相国寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

相国寺(Shokoku-ji Temple)

相国寺の見どころは法堂・開山堂・方丈・裏方丈庭園・承天閣美術館

相国寺の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには蟠龍図が描かれている法堂(重要文化財)、黒御殿を移築した開山堂(京都府指定有形文化財)、伊藤若冲が描いた襖絵がある承天閣美術館などがあります。また方丈・裏方丈庭園等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【相国寺の歴史・簡単概要】

相国寺は1382年(永徳2年)に開基である室町幕府3代将軍・足利義満が室町第(花の御所)の東に一大禅宗伽藍を建立することを発願したのが起源です。相国寺の寺号は創建時に足利義満が左大臣(左相国)であったことに由来しています。1392年(元中9年・明徳3年)に伽藍が完成したが、度々焼失し、1403年(応永10年)に史上最も高かったとも言われている七重大塔も落雷で焼失しました。その後応仁の乱などでも度々焼失し、1584年(天正12年)に相国寺中興の祖・西笑承兌が再建しました。

【狩野光信が描いた蟠龍図「鳴き龍」があり、本堂である法堂(重要文化財)】

  • 概要:法堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。法堂は法堂建築として日本最古と言われています。法堂は鏡天井(かがみてんじょう)に絵師・狩野光信(かのうみつのぶ)が描いた直径約9メートルの蟠龍図(ばんりゅうず)「鳴き龍(なきりゅう)」があります。法堂は相国寺の本堂で、須弥壇(しゅみだん)・祖師堂壇(そしどうだん)・土地堂壇(とちどうだん)があり、須弥壇に本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)坐像を中心に阿難尊者(あなんそんじゃ)像・迦葉尊者(かしょうそんじゃ)像などを安置しています。なお法堂は無畏堂(むいどう)とも言われています。
  • 歴史:法堂は1605年(慶長10年)に関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の子・豊臣秀頼(とよとみひでより)の寄進によって再建されました。法堂は法堂建築として日本最古と言われています。法堂は歴史的価値があります。ちなみに法堂は1391年(元中8年・明徳2年)に建立されて法雷堂と称したが、その後4度の焼失と再建を繰り返しました。法堂創建時には春屋妙葩(しゅんおくみょうは)が指揮を執り、足利義満が工事を視察したと言われています。伊予(愛媛)の河野族は材木を運搬したと言われています。
  • 様式:法堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。法堂は一見二階建てに見える一重もこし(裳階)付きです。法堂は桁行五間・梁間四間です。正面約28.72メートル・側面約22.80メートル・高さ約22メートルです。法堂は京都五山禅院(天龍寺・建仁寺・東福寺・万寿寺)の中で最大の建物です。
  • 蟠龍図:蟠龍図「鳴き龍」は高さ約10.8メートルの鏡天井に絵師・狩野永徳(かのうえいとく)の長男・狩野光信が逆遠近法を使って描いたと言われています。「鳴き龍」は狩野光信の最後の作品と言われています。なお「鳴き龍」は法堂の中央付近で手を叩くと天井に反響してカラカラという音が返ってくることから鳴き龍とも言われています。音は1秒間に天井と床を約16往復もするそうです。
  • 豆知識:豊臣秀頼は江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)の命により、米1万5千石を寄進しました。
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【女院御所の黒御殿を移築した開山堂(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:開山堂は法堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。開山堂は祀堂(しどう)・相の間(あいのま)・礼堂(らいどう)から構成されています。開山堂はいずれも重要人物である勧請開山・夢窓国師(むそうこくし)石像、開山・春屋妙葩像、開基・足利義満像などを安置しています。なお開山堂は開山塔・円明塔と言われているが、創建時には資寿院と言われていました。
  • 歴史:開山堂は1788年(天明8年)に天明の大火で焼失し、1807年(文化4年)に第116代・桃園天皇(ももぞのてんのう)の皇后・恭礼門院(きょうらいもんいん・一条富子(いちじょうとみこ))の女院御所の黒御殿を賜って再建されました。ちなみに開山堂は1395年(応永2年)に立柱が行われ、1425年(応永32年)に焼失したと言われています。
  • 様式:礼堂は五間四方です。礼堂は屋根が入母屋造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。

【御所の清涼殿から賜った障壁画がある方丈(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:方丈は修学旅行・観光で見逃せません。方丈では御朱印所(納経所)で御朱印などを授与しています。方丈には琴棋書画の間・聴呼の間・竹の間・梅の間・御所移しの間など六室があります。方丈には遠塵斎(えんじんさい・加藤信清(かとうのぶきよ))筆の観音菩薩(かんのんぼさつ)画像が掛けられています。方丈には中国の書家・張即子(ちょうそくし)筆の扁額(へんがく)「方丈」も掛けられています。
  • 歴史:方丈は1788年(天明8年)に天明の大火で焼失し、1804年(文化元年)に開山堂とともに再建が開始され、1807年(文化4年)に上棟されました。2013年(平成25年)に大修復されました。
  • 様式:方丈は屋根が入母屋造・切妻造(きりづまづくり)の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。方丈は正面約25メートル・側面約16メートルです。なお方丈は仏間がなく、唐破風造(からはふつくり)の玄関に結ばれています。
  • 障壁画:聴呼の間・琴棋書画の間には原在中(はらざいちゅう)が描いた「八仙人図」・「琴棋書画図」、梅の間には伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の弟子で、第115世・維明周奎(いみょうしゅうけい)が描いた「老梅図」、御所移しの間に土佐光起(とさみつおき)が描き、御所の清涼殿(せいりょうでん)から賜ったと言われている「吉野山桜図」があります。

