上賀茂神社の見どころ完全ガイド|本殿などの観光スポット解説

上賀茂神社の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット
上賀茂神社は世界遺産に登録された京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。上賀茂神社には祭神を祀る本殿と権殿をはじめ、細殿と異彩を放つ立砂、日本百名橋に選ばれる舞殿など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。
【本殿・権殿(国宝)の見どころ解説|上賀茂神社の信仰の中心】
本殿は上賀茂神社の信仰の中心で、聖域です。本殿は普通直接参拝することができないが、上賀茂神社を訪れた際に最初にお参りしたい神様です。特別参拝では普段入ることのできない神域に入り、神職の案内によって本殿・権殿を参拝することができます。(要確認)本殿は賀茂別雷命(かもわけいかづちのかみ)を祀り、神器を奉安し、厳粛な雰囲気に包まれています。賀茂別雷命は下鴨神社の東本殿に祀られている玉依姫命(たまよりひめのみこと)の子神で、雷を別けるほどの力を持つ神と言われています。権殿は本殿の隣に建立された仮殿で、渡殿(わたどの)とも言われ、本殿の非常時に神儀(しんぎ)が行われ、本殿の式年遷宮の際に賀茂別雷命が遷されます。なお本殿・権殿は板壁に狩野派による獅子(しし)・狛犬(こまいぬ)が描かれています。
★本殿・権殿は1863年(文久3年)の式年遷宮で建て替えられました。後一条天皇の勅により、1036年(長元9年)を第1回とする式年遷宮制が確立しました。21年に1度の式年遷宮制では御神体を除く、全ての社殿が新しく建て替えられていたのが豆知識です。ただ戦乱・災害・財政問題などにより、時期が延びたりしました。なお歴史的に大変貴重な為、国宝指定後からは修復のみが行われています。
★本殿・権殿は大きさ・形状が同じで、三間社(さんけんしゃ)流造(ながれづくり)の檜皮葺(ひわだぶき)です。権殿の左右に東御供所・西御供所があり、神饌(しんせん)の調理・盛り付けを行います。
【細殿(重要文化財)と立砂の見どころ解説|上賀茂神社最大の見どころ】
細殿と立砂(盛砂)は上賀茂神社観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。細殿は拝殿だが、天皇・上皇・斎王(さいおう)の参拝の際に著到殿(ちゃくとうでん)として使われ、装束(しょうぞく)などを整えました。1708年(宝永5年)に内裏が炎上した際に東山天皇の行在所(あんざいしょ)とされ、歴史的価値があります。立砂は細殿の前にある2つの円錐状(えんすいじょう)の砂の山で、向かって左側に3本(陽)、右側に2本(陰)の松葉が刺され、神秘的な雰囲気があります。近付くと松葉の違いが確認できます。細殿と立砂は異彩を放ち、上賀茂神社の中で一番写真・SNS映えします。
★細殿は1628年(寛永5年)に建立されました。立砂は神代の昔に賀茂別雷命が降臨した神体(秀峰)・神山を模したと言われています。立砂は鬼門(きもん)に撒く清めの砂や盛り塩の起源とも言われているのが豆知識です。
★細殿は入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。
★立砂は細殿前だけでなく、本殿の祝詞座(のりとざ)前とその背後にもあり、祝詞座前・祝詞座背後・細殿前の順で大きく盛られていることが豆知識です。
【楼門(重要文化財)の見どころ解説|上賀茂神社のシンボル】
楼門は本殿を参拝する際の出入口になっており、訪れるべきスポットです。楼門は朱塗りで、上賀茂神社のシンボルであることから写真撮影スポットになっています。楼門は立派な二階建てに見えるが、二層目に上がることはできないそうです。
★楼門は1628年(寛永5年)に建立されました。
★楼門は三間一戸(さんげんいっこ)で、屋根が入母屋造の檜皮葺です。
【舞殿(重要文化財)の見どころ解説|日本百名橋】
