知恩院の見どころ-修学旅行・観光の簡単まとめ

知恩院見どころ

知恩院の国宝・重文などの文化財の見どころ解説

知恩院の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには法然上人像を安置する御影堂(国宝)、京都三大門に数えられる三門(国宝)、洛中随一の名書院と言われる大方丈(重要文化財)などがあります。また勢至堂・方丈庭園・友禅苑なども見逃せません。

【浄土宗の宗祖・法然上人を祀る御影堂(国宝)の解説】

  • 概要:御影堂は三門に次ぎ、見る価値があるハイライトです。御影堂は大殿(だいでん)とも言われる知恩院山内で最大の建物で、知恩院の本堂です。御影堂は内内陣・内陣・外陣に分かれ、内内陣に浄土宗の宗祖・法然上人像を安置しています。外陣に第123代・大正天皇(たいしゃうてんのう)宸筆の勅額「明照」が掛けられています。
  • 歴史:御影堂は1639年(寛永16年)に江戸幕府3代将軍・徳川家光の寄進によって再建されました。御影堂は歴史的価値があります。2011年(平成23年)から2019年(令和元年)に大修理が行われ、2020年(令和2年)4月に落慶法要が行われました。
  • 様式:御影堂は外観が和様(わよう)を基調とし、内部に禅宗様(ぜんしゅうよう・唐様(からよう))の要素を取り入れています。御影堂は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。御影堂は正面に向拝(こうはい)五間、背面に向拝三間があります。御影堂は桁行十一間・梁間九間で、間口約45メートル・奥行約35メートルです。御影堂には幅3メートルの外縁も巡らされています。
  • 七不思議:御影堂には軒下に「忘れ傘」があり、七不思議に数えられています。
  • 豆知識:御影堂には屋根の中央に完璧ではないことを示す為に意図的に2枚の「葺き残しの瓦(ふきのこしのかわら)」が積まれています。「葺き残しの瓦」は完成すると後は壊れていくという「満つれば欠くる世の習い」に由来し、未完成を表しています。
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【京都三大門・日本三大門に数えられる三門(国宝)の解説】

  • 概要:三門は絶対に見る価値があるハイライトです。三門は上層に釈迦如来(しゃかにょらい)及両脇侍(善財童子(ぜんざいどうじ)や月蓋長者(がっかいちょうじゃ))像(重要文化財)・十六羅漢(じゅうろくらかん)像(重要文化財)を安置しています。三門には第112代・霊元天皇(れいげんてんのう)筆で、畳二畳以上の大きさがある額「華頂山(かちょうざん)」が掛けられています。なお三門は天井・柱・壁などに迦陵頻伽(かりょうびんが)・天女(てんにょ)・飛龍(ひりゅう)が描かれています。
  • 歴史:三門は1621年(元和7年)に江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の寄進によって建立されました。
  • 様式:三門は禅宗寺院形式の五間三戸二階二重門(ごけんさんこにかいにじゅうもん)で、両側に山廊(さんろう)付きです。三門は入母屋造の本瓦葺です。三門は高さ約24メートル・幅約50メートルです。三門(山門)の中で日本最大と言われています。ちなみに三門には瓦約7万枚が使われています。
  • 三大門:三門は南禅寺(なんぜんじ)の山門・東本願寺(ひがしほんがんじ)の御影堂門とともに京都三大門と言われています。また南禅寺の山門・山梨の久遠寺(くおんじ)の三門とともに日本三大門とも言われています。
  • 七不思議:三門は白木の棺(しらきのひつぎ)に三門建立の命を受けた造営奉行・五味金右衛門(ごみきんえもん)夫妻の木像が安置され、七不思議に数えられています。

【洛中随一の名書院と言われる大方丈(重要文化財)の解説】

  • 概要:大方丈は洛中随一の名書院と言われ、豪華な襖絵が魅力になっています。大方丈は仏間に快慶(かいけい)作と言われる本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)像(重要文化財)を安置しています。大方丈には仏間・上段の間・鶴(つる)の間・菊の間・鷺(さぎ)の間・柳の間・梅の間などがあります。大方丈には54畳敷きの鶴の間などに狩野派の絵師が描いた豪華な襖絵(金碧(きんぺき)障壁画)があります。上段の間には武者隠し(むしゃがくし)もあります。
  • 歴史:大方丈は1641年(寛永18年)に建立されました。その後1835年(天保6年)に修復が行われ、2004年(平成16年)に屋根の葺き替えが行われました。
  • 様式:大方丈は入母屋造の檜皮葺(ひわだぶき)です。大方丈は桁行約34.5メートル・梁間約25.1メートルです。
  • 七不思議:大方丈は菊の間に抜け雀(ぬけすずめ)の襖絵があり、七不思議に数えられています。