【裏方丈庭園(京都市指定名勝)・開山堂庭園「龍渕水の庭」】

  • 概要:庭園には裏方丈庭園・開山堂庭園「龍渕水の庭」などがあります。裏方丈庭園は苔庭に石の川が造られ、滝組・枯池などがあります。開山堂庭園・龍渕水の庭は築山と流れの「山水の庭」と御影石の切石に囲まれた白砂に庭石を配置した「枯山水平庭」に分かれます。裏方丈庭園は春と秋の年2回公開されています。(要確認)

【宣明とも言われる浴室(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:浴室(宣明(せんみょう))は水によって悟りを開いた跋陀婆羅菩薩(ばっだばらぼさつ)を祀っています。浴室は踏み込みの土間(どま)・沐浴場(もくよくじょう)・焚き口(たきぐち)土間があります、沐浴場は中央に風呂屋形が設けられ、蒸気浴をしながら柄杓(ひしゃく)で湯を掛けて入浴しました。なお浴室では体だけでなく、心の垢を落とすという意味もあるそうです。
  • 歴史:浴室は1596年(慶長4年)に再建されました。2002年(平成14年)に復元修復されました。浴室は洛中に残る浴室遺構のひとつです。ちなみに浴室は1400年(応永7年)頃に創建されました。
  • 名称:浴室は格式高い寺院だったことから宣明(せんみょう)と言うことが許されました。

【香積院とも言われる庫裏(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:庫裏(香積院(こうしゃくいん))は韋駄天(いだてん)像を祀っています。庫裏は本来台所で、大玄関・通用出入口・竈(かまど)があります。庫裏は香積院とも言われています。
  • 歴史:庫裏は1788年(天明8年)に天明の大火で焼失し、1804年(文化元年)に開山堂・方丈とともに再建が開始され、1807年(文化4年)に完成したと言われています。
  • 様式:庫裏は屋根が切妻造の本瓦葺です。

【洪音楼とも言われる鐘楼(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:鐘楼(洪音楼(こうおんろう))は1629年(寛永6年)に鋳造され、1789年(寛政元年)に購入した梵鐘を釣っています。鐘楼は洪音楼とも言われています。
  • 歴史:鐘楼は1843年(天保14年)に再建されたと言われています。
  • 様式:鐘楼は和様(わよう)と禅宗様(ぜんしゅうよう)の折衷様で、袴腰(はかもごし)付きです。

【御幸門とも言われる勅使門(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:勅使門(御幸門(みゆきもん))は総門の西側に並んで建立されています。総門は日常の門だが、勅使門は特別の時に使用されます。勅使門は御幸門とも言われています。
  • 歴史:勅使門は慶長年間(1596年~1615年)に再建されたと言われています。
  • 様式:勅使門は一間一戸(いっけいっこ)の四脚門(しきゃくもん)です。

【室町一条に創建された総門(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:総門は勅使門の東側に建立されています。かつての総門は室町一条に創建されていたが、度々焼失したそうです。
  • 歴史:総門は1797年(寛政9年)に第113世・梅荘顕常(大典禅師)が再建しました。
  • 様式:総門は薬医門(やくいもん)です。

【久邇宮邸の守護神だった弁天社(京都府指定有形文化財)】

  • 概要:弁天社(久邇宮邸の守護神)は鐘楼の西側に建立されています。弁天社には弁天さんのお使いである白蛇の額が掛けられています。
  • 歴史:弁天社は京都御苑内にあった久邇宮邸の守護神として祀られていたが、1880年(明治13年)に久邇宮朝彦親王から寄進されました。

【茶人・千宗旦に化けた宗旦狐を祀る宗旦稲荷神社】

  • 概要:宗旦稲荷神社(そうたんいなりじんじゃ)は不思議な逸話が残され、ご利益も授かることができます。宗旦稲荷神社は鐘楼の東側に建立されています。宗旦稲荷神社は宗旦狐(そうたんきつね)を祀っています。宗旦稲荷神社は茶道(芸事)の上達・商売繁盛にご利益があると言われています。
  • 逸話:宗旦狐は境内に棲んでいたが、千利休(せんのりきゅう)の孫・千宗旦(せんのそうたん)に化け、見事なお点前を披露したという逸話が残されています。

【絵師・伊藤若冲が描いた襖絵などを収蔵・公開する承天閣美術館】

  • 概要:承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)は修学旅行・観光で見逃せません。承天閣美術館は相国寺だけでなく、いずれも山外塔頭(たっちゅう)である金閣寺・銀閣寺の寺宝も収蔵・公開しています。伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)が描いた「月夜芭蕉図床貼付(重要文化財)」・「葡萄小禽図床貼付(重要文化財)」なども収蔵されています。
  • 歴史:承天閣美術館は1984年(昭和59年)に相国寺創建600年記念事業の一環として開館しました。
  • 豆知識:相国寺には伊藤若冲の墓(斗米庵(とべいあん)若冲居士墓)があります。なお伊藤若冲は1765年(明和2年)9月29日に釈迦三尊像・動植綵絵を相国寺に寄進しました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
相国寺見どころ(経蔵・夢中庵など)

【相国寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・相国寺見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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