東本願寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
東本願寺の見どころは御影堂・阿弥陀堂・御影堂門・菊の門・渉成園などです。
東本願寺の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには木造建築として世界最大とも言われる御影堂(重要文化財)、京都三大門に数えられる御影堂門(重要文化財)、渉成園(名勝)などがあります。また阿弥陀堂・菊の門等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 木造建築として世界最大とも言われる御影堂(重要文化財)
- 本尊・阿弥陀如来を祀り、本堂にあたる阿弥陀堂(重要文化財)
- 京都三大門に数えられている御影堂門(重要文化財)
- 門扉に菊の紋がある菊の門(登録有形文化財)
- 飛地境内で、枳殻邸とも言われる渉成園(名勝)
【東本願寺の歴史・簡単概要】
東本願寺は1602年(慶長7年)に本願寺11世・顕如の長男で、真宗大谷派12代門首・教如が江戸幕府初代将軍・徳川家康から寺地を寄進され、西本願寺の東に開山しました。その結果本願寺は東西に分立することになりました。その後度々火災に見舞われ、「火出し本願寺」と揶揄されました。1864年(元治元年)の禁門の変(元治の大火)のどんどん焼け後に再建されました。
【木造建築として世界最大とも言われる御影堂(重要文化財)-見どころ】
- 概要:御影堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。御影堂は木造建築として世界最大とも言われています。御影堂は内陣・外陣・参拝席に分かれ、内陣に本間・十字の間・九字の間・飛檐(ひえん)の間・六軸の間・新六軸の間・御簾(みす)の間があります。御影堂は本間の須弥壇(しゅみだん)に御真影(宗祖・親鸞聖人(しんらんしょうにん)の坐像)を安置しています。また御影堂は十字の間に「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」、九字の間に「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」の九字名号を祀っています。
- 歴史:御影堂は1864年(元治元年)に禁門の変で焼失し、1895年(明治28年)に再建されました。なお御影堂は第122代・明治天皇(めいじてんのう)から親鸞聖人に「見真大師」の大師諡号が贈られたことから大師堂とも言われていました。
- 様式:御影堂は和様(わよう)の道場形式の堂宇です。御影堂は一見二層に見えるもこし(裳階)付きで、入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。御影堂は南北約76メートル・東西約58メートル・高さ約38メートです。御影堂は瓦が175,967枚も使われていました。
- 行事:御影堂では例年12月20日にお煤払い(おすすはらい)が行われ、割り竹での畳を叩き、約2メートルの大うちわで埃(ほこり)を外に出します。お煤払いは新年を迎える為の迎春行事です。
【本尊・阿弥陀如来を祀り、本堂にあたる阿弥陀堂(重要文化財)-見どころ】
- 概要:阿弥陀堂は御影堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。阿弥陀堂は東本願寺の本堂だが、御影堂と比べると床面積が半分以下です。阿弥陀堂は内陣・外陣・参拝席に分かれ、内陣本間の須弥壇に東本願寺の本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)立像を安置しています。また右側に聖徳太子(しょうとくたいし)御影の絵像、左側に源空上人(げんくうしょうにん)御影の絵像、北余間に龍樹大士(りゅうじゅだいし)御影・天親菩薩(てんじんぼさつ)御影・曇鸞和尚(どんらんおしょう)御影の絵像、南余間に道綽禅師(どうしゃくぜんじ)御影・善導大師(ぜんどうだいし)御影・源信僧都(げんしんそうず)御影の絵像を祀っています。
- 歴史:阿弥陀堂は1895年(明治28年)に再建されました。
- 様式:阿弥陀堂は禅宗様(ぜんしゅうよう)を取り入れた仏堂です。阿弥陀堂は入母屋造の本瓦葺です。阿弥陀堂は南北約52メートル・東西約47メートル・高さ約29メートルです。
【大寝殿(登録有形文化財)・大玄関(登録有形文化財)-見どころ】
- 概要:大寝殿には竹内栖鳳(たけうちせいほう)が描いた障壁画が飾られています。大寝殿・大玄関は大寝殿が江戸時代(1603年~1868年)末期に江戸幕府15代将軍・徳川慶喜(とくがわよしのぶ)の宿所に充てられました。大寝殿には日本画家・竹内栖鳳が描いた障壁画があります。
- 歴史:大寝殿は1868年(明治元年)に建立されました。大玄関は1867年(慶応3年)に建立されました。大玄関は山内最古の建物です。