【洛中随一の名書院と言われる小方丈(重要文化財)の解説】

  • 概要:小方丈は大方丈に比べると淡彩で落ち着いた雰囲気になっています。小方丈は大方丈の後側に建立されています。小方丈には上段の間・蘭亭(らんてい)の間・雪中山水の間・下段の間・花鳥の間・羅漢(らかん)の間などがあります。小方丈は大方丈と同じく、洛中随一の名書院と言われているそうです。
  • 歴史:小方丈は1641年(寛永18年)に建立されました。
  • 様式:小方丈は入母屋造の檜皮葺です。小方丈は桁行約22.7メートル・梁間約18.7メートルです。
  • 庭園:小方丈の東側には阿弥陀如来が西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)から25名の菩薩を従えて来迎するのを表現した「二十五菩薩(にじゅうごぼさつ)の庭」があります。

【法然上人の住房・大谷禅房があった勢至堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:勢至堂は見る価値があるハイライトです。勢至堂はかつて宗祖・法然上人の住房・大谷禅房があった場所で、知恩院発祥の地とされています。勢至堂は内陣・外陣に分かれ、内陣に鎌倉時代(1185年~1333年)に造仏され、法然上人の本地身(ほんじしん)とされる本尊・勢至菩薩(せいしぼさつ)坐像(重要文化財)を安置しています。外陣正面に第105代・後奈良天皇(ごならてんのう)の額「知恩教院」が掛けられています。なお勢至堂は本地堂(ほんじどう)と言われています。
  • 歴史:勢至堂は1530年(享禄3年)に再建されました。勢至堂は山内最古の建物です。なお勢至堂はかつて本堂で、法然上人の御影を本尊として祀っていたが、御影堂が建立されると御影堂に移されました。
  • 様式:勢至堂は入母屋造の本瓦葺です。勢至堂は桁行七間・梁間七間です。桁行約21メートル・梁行約20メートルです。

【京都博覧会の会場になった集会堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:集会堂は仏間の須弥壇に阿弥陀三尊像を安置しています。集会堂はかつて衆会堂とも言われていました。また集会堂は御影堂の修理期間中に限り、法然上人御堂(ほうねんしょうにんみどう)と称していました。
  • 歴史:集会堂は1635年(寛永12年)に江戸幕府3代将軍・徳川家光が再建しました。その後1835年(天保6年)・2011年(平成23年)に修復が行われました。なお集会堂は1872年(明治5年)に行われた京都博覧会の会場になりました。
  • 様式:集会堂は入母屋造の本瓦葺です。集会堂は桁行約42.9メートル、梁間約23.7メートルあり、千畳敷と言われています。集会堂は鴬張りの渡り(うぐいすばりのろうか)廊下で御影堂と結ばれています。

【八角輪蔵が設置されている経蔵(重要文化財)の解説】

  • 概要:経蔵は八角輪蔵(はっかくりんぞう)の中央に江戸幕府2代将軍・徳川秀忠が寄進した宋(中国)版一切経(いっさいきょう)5,900帖が納められています。八角輪蔵を一回転させると一切経を読誦するのと同じ功徳があるとも言われています。経蔵には天井などに狩野派(きょうかのうは)の絵師が描いた絵があります。
  • 歴史:経蔵は1621年(元和7年)に三門とともに徳川秀忠の寄進によって建立されました。
  • 様式:経蔵は宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺です。経蔵は一見二階建てに見える一重もこし(裳階)付きです。経蔵は桁行三間・梁間三間です。

【大庫裏(重要文化財)・小庫裏(重要文化財)の解説】

  • 概要:大庫裏(雪香殿)・小庫裏は本来台所です。大庫裏は雪香殿(せっこうでん)と言われています。
  • 歴史:大庫裏・小庫裏は1641年(寛永18年)に再建されました。
  • 様式:大庫裏・小庫裏は入母屋造の本瓦葺です。大庫裏は桁行約31.5メートル・梁間約25.6メートル、小庫裏は桁行約29.6メートル・梁間約13.8メートルです。

