高台寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

高台寺桜

高台寺の見どころは霊屋・開山堂・庭園・方丈・臥龍廊・臥龍池などです。

高台寺の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには豊臣秀吉の坐像・北政所の木像を祀る霊屋(重要文化財)、小堀遠州が作庭した庭園(名勝・史跡)、「龍図」がある開山堂(重要文化財)などがあります。また方丈・臥龍廊等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【高台寺の歴史・簡単概要】

高台寺は1606年(慶長11年)に関白・豊臣秀吉の正室で、開基・北政所(ねね)が1598年(慶長3年)に亡くなった豊臣秀吉の菩提を弔う為、弓箴善彊を開山として創建しました。北政所は当初、実母・朝日局が弔われている菩提寺・康徳寺に弔うとしたが、手狭だったことから岩栖院と敷地交換して、現在の場所に創建しました。高台寺の寺号は北政所の落飾後の1603年(慶長8年)に第107代・後陽成天皇から賜った院号「高台院湖月尼」に由来しています。

【関白・豊臣秀吉の坐像・北政所の木像を祀る霊屋(重要文化財)】

  • 霊屋の概要:霊屋は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。霊屋は須弥壇(しゅみだん)などに高台寺蒔絵が施され、高台寺は「蒔絵の寺」とも言われています。霊屋は中央の厨子(ずし)に豊臣秀吉の念持仏・守り本尊と言われている大随求菩薩(だいずいくぼさつ)像、右の厨子に豊臣秀吉の坐像、左の厨子に開基・北政所の片膝立の木像を安置しています。北政所の木像は白い護巾を頭に被る尼僧姿です。北政所の木像の地下数メートルには1624年(寛永元年)10月17日に亡くなった北政所の遺骸が葬られていると言われています。霊屋には絵師・狩野永徳(かのうえいとく)などが描いた絵もあります。
  • 霊屋の歴史:霊屋は1605年(慶長10年)に北政所が建立しました。伏見城の遺構とも言われています。霊屋は歴史的価値があります。
  • 霊屋の様式:霊屋は屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。霊屋は正面に向拝(こうはい)一間、唐破風(からはふ)付きです。霊屋は桁行四間・梁間三間です。
  • 霊屋の蒔絵:霊屋は内陣の須弥壇(しゅみだん)などに黒漆(くろうるし)に金蒔絵(きんまきえ)が施され、高台寺蒔絵と言われています。蒔絵は幸阿弥(こうあみ)一門らが制作したと言われています。
  • 霊屋の豆知識:霊屋は関白・豊臣秀吉を祀っている東山・阿弥陀ヶ峰(あみだがみね)の豊国廟(ほうこくびょう)に向かって建立されていると言われています。
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【絵師・狩野山楽筆の天井画「龍図」がある開山堂(重要文化財)】

  • 開山堂の概要:開山堂は霊屋に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。開山堂は臥龍廊で霊屋と結ばれ、天井に絵師・狩野山楽(かのうさんらく)が描いたと言われている天井画「龍図」があります。開山堂は中央に曹洞宗(そうとうしゅう)から臨済宗(りんざいしゅう)に改めた中興開山・三江紹益(さんこうじょうえき)像、右に北政所の兄・木下家定(きのしたいえさだ)と妻・雲照院(うんしょういん)像、左に普請に尽力した堀直政(ほりなおまさ)像を安置しています。
  • 開山堂の歴史:開山堂は1605年(慶長10年)に開基・北政所が建立しました。開山堂は北政所の持仏堂(じぶつどう)だったと言われています。その後1625年(寛永2年)に増築されたと言われています。
  • 開山堂の様式:開山堂は禅宗様(ぜんしゅうよう)の仏堂です。開山堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。開山堂は桁行五間・梁間三間です。開山堂は床が総瓦敷です。なお開山堂は天井に豊臣秀吉の御座舟(ござぶね)の天井と北政所の御所車(ごしょぐるま)の天井が使われています。

