延暦寺の見どころ-修学旅行・観光の簡単まとめ

延暦寺(Enryaku-ji Temple)

延暦寺の国宝・重文などの文化財の見どころ解説

延暦寺の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには「不滅の法灯」が灯る根本中堂(国宝)、比叡山で修行して立宗した宗祖を祀る大講堂(重要文化財)、焼き討ちを免れた瑠璃堂(重要文化財)などがあります。また美しい文殊楼等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【「不滅の法灯」が1,200年以上灯る根本中堂(国宝)の解説】

  • 概要:東塔・根本中堂は絶対に見る価値があるハイライトです。根本中堂には1,200年以上灯し続けられてきた3つの釣灯篭「不滅の法灯(ふめつのほうとう)」があります。根本中堂は東塔の総本堂(最大の仏堂)で、中央の厨子(ずし)に伝教大師(でんぎょうだいし)・最澄(さいちょう)作と言われる本尊(秘仏)・薬師如来(やくしにょらい)立像を安置しています。伝教大師・最澄は北谷虚空蔵尾の霊木から一刀三礼で薬師如来立像を刻んだと言われています。根本中堂では毎日、薬師護摩が焚かれ、毎朝午前6時半から読経が行われています。なお根本中堂には玉座があり、その上には第124代・昭和天皇(しょうわてんのう)宸筆の勅額「伝教」が掛けられています。
  • 歴史:根本中堂は1571年(元亀2年)に織田信長(おだのぶなが)による焼き討ちで焼失し、1642年(寛永19年)に江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)が再建しました。ちなみに根本中堂は788年(延暦7年)に伝教大師・最澄が建立した一乗止観院(いちじょうしかんいん)の後身です。
  • 様式:根本中堂は入母屋造(いりもやづくり)の瓦棒(かわらぼう)銅板葺(どうはんぶき)です。根本中堂は桁行十一間・梁間六間です。幅約37.6メートル・奥行約23.9メートル・高さ約24.2メートルです。根本中堂は土間の内陣と外陣に分かれ、内陣は外陣よりも3メートルも低くなっています。根本中堂は前に廻廊(重要文化財)があり、中庭をコの字に囲んでいます。
  • 豆知識:不滅の法灯は788年(延暦7年)の延暦寺創建以来、1,200年以上灯し続けられてきたと言われています。伝教大師・最澄は「明らけく 後の仏の み世までも 光つたえよ 法のともし火」と詠んだと言われています。ただ不滅の法灯は1571年(元亀2年)の比叡山焼き討ちで一時途絶え、山寺(やまでら)と言われる山形・立石寺(りっしゃくじ)に分灯されていたものから再び灯されました。立石寺の分灯は1521年(大永元年)の里見氏流天童氏第16代当主・天童頼長(てんどうよりなが)の焼き討ちで途絶えたが、1543年(天文12年)の立石寺再建の際に再び延暦寺から分灯されたものです。
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【本尊・大日如来を祀る大講堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:東塔・大講堂は根本中堂に次ぎ、見る価値があるハイライトです。大講堂は本尊・大日如来(だいにちにょらい)坐像を安置しています。また比叡山で修行した日蓮宗(法華宗(ほっけしゅう))の宗祖・日蓮(にちれん)、曹洞宗(そうとうしゅう)の宗祖・道元(どうげん)、臨済宗(りんざいしゅう)の宗祖・栄西(えいさい)、天台寺門宗(てんだいじもんしゅう)の宗祖・円珍(えんちん)、浄土宗(じょうどしゅう)の宗祖・法然(ほうねん)、浄土真宗(じょうどしんしゅう)の宗祖・親鸞(しんらん)、融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)の宗祖・良忍(りょうにん)、天台真盛宗(てんだいしんせいしゅう)の宗祖・真盛(しんせい)、時宗(じしゅう)の宗祖・一遍(いっぺん)の像も安置しています。各像は各宗派から寄進されました。大講堂は外陣に釈迦(しゃか)や仏教・天台宗ゆかりの僧の肖像画(しょうぞうが)も掛けられています。
  • 歴史:大講堂は1634年(寛永11年)に坂本の東照宮(とうしょうぐう)・讃仏堂(さんぶつどう)として建立され、1964年(昭和39年)に移築されました。
  • 様式:大講堂は入母屋造の銅板葺です。大講堂は桁行七間・梁間六間です。
  • 行事:大講堂では涅槃会(ねはんえ)などの行事が行われています。

