東寺の見どころ簡単解説2-修学旅行・観光の豆知識
東寺の見どころは北総門・北大門・東大門・庭園・食堂・大日堂・毘沙門堂など
東寺の見どころを簡単にマトメて解説します。見どころには北総門(重要文化財)、北大門(重要文化財)、不開門とも言われる東大門(重要文化財)、瓢箪池を中心とする庭園、食堂、毘沙門堂、鎮守八幡宮、宝物館などがあります。(個別解説下記参照)
●五重塔(国宝)・講堂(重要文化財)・金堂(国宝)などの東寺見どころは下記リンクから確認することができます。
東寺見どころ(金堂・五重塔など)
【東寺の歴史・簡単概要】
八幡山・東寺(とうじ)は教王護国寺(きょうおうごこくじ)とも言われています。東寺は平安時代初期の796年(延暦15年)に第50代・桓武天皇(かんむてんのう)の発願により、西寺(右大寺)とともに国家鎮護(こっかちんご)の官寺(かんじ)として、都の入口である羅城門(らじょうもん)の東に創建されました。その後823年(弘仁14年)に真言宗(しんごんしゅう)の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海が第52代・嵯峨天皇(さがてんのう)から賜り、真言密教の根本道場になりました。825年(天長2年)に講堂の建立が許され、826年(天長3年)に五重塔の造営を勧請し、828年(天長5年)には日本最初の私立学校・綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)が創立しました。
東寺歴史(起源・・・)
【北側に建立されている北総門(重要文化財)・北大門(重要文化財)】
- 概要:北総門は北側の八条通(はちじょうどおり)に面し、いずれも東寺の塔頭(たちゅう)である観智院(かんちいん)・宝菩提院(ほうぼだいいん)に繋がっています。北大門は北総門から境内に入る際に通る門です。北総門から北大門まで続く参道は櫛笥小路(くしげこうじ)と言われています。
- 北総門:北総門は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に建立されました。北総門は四脚門(しきゃくもん)です。北総門は切妻造の本瓦葺です。
- 北大門:北大門は1601年(慶長6年)頃に建立されました。北大門は三間一戸の八脚門です。北大門は切妻造の本瓦葺です。
【不開門とも言われる東大門(重要文化財)】
- 概要:東大門(不開門)は慶賀門と同様に大宮通に面しています。東大門は南北朝時代に室町幕府初代将軍・足利尊氏(あしかがたかうじ)が新田義貞(にったよしさだ)に攻められた際、門を閉めて難を逃れたことから不開門(あかずのもん)と言われています。東大門は東寺の七不思議に数えられています。
- 歴史:東大門は鎌倉時代前期(1185年~1274年)に文覚上人(遠藤盛遠)が再建し、1605年(慶長10年)に豊臣秀頼が補修したと言われています。
- 様式:東大門は三間一戸の八脚門です。東大門は屋根が切妻造の本瓦葺です。
【瓢箪池を中心とする池泉回遊式庭園】
- 概要:瓢箪池(ひょうたんいけ)は五重塔の北側にあります。瓢箪池は五重塔とのコラボにより、美しい絶景を作り出します。瓢箪池の水鏡に映し出された逆さ五重塔が美しいと言われています。桜・紅葉シーズンのライトアップでは幻想的・神秘的な情景を見ることができます。瓢箪池は池を中心に池泉回遊式庭園になっています。瓢箪池には蓮(ハス)が分布し、例年初夏から見ごろを迎えまます。
- 歴史:瓢箪池は安政年間(1855年~1860年)に大地震によって五重塔が傾いた際、池を掘って五重塔を安定させたとも言われています。瓢箪池は東寺の七不思議に数えられています。
【十一面観音を祀り、納経所がある食堂】
- 概要:食堂(じきどう)は講堂の北側に建立されています。食堂は彫刻家・明珍恒男(みょうちんつねお)作の本尊・十一面観音像(じゅういちめんかんのん)を安置しています。食堂には納経所があり、四国八十八ヶ所巡礼・洛陽三十三所観音霊場などの納経所になっています。食堂では御朱印も授与しています。
- 歴史:食堂は1934年(昭和9年)に再建されました。ちなみに食堂は平安時代に建立されたと言われています。その後1596年(文禄5年)に地震で倒壊し、1800年(寛政12年)から再建されたが、1930年(昭和5年)に火災で焼失しました。なお食堂は本尊・千手観音(せんじゅかんのん)立像・四天王(してんのう)像を安置し、観音堂とも言われていたが、1930年(昭和5年)の火災で千手観音立像・四天王像も焼損しました。
【光厳上皇の御所になった歴史がある小子房】
- 概要:小子房(しょうしぼう)は灌頂院の北側にあります。小子房は天皇を迎える特別な場所とされ、勅使(ちょくし)の間・鷲(わし)の間などがあります。なお小子房は南北朝時代に光厳上皇(北朝初代・光厳天皇(こうごんてんのう))が御所としました。
- 歴史:小子房は1934年(昭和9年)の弘法大師・空海の千百年御遠忌(ごおんき)に再建されました。
- 様式:小子房は総檜造(そうひのきづくり)です。
【大日如来を祀る大日堂】
- 概要:大日堂は平安時代に造仏されたと言われる大日如来像を安置しています。大日堂には画家・浜田泰介(はまだたいすけ)が描いた障壁画も飾られています。
- 歴史:大日堂は1697年(元禄10年)に大師堂の礼拝堂として建立され、その後尊牌堂になり、2000年(平成12年)に大改修されました。
- 様式:大日堂は入母屋造の本瓦葺です。
