お山めぐり(稲荷山・鳥居・・・)伏見稲荷大社見どころ
お山めぐり(稲荷山・鳥居・・・)
お山めぐりを解説します。お山めぐりは祭神・稲荷大神が鎮座したと言われる稲荷山の一ノ峰から三ノ峰などの峰々を巡拝するものです。稲荷山には18の峰と20余りの谷があり、鳥居・末社・お塚などが各所に点在しています。(詳細下記参照)
【お山めぐりの概要・概略】
●概要・概略:お山めぐり(稲荷お山めぐり)は約4キロあり、めぐるには約2時間必要と言われています。お山めぐりは千本鳥居を抜けた先にある奥社奉拝所(奥の院)から始まり、こだまヶ池(新池)・熊鷹社と進むと三ツ辻に到着します。三ツ辻からは大松大神・三徳社と進むと四ツ辻に到着します。(三ツ辻は御産婆稲荷方面への分かれ道にもなっています。)四ツ辻からは三ノ峰下社・間ノ峰荷田社・ニノ峰中社・一ノ峰上社と進むと稲荷山の頂上(233メートル)に到着します。(四ツ辻は荒神峰田中社・大杉社方面などへの分かれ道にもなっています。)一ノ峰上社(稲荷山の頂上)からは春繁社・長者社・おせき社・石井社・薬力社(薬力の滝)・傘杉社・天龍社・晴明舎・御膳谷奉谷所・山上祈祷所・眼力社・大杉社を順次回ると四ツ辻に戻ってきます。四ツ辻からは先ほどと逆に三ツ辻方面に進み、御産婆稲荷を通って伏見稲荷大社に戻ります。
●稲荷山:稲荷山は東山三十六峰の最南端に位置する標高約233メートルの霊峰です。稲荷山は古くから三ケ峰とも言われ、三つの峰が西側から東側に段々と高くなっています。なお東山三十六峰は北側の比叡山から南側の稲荷山までの南北約12キロです。
【奥社奉拝所(奥の院)】
●奥社奉拝所(奥の院)は稲荷山を遥拝する場所で、稲荷山は背後に位置しています。奥社奉拝所は1975年(昭和50年)に現在の場所に移されました。
【こだまヶ池(新池)・熊鷹社】
●こだまヶ池(新池)には池に向かって手を打つとこだまが返ってきた方向に行方不明の人の手掛りがあると言われています。
●熊鷹社(くまたかしゃ)はこだまヶ池に突き出すように石積みに拝所が設けられています。
【三ノ峰下社~一ノ峰上社】
●三ノ峰下社は白菊大神と崇められています。三ノ峰下社からはかつて変形神獣鏡が出土し、京都国立博物館に保管されています。
●間ノ峰荷田社は伊勢大神と崇められています。間ノ峰荷田社の鳥居は笠木と貫の間に特異な合掌状の破風扠首束(はふさすづか)があり、奴禰鳥居(ぬねとりい)と言われています。なお奴禰鳥居は伏見稲荷大社七不思議のひとつに数えられています。
●ニノ峰中社は青木大神と崇められています。
●一ノ峰上社は末広大神と崇められています。一ノ峰上社がある場所が稲荷山の頂上・233メートルです。
【春繁社~大杉社】
●長者社(ちょうじゃしゃ)は重要文化財です。長者社は山上古図に釼石(雷石)と記されている場所だったそうです。
●おせき社には咳止めのご利益があると言われています。
●薬力社(やくりきしゃ)には薬要らずで、健康を守るご利益があると言われています。また薬力社近くの薬力の滝は薬の効き目をよくするとも言われています。
●御膳谷奉拝所は一ノ峰・ニノ峰・三ノ峰の谷が集まり、三の峰を拝することができる場所です。御膳谷奉拝所では例年1月5日に大山祭・山上の儀が斎行さます。なお御膳谷奉拝所はかつて三ヶ峰に神供をした神饗殿(みあえどの)と御竈殿(みかまどの)があった場所と言われています。
●眼力社には眼病平癒のご利益があると言われています。また先見の明も得られるとも言われています。
【三ツ辻~御産婆稲荷】
●御産婆稲荷社(おさんばいなりしゃ)は燃えさしのロウソクを自宅に持ち帰り、自宅でロウソクに火を灯して燃え尽きる時間が短ければ、お産も短い時間で楽に済むと言われています。なお御産婆稲荷のロウソクは伏見稲荷大社七不思議のひとつに数えられています。
【茶店(にしむら亭・・・)】
●お山めぐりのルート周辺には茶店があり、飲食物などが販売されています。その茶店の一軒・にしむら亭(仁志むら亭)は俳優・西村和彦さんの実家として広く知られています。にしむら亭は四ッ辻にあり、麺類・丼類・いなりずし・わらびもち・ひやしあめなどを販売しています。
【お山の土(稲荷山の土)】
●お山の土(稲荷山の土)は田畑に撒くと五穀がよく実ると言われています。稲荷山は農業の神で、五穀豊穣を司る稲荷大神が降臨したことからそう言われるようになったとも言われています。なおお山の土は伏見稲荷大社七不思議のひとつに数えられています。
【お山めぐり 備考】
*参考・・・伏見稲荷大社(見どころ・歴史・お山めぐり・・・)ホームページ