した二の丸庭園、唐門など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【二の丸御殿(国宝)の見どころ解説|二条城最大の見どころ】

二の丸御殿は二条城観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。二の丸御殿は二条城で最初に造営され、江戸時代前期に徳川家康・秀忠・家光、江戸時代末期に家茂・慶喜が入城し、歴史の舞台になりました。二の丸御殿は建物面積約1千坪で、車寄(くるまよせ)・遠侍(とおざむらい)・式台(しきだい)・大広間・蘇鉄(そてつ)の間・黒書院・白書院が斜めに配置され、鴬張りの廊下(うぐいすばりのろうか)などで繋がれています。畳約800畳敷に33室の部屋があり、狩野探幽(かのうたんゆう)ら狩野派の絵師が描いた障壁画(しょうへきが)などが飾られていました。
★二の丸御殿は1603年(慶長8年)に造営されました。1611年(慶長16年)に徳川家康が関白・豊臣秀吉の子・秀頼と会見し、豊臣家を滅亡させる決意をしたとも言われています。また1867年(慶応3年)に徳川慶喜が大政奉還(たいせいほうかん)の意思を大広間で発表し、武家政治終焉の舞台として有名です。大広間では大政奉還の様子を人形で表現し、見どころになっています。奥中央の人形が徳川慶喜を表していることを確認しましょう。二の丸御殿は徳川家の栄枯盛衰を知る歴史的な価値があります。
★二の丸御殿は武家風書院造(しょいんづくり)です。
★車寄は四半敷き(しはんじき)の玄関で、牛車(御所車(ごしょぐるま))で中に入れます。
★遠侍は二の丸御殿内で最大の床面積を有し、勅使の間では将軍が天皇の使者である勅使を迎え、勅使が上段、将軍が下段に座りました。
★式台では老中が執務を行い、大名と挨拶し、献上品が取り次がれました。
★大広間は最も格式が高く、一の間・二の間では将軍が大名・公卿(くぎょう)衆と対面しました。
★蘇鉄の間には佐賀藩初代藩主・鍋島勝茂(なべしまかつしげ)が献上した蘇鉄があります。
★黒書院は将軍と親藩(しんぱん)大名・譜代(ふだい)大名のみが入室でき、内輪の謁見(えっけん)が行われました。
★白書院は御座(ござ)の間で、将軍の居間・寝室です。白書院は将軍とおつきの女性のみが入室できました。
★鴬張りの廊下は歩くと鴬が鳴くような音が出るように造られています。鴬張りの廊下には床板とそれを支える根太に2個の釘穴がある目かすがい(鎹)と言われる特殊な金具が使われ、床板の上を歩くと目かすがいが上下して釘と擦れ合い、鴬が鳴くような音がします。

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【二の丸庭園(特別名勝)の見どころ解説|池泉回遊式の名園】

二の丸庭園は二条城の美の象徴で、訪れるべきスポットです。二の丸庭園は小堀遠州(こぼりえんしゅう)の代表作とも言われる桃山様式の池泉回遊式の名園で、二条城の中で一番写真・SNS映えします。二の丸庭園は池に蓬莱島・亀島・鶴島があり、亀島・鶴島はどの角度からも鶴と亀に見えるように石組みがされています。また大石橋(自然石)・浮き石などもあります。
★二の丸庭園は1602年(慶長7年)から1603年(慶長8年)頃に小堀遠州が作庭しTた傑作です。1624年(寛永元年)から後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の行幸に伴って一部が改修されました。増築された行幸御殿(ぎょうこうごてん)上段の間(天皇の座)からを第1正面、二の丸御殿大広間上段の間(将軍の座)からを第2正面、二の丸御殿黒書院上段の間(将軍の座)からを第3正面とする三正面式に改修され、複数の視点があることから「八陣の庭(はちじんのにわ)」と言われました。1627年(寛永4年)から行幸御殿などが移築・撤去が行われ、江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の時代に改修され、徳川慶喜の上洛時に池が枯れて枯山水(かれさんすい)風になり、明治維新後に5回以上改修が行なわれました。

【唐門(重要文化財)の見どころ解説|二の丸御殿の正門】

唐門は二の丸御殿の出入口にある正門で、鍮石門(ちゅうせきもん)とも言われています。唐門は冠木(かぶき)・梁(はり)の上に牡丹(ぼたん)に蝶(ちょう)・龍虎(りゅうこ)・亀(かめ)に乗る仙人などの極彩色の彫刻があり、芸術的価値があります。近づいて見上げると美し彫刻が確認できます。
★唐門は1624年(寛永元年)から1626年(寛永3年)に造営されました。2013年(平成25年)に完了した修理の際、天皇家を表す菊の金具下から徳川家の三つ葉葵(みつばあおい)の紋が見付かったのが豆知識です。皇室の別邸「二条離宮」の歴史を感じさせます。
★唐門は四脚門(しきゃくもん・向唐門(むこうからもん))で、屋根が切妻造(きりづまづくり)の檜皮葺です。前後に軒唐破風(のきからはふ)付きです。
★かつての唐門(国宝)は伏見城から二条城に移築され、1627年(寛永4年)に金地院崇伝(以心崇伝)が江戸幕府から譲り受けて南禅寺の塔頭・金地院に移築し、豊国神社再建の際に金地院から豊国神社に移築されました。

