平等院の見どころ2-修学旅行・観光の簡単解説

平等院の見どころは六角堂・扇の芝・藤・桜・紅葉・蓮・浄土院・最勝院など
平等院の見どころを簡単にマトメて解説します。見どころには鳳凰堂の翼廊の廃材で建てられた六角堂、扇の芝、藤、桜と桜ライトアップ、紅葉と紅葉ライトアップ、平等院蓮、室町椿、浄土院、最勝院、茶房藤花などがあります。(個別解説下記参照)
●鳳凰堂(国宝)・浄土式庭園(国の名勝)・観音堂(重要文化財)などの平等院見どころは下記リンクから確認することができます。
平等院見どころ(鳳凰堂・観音堂など)
【平等院の歴史・簡単概要】
朝日山・平等院(びょうどういん)は平安時代前期の859年(貞観元年)に第52代・嵯峨天皇(さがてんのう)の皇子である左大臣・源融(みなもとのとおる)が造営した別荘があった場所です。その後別荘は第59代・宇多天皇(うだてんのう)、宇多天皇の孫、源重信(みなもとのしげのぶ)を経て、関白・藤原道長(ふじわらのみちなが)が源重信の婦人から譲り受けました。その後平安時代後期の1052年(永承7年)に道長の子で、関白・藤原頼通(ふじわらのよりみち)が別荘・宇治殿(うじどの)の寝殿(しんでん)を本堂に改め、藤原氏の氏寺として平等院を創建しました。その後1053年(天喜元年)に西方極楽浄土(ごくらくじょうど)を出現させたような鳳凰堂(ほうおうどう・阿弥陀堂)が建立され、定朝(じょうちょう)作の本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像が安置されました。
京都宇治世界遺産・平等院歴史(起源・・・)
【鳳凰堂の翼廊の廃材で建てられた六角堂】
- 概要:六角堂は1902年(明治35年)~1907年(明治40年)に行われた鳳凰堂の翼廊の解体・修理の際に出た廃材を利用して建てられました。六角堂は休憩所と一緒に建てられました。六角堂は瓦葺です。
【平等院の正門である表門(北門)】
- 概要:表門(北門)は平等院の正門です。表門は江戸時代初期に伏見城(ふしみじょう)から塔頭(たちゅう)・浄土院(じょうどいん)に移され、1957年(昭和32年)に平等院に移されたと言われています。表門はケヤキ(欅)の木で造られています。
【源頼政終焉の場所である扇の芝】
- 概要:扇の芝は源頼政(みなもとのよりまさ)終焉の場所と言われています。源頼政は平安時代末期の1180年(治承4年)に以仁王(もちひとおう)の令旨(りょうじ)を奉じ、平家打倒を掲げて挙兵したが、平氏軍に追われて自刃しました。扇の芝では源頼政が軍扇(ぐんせん)を広げ、辞世の句を詠み、西に向かって「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えたと言われています。なお源頼政の墓地は塔頭・最勝院(さいしょういん)近くにあります。
【春の藤・見ごろ】
- 概要:平等院は藤の名所です。藤棚の藤は宇治市の名木百選に選ばれています。藤は樹齢約250年で、高さ約3メートル・幹回り約2.4メートルです。藤は例年4月下旬頃から5月上旬頃に見ごろを迎えます。藤の花は藤原氏の代表紋(だいひょうもん)です。
【春の桜・ライトアップ】
- 概要:平等院は桜の名所です。山内に枝垂桜・染井吉野などの桜の木が分布しています。桜は例年3月下旬頃から4月上旬頃に見ごろを迎え、桜の見ごろにライトアップが行われることがあります。
【秋の紅葉・ライトアップ】
- 概要:平等院は紅葉の名所です。山内に約200本のモミジが分布しています。紅葉は例年11月中旬頃から下旬頃に見ごろを迎え、紅葉の見ごろにライトアップが行われることがあります。
【夏の平等院蓮・見ごろ】