【豊臣秀吉が三井寺から移築した転法輪堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:西塔・転法輪堂は西塔の中心堂宇で、境内最古の建物です。転法輪堂は釈迦如来(しゃかにょらい)立像(重要文化財)を安置し、釈迦堂と言われています。
  • 歴史:転法輪堂は1347年(正平2年・貞和3年)に三井寺(みいでら・園城寺(おんじょうじ))の金堂(こんどう)として建立され、1595年(文禄4年)に関白・豊臣秀吉が無理やり移築したとも言われています。
  • 様式:転法輪堂は入母屋造のとち葺(とちぶき)・形銅板葺です。転法輪堂は桁行七間・梁間七間です。
  • 豆知識:三井寺は寺伝によると686年(朱鳥元年)に大友皇子(おおともおうじ(第39代・弘文天皇(こうぶんてんのう)))の子・大友与多王(おおとものよたのおおきみ)が672年(天武天皇元年)の壬申の乱(じんしんのらん)で大海人皇子(おおあまのおうじ(第40代・天武天皇(てんむてんおう)))と皇位を争って敗れた父・大友皇子の霊を弔う為に田園城邑(じょうゆう)を寄進したのが起源と言われています。

【大乗戒の授戒の儀式が行われた大乗戒壇院堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:東塔・大乗戒壇院堂は内部に石造りの戒壇(かいだん)があります。大乗戒壇院堂では大乗仏教(だいじょうぶっきょう)の菩薩(ぼさつ)が守るべき大乗戒の授戒(じゅかい)の儀式が行われました。大乗戒壇院堂は1987年(昭和62年)に西村公朝が造仏した本尊・釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)像を安置しています。
  • 歴史:大乗戒壇院堂は1678年(延宝6年)に再建されました。延暦寺では822年(弘仁13年)、伝教大師・最澄の死後7日目に大乗戒壇の設立が許可されました。
  • 様式:大乗戒壇院堂は一重もこし(裳階)付きで、宝形造(ほうぎょうづくり)のとち葺(とちぶき)です。大乗戒壇院堂は桁行三間・梁間三間です。

【比叡山焼き討ちを唯一免れた瑠璃堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:西塔・瑠璃堂は見逃せません。瑠璃堂は西塔から黒谷に向かう途中にあります。瑠璃堂は安土桃山時代(1573年~1603年)に織田信長による比叡山焼き討ちで、唯一焼失を免れたと言われています。瑠璃堂は歴史的価値があります。
  • 歴史:瑠璃堂は室町時代後期(1467年~1572年)に建立されました。
  • 様式:瑠璃堂は入母屋造の檜皮葺(ひわだぶき)です。瑠璃堂は桁行三間・梁間三間です。なお瑠璃堂は境内で珍しく禅宗様(ぜんしゅうよう・唐様(からよう))の特徴を持っています。

【「にない堂」と言われる常行堂(重要文化財)・法華堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:西塔・常行堂・法華堂には武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)の伝承があります。常行堂・法華堂は同じ形で、左右に並んで建立されています。常行堂と法華堂の間には渡り廊下があり、天秤棒(てんびんぼう)に似ているところから「にない堂(担い堂)」と言われています。常行堂は阿弥陀如来(あみだにょらい)、法華堂は普賢菩薩(ふげんぼさつ)を本尊として安置しています。
  • 歴史:常行堂・法華堂は1595年(文禄4年)に建立されました。
  • 様式:常行堂・法華堂は宝形造のとち葺です。常行堂・法華堂は桁行五間・梁間五間です。
  • 豆知識:常行堂・法華堂は源義経(みなもとのよしつね)の郎党・武蔵坊弁慶が渡り廊下に肩を入れて担ったとも言われています。

