仁和寺の見どころ完全ガイド|五重塔などの観光スポット解説

仁和寺見どころ

仁和寺の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

仁和寺は世界遺産に登録された京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。仁和寺には本堂である金堂をはじめ、総高約36.18メートルの五重塔、京の三大門に数えられる二王門など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【五重塔(重要文化財)の見どころ解説|仁和寺最大の見どころ】

五重塔は仁和寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。五重塔は総高約36.18メートル・塔身(とうしん)約32.7メートルで、仁和寺のシンボルです。五重塔は東寺(とうじ)の五重塔とともに寛永年間(1624年~1645年)を代表する五重塔と言われ、仁和寺の中で一番写真・SNS映えします。五重塔は真言密教(しんごんみっきょう)の教主である大日如来(だいにちにょらい)、その周囲に四方仏を安置し、厳かな空間になっています。五重塔は中央に心柱(しんばしら)、その周囲に4本の四天柱があり、柱・壁面に真言八祖(しんごんはっそ)・仏などが描かれ、初層に大日如来を示す梵字(ぼんじ)の額が掛けられています。
★五重塔は1644年(寛永21年)に再建されました。
★五重塔は和風建築の三間五重塔婆(さんげんごじゅうとうば)で、屋根が本瓦葺です。各層の屋根がほぼ同じ大きさで、逓減率が低くなっています。少し離れて眺めると屋根の大きさの違いが確認できます。
★五重塔は見頃を迎えた御室桜越しの構図がテレビの時代劇のエンディングに使用されるほどの絶景で、季節限定の見どころになっています。

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【金堂(国宝)の見どころ解説|仁和寺の本堂】

金堂は仁和寺の本堂で、訪れるべきスポットです。金堂は公的な最重要儀式が行われていた御所・紫宸殿(ししんでん)最古の遺構で、宮殿建築の雰囲気をよく残し、歴史的価値があります。金堂は本尊・阿弥陀三尊(あみださんぞん)像や四天王(してんのう)像などを安置し、壁面に浄土図(じょうどず)・観音図(かんのんず)などが極彩色で描かれ、荘厳な空気に包まれています。阿弥陀三尊は仁和寺を訪れた際に最初にお参りしたい仏様です。
★金堂は1613年(慶長18年)に紫宸殿として造営され、寛永年間(1624年~1645年)に移築されました。後陽成天皇の皇子で、仁和寺21世・覚深入道親王(かくしんがにゅうどうしんのう)が上洛していた江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)に応仁の乱で焼失した仁和寺の再興を申し入れ、御所造替と重なったことから建物を賜りました。
★金堂は宮殿から仏堂に改められ、屋根が檜皮葺(ひわだぶき)から本瓦葺(ほんがわらぶき)に変えられました。屋根は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。

【御影堂(重要文化財)の見どころ解説|仁和寺の聖域】

御影堂は仁和寺の聖域で、訪れたいスポットです。御影堂は天皇の執務や儀式が行われていた御所・清涼殿(せいりょうでん)の遺構で、歴史的価値があります。御影堂は真言宗の宗祖である弘法大師・空海像、仁和寺1世・宇多法皇(うだほうおう)像、仁和寺2世・性信入道親王(しょうしんにゅうどうしんのう)像を安置し、厳粛な雰囲気に包まれています。
★御影堂は慶長年間(1596年~1615年)に清涼殿として造営され、寛永年間(1624年~1645年)に清涼殿の部材を使って再建されました。蔀戸(しとみど)に清涼殿の金具などが使われ、御所の雰囲気を残し、見どころになっています。
★御影堂は約10メートル四方の小堂で、屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の檜皮葺です。

【二王門(重要文化財)の見どころ解説|京の三大門】

二王門(仁王門・南大門)は仁和寺の正門で、観光客や修学旅行生を向かい入れます。二王門は高さ約18.7メートルで、知恩院の三門・南禅寺の三門とともに京の三大門に数えられ、仁和寺の中で五重塔とともに写真・SNS映えします。二王門は両脇に阿吽(あうん)の二王(におう・金剛力士(こんごうりきし))像、後面に唐獅子(からじし)像を安置します。
★二王門は1641年(寛永18年)~1645年(正保2年)に再建されました。
★二王門は和様(わよう)の五間三戸(ごけんさんこ)二階二重門(にかいにじゅうもん)で、屋根が入母屋造の本瓦葺です。ただ二階には登ることはできません。

【本坊(登録有形文化財)の見どころ解説|仁和寺御殿】

本坊は仁和寺御殿とも言われ、訪れたいスポットです。本坊は明治末期から大正初期に再建され、明治以降の御殿建築の傑作とも言われる見どころです。本坊は宸殿・霊明殿・黒書院・白書院などから構成されています。
★本坊周辺は宇多法皇の御所があったとされ、仁和寺御所跡として国の史跡に指定されています。本坊は寛永年間(1624年~1645年)に御所の御常御殿を移築して建立されたが、1887年(明治20年)に焼失し、明治(1868年~1912年)末期から大正(1912年~1926年)初期に再建されました。
★宸殿は儀式・式典などに使われています。宸殿には日本画家・原在泉(はらざいせん)筆の襖絵(ふすまえ)などが飾られています。
★霊明殿は院家(いんげ)・喜多院(きたいん)の本尊・薬師如来(やくしにょらい)坐像を安置しています。霊明殿には近衛文麿(このえふみまろ)筆の扁額が掛けられています。
★黒書院は花園にあった旧安井門跡(やすいもんぜき)の寝殿(しんでん)を移築して改修したものです。黒書院には日本画家・堂本印象(どうもといんしょう)筆の襖絵が飾られています。
★白書院には日本画家・福永晴帆(ふくながせいはん)筆の松の絵が飾られています。

