平等院の見どころ解説-修学旅行・観光の簡単まとめ

平等院見どころ

平等院の国宝・重要文化財などの見どころ解説

平等院の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには平等院の本堂である鳳凰堂(国宝)、定朝作と唯一確証がある阿弥陀如来坐像(国宝)、国内最古の浄土式庭園と言われる庭園(名勝・史跡)などがあります。また観音堂・ミュージアム鳳翔館なども見逃せません。

【平等院の本堂である鳳凰堂(国宝)の見どころ解説】

★鳳凰堂(阿弥陀堂)は修学旅行・観光で絶対に見る価値があります。鳳凰堂は庭園の阿字池の中島にあり、極楽浄土の宝池(ほうち)に浮かぶ美しい宮殿のように見えると言われています。鳳凰堂は平等院の本堂で、中堂に西方極楽浄土(ごくらくじょうど)の教主である本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像(国宝)を安置しています。周囲の壁・扉に九品来迎図(くほんらいこうず)などが描かれています。また中堂内部の長押(なげし)上の小壁(こかべ)に雲中供養菩薩(うんちゅうくようぼさつ)像52躯も掛けられています。(一部はミュージアム鳳翔館展示)
★歴史:鳳凰堂は1053年(天喜元年)に藤原頼通(ふじわらのよりみち)が創建しました。明治時代に行われた改修の際に屋根から取り外された部材を年輪年代測定すると1046年(寛徳3年)と1047年(永承2年)に伐採されたことが判明しました。1670年(寛文10年)に大規模な修理が行われ、正面扉が取り替えられました。2012年(平成24年)から2014年(平成26年)に外観が酸化鉄と黄土を混ぜた丹土塗り(につちぬり)に塗り替えられ、鳳凰の金箔張り(きんぱくばり)が行われました。平成の大修理によって美しい姿が蘇りました。
★様式:鳳凰堂は寝殿造(しんでんづくり)の様式を取り入れた鳳凰造です。鳳凰堂は中堂・北翼廊・南翼廊・尾廊に分かれ、北翼廊・南翼廊は中堂の南北、尾廊は中堂の西にあります。中堂は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)で、一見、二階建てに見える一重もこし(裳階)付です。北翼廊・南翼廊は宝形造(ほうぎょうづくり)で、切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。尾廊は切妻造の本瓦葺です。鳳凰堂は鳳凰像を除き、高さ約13.5メートル・幅約47メートル・奥行き約35メートルです。中堂は桁行(けたゆき)三間・梁間(はりま)二間、北翼廊・南翼廊は桁行折曲り延長八間・梁間一間、尾廊は桁行七間・梁間一間です。
★名称:鳳凰堂はかつて阿弥陀堂・御堂・大堂と言われ、江戸時代(1603年~1868年)以降に鳳凰堂と言われるようになりました。須弥壇の金銅板(1680年(延宝8年))の刻銘に「平等院鳳凰堂」と刻まれています。
★豆知識:末法思想(まっぽうしそう)は仏教の開祖・お釈迦様の入滅後から2千年目以降に仏法が廃れるという思想で、平安時代後期に貴族社会に広がり、救いを阿弥陀如来に求めました。平等院は末法元年とされた1052年(永承7年)に創建されました。

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【定朝作の阿弥陀如来坐像(国宝)の見どころ解説】

★阿弥陀如来坐像は平等院の本尊で、鳳凰堂の中堂に安置されています。中堂の正面格子戸(こうしど)の円窓から眺められます。阿弥陀如来坐像は脱落している螺鈿(らでん)や飾金具で装飾されていた須弥壇(しゅみだん)に安置されています。
★歴史:阿弥陀如来坐像は寄木造(よせぎづくり)技法の完成者である仏師・定朝(じょうちょう)が造仏し、1053年(天喜元年)に平等院に収められました。阿弥陀如来坐像は定朝作と唯一確証がある仏像です。
★様式:阿弥陀如来坐像は像高277.2センチで、寄木造の漆箔(うるしはく)です。阿弥陀如来坐像は円満な面相で、優美で温和な作風は仏像彫刻の理想像として「仏の本様(手本)」と称されました。

【鳳凰堂の由来になった鳳凰(国宝)の見どころ解説】

★鳳凰は阿弥陀堂が鳳凰堂と言われる由来になっています。鳳凰は鳳凰堂の中堂にある大棟の南北両端に一対が設置されていたが、現在はミュージアム鳳翔館に収蔵され、複製が設置されています。
★歴史:鳳凰は鳳凰堂が創建された平安時代後期(11世紀頃)に制作されたと言われています。鳳凰は仏師・定朝が原型を制作したとも言われています。また源師時(みなもとのもろとき)の「長秋記」によると鳥羽の鋳物師が本体を制作したとも言われています。
★特徴:鳳凰は北方像が総高約235.0センチ・像高約98.8センチ・幅約34.5センチ、南方像が総高約228.8センチ・像高約95.0センチ・幅約44.5センチです。鳳凰は金銅(こんどう)製です。鳳凰は頭部・胴部・翼・脚などが別々に鋳造され、風切羽ととともに鋲(びょう)で留められています。

