伏見稲荷大社の見どころ簡単解説2-修学旅行・観光の豆知識
伏見稲荷大社の見どころは神楽殿・奥社奉拝所・稲荷山・二匹の狐・御旅所など
伏見稲荷大社の見どころを簡単にマトメて解説します。見どころには金剛流宗家が寄進した神楽殿、稲荷山を遥拝する奥社奉拝所、東山三十六峰に数えられる稲荷山、二匹の狐、御膳谷奉拝所、桜、紅葉、初午大祭、御旅所などがあります。(個別解説下記参照)
●本殿(重要文化財)・千本鳥居・狛狐などの伏見稲荷大社見どころは下記リンクから確認することができます。
伏見稲荷大社見どころ(本殿・千本鳥居など)
【伏見稲荷大社の歴史・簡単概要】
伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)とは社伝によると奈良時代初期の711年(和銅4年)に伊侶巨秦公(いろこのはたのきみ)が勅命(ちょくめい)を受け、伊奈利山(いなりやま・稲荷山)の三つの峯の平らな場所に祭神・稲荷大神(いなりのおおかみ)と言われる宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)・大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)・佐田彦大神(さたひこのおおかみ)・田中大神(たなかのおおかみ)・四大神(しのおおかみ)を祀ったことが起源と言われています。平安時代前期の827年(天長4年)に真言宗(しんごんしゅう)の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海が第52代・嵯峨天皇(さがてんのう)から東寺(教王護国寺(きょうおうごこくじ))を賜った際に東寺の鎮守社(ちんじゅしゃ)になりました。
京都・伏見稲荷大社歴史(起源・・・)
【金剛流宗家が寄進した神楽殿】
- 概要:神楽殿では神楽が奏されています。神楽殿は正面鏡板(かがみいた)に松の絵が描かれています。神楽殿は1882年(明治15年)に能のシテ方の流派・金剛流(こんごうりゅう)宗家によって寄進されました。
- 豆知識:金剛流は法隆寺(ほうりゅうじ)に仕えた猿楽座(さるがくざ)・坂戸座(さかどざ)を源流とし、室町時代初期の坂戸孫太郎氏勝(さかとまごたろううじかつ)を流祖としています。
【稲荷山を遥拝する奥社奉拝所】
- 概要:奥社奉拝所(奥の院)は稲荷大神が鎮座したと言われる稲荷山を遥拝する場所です。奥社奉拝所は江戸時代に封戸所(ふこしょ)・供物所(くもつしょ)とも言われていました。奥社奉拝所は1749年(寛延2年)に再建され、1975年(昭和50年)に現在の場所に移されました。
【東山三十六峰に数えられる稲荷山】
- 概要:稲荷山は東山三十六峰(ひがしやまさんじゅうろっぽう)の最南端に位置する標高約233メートルの霊峰です。稲荷山は古くから三ケ峰とも言われ、三つの峰が西から東に徐々に高くなっています。ちなみに本殿に近い峰から三ノ峰・二ノ峰・一ノ峰と称し、三ノ峰と二ノ峰の中程に間の峰があります。なお稲荷山に分布する杉はご神木とされています。
- 信仰:稲荷山では一ノ峰(上之社神蹟(しんせき))が末広大神(すえひろおおかみ)、二ノ峰(中之社神蹟)が青木大神(あおきおおかみ)、三ノ峰(下之社神蹟)が白菊大神(しらぎくおおかみ)、間ノ峰(荷田社神蹟)が伊勢大神(いせおおかみ)と崇められています。
- お山めぐり:お山めぐりは稲荷山の一ノ峰から三ノ峰を回るものです。お山めぐりは総延長約4キロで、個人差があるが、1時間から2時間掛かります。稲荷山には鳥居だけでなく、1万近くの「お塚」や末社・剣石・小さな祠(ほこら)などもあります。
【願いが叶うと言われる二匹の狐】
- 概要:二匹の狐は千本鳥居近くにあります。二匹の狐は左右対称で、顔の近くに丸い輪・宝珠の輪があります。丸い輪にお賽銭(さいせん)を投げ入れることができると願いが叶うと言われています。
【三ヶ峰に神供を行っていた御膳谷奉拝所】
- 概要:御膳谷奉拝所は稲荷山三ヶ峰(三ノ峰・二ノ峰・一ノ峰)の北背後にあります。御膳谷遙拝所にはかつて神饗殿(みあえどの)・御竈殿(みかまどの)があり、三ヶ峰に神供を行っていたと言われています。
- 行事:御膳谷奉拝所では例年1月5日に大山祭・山上の儀が行われています。
【1963年(昭和38年)に開かれた御幸奉拝所】
- 概要:御幸奉拝所は四ツ辻の北側にあります。御幸奉拝所は1963年(昭和38年)に開かれました。御幸奉拝所がある尾根は平安時代頃から御幸辺(みゆきべ)とも言われ、稲荷山三ヶ峰への重要な経路でした。なお御幸奉拝所近くには横山大観(よこやまたいかん)の筆塚があり、周囲に黒竹が植えられています。
【春の桜・見ごろ】
- 概要:伏見稲荷大社は桜の名所です。境内に染井吉野・枝垂桜などの桜の木が分布しています。桜は例年4月上旬頃に見ごろを迎えます。
【秋の紅葉・見ごろ】
- 概要:伏見稲荷大社は紅葉の名所です。境内にイロハモミジ・サクラ・サルスベリなどが分布しています。紅葉は例年11月中旬頃から12月上旬頃に見ごろを迎えます。
【長者社・眼力社などの摂末社(摂社・末社)】
- 概要:伏見稲荷大社には境内に白狐社以外にも長者社(ちょうじゃしゃ)・眼力社(がんりきしゃ)・熊鷹社(くまたかしゃ)・薬力社(やくりきしゃ)・田中社・大杉社・奥村社・傘杉社(かさすぎしゃ)・玉姫社などの摂社・末社が建立されています。
【京洛初春第一の祭事と言われた初午大祭】
- 概要:初午大祭は古来から京洛初春第一の祭事と言われていました。初午大祭では御神木・杉の小枝を挿し、幸福を祈ったことから「福参り」・「初午詣」とも言われました。初午大祭は例年2月の最初の午の日に行われています。なお授与される「しるしの杉」には商売繁盛・家内安全のご利益があると言われています。
- 歴史:初午大祭は稲荷大神が最初に稲荷山に鎮座したのが2月の初午の日だったことに由来しています。
【稲荷祭の際に神輿が泰安される御旅所】
- 概要:御旅所は京都市南区西九条池ノ内町98にあります。御旅所には稲荷祭の神幸祭(しんこうさい)から還幸祭(かんこうさい)の期間中に稲荷大神の神霊を遷した5基(田中社・上社・下社・中社・四之大神)の神輿が奉安されます。
- 歴史:御旅所はかつて七条油小路と八条坊門猪熊にあったが、天正年間(1573年~1592年)に関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の命により、現在の場所に移されてひとつになったと言われています。
【伏見稲荷大社 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・伏見稲荷大社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