舞殿は御手洗川(みたらしがわ・ならの小川)を跨ぐ珍しい建築様式になっており、訪れたいスポットです。舞殿は橋殿(はしどの)とも言われ、日本百名橋に選ばれ、写真スポットとしても人気です。舞殿では例年6月30日の夏越大祓(なごしのおおはらえ)の際、人形(ひとがた)が御手洗川(ならの小川)に流されます。夏越大祓は藤原家隆(ふじわらのいえたか)が「風そよぐ 楢(なら)の小川の 夕暮は 御禊ぞ夏の しるしなりける」と読み、上賀茂神社が長きにわたって日本文化を受け継いでいることが分かります。
★舞殿は1863年(文久3年)に建立されました。
★舞殿は入母屋造の檜皮葺です。
【外幣殿(重要文化財)の見どころ解説|馬場殿・御所殿】
外幣殿は馬場殿(ばばでん)とも、御所殿(ごしょでん)とも言われ、奉納行事が行われ、葵祭の際に使用されています。外幣殿では例年中秋の賀茂観月祭(かもかんげつさい)の際、様々な奉納行事が行われます。なお外幣殿は法皇・上皇の御幸(ごこう)の際などにも使用され、歴史的価値があります。
★外幣殿は1628年(寛永5年)頃に建立され、1880年(明治13年)に改修されました。
★外幣殿は入母屋造の檜皮葺です。
【忌子殿(重要文化財)の見どころ解説|祈祷殿】
忌子殿は現在祈祷殿として使われています。忌子殿の「忌子」は賀茂氏から選ばれた巫女(みこ)を意味し、巫女は賀茂斎院(さいいん)に奉仕していました。賀茂斎院では嵯峨天皇(さがてんのう)の皇女・有智子内親王(うちこないしんのう)などが葵祭などに奉仕しました。
★忌子殿は1628年(寛永5年)に建立されました。
★忌子殿は入母屋造の檜皮葺です。
【高倉殿・神宝庫(重要文化財)の見どころ解説】
上賀茂神社にはいずれも重要文化財に指定され、保管庫に使われる高倉殿・神宝庫があります。
★高倉殿は祭事用の保管庫に使われていました。高倉殿では神職などの直会(なおらい・御神酒(おみき))が行われたり、神器(しんき)などを保管したりしています。高倉殿は1628年(寛永5年)頃に建立されました。高倉殿は入母屋造の檜皮葺です。
★神宝庫はご神宝を保管していました。神宝庫は1628年(寛永5年)に建立されました。神宝庫は切妻造の檜皮葺です。
【土屋・楽屋(重要文化財の見どころ解説)】
上賀茂神社にはいずれも重要文化財に指定され、神職や僧侶に関係する社殿があります。楽屋は神仏習合時代の歴史を伝えています。
★土屋は神職の祓所(はらえど)でした。現在も神職が神事を行う際に穢れ(けがれ)を祓っています。土屋には一面白砂が敷かれています。土屋は1628年(寛永5年)頃に建立されました。土屋は入母屋造の檜皮葺です。
★楽屋は仏事に奉仕する供僧(ぐそう)が使用していました。楽屋は1628年(寛永5年)頃に建立され、1880年(明治13年)に改修されました。楽屋は切妻造の檜皮葺です。
【渉渓園の見どころ解説|中根金作作庭】
渉渓園(しょうけいえん)は摂社・賀茂山口神社(かもやまぐちじんじゃ)前に作庭されています。渉渓園は面積約500坪で、桜・カエデ・ツツジ・アセビなどの植物が植えられ、四季折々に美しい光景が見られます。
★渉渓園は1960年(昭和35年)に浩宮徳仁親王(ひろのみやなるひとしんのう)が誕生した奉祝事業として、平安時代の雅を伝える賀茂曲水宴(かもきょくすいのえん)を復活させる為、作庭家・中根金作(なかねきんさく)が作庭した名園です。例年4月の第2日曜日の賀茂曲水宴が行われ、平安時代の曲水宴が再現されます。また例年3月3日の桃の節句に流し雛(ながしびな)が行われることがあります。渉渓園は上賀茂神社の歴史の奥深さを感じさせます。
●上記以外は下記リンクから確認することができます。
上賀茂神社見どころ(鳥居・馬場など)
【上賀茂神社の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
●住所:京都府京都市北区上賀茂本山339
●アクセス:地下鉄烏丸線の「北山駅」下車徒歩約25分、バスの「上賀茂神社前」下車徒歩すぐ
*参考・・・上賀茂神社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

















