下鴨神社の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

下鴨神社(Shimogamo Shrine)

下鴨神社の見どころは東西本殿・舞殿・橋殿・楼門・細殿・糺の森などです。

下鴨神社の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには祭神を祀る東西本殿(国宝)、奉納行事が行われる舞殿(重要文化財)、高さ約13メートルで、シンボルである楼門(重要文化財)などがあります。また橋殿・糺の森等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【下鴨神社の歴史・簡単概要】

下鴨神社(賀茂御祖神社)は社伝によると初代・神武天皇の御代(紀元前660年~紀元前582年)に賀茂建角身命が比叡山西麓の御蔭山に降臨したのが起源と言われています。また下鴨神社は紀元前90年(第10代・崇神天皇7年)に瑞垣の修造の記録があり、それ以前から祀られていたとも言われています。その後第29代・欽明天皇の時代(539年~571年)に葵祭(賀茂祭)が始まり、678年(第40代・天武天皇7年)に社殿が建立されたと言われています。

【賀茂別雷命の母神・玉依姫命を祀る東本殿(国宝)-見どころ】

  • 概要:東本殿は境内の奥にあり、祝詞舎(のっとりや)を挟んで、西本殿の反対側に建立されています。ただ普段直接参拝できません。東本殿は下鴨神社の主祭神・玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀っています。玉依姫命は上賀茂神社(かみがもじんじゃ)の祭神・賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)の母神になります。なお東本殿には金と緑の獅子(しし)と銀と青の狛(こま)が置かれています。
  • 歴史:東本殿は1863年(文久3年)に式年遷宮で建て替えられました。なお史書「百錬抄(ひゃくれんしょう)・鎌倉時代後期(13世紀末頃)成立」に「鴨社正遷宮也、当社廿年一度・・・定例也」と記され、1036年(長元9年)に第68代・後一条天皇の勅により、1036年(長元9年)を第1回とする式年遷宮制が確立しました。
  • 様式:東本殿は三間社(さんけんしゃ)流造(ながれづくり)で、檜皮葺(ひわだぶき)です。東本殿は母屋が約23平方メートルです。
  • 式年遷宮:東本殿・西本殿では2015年(平成27年)4月に第34回式年遷宮の遷座祭(正遷宮(しょうせんぐう))が行われ、ご神体が仮殿から遷されました。天皇の勅使(ちょくし)が御祭文(ごさいもん)を読み、警蹕(けいひつ)・雅楽(ががく)が暗闇に響く中、ご神体を御船代(みふなしろ)に載せて遷し、最後に神職らが礼舞を踊りました。
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【玉依姫命の父神・賀茂建角身命を祀る西本殿(国宝)-見どころ】

  • 概要:西本殿は祝詞舎を挟んで、東本殿の反対側に建立されています。ただ普段直接参拝できません。西本殿は下鴨神社の主祭神・賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)を祀っています。賀茂建角身命は東本殿に祀られている玉依姫命の父神になります。なお西本殿には金と緑の獅子と銀と青の狛が置かれています。
  • 歴史:西本殿は1863年(文久3年)に式年遷宮で建て替えられました。
  • 様式:西本殿は東本殿と同じ三間社流造で、檜皮葺です。西本殿は母屋が約23平方メートルです。

【葵祭などの奉納行事が行われる舞殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:舞殿は修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。舞殿ではえと祈願祭などの神事で奉納行事が行われています。舞殿では葵祭の際に天皇の勅使(ちょくし)が紅紙(べにがみ)に書かれた御祭文(ごさいもん)を奏上し、雅楽(ががく)の一種である東游(あづまあそび)が奉納されました。また舞殿は御所が被災した際に臨時の内侍所(ないしどころ・賢所(かしこどころ))に定められました。
  • 歴史:舞殿は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式:舞殿は入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。正面・奥行が舞殿は桁行(けたゆき)四間・梁間(はりま)三間です。
  • 行事:舞殿では例年節分に節分祭の追儀弓神事(ついなゆみしんじ)が行われ、邪気を祓い清めます。また例年5月5日に古武道奉納(こぶどうほうのう)が行われ、古武道が奉納されます。

【歌会・茶会などが行われた細殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:細殿では天皇が行幸(ぎょうこう)した際などに歌会・茶会などが行われました。歌会などの記録が「神殿記」に残されています。また細殿は第112代・霊元天皇(れいげんてんのう)が行幸した際に内侍所(ないしどころ)の奉安所(たいあんしょ)になり、第121代・孝明天皇(こうめいてんのう)の行幸に際に江戸幕府14代将軍・徳川家茂(とくがわいえもち)の侍所(さむらいどころ)にもなりました。
  • 歴史:細殿は1628年(寛永5年)頃に建て替えられました。
  • 様式:細殿は入母屋造の檜皮葺です。細殿は向拝(こうはい)は一間で、二重格天井(にじゅうごうてんじょう)になっています。細殿は桁行五間・梁間二間です。
  • 豆知識:細殿では縁板(えんいた)を受ける縁葛(えんかずら)が屋根を支える母屋桁(もやげた)に転用されていました。

