西本願寺見どころの簡単まとめ-御影堂(国宝)・飛雲閣

西本願寺見どころ-修学旅行・観光見学ガイド
西本願寺見どころを簡単にまとめてポイント解説します。修学旅行・観光の見どころには江戸時代の木造建築物として最大級と言われる最大のハイライトである貴重な御影堂(国宝)や阿弥陀堂(国宝)・美しい飛雲閣(国宝)などがあります。なお西本願寺では文化財(国宝・重要文化財・名勝・史跡)を中心に解説しています。(個別解説下記参照)
【西本願寺の修学旅行・観光ポイント】
西本願寺の修学旅行・観光ポイントは受難(破却・合戦・火災)です。西本願寺は1272年(文永9年)に親鸞聖人の末娘・覚信尼が親鸞聖人の遺骨を改葬し、東山吉水北に六角の廟堂を建立したのが起源です。1438年(永亨10年)に御影堂・阿弥陀堂が建立されたが、1465年(寛正6年)に延暦寺の衆徒によって破却されました。1478年(文明10年)に山科に山科本願寺が再興されたが、1532年(天文元年)に六角定頼らによって焼き払われ、翌1533年(天文2年)から寺基が大阪の石山本願寺に移されました。しかし1570年(元亀元年)に織田信長との石山合戦が始まり、1580年(天正8年)に和議を結んで寺基を和歌山鷺森に移し、更に大阪貝塚に移しました。その後関白・豊臣秀吉から1582年(天正10年)に大坂天満の土地を寄進され、更に1591年(天正19年)に京都堀川六条の土地を寄進されて移り、1592年(文禄元年)に阿弥陀堂・御影堂が完成しました。西本願寺は教科書に載っている歴史上の人物とゆかりがあることが分かります。
【御影堂(国宝)・親鸞聖人坐像】★修学旅行・観光見学
御影堂は修学旅行・観光で絶対見る価値がある最大のハイライトです。御影堂は親鸞聖人坐像を安置し、西本願寺の象徴的な建物です。御影堂は境内で最大の建物で、大きさに圧倒されて言葉を失います。圧巻の御影堂はインスタ映えします。
- 見どころポイント:御影堂は内陣に浄土真宗の開祖・親鸞聖人坐像を安置しています。また両脇に歴代宗主(そうしゅ)の影像(えいぞう)、両余間に十字名号(帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい))・九字名号(南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい))を祀っています。御影堂は内陣正面に額「見真」が掛けられています。なお御影堂では重要な行事が行われます。
- 歴史ポイント:御影堂は1636年(寛永13年)に再建されました。その後宝暦年間・文化年間・安政年間・明治時代に修復が行われ、1999年(平成11年)から2009年(平成21年)に大修復が行われました。ちなみに御影堂は1591年(天正19年)の京都移転後に建立されたが、1596年(慶長元年)に大地震で倒壊し、翌1597年(慶長2年)に再建されたが、1617年(元和3年)に失火で焼失しました。
- 様式ポイント:御影堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。御影堂は向拝(こうはい)三間です。御影堂は南北約62メートル・東西約48メートル・高さ約29メートルです。江戸時代初期の木造建築物としては日本最大級です。なお御影堂では瓦が約11万5千枚も使われ、屋根の重さだけでも約12,000トンにもなります。高さ約29メートルにある大棟獅子口瓦(おおむねししぐちがわら)は約40枚の瓦を組み合わせて作られ、縦横約1.7メートル・奥行き約1.1メートル・重さ約2.2トンにもなります。
- 構造ポイント:御影堂は内陣・外陣に分けられます。内陣は270畳、外陣は畳441畳敷で、1,200人も収容できるそうです。
- 豆知識:西本願寺では1438年(永亨10年)に御影堂と阿弥陀堂が別置されと言われ、それ以前は親鸞聖人の影像の横に阿弥陀仏像を安置していました。
- 行事・・御影堂では例年1月に御正忌報恩講(ごしょうきほうおんこう)が行われ、親鸞聖人のご恩を偲び、親鸞聖人が作ったお経・念仏正信偈(ねんぶつしょうしんげ)が唱えられます。また例年12月20日に阿弥陀堂とともに御煤払(おすすはらい)が行われ、1年間に積もった埃(ほこり)を外に出し、1年間の無事を喜びます。
【阿弥陀堂(国宝)・阿弥陀如来立像】★修学旅行・観光見学
阿弥陀堂は御影堂に次いで、修学旅行・観光で見る価値があるハイライトです。阿弥陀堂は御影堂に比べると少し小さいが、西本願寺の本堂にあたり、最初に参拝しましょう。阿弥陀堂はインスタ映えします。
- 見どころポイント:阿弥陀堂は内陣に本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)立像を安置しています。また両脇に龍樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)・天親菩薩(てんじんぼさつ)・曇鸞大師(どんらんだいし)・道綽禅師(どうしゃくぜんじ)・善導大師(ぜんどうだいし)・源信和尚(げんしんかしょう)、両余間に法然聖人(ほうねんしょうにん)と聖徳太子(しょうとくたいし)の影像を祀っています。