【北政所が伏見城から移築した茶室・傘亭(重要文化財)】

  • 傘亭の概要:茶室・傘亭は屋根付きの土間廊下(どまろうか)で時雨亭(しぐれてい)と繋がっています。傘亭はかつて池に面し、舟が出入りする舟入口があります。傘亭は正式には安閑窟(あんかんくつ)と言うが、屋根裏の竹垂木(たけだるき)が傘の骨に似ていることから傘亭と言われています。また傘亭は草堂(そうどう)・高堂(こうどう・学問所)とも言われていました。
  • 傘亭の歴史:傘亭は桃山時代(1583年~1603年)に伏見城に建てられたと言われています。傘亭は北政所が伏見城から移築したと言われています。傘亭は千利休(せんのりきゅう)好みとも言われています。
  • 傘亭の様式:傘亭は屋根が宝形造の茅葺(かやぶき)です。傘亭は桁行二間・梁間三間、下屋は桁行一間・梁間一間です。傘亭は天井板がなく、丸太と竹で扇垂木(おうぎだるき)状に組まれた化粧屋根裏(けしょうやねうら)です。

【北政所が伏見城から移築した茶室・時雨亭(重要文化財)】

  • 時雨亭の概要:茶室・時雨亭は珍しい二階建て(一重二階)の茶室で、傘亭と繋がっています。時雨亭は一階が水屋兼待合、二階が茶席で、三方の掛け戸を突き上げで開くことができます。時雨亭は豊臣秀吉が時雨のように不意に訪れたことから名付けられたとも言われています。
  • 時雨亭の歴史:時雨亭は江戸時代前期(1615年~1660年)に建てられました。時雨亭は北政所が伏見城から移築したと言われています。時雨亭は千利休好みとも言われています。
  • 時雨亭の様式:時雨亭は屋根が入母屋造の茅葺です。時雨亭は桁行四間・梁間二間です。
  • 時雨亭の豆知識:時雨亭では北政所が1615年(慶長20年)の大坂城落城を二階から見ていたとも言われています。

【豊臣秀吉遺愛で、伏見城から移築された観月台(重要文化財)】

  • 観月台の概要:観月台(楼船廊)は開山堂と書院を結ぶ楼船廊(ろうせんろう)の途中にあります。観月台は豊臣秀吉遺愛とも言われています。また観月台では北政所が豊臣秀吉を偲びながら月を眺めたとも言われています。
  • 観月台の歴史:観月台は桃山時代(1583年~1603年)に建てられました。北政所が伏見城から移築したと言われています。
  • 観月台の様式:観月台は一間四方です。観月台は屋根が三方唐破風造(からはふづくり)の檜皮葺です。観月台は桁行一間・梁間一間です。

【加藤清正が建て、伏見城から移築された表門(重要文化財)】

  • 表門の概要:表門は境内から少し離れて建立されています。表門は総門・山門とも言われています。
  • 表門の歴史:表門は桃山時代(1583年~1603年)に関白・豊臣秀吉の子飼いの家臣で、賤ヶ岳の七本槍(しずがたけのしちほんやり)に数えられた加藤清正(かとうきよまさ)が伏見城に建て、伏見城から移されて建立されたと言われています。
  • 表門の様式:表門は三間(さんげん)薬医門(やくいもん)です。表門は屋根が切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。

【小堀遠州が作庭したと言われる庭園(名勝・史跡)】

  • 庭園の概要:庭園は修学旅行・観光で見る価値があります。庭園は東山を借景に臥龍池(がりょういけ)・偃月池(えんげつち)がある池泉回遊式庭園です。庭園は石・樹木が豊臣秀吉が築城した伏見城から移されたとも言われています。庭園は偃月池に亀島・鶴島があり、鶴亀の庭とも言われています。庭園には枝垂桜・萩などの植物が植えられ、美し光景を眺めることができます。
  • 庭園の歴史:庭園は大名・茶人・作庭家である小堀遠州(こぼりえんしゅう・小堀政一(こぼりまさかず))が作庭したと言われています。庭園は石組みの見事さから桃山時代(1583年~1603年)を代表する庭園と言われています。

