東寺の見どころ完全ガイド|五重塔などの観光スポット解説

東寺見どころ(To-ji Temple) 

東寺の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

東寺は世界遺産に登録された京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。東寺には日本一高い木造塔である五重塔をはじめ、東寺の本堂である金堂、立体曼荼羅がある講堂など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【五重塔(国宝)の見どころ解説|東寺最大の見どころ】

五重塔は東寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。五重塔は日本一高い木造塔と言われる高さ約54.8メートルで、東寺のシンボル・ランドマークになっており、東寺の中で一番写真・SNS映えします。五重塔は真言密教の教主である大日如来(だいにちにょらい)とする心柱(しんばしら)を中心に金剛界四仏(こんごうかいしぶつ)像・八大菩薩(はちだいぼさつ)像を安置し、金剛界曼荼羅(まんだら)などが描かれ、極彩色で彩られた密教空間が広がっています。なお五重塔通年で夜間にライトアップされ、暗闇の中に浮かぶ姿が幻想的です。
★五重塔は826年(天長3年)から建立が始まり、その後落雷・不審火で4度焼失しました。現在の五重塔は1644年(寛永21年)に江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)の寄進によって再建されました。
★五重塔は三間五重塔婆(さんげんごじゅうとうば)で、屋根が本瓦葺です。五重塔は心柱を使用した耐震構造になっています。
★五重塔には真言宗の宗祖である弘法大師・空海が唐(中国)から持ち帰ったお釈迦様(おしゃかさま)の遺骨・仏舎利(ぶっしゃり)が納められたと言われ、歴史的価値があります。

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【金堂(国宝)の見どころ解説|東寺の本堂】

金堂は東寺の本堂で、本尊・薬師如来(やくしにょらい)坐像(重要文化財)や脇侍(きょうじ)の日光菩薩(にっこうぼさつ)像(重要文化財)・月光菩薩(がっこうぼさつ)像(重要文化財)を安置し、厳粛な雰囲気に包まれています。薬師如来坐像は東寺を訪れた際に最初にお参りしたい仏様です。
★金堂は東寺の中で最も早く創建され、823年(弘仁14年)頃に完成したが、1486年(文明18年)に土一揆で焼失しました。現在の金堂は1603年(慶長8年)に関白・豊臣秀吉の子・秀頼の寄進によって再建されました。金堂は豊臣秀吉が建立した方広寺(ほうこうじ)大仏殿を写して再建されたと言われ、「大仏殿写しの金堂」として七不思議に数えられたのが豆知識です。
★金堂は東寺最大の建物で、宋(中国)の様式を取り入れた東大寺の大仏様(だいぶつよう・天竺様(てんじくよう))を受け継ぎ、和様(わよう)も取り入れた特徴的な建築様式になっています。屋根は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)で、一重裳階(もこし)付きです。
★薬師如来は像高約288センチ、日光菩薩は像高約290センチ、月光菩薩は像高約289センチです。仏像は1602年(慶長7年)から1604年(慶長9年)に七条仏所慶派21代・康正(こうしょう)が造仏しました。

【講堂(重要文化財)の見どころ解説|空海構想の立体曼荼羅】

講堂は弘法大師・空海が最初に建立に着手した密教の中心伽藍で、訪れるべきスポットです。講堂は真言密教の教主である大日如来を中心とした密教尊21体(五智如来・五大菩薩・五大明王・四天王など)を安置し、弘法大師・空海が構想した立体曼荼羅(まんだら・羯磨(かつま) 曼荼羅))が視覚的・三次元で表現され、神秘的な空間が広がっています。弘法大師・空海の意図か明らかでなく、教理的背景を想像させる見どころです。
★講堂は825年(天長2年)に着工され、839年(承和6年)に完成しました。2000年(平成12年)に須弥壇(しゅみだん)の下から薄い木を焼いた跡が発見され、弘法大師・空海が鎮壇(ちんだん)として護摩(ごま)を焚いたとも言われています。その後1486年(文明18年)に土一揆で焼失しました。現在の講堂は1491年(延徳3年)に再建されました。
★講堂は伽藍(東西南北約255メートル)のほぼ中心に建立されています。屋根は入母屋造の本瓦葺です。
★立体曼荼羅は五智如来(大日如来・阿しゅく如来・宝生如来・不空成就如来・阿弥陀如来)、五大菩薩(金剛波羅密多菩薩・金剛薩た菩薩・金剛宝菩薩・金剛業菩薩・金剛法菩薩)、五大明王(不動明王・金剛夜叉明王・降三世明王・大威徳明王・軍荼利明王)、四天王(多聞天・持国天・広目天・増長天)と梵天・帝釈天から構成されています。