- 様式:大寝殿・大玄関は瓦葺です。
【京都三大門に数えられている御影堂門(重要文化財)-見どころ】
- 概要:御影堂門は修学旅行・観光で見逃せません。御影堂門は高さ約28メートルで、知恩院(ちおんいん)の山門・南禅寺(なんぜんじ)の山門とともに京都三大門とも言われています。御影堂門は上層に釈迦如来(しゃかにょらい)像を中心に弥勒菩薩(みろくぼさつ)像・阿難尊者(あなんそんじゃ)像を安置しています。御影堂門には扁額(へんがく)「真宗本廟」が掛けられています。
- 歴史:御影堂門は1911年(明治44年)に再建されました。
- 様式:御影堂門は三門形式の二重門(にじゅうもん)です。御影堂門は入母屋造の本瓦葺です。
【唐門として建立された阿弥陀堂門(重要文化財)-見どころ】
- 概要:阿弥陀堂門は段差の無いバリアフリーになっています。阿弥陀堂門では門扉が幕末の火災で焼失を免れたと言われています。
- 歴史:阿弥陀堂門は1911年(明治44年)に再建されました。ちなみに阿弥陀堂門は江戸時代(1603年~1868年)中期頃に唐門として建立されました。
- 様式:阿弥陀堂門は四脚門(しきゃくもん)です。御影堂門は切妻造(きりづまづくり)の檜皮葺です。
【門扉に菊の紋がある菊の門(登録有形文化財)-見どころ】
- 概要:菊の門(勅使門)は黒漆塗りで、極彩色の文様が施されています。菊の門は門扉に菊の紋があることから菊の門と言われています。菊の門は勅使門とも言われています。
- 歴史:菊の門は1911年(明治44年)に宗祖650年遠忌事業として再建されました。
- 様式:菊の門は四脚門です。菊の門は前後唐破風(からはふ)付きで、左右切妻造の檜皮葺です。
【棟梁・市田辰蔵によって建立された玄関門(登録有形文化財)-見どころ】
- 概要:玄関門は棟梁・市田辰蔵によって建立されました。
- 歴史:玄関門は1911年(明治44年)に再建されました。
- 様式:玄関門は薬医門(やくいもん)です。玄関門は瓦葺です。
【2010年に鋳造された梵鐘を釣る鐘楼(重要文化財)-見どころ】
- 概要:鐘楼は2010年(平成22年)に鋳造された梵鐘を釣っています。
- 歴史:鐘楼は1894年(明治27年)に建立されました。
- 様式:鐘楼は総欅造(そうけやきづくり)です。鐘楼は入母屋造の檜皮葺です。
【境内などを囲む築地塀(登録有形文化財)-見どころ】
- 概要:築地塀には御影堂門北側築地塀・御影堂門南側築地塀・阿弥陀堂門南側築地塀・菊の門北側築地塀・玄関門北側築地塀があります。
【総合窓口・総合案内所である参拝接待所-見どころ】
- 概要:参拝接待所は御影堂門(重要文化財)を入った右側にあります。参拝接待所は参拝の総合窓口で、各種申し込みの総合案内所です。参拝接待所は真宗本廟視聴覚ホール・展示ギャラリー・仏間を併設しています。参拝接待所には御朱印に代わる参拝記念スタンプが置かれています。ちなみに御影堂(重要文化財)・阿弥陀堂(重要文化財)にも参拝記念スタンプが置かれているそうです。(要確認)
【飛地境内で、枳殻邸とも言われる渉成園(名勝)-見どころ】
- 概要:渉成園は修学旅行・観光で見る価値があります。渉成園は東本願寺東側にある飛地境内で、約200メートル四方のほぼ正方形の池泉回遊式庭園です。渉成園には様々な植物が植えられ、春に梅・桜、夏に菖蒲・睡蓮、秋に紅葉など四季折々に美しい光景を眺めることができます。渉成園の景観は「十三勝」や「十景」と言われています。なお渉成園の名称は中国の詩人・陶淵明(とうえんめい)の「園日渉而成趣」の詞に由来しています。渉成園は枳殻邸(きこくてい)とも言われています。
- 歴史:渉成園は1641年(寛永18年)に江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)が寄進し、1653年(承応2年)に本願寺第13代・宣如(せんにょしょ)の願いによって石川丈山(いしかわじょうざん)が作庭しました。ちなみに渉成園は9世紀末(平安時代(794年~1185年)前期)に第52代・嵯峨天皇(さがてんのう)の皇子で、光源氏(ひかるげんじ)のモデルと言われている左大臣・源融(みなもとのとおる)の別荘・六条河原院(塩竃第)があった場所です。
【飛地境内である大谷祖廟(東大谷)-見どころ】
- 概要:大谷祖廟(おおたにそびょう)・東大谷(ひがしおおたに)は東本願寺の飛地境内です。大谷祖廟は浄土真宗の開祖・親鸞聖人(しんらんしょうにん)の墓所です。
- 歴史:大谷祖廟は1602年(慶長7年)の西本願寺(本願寺)との分派に伴い、1670年(寛文10年)に現在の場所に移りました。
【東本願寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・京都・東本願寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