【除夜の鐘で知られる大鐘楼(重要文化財)・梵鐘(重要文化財)の解説】

  • 概要:大鐘楼・梵鐘は見逃せません。大鐘楼・梵鐘では除夜の鐘が年末のテレビ番組で度々放送されています。大鐘楼は四方の主柱と八本の支柱により、日本有数の大鐘である梵鐘を釣っています。梵鐘は奈良・東大寺の梵鐘と京都・方広寺の梵鐘とともに日本三大梵鐘と言われています。
  • 歴史:大鐘楼は1678年(延宝6年)に建立されました。梵鐘は1636年(寛永13年)に鋳造されました。
  • 様式:大鐘楼は入母屋造の本瓦葺です。大鐘楼は桁行三間・梁間三間です。梵鐘は高さ約3.3メートル・口径約2.8メートル・重さ約70トンです。
  • 行事:大鐘楼・梵鐘では例年12月31日に除夜の鐘(じゅやのかね)が突かれ、例年12月下旬に試し撞きも行われています。

【勅使門とも言われる唐門(重要文化財)の解説】

  • 概要:唐門は大方丈の玄関の前に建立され、勅使門とも言われています。唐門には桃山時代(1583年~1603年)に流行した故事伝説に基づく牡丹唐草(ぼたんからくさ)・鯉魚に乗る老人などの彫刻があります。
  • 歴史:唐門は1641年(寛永18年)に建立されました。
  • 様式:唐門は四脚門(しきゃくもん)です。唐門は前後唐破風造(からはふづくり)・側面入母屋造の檜皮葺です。

【法然上人の遺骨を祀る御廟(府有形文化財)の解説】

  • 概要:御廟は法然上人の遺骨を奉安しています。廟堂は周囲に雲に龍・桐に鳳凰(ほうおう)・梅に鶯(うぐいす)・雲に麒麟(きりん)・松に鶴・桜に鳥・牡丹に鳳凰など桃山様式の彫刻が施されています。なお御廟は内部が非公開で、手前にある拝殿から拝することができます。
  • 歴史:御廟は1613(慶長18年)に常陸国土浦藩主・松平伊豆守信一(まつだいらいずのかみのぶかず)の寄進によって改築されました。拝殿は1710年(宝永7年)に建てられました。
  • 様式:御廟は方三間です。御廟は宝形造の本瓦葺です。拝殿は檜皮葺です。
  • 行事:御廟では毎月25日に別時念仏会が行われています。

【後奈良天皇宸筆の額「大谷寺」が掛けられる阿弥陀堂の解説】

  • 概要:阿弥陀堂は本尊・阿弥陀如来坐像を安置しています。阿弥陀堂には第105代・後奈良天皇宸筆の額「大谷寺」が掛けられています。
  • 歴史:阿弥陀堂は明治時代(1926年~1989年)に荒廃し、1910年(明治43年)に再建されました。
  • 様式:阿弥陀堂は入母屋造の本瓦葺です。

【僧・玉淵が作庭した南庭がある方丈庭園(名勝)の解説】

  • 概要:方丈庭園は東山を借景にした池泉回遊式庭園です。方丈庭園は大方丈・小方丈に面し、北庭と南庭に分かれます。北庭には北池、南庭には南池・心字池(しんじいけ)があります。
  • 歴史:方丈庭園は1633年(寛永10年)から作庭が開始されたと言われています。方丈庭園は南庭が小堀遠州(こぼりえんしゅう)とゆかりがある僧・玉淵(ぎょくえん)が作庭したと言われています。

【宮崎友禅斎の生誕300年を記念して作庭された友禅苑の解説】

  • 概要:友禅苑(ゆうぜんえん)は見逃せません。友禅苑は池泉回遊式庭園です。友禅苑は補陀落池(ふだらくいけ)に仏師・高村光雲(たかむらこううん)作の聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)立像が建立されています。友禅苑には裏千家(うらせんけ)ゆかりの茶室・華麓庵(かろくあん)と第86世・中村康隆(なかむらこうりゅう)の白寿を記念して移築された茶室・白寿庵があります。
  • 歴史:友禅苑は1954年(昭和29年)に友禅染の祖・宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)の生誕300年を記念して作庭されました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
知恩院見どころ(黒門・瓜生石など)

【知恩院の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・知恩院(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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