【都七福神めぐりの札所である毘沙門堂】
- 概要:毘沙門堂は1994年(平成6年)に造仏された毘沙門天像を安置しています。毘沙門堂は978年(天元元年)に倒壊した平安京の羅城門の上層に安置されていた兜跋(とばつ)毘沙門天像を安置していました。毘沙門天は恵美須神社・妙円寺(松ヶ崎大黒天)・東寺・六波羅蜜寺・赤山禅院・行願寺(革堂)・萬福寺とともに都七福神めぐりの札所になっています。
- 歴史:毘沙門堂は1822年(文政5年)に建立され、1994年(平成6年)に修復されました。
- 形式:鎮守八幡宮は入母屋造の銅板葺です。
【僧形八幡神・女神を祀る鎮守八幡宮】
- 概要:鎮守八幡宮は弘法大師・空海が自ら刻んだと言われている僧形八幡神(そうぎょうはちまんしん)像・女神(じょしん)像を安置しています。僧形八幡神像・女神像は日本最古の神像と言われています。鎮守八幡宮は810年(大同5年)の薬子の変(くすこのへん)の際、弘法大師・空海が第52代・嵯峨天皇の勝利を祈願し、鎮めたことから戦勝祈願の社とも言われています。
- 歴史:鎮守八幡宮は1868年(明治元年)に焼失し、1992年(平成4年)に再建されました。ちなみに鎮守八幡宮は東寺創建の際に王城鎮護として祀られたとも言われています。
- 形式:鎮守八幡宮は入母屋造の銅板葺です。
【足利尊氏寄進の鐘を釣っていた鐘楼】
- 概要:鐘楼は大師堂の西側に建立されています。鐘楼はかつて室町幕府初代将軍・足利尊氏が寄進した梵鐘(ぼんしょう)を釣っていました。現在の梵鐘は足利尊氏寄進の足利尊氏寄進の鐘のレプリカです。
- 歴史:梵鐘は寺誌「東宝記(とうぼうき)」によると1348年(正平3年・貞和4年)10月7日に完成し、毎朝開門を告げてきたが、傷みがひどくなったことから宝物館で保管されています。
【文化財を収蔵・展示する宝物館開】
- 概要:宝物館は国宝・重要文化財2万5千点以上を含めた文化財を収蔵・展示しています。宝物館では春期と秋期に特別公開を行っています。
- 歴史:宝物館は1963年(昭和38年)に完成し、1965年(昭和40年)10月から一般公開を行っています。
- 様式:宝物館は鉄筋コンクリート3階建てで、切妻造です。
【撫石とも言われる天降石】
- 概要:天降石(てんこうせき)は大師堂(御影堂・不動堂)の南庭にある約80センチ四方の石です。天降石は天から降ってきた石とも、撫石(なでいし)とも言われています。また天降石は不動石・護法石(ごほうせき)・五宝石とも言われていたそうです。
- ご利益:天降石に銭・白米を供え、撫でて自己の患部をさすると平癒するとも言われています。
【桜・ライトアップ】
- 概要:東寺は桜の名所です。山内には不二桜(ふじざくら)とも言われる八重紅枝垂桜や染井吉野など約200本の桜が植えられています。桜は例年4月上旬頃に見ごろを迎え、桜の見ごろにライトアップが行われています。
- 不二桜:不二桜は樹齢130年を超えるエドヒガン系の八重紅枝垂桜です。不二桜は樹高約13メートル・枝張り約10メートルです。不二桜は岩手県盛岡市の旧家に植えられていたが、1994年(平成6年)に鵜飼農園に移され、2006年(平成18年)が弘法大師・空海の入唐求法の旅から帰国した1,200年の記念の年にあたることから信徒総代から寄贈されました。不二桜の名称は弘法大師・空海の不二の教えに由来しています。
【紅葉・ライトアップ】
- 概要:東寺は紅葉の名所です。山内にはモミジなどが分布しています。紅葉は例年11月中旬から11月下旬頃に見ごろを迎え、紅葉の見ごろにライトアップが行われています。
【骨董市である弘法市】
- 概要:弘法市(骨董市)は弘法大師・空海のご縁日である毎月21日に行われています。弘法市では骨董品・古道具・衣類・食べ物・植木などを販売する1,000店以上の屋台露店が立ち並びます。弘法市は弘法・弘法さんとも言われ、1月21日の弘法市は初弘法、12月21日の弘法市は終い弘法と言われています。
【手作り市であるがらくた市】
- 概要:がらくた市(手作り市)は毎月第1日曜日に行われています。がらくた市は弘法市に比べると規模は小さいが、約100店ほどが出店します。
【観智院・宝菩提院】
- 概要:東寺には山内にいずれも塔頭(たっちゅう)である観智院(かんちいん)・宝菩提院(ほうぼだいいん)が建立されています。塔頭は祖師や高僧の死後、その弟子が祖師・高僧を慕って寄り沿うように創建した小さな寺院です。
- 観智院:観智院は1308年(延慶元年)に後宇多法皇(第91代・後宇多天皇(ごうだてんのう))が御影堂(西院)に参籠した際に僧侶の住房として計画したとも言われています。
- 宝菩提院:宝菩提院は1279年(弘安2年)に第三長者・亮禅(りょうぜん)を開祖として創建されたと言われています。
【不動明王を祀る石上神社(石上布留社)】
- 概要:石上神社(いそのかみじんじゃ)は正式には石上布留社(いそのかみじんじゃ)と言います。石上神社は弘法大師・空海の地盤(じば)とされる波切(なみきり)不動明王を祀っています。
- 歴史:石上神社は弘法大師・空海の母方の実家・阿刀(あと)氏の邸跡と言われています。阿刀氏はかつて真言宗の政所(まんどころ)だったと言われ、東寺の執行職(しぎょうしょく)を世襲しました。
【東寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・東寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