【本丸御殿(重要文化財)の見どころ解説|旧桂宮邸】

本丸御殿は明治天皇(めいじてんのう)の意向により、旧桂宮邸が本丸に移築されたものです。旧宮家の邸宅遺構として貴重な建物で、訪れたいスポットです。本丸御殿には玄関・御常御殿(おつねごてん)・御書院・台所・雁之間(がんのま)があります。御常御殿には中二階があり、三階建に見える独特の構造です。
★本丸御殿は二の丸御殿と同じ規模だったが、1788年(天明8年)の天明の大火で焼失しました。現在の本丸御殿は1893年(明治26年)から1894年(明治27年)に京都御所北側にあった旧桂宮邸を移築して再建されました。旧桂宮邸では仁孝天皇(にんこうてんのう)の皇女・和宮(かずのみや)が徳川家茂に降嫁する前に一時住んでいたそうです。また本丸御殿では大正天皇が皇太子時代に約10回滞在したと言われています。

【清流園の見どころ解説|和洋折衷の名園】

清流園(せいりゅうえん)は池泉回遊式山水園と洋風庭園を組み合わせた和洋折衷(わようせっちゅう)の名園です。旧角倉(すみのくら)屋敷の一部と庭石・庭木などが使われ、全国から集められた銘石なども使われています。枝垂桜などの桜が美しく、春に訪れたいスポットです。桜は季節限定の見どころです。
★清流園にはかつて天守閣の一部などがあり、その後在番衆(ざいばんしゅう)の住居になりました。明治維新後に住居が撤去されて緑地に整備され、1915年(大正4年)に大正天皇即位式饗宴(きょうえん)の儀の会場になり、その後造園家・小川治兵衛(おがわじへえ)が疎林(そりん)式庭園に作庭しました。1950年(昭和25年)に進駐軍のテニスコートに転用されたが、その後「昭和の小堀遠州」と称えられた造園家・中根金作(なかねきんさく)が中心になって設計し、1965年(昭和40年)に完成しました。清流園の名称は京都市長が名付けました。
★1986年(昭和61年)にイギリスのチャールズ皇太子・ダイアナ元皇太子妃が来日した際、清流園でガーデンパーティーが行われたのが豆知識です。

【本丸庭園の見どころ解説|芝庭風築山式の名園】

本丸庭園は芝庭風築山式(しばにわふうつきやましき)の名園です。芝生や植樹を中心に東南角に築山(月見台)が築かれ、芝生が敷き詰められ、曲線的に園路が設けられています。
★本丸庭園は1788年(天明8年)の天明の大火で空地になり、幕末に徳川慶喜の居室が建てられた際に茶庭(ちゃてい)風に作庭されたと言われています。その後居室が撤去されて空地に戻り、1893年(明治26年)からの本丸御殿移築に伴って、枯山水庭園に作庭されました。その後1895年(明治28年)に明治天皇が改修を命じ、1896年(明治29年)に芝庭風築山式庭園が完成しました。

【東南隅櫓・西南隅櫓(重要文化財)の見どころ解説】

東南隅櫓・西南隅櫓はいずれも重要文化財に指定され、二条城の東南角に東南隅櫓、西南角に西南隅櫓が造営されています。東北隅櫓・北西隅櫓も造営されていたが、1788年(天明8年)の天明の大火で焼失しました。
★東南隅櫓・西南隅櫓は慶長年間(1596年~1615年)に造営され、寛永年間(1624年~1645年)に改修されました。
★東南隅櫓・西南隅櫓は二重二階櫓で、屋根が入母屋造の本瓦葺です。多門塀が付属しています。

【本丸櫓門(重要文化財)の見どころ解説|本丸の正門】

本丸櫓門は本丸の正門で、内堀に掛かる東橋を渡った場所に造営されています。本丸櫓門は1788(天明8年)の天明の大火で焼失を免れ、本丸内で唯一焼け残った建築物です。
★本丸櫓門は1626年(寛永3年)に造営されました。
★本丸櫓門は入母屋造の本瓦葺で、北側・南側に袖塀(そでべい)が付属しています。

【東大手門・北大手門(重要文化財)の見どころ解説】

東大手門・北大手門はいずれも重要文化財に指定され、東側の堀川通に東大手門、北側の竹屋町通に北大手門が建てられています。東大手門は二条城の正門で、観光客や修学旅行生を向かい入れます。
★東大手門は1662年(寛文2年)に造営されました。東大手門は1626年(寛永3年)に後水尾天皇が行幸した際に上から見下ろす櫓門から一重門(いちじゅうもん)に変えられ、1662年(寛文2年)に櫓門に戻されました。北大手門は慶長年間(1596年~1615年)に造営され、寛永年間(1624年~1645年)に改修されました。
★東大手門・北大手門は入母屋造の本瓦葺です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
二条城見どころ(堀(外堀・内堀)・石垣など)

【二条城の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
二条城ではライトアップを伴う様々なイベントが行われており、昼間と違った姿が見られます。
●住所:京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
●アクセス:地下鉄東西線の「二条城前駅」下車徒歩すぐ、バスの「二条城前」下車徒歩すぐ
*参考・・・ 二条城(見どころ・アクセス・・・)公式ホームページ

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