- 歴史ポイント:阿弥陀堂は1760年(宝暦10年)に再建されました。その後1985年(昭和60年)に修復が行われました。2017年(平成29年)から修復が始まり、2022年(令和4年)3月に完了する予定です。ちなみに阿弥陀堂は1591年(天正19年)の京都移転後に建立されたが、1617年(元和3年)に失火で焼失し、翌1618年(元和4年)に仮御堂として再建されました。
- 様式ポイント:阿弥陀堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。阿弥陀堂は向拝三間です。阿弥陀堂は南北約45メートル・東西約42メートル・高さ約25メートルです。なお阿弥陀堂では瓦が約9万5千枚も使われ、屋根の重さだけでも約7,200トンにもなります。
- 構造ポイント:阿弥陀堂は内陣・外陣に分けられます。外陣は畳285畳敷で、800人も収容できます。
- 行事・・阿弥陀堂では例年菊が見ごろを迎える時期に前庭で献菊展(けんかてん)が行われ、菊に彩られます。
【白書院がある書院(国宝)】
白書院は見逃せない存在で、チャンスがあれば拝観しましょう。
- 見どころポイント:書院は白書院・対面所・控えの間などがあります。白書院は賓客(ひんきゃく)接待や門主対面の儀式に使用されます。対面所は門主と門徒の対面などに使用されます。
- 歴史ポイント:書院は対面所が1618年(元和4年)に再建され、白書院は対面所建立以前に建立されたと言われています。その後対面所・白書院が合体したと言われています。
- 様式ポイント:書院は豪壮華麗(ごうそうかれい)な書院造(しょいんづくり)です。書院は屋根が入母屋造の本瓦葺です。書院は正面・奥行が桁行38.5メートル・梁間29.5メートルです。
- 白書院:白書院には一の間・二の間・三の間があります。一の間は紫明(しめい)の間と言われ、最重要の間です。三の間は孔雀(くじゃく)が描かれ、孔雀の間と言われています。
- 対面所:対面所は203畳敷きの大広間で、上段・下段があります。対面所は欄間(らんま)に雲中飛鴻(ひこううんちゅう)の彫刻があり、鴻(おおとり)の間と言われています。
- 控えの間:控えの間には雀(すずめ)の間・雁(がん)の間・菊(きく)の間があります。控えの間は描かれた襖絵などから雀の間・雁の間・菊の間と言われています。
- 七不思議:書院では抜け雀・逆遠近法の障壁画が七不思議に数えられています。
【門主室がある黒書院(国宝)】
黒書院は見逃せない存在で、チャンスがあれば拝観しましょう。
- 見どころポイント:黒書院は内向きの接客や寺務(じむ)に使用されました。黒書院には一の間・二の間・茶室・鎖(くさり)の間・広敷(ひろしき)などがあります。一の間では門主が寺務を行い、門主室と言われています。
- 歴史ポイント:黒書院は1657年(明暦3年)に建立されたとも言われています。
- 様式ポイント:黒書院は屋根が寄棟造(よせむねづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。黒書院は正面・奥行が桁行正面六間・背面七間・梁間左側面四間・右側面六間です。
- 七不思議:黒書院は梟の灯籠が七不思議に数えられています。
【飛雲閣(国宝)・京の三閣】★修学旅行・観光見学
飛雲閣は見る価値があるハイライトです。飛雲閣は西本願寺内で異彩の存在で、金閣寺の金閣・銀閣寺の銀閣とともに京の三閣に数えられています。飛雲閣は変化に富んだ意匠や外観に魅了されます。飛雲閣はインスタ映えします。
- 見どころポイント:飛雲閣は滴翠園(てきすいえん)の滄浪池(そうろうち)に面して建てられています。飛雲閣は全体的に柱が細く、障子(しょうじ)が多いことから空に浮かぶ雲のようだということから飛雲閣と名付けられたと言われています。
- 歴史ポイント:飛雲閣は1573年(天正元年)~1614年(慶長19年)に建てられたと言われています。2017年(平成29年)7月~2020年(令和2年)4月に修復が行われました。ちなみに飛雲閣は関白・豊臣秀吉が造営した聚楽第(じゅらくてい)の一部とも言われています。
- 様式ポイント:飛雲閣は三階建ての楼閣(ろうかく)建築です。初層(1階)は屋根が入母屋造、二層(2階)・三層(3階)は屋根が寄棟造のこけら葺です。飛雲閣は正面・奥行が北面・南面約25.8メートル、東面約11.8メートル、西面約12.5メートルです。
- 構造ポイント:飛雲閣は初層に主室の招賢殿(しょうけんでん)・八景の間・舟入の間・茶室の憶昔(いくじゃく)、二層に三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)が描かれた歌仙の間があります。三層は摘星楼(てきせいろう)と言われる庭園と一体となった構造になっています。