【北政所の兄・木下家定が鋳造させた梵鐘(重要文化財)】

  • 梵鐘の概要:梵鐘は高さ約2メートル・口径約1.1メートルです。梵鐘には曹洞宗(そうとうしゅう)の僧・弓箴善彊(きゅうしんぜんきょう)による撰文があります。なお2016年(平成28年)に新しい梵鐘が約400年振りに新調されました。新しい梵鐘は高さ約2メートル・直径約1.2メートル・重さ約2トンです。
  • 梵鐘の歴史:梵鐘は1606年(慶長11年)に北政所の兄・木下家定(きのしたいえさだ)が三条釜座(さんじょうかまんざ)・藤原対馬守国久(ふじわらつしまのかみくにひさ)に鋳造させました。

【本尊・釈迦如来を祀り、本堂である方丈】

  • 方丈の概要:方丈は修学旅行・観光で見逃せません。方丈は高台寺の本堂で、方丈は本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)坐像を安置しています。方丈前には庭園・波心庭が作庭されています。波心庭には枝垂桜が植えられ、春に桜に彩られた光景が見られます。波心庭では春などにライトアップが行われ、ライトアップ期間中に普段と違った光景が見られます。プロジェクションマッピングが行われることもあります。
  • 方丈の歴史:方丈は1912年(大正元年)に再建されました。ちなみに方丈は豊臣秀吉が築城した伏見城から移されて創建されたと言われています。

【拝観順路の入口に位置する庫裏】

  • 庫裏の概要:庫裏(くり)は拝観受付の側にあり、方丈と繋がっています。庫裏は本来台所で、玄関に「夢」と書かれた衝立(ついたて)があります。なお庫裏は通常非公開です。
  • 庫裏の様式:庫裏は屋根が切妻造の本瓦葺です。

【方丈とともに再建された格式が高い勅使門】

  • 勅使門の概要:勅使門(ちょくしもん)は方丈の南にあり、勅使門と方丈の間に波心庭があります。
  • 勅使門の歴史:勅使門は1912年(大正元年)に方丈とともに再建されました。

【臥龍池に架けられ、霊屋と開山堂を結ぶ臥龍廊】

  • 臥龍廊の概要:臥龍廊(がりょうろう)は修学旅行・観光で見逃せません。臥龍廊は臥龍池(がりょういけ)の上に架けられ、霊屋と開山堂を結ぶ全長約60メートルの屋根付きの廊下・階段です。ただ現在は通ることはできません。臥龍廊は紅葉シーズンに紅葉に彩られ、美しい絶景が見られます。ライトアップは幻想的・神秘的です。なお臥龍廊は臥龍廊は龍の背に似ているところから名付けられました。

【灰屋紹益の旧邸跡から移築された茶室・遺芳庵】

  • 遺芳庵の概要:茶室・遺芳庵(いほうあん)は一畳台目の田舎屋風の茶室です。遺芳庵は壁一杯に設けられた丸窓が吉野窓と言われています。
  • 遺芳庵の歴史:遺芳庵は江戸時代(1603年~1868年)に京都の豪商・灰屋紹益(はいやじょうえき)が島原の名妓で、夫人・吉野太夫(よしのたゆう)を偲んで建てたとも言われています。遺芳庵は1908年(明治41年)に灰屋紹益の旧邸跡から移築されました。
  • 遺芳庵の豆知識:吉野太夫は香道・和歌・華道・茶道にも精通した島原の名妓だったそうです。

【灰屋紹益の旧邸跡から移築された茶室・鬼瓦席】

  • 鬼瓦席の概要:茶室・鬼瓦席(おにがわらのせき)は四畳半の茶室です。鬼瓦席は点前畳の上に楽焼きの鬼瓦があることから名付けられたそうです。
  • 鬼瓦席の歴史:鬼瓦席は灰屋紹益と吉野太夫を偲んで建てられたと言われています。鬼瓦席は遺芳庵と同じく、1908年(明治41年)に灰屋紹益の旧邸跡から移されました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
高台寺見どころ(利生堂・桜と桜ライトアップなど)

【高台寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・高台寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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