聖護院の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
聖護院の見どころは書院・宸殿・本堂・御学問所・積善院などです。
聖護院の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには後水尾天皇の側室の書院を移築したと言われる書院(重要文化財)、光格天皇の仮御所になった宸殿、本尊・不動明王を安置する本堂などがあります。また御学問所・積善院等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 後水尾天皇の側室の書院を移築した書院(重要文化財)
- 第119代・光格天皇の仮御所になった宸殿
- 智証大師・円珍作とも言われる本尊・不動明王を祀る本堂
- 一夜で建てられ、一夜造御学問所とも言われる御学問所
- 本尊・准胝観音を祀る塔頭・積善院
【聖護院の歴史・簡単概要】
聖護院は1090年(寛治4年)に白河上皇(第72代・白河天皇)が熊野三山を参詣する熊野御幸の際、先達を務めた増誉大僧正が寺院を賜り、聖体護持の二字から聖護院としたのが起源と言われています。増誉大僧正は天台寺門宗の宗祖である智証大師・円珍の後を継いで大峰修行を行い、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社を統轄する初代熊野三山検校職に任命されたそうです。その後第77代・後白河天皇の皇子・静恵法親王が入寺して門跡寺院になりました。
【後水尾天皇の側室の書院を移築した書院(重要文化財)-見どころ】
- 概要:書院は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。書院には主室(床・棚・附書院付)・次の間(床・棚付)・背面室(八畳・六畳・四畳)・玄関・玄関次の間(床付)などがあります。書院には狩野正栄筆の襖絵が飾られています。
- 歴史:書院は江戸時代(1603年~1868年)前期に御所の書院として建てられ、1676年(延宝4年)に聖護院に移築されて建立されたと言われています。ちなみに書院は第108代・後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の側室の書院だったとも言われています。
- 様式:書院は数寄屋(すきや)風の書院造(しょいんづくり)です。書院は入母屋造(いりもやづくり)の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。庇(ひさし)はこけら葺(こけらぶき)です。
【第119代・光格天皇の仮御所になった宸殿-見どころ】
- 概要:宸殿は書院に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。宸殿は第119代・光格天皇(こうかくてんのう)の仮御所になりました。宸殿には大玄関・仏間・玉座の間・花鳥の間(二の間)・孔雀の間・太公望の間・波の間などがあります。宸殿は出羽守政常作の役行者(えんのぎょうじゃ)像・蔵王権現(ざおうごんげん)像・三宝荒神(さんぼうこうじん)像・孔雀明王(くじゃくみょうおう)像・逆手阿弥陀如来(さかてあみだにょらい)像などを安置しています。また宸殿は鎌倉時代(1185年~1333年)作の不動明王(ふどうみょうおう)・室町時代(1336年~1573年)作の不動明王・江戸時代(1603年~1868年)作の不動明王も安置しています。花鳥の間に狩野益信筆「吐綬鷄」、孔雀之間に狩野永納筆の「孔雀図」、太公望の間に狩野永納筆の「太公望」・「林和靖」・「陶淵明」、波の間に狩野永納筆の「波濤図」の襖絵が飾られています。
- 歴史:宸殿は江戸時代(1603年~1868年)中期に建立されました。
- 豆知識:宸殿は1788年(天明8年)に天明の大火が起こった際、第119代・光格天皇の仮御所になりました。また1854年(安政元年)に内裏が火災に見舞われた際、第121代・孝明天皇(こうめいてんのう)が一時仮宮として使用しました。
【智証大師・円珍作とも言われる本尊・不動明王を祀る本堂-見どころ】
- 概要:本堂は智証大師(ちしょうだいし)・円珍(えんちん)が造仏したと言われている本尊・不動明王立像(重要文化財)を安置しています。また本堂は羯羅童子(こんがらどうし)・制咤迦童子(せいたかどうし)・智証大師坐像なども安置しています。本堂には内内陣・内陣・耐火式空殿などがあります。
- 歴史:本堂は1968年(昭和43年)に建て替えられました。
- 行事:本堂は節分(春分の日の前日)に柱源護摩(はしらもとごま)が行われています。
【一夜で建てられ、一夜造御学問所とも言われる御学問所-見どころ】
- 概要:御学問所は修学旅行・観光で見逃せません。御学問所は第119代・光格天皇の学問所として使われました。御学問所は一夜で建てられたとも言われ、一夜造御学問所(一夜造りの御学問所)と言われています。
- 歴史:御学問所は江戸時代(1603年~1868年)後期に光格天皇の学問所として建てられ、1788年(天明8年)に移築して建立されたと言われています。
- 豆知識:御学問所は御講書始(ごこうしょはじめ)などの行事や遊興(ゆうきょう)の場に使われた建物です。
【江戸時代後期の中御殿・江戸時代中期の北御殿-見どころ】
- 歴史:中御殿は江戸時代(1603年~1868年)後期に建立されました。北御殿は江戸時代中期に建立されました。
【表門である山門(表門)-見どころ】
- 歴史:山門は聖護院の表門です。山門は1676年(延宝4年)に再建されたと言われています。2000年(平成12年)に修理されました。
【本尊・准胝観音を祀る塔頭・積善院-見どころ】
- 概要:積善院(せきぜんいん)は聖護院の塔頭(たっちゅう)です。積善院は本尊・准胝観音(じゅんでいかんのん)を安置しています。
- 歴史:積善院は1200年(正治2年)頃に熊野神社(くまのじんじゃ)北西に創建されたと言われています。積善院は聖護院が行う山伏の統括事務を代行する院家(いんげ)で、稱ノ坊(なぎのぼう)と称したと言われています。1868年(明治元年)に準提堂(じゅんていどう)と合寺し、1899年(明治32年)に祟徳田から崇徳院地蔵(すとくいんじぞう)と言われる人喰い地蔵が移され、1914年(大正3年)に準提堂の伽藍が移され、積善院凖提堂とも言われるようになりました。
【聖護院 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・聖護院(見どころ・アクセス・・・)ホームページ