千本釈迦堂の見どころ-修学旅行・観光の簡単まとめ

千本釈迦堂の国宝・重文などの文化財の見どころ解説
千本釈迦堂の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには釈迦如来を祀る本堂(国宝)、北野天満宮の北野経王堂願成就寺を起源とする経王堂、おかめ塚と言われる宝篋印塔などがあります。また霊宝殿・大根焚きなども見逃せません。
- 本尊・釈迦如来を祀り、釈迦堂を言われる本堂(国宝)
- 北野天満宮の北野経王堂願成就寺を起源とする経王堂
- 六観音などの寺宝を収蔵・展示する霊宝殿
- おかめの墓で、おかめ塚とも言われる宝篋印塔
- 初冬の風物詩である大根焚き(大根だき)
【本尊・釈迦如来を祀り、釈迦堂を言われる本堂(国宝)の解説】
- 概要:本堂は絶対に見る価値があるハイライトです。本堂は京洛最古(市内最古)の木造建築とも言われています。本堂は内陣と外陣に分かれ、内陣の須弥檀(しゅみだん)高御座式の厨子(ずし国宝)内に納められた釈迦如来(しゃかにょらい)坐像(重要文化財)を安置し、釈迦堂とも言われています。釈迦如来坐像は仏師・快慶の弟子・行快作と言われています。なお内陣は中央の方一間が四天柱で囲まれ、内々陣とも言われています。
- 歴史:本堂は1227年(安貞元年)に建立され、「安貞元年」の棟札も残っています。本堂は1220年(承久2年)に義空上人が仮堂を建立し、1223年(貞応2年)に起工し、1227年(安貞元年)に上棟しました。その後洛中の大半を焼き尽くした応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))や1730年(享保15年)の享保の大火(西陣焼け)などから焼失を免れました。本堂は歴史的価値があります。
- 本堂の様式:本堂は入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。本堂は向拝(こうはい)一間です。本堂は桁行五間・梁間六間です。
- 伝承:本堂建立中に大工の棟梁・長井高次が代りのない四天王の柱の内、1本の寸法を切り誤って困っていると妻・おかめ(阿亀)が斗組(ますぐみ)を用いたらとアドバイスして無事に完成しました。ただおかめは女のアドバイスで大任を果たしたことが知れては夫の面目が潰れと思って、上棟式を待たずに自害し、長井高次はおかめの冥福を祈っておかめ塚(宝篋印塔(ほうきょういんとう))を建て、おかめの名にちなんだ福面を付けた扇御幣(おうぎごへい)を飾ったと言われています。
- 伝承:本堂建立中に大光柱が見つからなくて工事が中断していました。摂津の材木商・成金(じょうこん)の夢に金色白眉の老僧が現れ、老僧は洛中に堂宇の建立する為に材木を見せて欲しいと頼んだので、成金が材木を見せると老僧は材木に「大報恩寺」と刻印して帰りました。翌日成金が寺を訪れると夢に現れた老僧がおり、老僧が釈迦十大弟子の一人・莫迦葉尊者であることを知って、成金が木材を寄進したと言われています。
【北野天満宮の北野経王堂願成就寺を起源とする経王堂の解説】
- 概要:経王堂は見逃せません。経王堂は北野天満宮(きたのてんまんぐう)の北野経王堂(きたのきょうおうどう)願成就寺(がんじょうじゅじ)を前身とし、観音堂とも、太子堂とも言われています。経王堂には室町幕府3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)筆と言われる扁額(へんがく)「経王堂」が掛けられています。経王堂の前には山内氏清(やまなうじきよ)の碑も建立されています。
- 歴史:経王堂は北野天満宮(きたのてんまんぐう)に建立されていた北野経王堂願成就寺の部材を使って建立されました。
- 豆知識:北野経王堂願成就寺は足利義満が明徳の乱で亡くなった山内氏清を弔う為に創建しました。ただ明治維新後の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって荒廃しました。
【六観音などの寺宝を収蔵・展示する霊宝殿の解説】
- 概要:霊宝殿は本堂の西側にあります。霊宝殿には十大弟子(じゅうだいでし)立像10躯・木造六観音(ろくかんのん)像6躯・誕生釈迦仏(たんじょうしゃかぶつ)立像・千手観音(せんじゅかんのん)立像・傅大士(ふだいし)及に二童子(どうじ)像が安置されています。また新西国三十三箇所の第16番札所になっている六観音も安置しています。
【おかめの墓で、おかめ塚と言われる宝篋印塔の解説】
- 概要:宝篋印塔は見る価値があるハイライトです。おかめ塚(阿亀塚)はおかめの墓とされ、夫婦円満などのご利益があるとも言われています。おかめ塚は千本釈迦堂で本堂に次ぐハイライトです。おかめ塚は境内の東側に建立されている宝篋印塔(ほうきょういんとう)です。おかめ塚は本殿建立の際の大工の棟梁・長井高次と妻・おかめ(阿亀)の伝承に由来しています。なおおかめ塚に長井高次とおかめに因み、お参りすると夫婦円満・縁結び・子授けのご利益があるとも言われています。
【樹齢約80年とも言われる阿亀桜(枝垂桜)の解説】
- 概要:阿亀桜(おかめさくら)は見逃せません。阿亀桜は境内の中央にあります。阿亀桜は樹齢約80年とも言われている大きな枝垂桜(しだれざくら)です。阿亀桜は例年4月上旬頃に見ごろを迎えます。ちなみに阿亀桜以外にも染井吉野(そめいよしの)・普賢象(ふげんぞう)なども植えられています。
【初冬の風物詩である大根焚き(大根だき)の解説】
- 概要:大根焚き(大根だき)は初冬の風物詩で、例年12月7日・8日に行われています。大根焚きを食べると中風にならないとも言われています。大根焚きは僧・慈禅が法要の際、大根の切り口に梵字を書いて悪魔除けとして渡したのが起源とも言われています。ただ現在ではお釈迦様が悟りを開いた12月8日頃を中心に参拝者に振る舞う行事に変遷しました。
- 歴史:大根焚きは元々、お釈迦様が悟りを開いたことを喜び、感謝するものだそうです。
【約800年近く継承されている節分会の解説】
- 概要:節分会(おかめ福節分会)は例年節分の日に行われています。節分会は約800年近く継承されてきたそうです。節分会ではおかめの貞淑・福徳円満・縁結び・お多福招来を祈願し、一年の厄除けを行います。なお節分会では奉納行事(番匠保存会による木遣音頭(きやりおんど)・花街上七軒の舞妓による舞踊)が行われます。(要確認)
【陶器市も開催される陶器供養会の解説】
- 概要:陶器供養会(とうきくようえ)は例年7月9日から12日に行われています。陶器供養会では本尊・釈迦如来坐像の方便化身・地天尊を勧請し、日常の生活に欠かせない茶碗などの瀬戸物(せともの)を祀り、感謝を捧げ、家内安全・健康増進を祈願します。なお陶器供養会では協賛イベントとして陶器市(お寺さんの陶器市)が行われます。
【千本釈迦堂の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・千本釈迦堂(見どころ・アクセス・・・)ホームページ