仁和寺の見どころ-修学旅行・観光の簡単解説

仁和寺見どころ

仁和寺の見どころは金堂・五重塔・御影堂・二王門・観音堂・本坊などです。

仁和寺の見どころを簡単にまとめて解説します。見どころには紫宸殿最古の遺構である金堂(国宝)、総高約36.18メートルの五重塔(重要文化財)、京の三大門に数えられる二王門(重要文化財)などがあります。また御影堂・観音堂・本坊・九所明神なども見逃せません。

【御所・紫宸殿最古の遺構である金堂(国宝)-見どころ】

金堂は五重塔に次ぎ、見る価値がある文化財です。金堂は御所・紫宸殿(ししんでん)の最古の遺構です。金堂は仁和寺の本堂で、本尊・阿弥陀三尊(あみださんぞん)像や四天王(してんのう)像・梵天(ぼんてん)像を安置しています。金堂には須弥壇(しゅみだん)があり、壁面に浄土図(じょうどず)や観音図(かんのんず)なども極彩色で描かれています。なお旧本尊・阿弥陀如来及両脇侍像(国宝)は霊宝館に移されています。

  • 歴史:金堂は1613年(慶長18年)に御所の紫宸殿(ししんでん)として造営され、寛永年間(1624年~1645年)に仁和寺に移されました。第107代・後陽成天皇(ごようぜいてんのう)の皇子で、第21世・覚深入道親王(かくしんがにゅうどうしんのう)が上洛していた江戸幕府3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)に仁和寺再興を申し入れ、御所造替と重なったことから建物を賜りました。
  • 様式:金堂は移築後に宮殿から仏堂に改められ、檜皮葺(ひわだぶき)から本瓦葺(ほんがわらぶき)に変えられました。金堂は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。金堂は桁行(けたゆき)七間・梁間(はりま)五間です。
  • 豆知識:金堂の前身である紫宸殿では天皇の即位(そくい)・元服(げんぷく)・立太子(りったいし)などの公的な最重要儀式が行われていました。
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【総高約36メートルで、シンボルである五重塔(重要文化財)-見どころ】

五重塔は絶対に見る価値がある文化財です。五重塔は総高約36.18メートル・塔身(とうしん)約32.7メートルで、仁和寺のシンボル・ランドマークです。五重塔は大日如来(だいにちにょらい)、その周囲に無量寿如来(むりょうじゅにょらい・阿弥陀如来(あみだにょらい))など四方仏を安置しています。五重塔は中央に心柱(しんばしら)、その周囲に4本の四天柱があり、柱・壁面に真言八祖(しんごんはっそ)・仏・菊花文様(きっかもんよう)なども描かれています。なお五重塔は初層に真言密教(しんごんみっきょう)の教主・大日如来を示す梵字(ぼんじ)の額も掛けられています。

  • 歴史:五重塔は1644年(寛永21年)に再建されました。五重塔は日本一高い東寺(とうじ)の五重塔とともに寛永年間(1624年~1645年)を代表する五重塔と言われています。
  • 様式:五重塔は和風建築です。五重塔は三間(さんげん)五重塔婆(ごじゅうとうば)で、本瓦葺です。

【御所・清涼殿の一部を前身とする御影堂(重要文化財)-見どころ】

御影堂は御所・清涼殿(せいりょうでん)の遺構で、仁和寺の重要人物を祀っています。御影堂は真言宗(しんごんしゅう)の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海像、第1世・宇多法皇(うだほうおう)像、第2世・性信入道親王(しょうしんにゅうどうしんのう)像を安置しています。

  • 歴史:御影堂は慶長年間(1596年~1615年)に御所の清涼殿の一部として造営され、寛永年間(1624年~1645年)に仁和寺に移された部材を使って再建されました。御影堂は蔀戸(しとみど)に清涼殿の金具などが使われています。2017年(平成29年)に檜皮葺のの葺き替えが完了しました。
  • 様式:御影堂は約10メートル四方の小堂です。御影堂は宝形造(ほうぎょうづくり)の檜皮葺です。
  • 豆知識:御影堂の前身である清涼殿は平安時代(794年~1185年)に天皇居住の為の建物だったが、安土桃山時代(1337年~1392年)に天皇居住の御常御殿(おつねごてん)が造営され、清涼殿は天皇の執務や儀式を行う建物になりました。

【本尊・千手観音菩薩像を祀る観音堂(重要文化財)-見どころ】

観音堂は本尊・千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)像、脇侍(わきじ)に不動明王(ふどうみょうおう)像・降三世明王(ごうざんぜみょうおう)像、その周囲に千手観音の眷属(けんぞく)である二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)像を安置しています。観音堂は須弥壇の背後・壁面・柱などに白衣観音(びゃくえかんのん)・仏・高僧なども極彩色で描かれています。なお観音堂は伝わっている法流の相承などに使われています。

  • 歴史:観音堂は1641年(寛永18年)~1645年(正保2年)に建立されました。2019年(平成31年)に修復工事が完了しました。
  • 様式:観音堂は入母屋造の本瓦葺です。観音堂には内陣・外陣があります。

【珍しい禅宗様形式の経蔵(重要文化財)-見どころ】

経蔵は内部に八角輪蔵(はっかくりんぞう)があります。八角輪蔵には各八面に96の経箱・合計768の経箱があり、天海版(てんかいばん・寛永寺版(かんえいじばん))の一切経(いっさいきょう)が納められています。経蔵は釈迦如来(しゃかにょらい)・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)・普賢菩薩(ふげんぼさつ)なども安置しています。また経蔵は壁面に八大菩薩(はちだいぼさつ)・十六羅漢(じゅうろくらかん)も描かれています。