【日本最古の舞台である北能舞台(国宝)】
- 見どころポイント:北能舞台は白書院の前にあります。北能舞台には脇座・橋掛が付属しています。北能舞台では音響効果を高める為に7つの甕(かめ)が埋められ、周囲には鴨川石(かもがわいし)が敷き詰められています。
- 歴史ポイント:北能舞台は1581年(天正9年)に建てられ、元和年間(1615年~1624年)に現在の場所に移されたとも言われています。北能舞台は日本最古の舞台とも言われています。
- 様式ポイント:北能舞台は屋根が正面入母屋造・背面切妻造(きりづまづくり)のこけら葺です。北能舞台は正面・奥行が桁行一間(約5.1メートル)・梁間一間(約5.7メートル)です。
【唐門(国宝)・日暮らし門】★修学旅行・観光見学
唐門は修学旅行・観光で見る価値があるハイライトです。唐門は西本願寺境外からも眺めることができます。唐門は時間を忘れるほどの美しさから日暮らし門と言われています。
- 見どころポイント:唐門は東西南北に雲と麒麟(きりん)・牡丹(ぼたん)と唐獅子(からじし)・竹と虎などの彩色彫刻が施されてます。彫刻は見事さに日が暮れるのを忘れることから日暮らし門(ひぐらしもん・日暮門)と言われ、七不思議に数えられています。
- 歴史ポイント:唐門は1573年(天正元年)~1614年(慶長19年)に伏見城に建ってられ、1618年(元和4年)に伏見城から移されたとも言われています。唐門は西本願寺最古の建物とも言われています。2018年(平成30年)6月から修復が始まり、2022年(令和4年)3月に完了する予定です。
- 様式ポイント:唐門は四脚門(しきゃくもん)です。唐門は前後唐破風造(からはふづくり)・側面入母屋造で、屋根が檜皮葺(ひわだぶき)です。唐門は高さ約8.67メートル・幅約5.37メートル・奥行約4.4メートルです。
- 行事:唐門はかつて1年に1回儀式の為に開門されていたが、1984年(昭和59年)以降は開門されなくなりました。2017年(平成29年)5月21日に修復工事を前に34年振りに1日だけ開門されました。
【経蔵(重要文化財)・転輪蔵】
- 見どころポイント:経蔵には回転式の転輪蔵(てんりんぞう)があり、一切経(いっさいきょう・大蔵経(だいぞうきょう))が納められています。また経蔵は傅大士居士(ふだいしこじ)像などを安置しています。
- 歴史ポイント:経蔵は1678年(延宝6年)に第14代・寂如(じゃくにょ)が建立しました。
- 様式ポイント:経蔵は一重もこし付きで、屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺です。経蔵は正面・奥行が桁行一間・梁間一間です。
【浴室(重要文化財)・黄鶴台】
- 見どころポイント:浴室(蒸風呂・鉄釜)は飛雲閣と廊下で繋がっている黄鶴台(おうかくだい)の別棟にあります。浴室には西南隅に唐破風がある蒸風呂と鉄釜などがあります。蒸風呂は窓や板戸の開閉により、温度を調節するそうです。
- 歴史ポイント:浴室は1573年(天正元年)~1614年(慶長19年)に建てられました。
- 様式ポイント:浴室は屋根が寄棟造のこけら葺です。浴室は正面・奥行が桁行十一間・梁間四間です。
【太鼓楼(重要文化財)・新撰組】★修学旅行・観光見学
太鼓楼は見逃せない存在です。太鼓楼は幕末に新撰組(しんせんぐみ)の屯所(とんしょ)が一時的に置かれ、刀傷が残っています。太鼓楼は幕末の京都を感じることができます。
- 見どころポイント:太鼓楼には金宝寺から寄進された大太鼓などが置かれました。太鼓楼は江戸時代に時刻を告げていました。太鼓楼は七不思議に数えられています。
- 歴史ポイント:太鼓楼は1789年(寛政元年)に建立されました。
- 様式ポイント:太鼓楼は重層(二重)の楼閣です。太鼓楼は屋根が入母屋造の本瓦葺です。太鼓楼は正面・奥行が桁行四間・梁間四間です。
【日本一大きい南能舞台(重要文化財)】
- 見どころポイント:南能舞台は対面所の前にあります。南能舞台は日本一の大きさと言われています。南能舞台では例年5月21日に宗祖降誕会(こうたんえ)の祝賀能(しゅくがのう)が行われています。
- 歴史ポイント:南能舞台は江戸時代前期に建てられました。
- 様式ポイント:南能舞台は屋根が切妻造の檜皮葺です。南能舞台は正面・奥行が桁行一間・梁間一間です。
●上記以外の見どころは下記リンクから確認することができます。
西本願寺見どころ(伝道院・虎渓の庭など)
【西本願寺見どころ-修学旅行・観光見学ガイド 備考(参考リンク・・・)】
西本願寺を修学旅行・観光で訪れるなら紅葉シーズン(11月下旬頃~12月上旬頃)がおすすめです。西本願寺では樹齢400年とも言われる逆さ銀杏(京都市の天然記念物)や大イチョウが植えられ、紅葉シーズンに一味違った情景が見られます。なお植物の見ごろはその年の気象条件の影響を受けます。
*参考・・・西本願寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