【御手洗川を跨いで建立されている橋殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:橋殿は修学旅行・観光で見逃せません。橋殿は境内を流れている御手洗川(みたらしがわ)を跨いで建立されています。橋殿はインスタ映えします。橋殿では例年お正月に神事が行われています。橋殿では古くから御戸代会(みとしろえ)などの神事や倭舞(やまとまい)などの芸能などが行われました。
  • 歴史:橋殿は1628年(寛永5年)頃に建て替えられました。橋殿では1936年(昭和11年)の修理の際、屋根裏から定規・原寸型板(げんすんかたいた)が発見されました。
  • 様式:橋殿は入母屋造の檜皮葺です。橋殿は桁行四間・梁間三間です。
  • 行事:橋殿では例年中秋に名月管絃祭(めいげつかんげんさい)が行われ、伝統芸能が奉納されます。また例年5月15日に葵祭の前儀・御蔭祭(みかげまつり)が行われ、御神宝(ごしんぽう)が泰安されます。

【神服を奉製した神服殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:神服殿は神事に着る神服の奉製をしていました。また神服殿はかつて天皇が行幸した際に一室が玉座(ぎょくざ)になりました。なお神服殿は1854年(嘉永6年)の大火の際に第121代・孝明天皇が移りました。
  • 歴史:神服殿は1628年(寛永5年)に建立されました。
  • 様式:神服殿は入母屋造の檜皮葺です。神服殿は桁行五間、梁間四間です。

【幣帛を奉った幣殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:幣殿は拝殿も兼ねています。幣殿は宮中からの供物(くもつ)である幣帛(へいはく)を奉っていました。
  • 歴史:幣殿は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式:幣殿は入母屋造の檜皮葺です。幣殿には正面中央軒に軒唐破風(のきからはふ)があります。幣殿は桁行七間・梁間二間です。

【神饌を調理した大炊殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:大炊殿ではご飯・お餅などの神饌(しんせん)の調理などを行いました。土間の竈(かまど)で煮炊き、中の間の台所で食材を洗い、奥の間で盛り付けを行いました。大炊殿には調理の為の井戸・御井(みい)もあります。
  • 歴史:大炊殿は応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))で焼失し、1628年(寛永5年)頃に再建されました。
  • 様式:大炊殿は切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。大炊殿は桁行五間・梁間三間です。
  • 豆知識:下鴨神社には大炊殿以外にも魚貝類・鳥類を調理する贄殿(にえどの)や酒殿(さかどの)もありました。

【神饌を調理した供御所(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:供御所には東の間・中の間・西の間があります。東の間は神饌を調理し、中の間は魚介類を調理し、西の間は神職が勧盃(けんぱい)の儀などを行いました。供御所では中の間が贄殿(にえどの)、西の間が侍所(さむらいどころ)とも言われました。
  • 歴史:供御所は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式:供御所は入母屋造の檜皮葺です。供御所は桁行九間・梁間三間です。

【神職の控室に使われた預屋(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:預屋は神事の際に神職の控室として使われました。預屋は現在、儀式殿として使われています。
  • 歴史:預屋は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式:預屋は入母屋造の檜皮葺です。預屋は桁行五間・梁間三間です。

【御神宝を保管した叉蔵(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:叉蔵は御神宝を保管しています。叉蔵では1991年(平成3年)1月に次回の式年遷宮(1994年(平成6年))の為の修理中に叉蔵の桔木(はねぎ)の墨書(ぼくしょ)が発見されました。桔木の墨書には「五年四月二十八日 神与兵衛」と記されていました。
  • 歴史:叉蔵は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式:叉蔵は校倉造(あぜくらづくり)です。叉蔵は入母屋造の本瓦葺です。叉蔵は桁行三間・梁間三間です。

【高さ約13メートルで、シンボルである楼門(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:楼門は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。楼門は高さ約13メートルで、下鴨神社のシンボルです。楼門は本殿に参拝する際の出入口になっています。楼門は左右に廻廊(重要文化財)があり、西廻廊には剣の間が設けられ、天皇の勅使が剱(けん)を解きます。楼門では例年5月5日に葵祭の前儀・歩射神事(ぶしゃしんじ)が行われ、楼門の屋根を越えるように鏑矢(かぶらや)を放つ屋越式(やごししき)で邪気を祓います。
  • 歴史:楼門は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式:楼門は三間一戸(さんげんいっこ)の楼門です。楼門は入母屋造の檜皮葺です。

【原生樹林と同じ植生を残す糺の森(史跡)-見どころ】

  • 概要:糺の森は修学旅行・観光で見逃せません。糺の森は面積約12万平方メートルで、山背(やましろ)原野の原生樹林と同じ植生を残していると言われています。なお糺の森はかつて面積が約495万平方メートルもあったそうです。
  • 七不思議:糺の森では相生社(あいおいのやしろ)の連理の賢木(れんりのさかき)が枯れるとどこかで2本の木が1本に結ばれると言われ、七不思議に数えられています。また糺の森では切芝・赤椿・紅葉橋も七不思議に数えられています。謎も魅力です。
  • 行事:糺の森では例年8月に納涼古本まつり(のうりょうふるほんまつり)が行われ、古書などが販売されます。また例年6月に蛍火の茶会(ほたるびのちゃかい)も行われ、ホタルが放たれることもあります。なおかつて糺の森の光の祭も行われ、「呼応する森と自立しつつも呼応する生命 – 下鴨神社 糺の森 」として、光のovoid(卵形体)と参道の木々が光り輝きました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
下鴨神社見どころ(御手洗社(井上社)と御手洗池など)

【下鴨神社 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・下鴨神社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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