東福寺の見どころ-修学旅行・観光の簡単まとめ

京都紅葉見ごろ・東福寺

東福寺の国宝・重文などの文化財の見どころ解説

東福寺の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには京都一の紅葉が眺められる通天橋、禅寺の三門として国内最古と言われる三門(国宝)、伝衣閣が京の五閣に数えられる常楽庵(重要文化財)などがあります。また本坊庭園・禅堂・東司なども見逃せません。

【禅寺の三門として国内最古と言われる三門(国宝)の解説】

  • 概要:三門は通天橋に次ぎ、見る価値があるハイライトです。三門は2階に釈迦如来(しゃかにょらい)像・十六羅漢(じゅうろくらかん)像などを安置しています。また2階には臨済宗(りんざいしゅう)の画僧・吉山明兆(きつさんみんちょう・兆殿司(ちょうでんす)が極彩色で描いた半人半鳥の迦陵頻伽(かりょうびんが)などの壁画もあります。三門には室町幕府4代将軍・足利義持(あしかがよしもち)が書いた扁額(へんがく)「妙雲閣(みょううんかく)」が掛けられています。
  • 歴史:三門は1405年(応永12年)に足利義持が再建しました。三門は禅寺の三門として国内最古と言われています。その後1596年(慶長元年)に慶長伏見地震(けいちょうふしみじしん)で損傷し、関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)が四隅に柱を取り付けて補修し、柱は太閤柱(たいこうばしら)と言われています。
  • 様式:三門は禅宗様(ぜんしゅうよう・唐様(からよう))で、柱・梁(はり)・屋根などに大仏様(だいぶつよう・天竺様(てんじゅくよう))、上層屋根の垂木(たるき)の配置に和様(わよう)の様式が見られます。三門は高さ約22メートルの五間三戸二階二重門(ごけんさんこにかいにじゅうもん)で、入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。中央の三間が通路になっています。両脇の山廊(さんろう)は切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。
  • 豆知識:三門(妙雲閣)は選仏場(禅堂)・潮音堂(法堂)・栴檀林(せんだんりん)・思遠池(しおんち)・成就宮(五社明神社)・通天橋・千松林・甘露井(かんろい)・洗玉澗(せんぎょくかん)とともに東福寺十境に数えられました。
  • 行事:例年3月に涅槃会(ねはんえ)が行われ、特別公開されます。(要確認)
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【国内最大・最古の禅堂と言われる禅堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:禅堂は見逃せません。禅堂はかつて聖一国師(しょういちこくし)・円爾(えんに)の師である南宋(中国)の禅僧・無準師範(ぶじゅんしばん)の扁額「選仏場」が掛けられ、選仏堂(せんぶつじょう)と言われています。なお禅堂ではかつて400人以上の僧侶が修業し、僧堂(そうどう)と言われました。
  • 歴史:禅堂は1347年(正平2年・貞和3年)に再建されました。禅堂は国内最古の禅堂と言われています。
  • 様式:禅堂は切妻造の本瓦葺で、一見二階建てに見える一重もこし(裳階)付です。禅堂は桁行七間・梁間四間です。南北約42メートル・東西約22メートルです。禅堂は国内最大の禅堂と言われています。禅堂は鏡天井で、花頭窓・格子窓などがあります。

【京の五閣に数えられる伝衣閣がある常楽庵(重要文化財)の解説】

  • 概要:常楽庵は見逃せません。常楽庵は開山堂昭堂の二階が伝衣閣(でんねかく)と言われ、金閣・銀閣・西本願寺の飛雲閣(ひうんかく)・大徳寺の塔頭(たちゅう)である芳春院(ほうしゅんいん)の呑湖閣(どんこかく)とともに京の五閣と言われています。常楽庵には開山堂昭堂・客殿(普門院(ふもんいん))・塔司寮(たっすりょう・書院)・庫裏(くり)・楼門(ろうもん)・鐘楼(しょうろう)・裏門や池泉鑑賞式庭園・枯山水(かれさんすい)庭園があります。客殿はかつて聖一国師・円爾が住したと言われています。
  • 歴史:常楽庵は1819年(文政2年)に焼失し、1823年(文政6年)に公卿・一条忠良(いちじょうただよ)が再建しました。
  • 開山堂昭堂は聖一国師・円爾像を安置しています。開山堂は宝形造(ほうぎょうづくり)の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。昭堂は一部二階建てで、切妻造です。
  • 客殿は普門院とも言われ、かつて京都十刹(じっさつ)に数えられた普門寺(ふもんじ)の名残を残しているとも言われています。客殿は入母屋造の桟瓦葺です。客殿は桁行約20メートル・梁間約17.4メートルです。
  • 塔司寮は入母屋造の桟瓦葺です。塔司寮は桁行約16メートル・梁間約12メートルです。
  • 庫裏は切妻造の桟瓦葺です。庫裏は桁行約11.9メートル・梁間約13.7メートルです。
  • 楼門は三間一戸の楼門です。楼門は入母屋造の桟瓦葺です。
  • 鐘楼は切妻造の桟瓦葺です。鐘楼の鐘は毎夜11:45頃から18回撞かれ、深夜の送り鐘と言われています。送り鐘は750年も続いているそうです。

