清水寺の見どころ完全ガイド|清水の舞台などの観光スポット解説

清水寺見どころ(Kiyomizu-dera Temple)

清水寺の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

清水寺は世界遺産に登録された京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。清水寺には「清水の舞台」で知られる本堂をはじめ、願いが叶うとされる音羽の滝、シンボルである三重塔など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式・信仰背景なども交えて紹介します。

【本堂(国宝)と清水の舞台の見どころ解説|清水寺最大の見どころ】

本堂と清水の舞台は清水寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。本堂は「清水の舞台から飛び降りる」という言葉の由来になった清水の舞台があり、写真映えします。本堂は内々陣に本尊・十一面千手観音(じゅういちめんせんじゅかんのん)立像を安置し、厳粛な雰囲気に包まれた観音霊場の中心地です。
★本堂は奈良時代(710年~794年)後期に坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が自邸を寄進して創建されたと言われています。現在の本堂は1633年(寛永10年)に江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)の寄進で再建されました。
★本堂は音羽山の崖である錦雲渓(きんうんけい)の斜面に建てられた懸造(かけづくり・舞台造)です。崖に建てられた理由は観音菩薩が八角の形状をした険しい補陀落山(ふだらくさん)に降り立つという仏典「観音経」に由来していることが豆知識です。本堂は棟高約18メートル・正面約36メートル・側面約30メートルで、内々陣・内陣・外陣・舞台に分かれています。屋根は寄棟造(よせむねづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)で、美しい曲線美は「照り起(むく)り」と言われています。
★清水の舞台は最長約12メートル・周囲約2メートルの柱など139本のケヤキ(欅)を釘(くぎ)を1本も使わずに地獄止めで組み上げられ、建築物として価値があります。真下から見上げると構造が確認できます。舞台は高さ約13メートルで、正面約18メートル・側面約10メートル・面積約190平方メートルです。本尊に芸能を奉納する場所で、両脇の翼廊(よくろう)が楽舎に使われました。
★「清水の舞台から飛び降りる」は「清水の観音さまに一心に祈って飛ぶと、命も助かり願いも叶う」という観音信仰に由来しています。江戸時代に235件(全体で237件)の投身があったと言われ、明治時代に飛び降り禁止令が出されました。

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【十一面千手観音立像の見どころ解説|清水寺の本尊】

十一面千手観音立像は清水寺の本尊で、西国三十三所の第16番札所になっており、清水寺を訪れた際に最初にお参りしたい仏様です。十一面千手観音立像は33年に1度開扉される秘仏で、写真すら公開されておらず、本尊を模したお前立ち像の写真が公表されています。
★十一面千手観音立像は延鎮上人(えんちんしょうにん)・賢心(けんしん)が観音の化身とされる行叡居士(ぎょうえいこじ)とこの地で出会い、行叡居士が残した霊木で刻んだのが始まりと言われています。その後焼失し、現在の十一面千手観音立像は1220年(承久2年)頃に再造されたと言われています。
★十一面千手観音立像は像高約173センチで、台座から光背までの高さが約260センチです。檜(ひのき)材の寄木造(よせぎづくり)で、彩色が施されない素地仕上げ、眉間(みけん)の白毫(びゃくごう)に水晶が嵌められています。お前立ち像は本尊と同じ姿の縮尺仏で、像高約138センチです。

【音羽の滝の見どころ解説|清水寺の名前の由来になった霊水】

音羽の滝は清水寺の名前(寺号)の由来になった霊水です。音羽の滝は3本の筧(かけい)から水が流れ落ち、いずれも所願成就(しょがんじょうじゅ)のご利益があるとされています。また向かって左の筧に学問成就、中央に恋愛成就、右に延命長寿のご利益があるとも言われています。音羽の滝は大変人気で、ご利益を授かろうと観光客や修学旅行生が長い列を作ります。
★音羽の滝の飲み方は先ず音羽の滝の奥の祠(ほこら)に祀られている不動明王(ふどうみょうおう)に静かに手を合わせ、その後1本の筧を選び、不動明王を向かって願を念じながら一口だけ飲みます。水は吐き出してはいけません。柄杓(ひしゃく)を返す際には仏教的な意味合いも込めて3回丁寧に洗い流すのが豆知識です。
★音羽の滝は音羽山の山中から湧き、一度も涸れたことがないと言われています。水温は11~12度で、硬度が低い軟水です。かつては黄金水・延命水とも言われ、古くから修験道(しゅげんどう)の滝行が行われて足元に滝行の足場となる石が置かれています。

【奥の院(重要文化財)の見どころ解説|本堂を望むビュースポット】

奥の院は本堂・清水の舞台を望む人気のビュースポットで、観光客や修学旅行生が写真撮影する定番スポットです。桜・紅葉シーズンとライトアップ期間は圧巻の絶景が見られます。奥の院は秘仏・千手観音坐像(重要文化財)を安置しています。清水寺は法相宗(ほっそうしゅう)に加え、真言宗(しんごんしゅう)兼学だった為、真言庵と言われ、真言宗の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海(くうかい)坐像も安置しています。
★奥の院は行叡居士・延鎮上人の草庵跡と言われ、歴史的に価値があります。現在の奥の院は1633年(寛永10年)に再建されました。
★奥の院は音羽の滝の上に建てられ、本堂と同じ懸造(舞台造)で、屋根が寄棟造の檜皮葺です。

