通天モミジ(見ごろ・洗玉澗・通天橋・・・)東福寺見どころ

京都紅葉見ごろ・東福寺

通天モミジ(見ごろ・洗玉澗・通天橋・・・)

通天モミジを解説します。通天モミジはトウカエデ(唐楓)のことです。通天モミジ(紅葉)の見ごろは例年11月中旬頃から下旬頃だが、気候の影響を受け、多少前後します。東福寺では紅葉の見ごろにライトアップも行っています。(要確認)(詳細下記参照)

東福寺見どころ(三門・通天橋など)

【通天モミジの概要・概略】

  • 概要・概略:通天モミジ(通天紅葉)は東福寺山内にある渓谷・洗玉澗(せんぎょくかん)を中心に約2,000本が植えられています。東福寺では通天モミジだけでなく、イロハモミジ・ヤマモミジ・シダレモミジ・オオモミジなども分布し、例年11月中旬頃から下旬頃に見ごろを迎えます。東福寺ではここ最近、紅葉の見頃にライトアップを行っています。(紅葉の見ごろはその年の気候の影響を受け、多少前後します。)
  • 通天モミジ:通天モミジは中国原産のムクロジ科の落葉高木・トウカエデ(唐楓)のことです。トウカエデは幹の凹凸が著しく、樹皮が薄片状にはげます。葉は対生し、葉身が長さ3~8センチで上方が3裂し、縁に粗い鋸歯(のこぎりば)があります。トウカエデは三葉楓で、黄金色に染まる特長があります。なお通天モミジはその珍しさから「秋のすゑ」・「洛陽の奇観」とも言われています。
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【通天モミジの歴史・時代】

  • 歴史・時代:通天モミジ(通天紅葉)は鎌倉時代(1185年~1333年)に東福寺開山である聖一国師(しょういちこくし)・円爾(えんに)が宋(中国)から持ち帰り、東福寺の境内に植えられたのが起源です。しかし1869年(明治2年)に東福寺288世・海州楚棟(かいじゅうそとう)が桜の木と同じように一度全て伐採し、その後再び通天モミジが植えられました。
  • 聖一国師・円爾:聖一国師・円爾は1202年(建仁2年)に駿河国安倍郡栃沢に生まれました。静岡・久能寺(くのうじ)の堯弁(きょうべん)に師事し、倶舎論(くしゃろん)などを学び、滋賀・三井寺(みいでら・園城寺(おんじょうじ))で落髪し、奈良・東大寺(とうだいじ)で受戒しました。その後群馬・長楽寺(ちょうらくじ)の釈円栄朝(しゃくえんえいちょう)、鎌倉・寿福寺(じゅふくじ)の退耕行勇(たいこうぎょうゆう)に師事して臨済禅(りんざいぜん)を学びました。1235年(嘉禎元年)に宋(中国)に渡り、中国五山の第一である径山寺(きんざんじ)34世・無準師範(ぶじゅんしはん)の法を嗣ぎ、1241年(仁治2年)に帰国しました。1242年(仁治3年)に博多・承天寺(じょうてんじ)を開山し、1236年(嘉禎2年)に東福寺を開山しました。その後宮中で禅を講じて臨済宗の流布に尽力したり、1269年(文永6年)に東大寺大勧進職に任命されたりしました。晩年に故郷の駿河国に戻り、母親の実家近くの蕨野(わらびの)に回春院(かいしゅんいん)を開山しました。
  • 桜:東福寺はかつて桜の名所だったが、東福寺の画僧・明兆(みんちょう)が桜見物で遊興の地となることを危惧し、室町幕府第4代将軍・足利義持(あしかがよしもち)に伐採を願ったそうです。なお東福寺には桜の木がほとんどないと言われています。

【通天モミジの名称・名前】

  • 名称・名前:通天モミジ(通天紅葉)の名称は通天モミジが植えられている渓谷・洗玉澗に架かる長さ約26メートル通天橋(つうてんきょう)に由来しています。通天橋は南北朝時代の1380年(天授6年・康暦2年)に相国寺(しょうこくじ)2世・春屋妙葩(しゅんおくみょうは)が洗玉澗を渡る労苦から僧侶を救う為、宋(中国)径山(きんざん)の橋を模して架けたと言われています。春屋妙葩は橋を「通天橋」と名付け、入口に春屋妙葩筆の「通天橋」が掲げられていたそうです。通天橋の名称は下から見上げると天にも通じるように高くそびえるように見えることに由来しています。しかし通天橋は1959年(昭和34年)の台風で崩壊し、1961年(昭和36年)に再建されました。
  • 春屋妙葩:春屋妙葩は1312年(応長元年)に甲斐の生まれ、その後美濃の永保寺・甲斐の恵林寺で学び、母方の叔父で、天龍寺開山ある夢窓国師・夢窓疎石のもとで出家しました。また渡来僧である竺仙梵僊・清拙正澄などから大陸禅を学びました。夢窓疎石の法を嗣いで天龍寺の住職になり、天龍寺を再興しました。その後南禅寺の住職などを歴任したり、室町幕府が日明貿易を行う際に幕府の外交顧問になったりしました。

【通天モミジと東福寺三名橋】

  • 東福寺三名橋:通天モミジが植えられている渓谷・洗玉澗には通天橋・偃月橋(えんげつきょう)・臥雲橋(がうんきょう)が架けられ、東福寺三名橋と言われています。なお洗玉澗には標高約233メートルの稲荷山を源とする三ノ橋川が流れています。
  • 通天橋:通天橋は長さ約26メートルの木造橋廊です。通天橋は切妻造の本瓦葺です。通天橋は橋脚部分が鉄筋コンクリート造です。通天橋は洗玉澗とともに東福寺十境に数えられました。なお通天橋は臥雲橋から通天モミジ越しに美しい写真を撮影できます。また洗玉澗からも通天橋を写真撮影できます。
  • 偃月橋:偃月橋(重要文化財)は1603年(慶長8年)に再建されました。偃月橋は桁行十一間・梁間一間で、切妻造の桟瓦葺です。橋脚は5基です。偃月橋は東福寺三名橋の内、一番東側(上流)にあります。なお偃月橋は日本百名橋にも選ばれています。
  • 臥雲橋:臥雲橋(府指定重要文化財)は棟札に「造弘化四年丁未念四月己巳」と記され、1847年(弘化4年)に架けられたと言われています。臥雲橋は桁行十間・梁行一間で、切妻造の桟瓦葺です。橋脚は4基です。臥雲橋は東福寺三名橋の内、一番西側(下流)にあります。

【通天モミジ 備考】
*参考・・・東福寺(見どころ・歴史・通天モミジ・・・)ホームページ

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