【京都最古の浴室建築と言われる浴室(重要文化財)の解説】

  • 概要:浴室は板敷きの上に2つの蒸し風呂が並び、後方に釜(かま)・焚き口(たきぐち)があります。浴室は東司(とうす)・食堂(じきどう)とともに私語を謹む三黙堂(さんもくどう)です。
  • 歴史:浴室は1459年(長禄3年)に建立されました。浴室は奈良・東大寺(とうだいじ)の湯屋に次いで古く、京都最古の浴室建築と言われています。
  • 様式:浴室は正面入母屋造・背面切妻造の本瓦葺です。浴室は桁行三間・梁間四間です。浴室は国内最大と言われています。浴室は内部が板敷きで、2つの蒸し風呂が並んでいます。

【国内最大・最古の東司と言われる東司(重要文化財)の解説】

  • 概要:東司は国内最大・国内最古の東司(トイレ)と言われています。東司は多くの修行僧が用を足すことができるように造られています。東司は一度に100人が使うことができ、百雪隠(ひゃくせっちん)・百人便所と言われました。東司は浴室・食堂とともに私語を謹む三黙堂です。
  • 歴史:東司は室町時代前期(1333年~1392年)に建立されました。東司は国内最古の東司と言われています。
  • 様式:東司は禅宗様です。東司は切妻造の本瓦葺です。東司は桁行七間・梁間四間です。東司は国内最大の東司と言われています。東司は中央に通路があり、左右に円筒の壺が埋められています。
  • 豆知識:禅宗では用を足すのも行(ぎょう)とされ、手順も事細かく定められていたそうです。東司は七不思議に数えられています。謎が魅力になっています。

【三聖寺を起源とする愛染堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:愛染堂は八角円堂(はっかくえんどう)です。愛染堂は愛染明王(あいぜんみょうおう)を祀っています。
  • 歴史:愛染堂は室町時代前期(1333年~1392年)に建立されました。愛染堂は廃寺になった東福寺の塔頭(たっちゅう)・三聖寺(さんしょうじ)にあったが、1873年(明治6年)に万寿寺(まんじゅじ)が三聖寺を合寺し、1886年(明治19年)に万寿寺が東福寺の塔頭になり、1937年(昭和12年)に現在の場所に移されました。
  • 様式:愛染堂は宝形造(ほうぎょうづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。

【日本百名橋に選ばれている偃月橋(重要文化財)の解説】

  • 概要:偃月橋(三名橋)は日本百名橋に選ばれています。偃月橋は塔頭・龍吟庵(りょうぎんあん)と即宗院(そくしゅういん)に通じる渓谷・洗玉澗(せんぎょくかん)に架かる木造橋廊です。偃月橋は日本百名橋に選ばれています。また偃月橋は臥雲橋・通天橋とともに東福寺三名橋と言われています。
  • 歴史:偃月橋は1603年(慶長8年)に再建されました。
  • 様式:偃月橋は切妻造の桟瓦葺です。

【六波羅探題から移築されたと言われる六波羅門(重要文化財)の解説】

  • 概要:六波羅門は鎌倉幕府執権・北条氏の六波羅探題(ろくはらたんだい)から移築したことから六波羅門と言われています。
  • 歴史:六波羅門は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に建立されました。六波羅門は境内最古の建物のひとつと言われています。
  • 様式:六波羅門は棟門(むねもん)です。六波羅門は本瓦葺です。
  • 豆知識:六波羅門には1333年(元弘3年)に室町幕府初代将軍・足利尊氏(あしかがたかうじ)が攻撃した跡が遺されているとも言われています。