【天下の三名鐘に数えられた梵鐘(国宝)の見どころ解説】

★梵鐘は「姿の平等院鐘」と言われ、「声の園城寺(おんじょうじ)鐘」・「勢の東大寺(とうだいじ)鐘」とともに「天下の三名鐘(さんめいしょう)」に数えられています。梵鐘は庭園の阿字池の畔に建立された鐘楼(しょうろう)に釣られていたが、現在はミュージアム鳳翔館に収蔵され、複製が釣られています。梵鐘には全面に天人(てんにん)・獅子(しし)・龍(りゅう)・供養菩薩(くようぼさつ)・唐草文様(からくさもんよう)などの浮き彫りがあります。
★歴史:梵鐘は鳳凰堂が創建された平安時代後期(11世紀頃)に製作されたと言われています。1980年(昭和55年)に60円の普通切手のデザインに採用されました。
★特徴:梵鐘は総高約199.0センチ・竜頭高約41.8センチ・笠形高約10.9センチ・身高約146.0センチ・撞座径約19.7センチ・口径約123.0センチ・口厚約12.0センチです。梵鐘は銅製です。

【十一面観音を祀る観音堂(重要文化財)の見どころ解説】

★観音堂は見逃せません。観音堂は本堂(金堂)跡に建立されています。観音堂は平安時代後期(11世紀頃)に造仏された本尊・十一面観音(じゅういちめんかんのん)立像(重要文化財)を安置していたが、現在はミュージアム鳳翔館に収蔵されています。
★歴史:観音堂は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に本堂跡に建立されました。なおかつての本堂は元々、宇治殿の寝殿だったが、仏堂に改造されていました。
★様式:観音堂は寄棟造(よせむねづくり)の本瓦葺です。観音堂は桁行七間・梁間四間です。
★仏像:十一面観音は像高約167.2センチです。十一面観音は後頭部に暴悪大笑面(ぼうあくだいしょうめん)がなく、一般的な十一面観音と異なっています。

【浄土式庭園である庭園(名勝・史跡)の見どころ解説】

★庭園は鳳凰堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。庭園は宇治川(うじがわ)や対岸の山々を借景とし、阿字池の中島に鳳凰堂が建てられている浄土式庭園です。庭園は日本国内最古の浄土式庭園とも言われています。阿字池は「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」の極楽浄土の宝池(ほうち)を模しています。庭園には桜・カエデなどが植えられ、桜・紅葉シーズンにライトアップが行われます。
★歴史:庭園は平安時代(794年~1185年)後期に作庭されたと言われています。庭園は歌人・橘俊綱(たちばなのとしつな)が「今鏡(いまかがみ)・平安時代末期成立」の中で当代きってのものと謳いました。1990年(平成2年)からの発掘調査により、平安時代の州浜が検出され、作庭当初の姿に戻されました。また鳳凰堂に渡る2つの小橋も当初の形式に戻されました。2003年(平成15年)度末に整備が完了しました。

【鳳凰堂前に建立されている灯籠(重美)の見どころ解説】

★灯籠(重美)は仏の供養の為、鳳凰堂前に1基のみ建立されています。灯籠は六角石灯籠で、平等院型灯籠と言われています。灯籠は高さが基台から約2メートルです。
★歴史:灯籠は基礎が平安時代(794年~1185年)末期、竿(さお)・中台(ちゅうだい)・笠(かさ)が鎌倉時代(1185年~1333年)末期、火袋(ひぶくろ)・宝珠(ほうじゅ)が安土桃山時代(1573年~1603年)頃、基台が近世頃に造られたとも言われています。灯籠は藤原頼通が奈良・興福寺(こうふくじ)南円堂前の銅灯籠を写したとも言われています。

【ミュージアム鳳翔館(日本芸術院賞)の見どころ解説】

★ミュージアム鳳翔館(ほうしょうかん)は修学旅行・観光で見る価値があります。ミュージアム鳳翔館は鳳凰(国宝)・雲中供養菩薩像(国宝)・梵鐘(国宝)など寺宝を収蔵・展示しています。ミュージアム鳳翔館は建物自体が日本芸術院賞・日本建築学会作品選奨を受賞しています。
★歴史:鳳翔館は建築家・栗生明(くりゅうあきら)が設計し、2001年(平成13年)に開館しました。平等院ではかつて宝物館が建設されていました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
平等院見どころ(扇の芝・藤の花・桜と桜ライトアップ・・・)

【平等院の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
平等院は1994年(平成6年)にユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」に登録されました。
*参考・・・平等院(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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