【大師堂(国宝)の見どころ解説|東寺の聖域】

大師堂は弘法大師・空海の住房跡と言われる東寺の聖域で、訪れたいスポットです。大師堂は弘法大師・空海信仰の中心地で、御影堂とも言われています。大師堂は前堂に弘法大師坐像(国宝)、後堂に弘法大師・空海の念持仏(ねんじぶつ)とされる不動明王(ふどうみょうおう)坐像(国宝)を安置し、不動堂とも言われています。不動明王坐像は9世紀に造仏され、日本最古の不動明王像と言われ、公開されない厳重な秘仏とされています。弘法大師坐像は1233年(天福元年)に仏師・運慶(うんけい)の四男・康勝(こうしょう)が造立しました。
★大師堂は弘法大師・空海の住房跡だったが、1379年(天授5年・康暦元年)に焼失しました。後堂が1380年(天授6年・康暦2年)に再建され、前堂・中門が1390年(元中7年・明徳元年)に増築されました。
★大師堂は入母屋造の檜皮葺(ひわだぶき)です。
★大師堂では弘法大師・空海の住房だった頃と同じように午前6時に一の膳・二の膳・お茶を備える生身供(しょうじんく)が行われています。生身供は鎌倉時代前期に後白河法皇の第6皇女・宣陽門院が創始したのが豆知識です。宣陽門院は荘園を東寺に寄進し、財政基盤を築きました。

【宝蔵(重要文化財)の見どころ解説|東寺最古の建築物】

宝蔵は東寺最古の建築物です。宝蔵は火災に備えて掘割(蓮池)に囲まれ、弘法大師・空海が恵果から授かり、唐(中国)から持ち帰った寺宝などを収蔵していました。宝蔵は南北に2棟あったが、南棟だけが残りました。
★宝蔵は平安時代(1086年~1184年)後期に建立されたと言われています。宝蔵には盗難の痕跡が残されているそうです。
★宝蔵は校倉造(あぜくらづくり)で、屋根が本瓦葺です。宝蔵は床板が金堂の扉とも、羅城門(らじょうもん)の扉とも言われ、七不思議に数えられているのが豆知識です。歴史ロマンを感じられます。

【灌頂院(重要文化財)の見どころ解説|密教の奥義】

灌頂院(かんじょういん)では密教の奥義を弟子に伝える伝法灌頂(でんぼうかんじょう)が行われ、厳粛な儀式空間になっています。また灌頂院では835年(承和2年)に弘法大師・空海が宮中真言院で始め、真言宗最高の密教儀式・後七日御修法(ごしちにちみしほ)も行われています。灌頂院には仏像は安置されおらず、閼伽井(あかい)があり、閼伽井は八坂神社の竜穴や神泉苑(しんせんえん)と地下で通じているとも言われ、ミステリーを感じられます。
★灌頂院は1585年(天正13年)に伏見大地震で損壊し、1629年(寛永6年)に徳川家光が改築しました。
★灌頂院は寄棟造(よせむねづくり)の本瓦葺です。灌頂院は床が石畳になっており、土足厳禁です。

【蓮花門(国宝)・南大門・慶賀門(重要文化財)の見どころ解説】

東寺の伽藍を取り囲む塀の西側に蓮花門、南側に南大門、東側に慶賀門が建立されています。蓮花門には弘法大師・空海が高野山に向かう際、大師堂の不動明王が蓮花門で見送り、不動明王の足下や歩んできた跡に美しい蓮花が咲いたという伝承があり、名称の由来になっています。南大門は東寺の正門で、高さ約13メートル・幅約18メートルの東寺最大の門、そして国内最大級の八脚門と言われています。慶賀門は大宮通に面し、かつて勅使(ちょくし)が使用していたと言われ、現在は観光客や修学旅行生の主要な出入口になっています。
★蓮花門は1191年(建久2年)に文覚上人(もんがくしょうにん・遠藤盛遠(えんどうもりとお))が再建し、東寺最古の門で、宝蔵に次いで古い建築物と言われています。南大門は1601年(慶長6年)に三十三間堂の西大門として建立され、1895年(明治28年)に京都国立博物館が建設された際に移築されました。慶賀門は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に建立されました。
★蓮花門・慶賀門は三間一戸(さんげんいっこ)の八脚門(はっきゃくもん)で、屋根が切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。南大門は三間一戸の八脚門で、屋根が切妻造の本瓦葺です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
東寺見どころ(大日堂・毘沙門堂など)

【東寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
東寺では桜・紅葉シーズンに例年ライトアップを行っており、昼間には見られない神秘的な絶景が見られ、ライトアップが見どころになっています。
●住所:京都府京都市南区九条町1
●アクセス:JRの「京都駅」下車八条口から徒歩約15分、近鉄京都線の「東寺駅」下車徒歩約10分、京都駅前または京都駅八条口から南門前・東門前・西門前行きのバスがあり
*参考・・・東寺(見どころ・アクセス・・・)公式ホームページ

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