【御所から移築された月下門(重要文化財)の解説】

  • 概要:月下門(月華門)は1268年(文永5年)に一条実経(いちじょうさねつね)が常楽庵を建立した際、第90代・亀山天皇(かめやまてんのう)から御所の月華門を賜って移築したと言われています。
  • 歴史:月下門は室町時代前期(1333年~1392年)に御所の月華門として造営されたと言われています。
  • 様式:月下門は朱塗り(しゅぬり)の四脚門(しきゃくもん)です。月下門は切妻造の檜皮葺(ひわだぶき)です。なお月下門は板蟇股(かえるまた)などに鎌倉時代(1185年~1333年)の特色が残されています。

【三聖寺を起源とする二王門(重要文化財)の解説】

  • 概要:二王門は仁王(におう・金剛力士(こんごうりきし))像を安置していました。
  • 歴史:二王門は1597年(慶長2年)に建立されました。二王門は廃寺になった東福寺の塔頭・三聖寺にあったが、その後万寿寺に移され、更に東福寺に移されました。
  • 様式:二王門は三間一戸八脚門(さんげんいっこはっきゃくもん)です。二王門は切妻造の本瓦葺です。

【重森三玲が作庭した本坊庭園「八相の庭」(名勝)の解説】

  • 概要:本坊庭園は見逃せません。本坊庭園は八相成道(はっそうじょうどう・釈迦八相)を表現した枯山水庭園です。本坊庭園は明治時代(1868年~1912年)に再建された方丈の四方にあり、趣の異なる北庭・東庭・西庭・南庭から構成されています。
  • 歴史:本坊庭園は1939年(昭和14年)に造園家・重森三玲(しげもりみれい)が作庭しました。本坊庭園は2014年(平成26年)に名勝に指定されるまでは「八相の庭」と言われました。
  • 様式:北庭は石と苔を市松模様(いちまつもよう)に配した庭園です。東庭は北斗七星(ほくとしちせい)を象った庭園です。西庭は白砂と刈込の市松模様の庭園です。南庭は四神仙島と五山を表現した庭園です。

【堂本印象が描いた天井画「蒼龍図」がある本堂の解説】

  • 概要:本堂(仏殿兼法堂)は鏡天井の「蒼龍図」が外からも見ることができます。本堂は釈迦三尊像(本尊・釈迦如来立像と脇侍(わきじ)である阿難(あなん)・迦葉(かしょう))を安置しています。鏡天井(かがみてんじょう)には日本画家・堂本印象(どうもといんしょう)が描いた天井画「蒼龍図」があります。
  • 歴史:本堂は1881年(明治14年)に焼失し、1934年(昭和9年)に京大名誉教授・天沼俊一(あまぬましゅんいち)の設計によって再建されました。
  • 様式:本堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。本堂は間口約41.4メートル・高さ約25.5メートルです。本堂では南東(巽)の柱が日蓮柱(にちれんばしら)と言われ、本堂前に石碑・日蓮柱之碑が建立されています。日蓮柱は七不思議に数えられています。
  • 「蒼龍図」:「蒼龍図」は堂本印象が僅か17日間で描いたと言われています。「蒼龍図」は東西約22メートル・南北約11メートルの鏡天井に体長約54メートル・胴回り約6.2メートルの龍を描いたものです。
  • 行事:例年3月14日から16日に涅槃会(ねはんえ)が行われ、京都三大涅槃図に数えられる縦約12メートル・横約6メートルの涅槃図が掛けられ、お釈迦様が最後に説いた遺教経(ゆいぎょうきょう)などが読経されます。涅槃図は猫入り涅槃図として七不思議に数えられています。

【京都一の通天モミジが眺められる通天橋の解説】

  • 概要:通天橋は絶対に価値があるハイライトです。通天橋は渓谷・洗玉澗に架かる長さ約26メートルの木造橋廊です。橋の上から美しい渓谷が見られます。紅葉シーズンは紅葉(通天モミジ)に彩られた絶景を見られます。なお通天橋は臥雲橋・偃月橋とともに三名橋と言われています。
  • 歴史:通天橋は1959年(昭和34年)に台風で崩壊し、1961年(昭和36年)に再建されました。ちなみに通天橋は1380年(天授6年)に相国寺2世・春屋妙葩(しゅんおくみょうは)が洗玉澗を渡る労苦から僧侶を救う為に架けたと言われています。
  • 様式:通天橋は本堂から通じる屋根付きの廊下です。通天橋は台風崩壊後に橋脚が鉄筋コンクリート造になりました。
  • 行事:例年秋に看楓特別公開(かんぷうとくべつこうかい)が行われ、拝観時間が早められることから早朝に紅葉狩りを楽しめます。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
東福寺見どころ(放生池・紅葉(通天モミジ)など)

【東福寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・東福寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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