【おみくじ発祥の地と言われる四季講堂(重要文化財)の解説】

  • 概要:横川・四季講堂はおみくじ発祥の地とも言われています。四季講堂は967年(康保4年)に第62代・村上天皇(むらかみてんのう)の勅命により、四季に「法華経(ほけきょう)」が論議されたことから四季講堂と言われるようになりました。
  • 歴史:四季講堂は1652年(承応元年)に建立されました。
  • 様式:四季講堂は入母屋造の瓦棒銅板葺です。四季講堂は桁行五間・梁間四間です。
  • 豆知識:四季講堂は第18代天台座主で、元三大師(がんざんだいし)と言われる慈恵大師(じえだいし)・良源(りょうげん)の住居跡と言われ、元三大師堂と言われています。四季講堂は慈恵大師・良源が現代のおみくじの形を考えたことからおみくじ発祥の地とも言われています。護符発祥の地でもあります。

【二階に文殊菩薩像を祀る文殊楼(重要文化財)の解説】

  • 概要:東塔・文殊楼は見逃せません。文殊楼は根本中堂の真東にあり、延暦寺の山門になります。文殊楼は二階建ての門で、二階に文殊菩薩(もんじゅぼさつ)像を安置しています。文殊楼では鐘楼が国連平和の鐘と言われています。国連平和の鐘は世界各国から寄せられたコイン・メダルによって鋳造されています。
  • 歴史:文殊楼は1668年(寛文8年)に火災で焼失したが、その後1668年(寛文8年)に再建されました。ちなみに文殊楼は慈覚大師・円仁が中国・五台山(ごだいさん)の文殊菩薩堂に倣って建立したと言われています。
  • 様式:文殊楼は重層の楼閣です。文殊楼は入母屋造(いりもやづくり)の銅板葺です。

【讃仏堂から移築された阿弥陀堂の鐘楼(重要文化財)の解説】

  • 概要:東塔・阿弥陀堂の鐘楼は讃仏堂の鐘楼だったが、1963年(昭和38年)に讃仏堂が大講堂跡に移され、鐘楼は阿弥陀堂の前に移されました。
  • 歴史:阿弥陀堂の鐘楼は1634年(寛永11年)に建立されました。
  • 様式:阿弥陀堂の鐘楼は切妻造(きりづまづくり)の銅板葺です。阿弥陀堂の鐘楼は丹塗り(にぬり)だが、蟇股(かえるまた)・笈形(おいがた)は極彩色です。

【丈六の阿弥陀如来坐像を祀る阿弥陀堂の解説】

  • 概要:東塔・阿弥陀堂(あみだどう)は丈六の阿弥陀如来坐像を本尊として安置しています。阿弥陀堂は檀信徒の先祖回向(えこう)の道場です。阿弥陀堂では参拝者が施主となって日々回向が行われています。なお阿弥陀堂前には水琴窟(すいきんくつ)があります。
  • 歴史:阿弥陀堂は1937年(昭和12年)に比叡山開創1,150年大法要を記念して建立されました。

【最澄が計画した宝塔に由来する法華総持院東塔の解説】

  • 概要:東塔・法華総持院東塔(ほっけそうじいんとうとう)は下層に胎蔵界(たいぞうかい)大日如来坐像安置し、上層に仏舎利(ぶっしゃり)と法華経(ほけきょう)を安置しています。
  • 歴史:法華総持院東塔は1980年(昭和55年)に阿弥陀堂の横に再建されました。ちなみに法華総持院東塔は伝教大師・最澄が全国6ヶ所に宝塔を建て、日本を護ることを計画したことに由来しています。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
延暦寺見どころ(国宝殿・紅葉など)

【延暦寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・延暦寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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