【観音堂(重要文化財)の見どころ解説|仁和寺に伝わる法流の相承】

観音堂は仁和寺に伝わる法流の相承などに使われています。観音堂は内陣・外陣に分かれ、本尊・千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)像や脇侍(わきじ)の不動明王(ふどうみょうおう)像・降三世明王(ごうざんぜみょうおう)像などを安置し、須弥壇の背後・壁面・柱などに白衣観音(びゃくえかんのん)・仏・高僧などが極彩色で描かれ、厳粛な空間になっています。
★観音堂は1641年(寛永18年)~1645年(正保2年)に建立されました。
★観音堂は入母屋造の本瓦葺です。

【経蔵(重要文化財)の見どころ解説|八角輪蔵】

経蔵は内部に八角輪蔵(はっかくりんぞう)が置かれ、各八面に96の経箱・合計768の経箱があり、天海版(てんかいばん・寛永寺版(かんえいじばん))の一切経(いっさいきょう)が納められています。経蔵は釈迦如来(しゃかにょらい)・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)・普賢菩薩(ふげんぼさつ)などを安置し、壁面に八大菩薩(はちだいぼさつ)・十六羅漢(じゅうろくらかん)が描かれています。
★経蔵は1641年(寛永18年)~1645年(正保2年)に建立されました。
★経蔵は両開きの板唐戸(いたからど)や花頭窓(かとうまど)がある禅宗様(ぜんしゅうよう)で、屋根は宝形造の本瓦葺です。禅宗様を表す板唐戸・花頭窓が見どころです。

【遼廓亭・飛濤亭(重要文化財)の見どころ解説|茶室】

仁和寺にはいずれも重要文化財に指定された茶室の遼廓亭・飛濤亭があります。
★遼廓亭は絵師・尾形光琳(おがたこうりん)の屋敷から移されたと言われています。遼廓亭には二畳半の茶室・四畳半の広間・四畳半の水屋などがあり、屋根の下に袖壁(そでかべ)、その中に躙口(にじりぐち)が設けられています。露地庭(ろじにわ)に築山(つきやま)・小池・飛石などが配され、四方正面の亭とも言われています。遼廓亭は江戸時代中期(1661年~1750年)に建てられ、その後尾形光琳の屋敷から移されたと言われています。遼廓亭は織田信長(おだのぶなが)の弟・織田有楽斎(おだうらくさい)作で、正伝永源院(しょうでんえいげんいん)にあった国宝の如庵(じょあん)と同様式で、尾形光琳好みと言われています。遼廓亭は北面が寄棟造(よせむねづくり)、南面が入母屋造のこけら葺(こけらぶき)です。
★茶室・飛濤亭は光格天皇(こうかくてんのう)の好みで建てられたと言われています。飛濤亭には四畳半の茶室・二畳の勝手の間・廊下などがあり、腰を屈めずに入れる貴人口(きにんぐち)が設けられています。露地に蹲踞(つくばい)・灯籠(とうろう)・飛石などが配されています。飛濤亭は江戸時代後期(1830年~1867年)に建てられました。飛濤亭は草庵風の茶席で、屋根が入母屋造の茅葺(かやぶき)です。

【九所明神(重要文化財)の見どころ解説|仁和寺の守護神】

九所明神は仁和寺の守護神で、中殿に八幡三神(はちまんさんしん)、左殿に賀茂上下(上賀茂神社・下鴨神社)・日吉(日吉大社西本宮)・武答(八坂神社)・稲荷(伏見稲荷大社)、右殿に松尾(松尾大社)・平野(平野神社)・小日吉(日吉大社東本宮)・木野嶋(木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ))を祀り、近くに3つのキリシタン灯籠(織部型灯籠(おりべがたとうろう)が建立されています。
★九所明神は1212年(建暦2年)に境内南側から現在の場所に移されました。現在の九所明神は寛永年間(1624年~1645年)に建立されました。
★九所明神は中殿が一間社(いっけんしゃ)流造(ながれづくり)のこけら葺です。左殿・右殿が四間社(よんけんしゃ)流見世棚造(ながれみせだなづくり)のこけら葺です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
仁和寺見どころ(御室桜・霊宝館など)

【仁和寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
仁和寺では紅葉シーズンに例年ライトアップを行っており、昼間には見られない神秘的な絶景が見られ、ライトアップが見どころになっています。かつては桜シーズンにもライトアップを行っていました。なお御室桜は日本さくら名所100選に選ばれ、昼間でも圧巻。
●住所:京都府京都市右京区御室大内33
●アクセス:京都駅からはバス「御室仁和寺」下車すぐ、京福北野線の「御室仁和寺駅」下車徒歩2分、JR嵯峨野線の「花園駅」下車徒歩15分
*参考・・・仁和寺(見どころ・アクセス・・・)公式ホームページ

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