- 概要:平等院蓮は1999年(平成11年)に阿字池を発掘調査した際、江戸時代後期(約200年前)の地層から1粒出土しました。平等院蓮は独自の品種で、例年6月下旬頃から8月上旬頃に見ごろを迎えます。鳳凰堂に安置されている本尊・阿弥陀如来坐像の後ろに描かれている仏後壁に平等院蓮にそっくりな蓮の花びらが描かれています。
【春の室町椿・見ごろ】
- 概要:室町椿は1997年(平成9年)に鳳凰堂の南背後の庭園を発掘した際、室町時代の地層から土器・瓦などとともに発見された。室町椿は2003年(平成15年)に初めて開花し、例年2月頃から3月頃に見ごろを迎えます。
【藤原頼通の命日である関白忌】
- 概要:関白忌(かんぱくき)は例年3月2日に行われています。関白忌では別荘・宇治殿の寝殿を本堂に改め、藤原氏の氏寺にした藤原頼通を偲びます。なお関白忌は1958年(昭和33年)に復活し、鳳凰堂で行われる唯一の行事と言われています。
【塔頭・浄土院】
- 概要:浄土院(じょうどいん)は平等院の塔頭(たっちゅう)です。浄土院は室町時代後期の明応年間(1492年~1501年)に浄土宗の僧・栄久上人(えいくしょうにん)が平等院修復の為に創建したと言われています。浄土院には本堂・羅漢堂(宇治市指定文化財)・養林庵書院(重要文化財)があります。浄土院は浄土宗の寺院です。
【浄土院養林庵書院】
- 概要:浄土院の養林庵書院(重要文化財)には床の間に雪景山水図、襖に籬(まがき)に梅図、天袋に花卉(かき)図が描かれた障壁画(宇治市指定文化財)があります。障壁画は絵師・狩野山雪(かのうさんせつ)が描きました。なお養林庵書院は通常非公開です。
- 歴史:養林庵書院は1573年(天正元年)~1614年(慶長19年)に建立されました。養林庵書院は伏見城の遺構と言われています。
- 様式:養林庵書院は正面入母屋造(いりもやづくり)・背面切妻造(きりづまづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)のです。養林庵書院は桁行約9.1メートル・梁間9.9メートルです。
【塔頭・最勝院】
- 概要:最勝院は平等院の塔頭です。最勝院は江戸時代前期の1654年(承応3年)に住心院の僧が移り、その庵を最勝院と言ったことが起源と言われています。最勝院には不動堂(本堂)・地蔵堂があります。なお最勝院は天台宗(てんだいしゅう)系の単立寺院です。
【茶房藤花(日本茶専門店)】
- 概要:茶房藤花は境内で本格宇治茶を楽しめる日本茶専門店です。茶葉は宇治市内や近郊の茶園で栽培され、日本茶インストラクターがオリジナルブレンドしたものが使われています。ランチ前後に抹茶・玉露・煎茶・冷茶(抹茶・玉露・煎茶)・氷出し玉露(夏季限定)などを楽しめます。オリジナル和菓子(干菓子)が付きです。
【鎮守社だったとも言われる宇治上神社・宇治神社】
- 概要:宇治上神社(うじがみじんじゃ)・宇治神社(うじじんじゃ)は一体の存在で、平等院の鎮守社だったとも言われています。宇治上神社は起源が明確ではなく、山城国国司が第60代・醍醐天皇(だいごてんのう)の勅によって社殿を造営したとも言われています。宇治神社は菟道稚郎子(うじのわきいらつこのみこと)が亡くなり、兄である第16代・仁徳天皇(にんとくてんのう)が菟道稚郎子の神霊を祠(ほこら)に祀ったのが起源と言われています。
【総鎮守だったとも言われる縣神社】
- 概要:縣神社(あがたじんじゃ)は平等院の総鎮守だったとも言われています。縣神社は土地の守護神として祀られ、大和政権下の地方組織・県(あがた)に関係があったとも言われています。
【平等院 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・平等院(見どころ・アクセス・・・)ホームページ