  • 歴史:経蔵は1641年(寛永18年)~1645年(正保2年)に建立されました。
  • 様式:経蔵は両開きの板唐戸(いたからど)や花頭窓(かとうまど)がある禅宗様(ぜんしゅうよう)です。経蔵は宝形造の本瓦葺です。

【尾形光琳好みの茶室・遼廓亭(重要文化財)-見どころ】

茶室・遼廓亭には二畳半の茶室・四畳半の広間・四畳半の水屋などがあります。屋根の下に袖壁(そでかべ)があり、その中に躙口(にじりぐち)が設けられています。遼廓亭には露地庭(ろじにわ)に築山(つきやま)・小池・飛石などが配されています。なお遼廓亭は四方正面の亭とも言われています。

  • 歴史:遼廓亭は江戸時代中期(1661年~1750年)に建てられ、その後絵師・尾形光琳(おがたこうりん)の屋敷から移されたと言われています。
  • 様式:遼廓亭は織田信長(おだのぶなが)の実弟・織田有楽斎(おだうらくさい・織田長益(おだながます))作で、正伝永源院(しょうでんえいげんいん)にあった国宝・如庵(じょあん)と同様式で、尾形光琳好みとも言われています。飛濤亭は北面寄棟造(よせむねづくり)・南面入母屋造のこけら葺(こけらぶき)です。

【光格天皇遺愛の茶室・飛濤亭(重要文化財)-見どころ】

茶室・飛濤亭には四畳半の茶室・二畳の勝手の間・廊下などがあります。また飛濤亭には腰を屈めずに入れる貴人口(きにんぐち)があります。飛濤亭には露地に蹲踞(つくばい)・灯籠(とうろう)・飛石などが配されています。

  • 歴史:飛濤亭は江戸時代後期(1830年~1867年)に建てられました。飛濤亭は第119代・光格天皇(こうかくてんのう)遺愛とも言われています。
  • 様式:飛濤亭は草庵風の茶席です。飛濤亭は入母屋造の茅葺(かやぶき)です。

【伽藍を守る守護神とされる九所明神(重要文化財)-見どころ】

九所明神は仁和寺の守護神と言われています。九所明神は中殿に八幡三神(はちまんさんしん)、左殿に賀茂上下(上賀茂神社・下鴨神社)・日吉(日吉大社西本宮)・武答(八坂神社)・稲荷(伏見稲荷大社)、右殿に松尾(松尾大社)・平野(平野神社)・小日吉(日吉大社東本宮)・木野嶋(木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ))に祀られています。なお九所明神近くには3つのキリシタン灯籠(織部型灯籠(おりべがたとうろう)も建立されています。

  • 歴史:九所明神は中殿・左殿・右殿が寛永年間(1624年~1645年)に建立されました。2006年(平成18年)に修復工事が完了しました。なお九所明神は1212年(建暦2年)に山内南側から現在の場所に遷されました。
  • 様式:九所明神は中殿が一間社(いっけんしゃ)流造(ながれづくり)で、こけら葺、左殿・右殿が四間社(よんけんしゃ)流見世棚造(ながれみせだなづくり)で、こけら葺です。

【京の三大門に数えられ、二王を祀る二王門(重要文化財)-見どころ】

二王門(仁王門・南大門)は見る価値がある文化財です。二王門は知恩院の三門・南禅寺の三門とともに京の三大門に数えられています。二王門は仁和寺の正門で、五重塔とともに仁和寺のシンボルになっています。二王門は高さ約18.7メートル、阿吽(あうん)の二王(におう・金剛力士(こんごうりきし))像を安置しています。また二王門は後面に唐獅子(からじし)像も安置します。

  • 歴史:二王門は1641年(寛永18年)~1645年(正保2年)に再建されました。
  • 様式:二王門は和様(わよう)の五間三戸(ごけんさんこ)二階二重門(にかいにじゅうもん)です。二王門は入母屋造の本瓦葺です。

【明治以降の御殿建築の傑作と言われる本坊(登録有形文化財)-見どころ】

本坊は見逃せません。本坊は明治(1868年~1912年)末期から大正(1912年~1926年)初期に再建され、明治以降の御殿建築の傑作とも言われています。本坊は宸殿・霊明殿・黒書院・白書院などから構成されています。本坊はかつて御所の御常御殿を移して建立されたが、1887年(明治20年)に焼失し、明治時代末期から大正時代初期に再建されました。なお本坊ではかつて開基で、第59代・宇多天皇が御所を営んでいたと言われています。

  • 宸殿は儀式・式典などに使われています。宸殿には日本画家・原在泉(はらざいせん)が描いた襖絵(ふすまえ)などがあります。宸殿は入母屋造の檜皮葺です。
  • 霊明殿は院家(いんげ)・喜多院(きたいん)の本尊・薬師如来(やくしにょらい)坐像を安置しています。霊明殿には近衛文麿(このえふみまろ)筆の扁額が掛けられています。霊明殿は宝形造の檜皮葺です。
  • 黒書院は花園にあった旧安井門跡(やすいもんぜき)の寝殿(しんでん)を移して改修したものです。黒書院には日本画家・堂本印象(どうもといんしょう)が描いた襖絵があります。黒書院は入母屋造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。
  • 白書院には日本画家・福永晴帆(ふくながせいはん)が描いた松の絵があります。白書院は瓦葺です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
仁和寺見どころ(御室桜・霊宝館など)

【仁和寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・仁和寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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