毘沙門堂の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

毘沙門堂(Bishamon-do Temple)

毘沙門堂の見どころは本堂・宸殿・霊殿・仁王門・晩翠園などです。

毘沙門堂の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには毘沙門天像を祀る本堂(市指定有形文化財)、後西天皇の旧殿を移築した宸殿(市指定有形文化財)、池を中心とした晩翠園などがあります。また霊殿・仁王門等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【毘沙門堂の歴史・簡単概要】

毘沙門堂は寺伝によると703年(大宝3年)に僧・行基菩薩が第42代・文武天皇の勅願により、護法山出雲寺を上京区出雲路に創建したのが起源と言われています。795年(延暦14年)に第50代・桓武天皇が行幸し、天台宗の宗祖である伝教大師・最澄が自ら刻んだ毘沙門天を安置したと言われています。1160年(平治元年)の平治の乱で焼失して荒廃したが、鎌倉時代(1185年~1333年)初期に平親範が平家ゆかりの3つの寺院(平等寺・尊重寺・護法寺)を合寺して再興しました。その後度々移ったり、応仁の乱などで焼失したりしました。1665年(寛文5年)に天海大僧正とその弟子・公海大僧正が現在の場所に再興しました。

【本尊(秘仏)・毘沙門天を祀る本堂(市指定有形文化財)】

  • 本堂の概要:本堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。本堂は京都の仏堂建築であまり見られない、関西唯一の廟造とも言われています。本堂は京の七福神に数えられる本尊(秘仏)・毘沙門天(びしゃもんてん)像を安置しています。毘沙門天は天台宗(てんだいしゅう)の宗祖である伝教大師(でんぎょうだいし)・最澄(さいちょう)が比叡山(ひえいざん)延暦寺(えんりゃくじ)の根本中堂に安置されている本尊・薬師如来(やくしにょらい)の余材で自ら刻んだと伝えられいます。
  • 本堂の歴史:本堂は1666年(寛文6年)に江戸幕府4代将軍・徳川家綱(とくがわいえつな)の援助によって建立されたと言われています。
  • 本堂の様式:本堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。本堂は桁行六間・梁間五間です。本堂は漆塗・彩色・彫刻が施され、唐門・仁王門とともに日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)の建築に通じる雰囲気を持っていると言われています。なお本堂には向唐破風造(むこうからはふづくり)の唐門(からもん)や周囲の透塀(すきべい)も建立されています。
  • 本堂の豆知識:毘沙門天は京の七福神に数えられ、商売繁盛・家内安全にご利益があるとも言われています。
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【第111代・後西天皇の旧殿を移築した宸殿(市指定有形文化財)】

  • 宸殿の概要:宸殿は修学旅行・観光で見逃せません。宸殿は第111代・後西天皇(ごさいてんのう)の旧殿を前身とし、門跡(もんぜき)の新書院です。宸殿には絵師・狩野益信(かのうますのぶ)筆の障壁画が飾られています。
  • 宸殿の歴史:宸殿は1686年(貞享3年)に後西天皇の第6皇子で、第3世門主・公弁法親王(こうべんほっしんのう)が後西天皇の旧殿を賜り、1693年(元禄6年)に毘沙門堂に移築して建立されました。
  • 宸殿の様式:宸殿は書院造(しょいんづくり)です。宸殿は屋根が瓦葺です。かつて檜皮葺でした。

【御所の御霊屋を移築した霊殿(市指定有形文化財)】

  • 霊殿の概要:霊殿は御所の御霊屋を前身としています。霊殿には御成之間・四愛堂之間・九老之間・曲水之間・白鷺之間・梅之間などがあります。霊殿は阿弥陀如来(あみだにょらい)を中央に歴代の影像や位牌を安置しています。霊殿には天井に狩野主信(かのうゆきのぶ)が描いた「雲龍図」があります。
  • 霊殿の歴史:霊殿は1563年(永禄6年)に御所の御霊屋として建立され、第3世門主・公弁法親王が賜り、元禄年間(1688年~1704年)に毘沙門堂に移築して建立されました。なお御霊屋では天皇即位の密教儀式・灌頂(かんじょう)が行われていました。

【公弁法親王が高台寺から移した高台弁才天】

  • 高台弁才天の概要:高台弁才天(こうだいべんざいてん)は弁才天を祀っています。
  • 高台弁才天の歴史:高台弁才天は関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の母・大政所(おおまんどころ)が大坂城内に祀っていたが、1615年(元和元年)の大坂夏の陣後に豊臣秀吉の正室・北政所(きたのまんどころ)が高台寺(こうだいじ)に移し、第3世門主・公弁法親王が庶民福楽の為に毘沙門堂に移しました。なお大坂夏の陣によって豊臣秀吉の子・(とよとみひでより)とその母・淀殿(よどどの)が自害して豊臣家は滅亡しました。

【本堂への表門で、仁王(金剛力士)を祀る仁王門(市指定有形文化財)】

  • 仁王門の概要:仁王門は修学旅行・観光で見逃せません。仁王門は急峻な石段の上に建立され、本堂への表門にあたります。仁王門は1665年(寛文5年)に造仏された阿吽(あうん)の仁王(におう・金剛力士(こんごうりきし))像を安置しています。
  • 仁王門の歴史:仁王門は1665年(寛文5年)に建立されたと言われています。

【後西天皇の旧殿から移築した勅使門(市指定有形文化財)】

  • 勅使門の概要:勅使門は天皇の行幸・勅使の代参・門主の晋山などの際に開門され、通常開門されません。
  • 勅使門の歴史:勅使門は宸殿とともに1686年(貞享3年)に第3世門主・公弁法親王が後西天皇の旧殿を賜り、1693年(元禄6年)に移築して建立されました。
  • 勅使門の様式:勅使門は屋根が檜皮葺(ひわだぶき)です。

【「心」字の裏文字を象った池を中心とした晩翠園】

  • 晩翠園の概要:晩翠園は本堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。晩翠園(ばんすいえん)は「心」字の裏文字を象った池を中心とした池泉回遊式庭園です。晩翠園には谷川の水を引き入れた滝や亀石・千鳥石・座禅石などが配されています。晩翠園は紅葉など四季折々に美しい光景が見られます。晩翠園の名称は山が深く、翠が夜目に浮かぶようであるとして名付けられたと言われています。
  • 晩翠園の歴史:晩翠園は江戸時代(1603年~1868年)初期に作庭されました。
  • 晩翠園の豆知識:晩翠園には第3世門主・公弁法親王が好んだ鞍馬自然石で造られた手水鉢(ちょうずばち)が一角に置かれています。手水鉢は公弁法親王が上野・寛永寺(かんえいじ)に下向した際に牛に曳かせて所持しました。

【樹齢150年以上の美しい般若桜】

  • 般若桜の概要:般若桜(はんにゃざくら)は樹齢150年以上で、樹高約10メートル・枝張り約30メートルと言われるシダレザクラ(枝垂桜)です。毘沙門堂にはソメイヨシノ(染井吉野)なども植えられ、桜は例年4月上旬頃に見ごろを迎えます。なお般若桜は5代目と言われています。

【毘沙門堂 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・毘沙門堂(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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