勧修寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
勧修寺の見どころは書院・本堂・宸殿・書院南庭・氷室園などです。
勧修寺の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには勧修寺棚がある書院(重要文化財)、本尊を安置する本堂(市指定有形文化財)、氷室池を中心とする美しい氷室園(市指定名勝)などがあります。また宸殿・書院南庭等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 明正天皇の旧殿を移築し、勧修寺棚がある書院(重要文化財)
- 本尊・千手観世音菩薩を祀る本堂(市指定有形文化財)
- 明正天皇の旧殿を移築した宸殿(市指定有形文化財)
- 徳川光圀が寄進した燈籠がある書院南庭(市指定名勝)
- 氷室池を中心とする池泉回遊式の氷室園(市指定名勝)
【勧修寺の歴史・簡単概要】
勧修寺は900年(昌泰3年)に第60代・醍醐天皇が生母・藤原胤子の追善の為、胤子の同母兄弟である右大臣・藤原定方に命じ、胤子の祖父・宮道弥益の邸跡を法相宗の僧・承俊律師を開山として寺院に改めたのが起源と言われています。勧修寺の名称は胤子の父・藤原高藤の諡号に由来しています。その後905年(延喜5年)に定額寺に列せられ、南北朝時代(1337年~1392年)に第93代・後伏見天皇の第7皇子・寛胤法親王が勧修寺15世になり、宮門跡寺院になりました。
【明正天皇の旧殿を移築し、勧修寺棚がある書院(重要文化財)-見どころ】
- 概要:書院は氷室園に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。書院は宸殿・本堂とともに通常非公開だが、特別公開時に一般公開されることがあります。書院には門跡の御座所(ござしょ)である上段の間・対面所である次の間・門跡の私室である柳の間などがあります。上段の間に違い棚である勧修寺棚があります。書院には次の間に土佐光起(とさみつおき)筆の「近江八景図」、上段の間に土佐光起の子・土佐光成(とさみつなり)筆の「竜田川紅葉図」が飾られています。
- 歴史:書院は寺伝によると1673年(延宝元年)から1675年(延宝3年)に第109代・明正天皇(めいしょうてんのう)の旧殿として造営され、1686年(貞享3年)に賜って建立されました。また書院は第111代・後西天皇(ごさいてんのう)の旧殿を賜ったとも言われています。
- 様式:書院は江戸時代(1603年~1868年)前期の書院造の典型な建物と言われています。書院は入母屋造(いりもやづくり)のこけら葺(こけらぶき)です。書院は桁行正面六間・背面九間・梁間東側面五間・梁間西側面四間です。
- 勧修寺棚:勧修寺棚はケヤキ(欅)の一枚板から造られ、3つの棚の内の中央が一段高く、左右対称の構造になっています。柱は床柱も含め、木曽(岐阜)で切り出された尾州ヒノキ(檜)が使われています。
- 障壁画:「近江八景図」は中国の瀟湘八景図(しょうしょうはっけいず)に倣って、琵琶湖沿岸の風景が描かれています。「近江八景図」は近江八景の大和絵としては日本最大級と言われています。「竜田川紅葉図」は川を流れる紅葉の葉に銀のいぶし焼きの技法が用いられ、赤色に柘榴石(ざくろいし)をすり潰したものが使われています。
【本尊・千手観世音菩薩を祀る本堂(市指定有形文化財)-見どころ】
- 概要:本堂は修学旅行・観光で見逃せません。本堂は御願堂とも言われ、像高5尺3寸(約160センチ)の本尊・千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんばさつ)立像を安置しています。千手観世音菩薩は室町時代(1336年~1573年)頃に造仏され、第60代・醍醐天皇(だいごてんのう)の等身像と伝えられています。
- 歴史:本堂は元々、近衛家(このえけ)の建物だったが、その後第112代・霊元天皇(れいげんてんのう)の仮内侍所(かりないしどころ)になり、1672年(寛文12年)に賜って建立されました。
- 様式:本堂は入母屋造の檜皮葺(ひわだぶき)です。本堂は桁行五間・梁間五間です。
【明正天皇の旧殿を移築した宸殿(市指定有形文化財)-見どころ】
- 概要:宸殿は修学旅行・観光で見逃せません。宸殿は明正天皇の旧殿を前身とし、小学校として使用された歴史もあります。宸殿には上段の間・二の間・三の間が一列に並び、上段の間に床・棚・付書院があります。宸殿には山階宮晃親王(やましなのみやあきらしんのう)筆の扁額(へんがく)「明王殿」が掛けられています。
- 歴史:宸殿は1697年(元禄10年)に第109代・明正天皇の旧殿を賜って建立されたと言われています。
- 様式:宸殿は書院造(しょいんづくり)です。宸殿は入母屋造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。宸殿は桁行約17.7メートル・梁行約9.9メートルです。
- 豆知識:宸殿は1872年(明治5年)9月に勧修小学校が開校した際、約9年間に渡って校舎として使用されました。
【観世音菩薩を祀り、大斐閣とも言われる観音堂-見どころ】
- 概要:観音堂は本尊・観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)像を安置しています。観音堂は大斐閣(だいひかく)とも言われています。なお観音堂近くには月桂石・臥牛石・仙人石などが置かれています。
- 歴史:観音堂は1931年(昭和6年)に再建されました。
- 様式:観音堂は氷室池に面して建立された楼閣(ろうかく)風の建物です。
【徳川光圀が寄進した燈籠がある書院南庭(市指定名勝)-見どころ】
- 概要:書院南庭には一面に樹齢約750年と言われるハイビャクシン(這柏槙)が分布しています。書院南庭には江戸時代(1603年~1868年)前期に水戸黄門(みとこうもん)とも言われた常陸水戸藩第2代藩主・徳川光圀(とくがわみつくに・水戸光圀)が寄進したと伝わる勧修寺型燈籠(とうろう)が建立されています。
- 豆知識:勧修寺型燈籠は雪見燈籠をアレンジして造られました。
【氷室池を中心とする池泉回遊式の氷室園(市指定名勝)-見どころ】
- 概要:氷室園は修学旅行・観光で絶対に見る価値があります。氷室園は氷室池(ひむろいけ)を中心とする面積約2万平方メートルの池泉回遊式庭園です。氷室園には緑鴨洲・集仙島・方壷島・白花渚・洗珠橋・渡猿橋・木欄橋・月桂石・臥牛石・仙人石などがあります。氷室園には梅・桜・杜若・花菖蒲・睡蓮・蓮・楓など多くの植物が植えられ、四季折々に美しい光景を眺められます。桜・紅葉シーズンには桜・紅葉に彩られた絶景を眺められます。氷室園にはカワセミ・カルガモ・白鷺などの野鳥なども生息しています。なお氷室園には江戸時代(1603年~1868年)後期に発行された「拾遺都名所図会(しゅういみやこめいしょずえ)・1786年(天明6年)刊」に氷室池十五勝が描かれています。
- 歴史:氷室池はかつて現在よりも南側に広がっていたが、桃山時代(1583年~1603年)に関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)が伏見街道を整備した際、南側が埋められました。
- 豆知識:氷室池では平安時代(794年~1185年)の1月2日に池に張った氷を宮中に献上し、その厚さによって五穀豊穣を占っていたと言われています。
【大石順教が建立した塔頭・仏光院-見どころ】
- 概要:仏光院は勧修寺の塔頭(たっちゅう)です。仏光院は1951年(昭和26年)に大石順教が建立しました。
【勧修寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・勧修寺(見どころ・アクセス・・・)wikipedia