【三重塔(重要文化財)の見どころ解説|清水寺のシンボル】

三重塔は高さ約31メートルで、清水寺のシンボルです。京都市街地からも遠くに眺められるランドマークにもなっています。美しい朱塗りの三重塔は人気の撮影対象としてフォトジェニックで、写真映えします。三重塔は真言密教の教主である大日如来(だいにちにょらい)像を安置し、内部に曼荼羅(まんだら)の密教世界が表現され、天井や柱などに密教仏画などが極彩色で描かれています。
★三重塔は847年(承和14年)に創建されたと言われています。現在の三重塔は1632年(寛永9年)に再建されました。
★三重塔は三間三重塔婆(さんげんさんじゅうとうば)で、屋根が本瓦葺(ほんがわらぶき)です。東南の鬼瓦が水神の龍になっており、七不思議に数えられていることが豆知識です。

【子安塔(重要文化財)の見どころ解説|安産祈願のパワースポット】

子安塔は安産祈願のパワースポットとして大変人気です。子安塔は子安観音像(千手観音像)を安置し、安産のご利益があると言われ、古くから妊婦などに信仰されました。子安観音は「お産が寧か(やすらか)になるように」と祈願した為、参道が産寧坂(三年坂)と言われる由来になったと言われていることが豆知識です。
★子安塔は寛永年間(1624年~1643年)頃に再建されたと言われています。1911年(明治44年)に仁王門の左手前から現在の場所に移築されました。
★子安塔は高さ約15メートルの三間三重塔婆(三重塔)で、屋根が檜皮葺です。子安塔は三重塔よりも小さいが、隠れた見どころです。
★子安塔は奈良時代に聖武天皇(しょうむてんのう)と光明皇后(こうみょうこうごう)の祈願所で、光明皇后が孝謙天皇(こうけんてんのう)・称徳天皇(しょうとくてんのう)となる阿倍内親王(あべないしんのう)を安産したと言われていることが豆知識です。

【開山堂(重要文化財)の見どころ解説|清水寺の歴史を伝える聖域】

開山堂は清水寺の草創に関り、元祖とされる行叡居士像、開山とされる延鎮上人像、本願とされる坂上田村麻呂・高子夫妻像を安置しています。清水寺の歴史を今に伝える聖域で、立ち寄りたいスポットです。開山堂は坂上田村麻呂を主人公にした謡曲「田村」で田村堂と謡われ、田村堂と言われています。
★開山堂は1633年(寛永10年)に再建されました。
★開山堂は同系統の色を淡色から濃色に変化させて塗る繧繝(うんげん)彩色という珍しい技法が施されています。屋根は入母屋造の檜皮葺です。

【仁王門(重要文化財)の見どころ解説|清水寺の表玄関】

清水寺の表玄関で、観光客や修学旅行生を向かい入れるのが仁王門です。仁王門は朱塗りで「赤門」と言われる見どころです。仁王門は仁王(におう)とも言われる金剛力士(こんごうりきし)像を安置し、三蹟(さんせき)に数えられた藤原行成(ふじわらのゆきなり)筆の扁額(へんがく)「清水寺」が掛けられています。
★仁王門は応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))で焼失し、室町時代後期(16世紀初頭)に再建されました。
★仁王門は棟高約14メートル・幅約10メートル・奥行き約5メートルの三間一戸(さんがんいっこ)の楼門(ろうもん)で、屋根は入母屋造の檜皮葺です。

【釈迦堂・阿弥陀堂・朝倉堂(重要文化財)の見どころ解説】

清水寺にはいずれも重要文化財に指定されている釈迦堂・阿弥陀堂・朝倉堂があり、見逃せないスポットです。
★釈迦堂は釈迦如来(しゃかにょらい)を安置しています。朱い漆塗り(うるしぬり)の来迎柱(らいごうばしら)が使われ、天井に天女(てんにょ)像が描かれています。釈迦堂は1631年(寛永8年)に再建されたが、1972年(昭和47年)に集中豪雨で倒壊し、1975年(昭和50年)に旧材で復元されました。釈迦堂は寄棟造の檜皮葺です。
★阿弥陀堂は西方極楽浄土の教主である阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像を安置しています。全体が美しい極彩色に飾られ、天井に迦陵頻伽(かりょうびんが)の文様が施されています。阿弥陀堂は1631年(寛永8年)に再建されました。阿弥陀堂は入母屋造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。阿弥陀堂は1188年(文治4年)に浄土宗の宗祖・法然上人(ほうねんしょうにん)が念仏を修したことから日本初の常行念仏道場と言われ、後柏原天皇筆の勅額「日本最初常行念仏道場」が掛けられています。
★朝倉堂は観音菩薩を篤く信仰し、清水寺再興の大勧進に対して最大の寄進をした守護大名・朝倉貞景(あさくらさだかげ)の寄進で華三昧堂(ほっけさんまいどう)として創建されました。朝倉堂は秘仏・千手観音像を安置しています。朝倉堂は1633年(寛永10年)に再建されました。朝倉堂は入母屋造の本瓦葺です。朝倉堂はかつて本堂と同じ懸造(舞台造)だったが、1633年(寛永10年)の再建時に平地建てに変更されました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
清水寺見どころ(梵鐘・随求堂・中興堂・・・)

【清水寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
清水寺では桜・紅葉シーズンに例年ライトアップを行っており、昼間には見られない神秘的な絶景が見られ、ライトアップが見どころになっています。例年8月9日から16日の千日詣りの内、14日から16日は宵詣りができ、昼間と違った夜間参拝ができます。なお例年10月に乳がんの早期発見啓発を目的とするピンクライトアップも行っています。
●住所:京都府京都市東山区清水1-294
●アクセス:京都駅からはバス「清水道」または「五条坂」下車徒歩約10分、京阪本線の「清水五条駅」下車徒歩約22分
*参考・・・清水寺(見どころ・アクセス・・・)公式ホームページ

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