上賀茂神社見どころの簡単まとめ-本殿(国宝)・立砂

上賀茂神社(Kamigamo Shrine)

上賀茂神社見どころ-修学旅行・観光見学ガイド

上賀茂神社見どころを簡単にまとめてポイント解説します。修学旅行・観光の見どころには江戸時代に建立された最大のハイライトである美しい細殿(重文)と立砂や1863年(文久3年)に建立された貴重な本殿(国宝)などがあります。なお上賀茂神社では文化財(国宝・重要文化財・名勝・史跡)を中心に解説しています。(個別解説下記参照)

【上賀茂神社の修学旅行・観光ポイント】

上賀茂神社の修学旅行・観光ポイントは社殿と式年遷宮です。上賀茂神社では968年(安和元年)に式年遷宮が行われた記録が残され、1036年(長元9年)に第68代・後一条天皇の勅により、21年毎の式年遷宮が始りました。式年遷宮では御神体を除く、全ての社殿が新しく建て替えられていたが、その後兵火や費用などの問題から式年遷宮が延期されたり、中断したり、一部の社殿でしか行われなかったこともありました。また社殿が国宝や重要文化財に指定されると建て替えではなく、修復だけが行われるようになりました。上賀茂神社では1901年(明治34年)に多くの社殿が重要文化財に指定され、1953年(昭和28年)に本殿・権殿が国宝に指定されました。いずれも国宝である本殿・権殿は1863年(文久3年)に建て替えられ、いずれも重要文化財である細殿・忌子殿・外幣殿・高倉殿・御供所・楽屋・土屋・神宝庫・唐門・楼門・中門などは1628年(寛永5年)頃に建て替えられました。社殿は式年遷宮の一端を知ることができます。

【本殿(国宝)・賀茂別雷命】

本殿は見逃せない存在で、チャンスがあれば拝観しましょう。本殿は上賀茂神社の主祭神を祀っています。

  • 見どころポイント:本殿は楼門をくぐった奥にあり、権殿と並んで建立されています。本殿は上賀茂神社の主祭神・賀茂別雷命(かもわけいかづちのかみ)を祀り、神器(神服・食器など)を奉安しています。賀茂別雷命は下鴨神社(しもがもじんじゃ)の東本殿に祀られている祭神・玉依姫命(たまよりひめのみこと)の子神で、雷を別けるほどの力を持つ神と言われています。なお本殿は板壁に狩野派による獅子(しし)・狛犬(こまいぬ)が描かれています。
  • 歴史ポイント:本殿は1863年(文久3年)に21年に1度行われる式年遷宮で建て替えられました。なお式年遷宮制は1036年(長元9年)に第68代・後一条天皇の勅によって確立されました。
  • 様式ポイント:本殿は三間社(さんけんしゃ)流造(ながれづくり)で、屋根が檜皮葺(ひわだぶき)です。
  • 式年遷宮:本殿では2015年(平成27年)10月に第42回式年遷宮の正遷宮(しょうせんぐう)が行われ、賀茂別雷命の神霊が権殿から本殿に遷されました。天皇の勅使(ちょくし)が御祭文(ごさいもん)を読み、警蹕(けいひつ)が暗闇に響く中、神霊を御船代(みふなしろ)に載せて遷し、その後御神宝(ごしんぽう)も本殿に運び入れられました。
スポンサーリンク(Sponsor Link)

【本殿と同形式の権殿(国宝)・渡殿】

権殿は式年遷宮などの際、上賀茂神社の主祭神を祀ります。

  • 見どころポイント:権殿(渡殿)は本殿の隣に建立されています。権殿は本殿が非常時の際に神儀(しんぎ)を行います。また権殿は本殿が式年遷宮の際に主祭神・賀茂別雷命が遷されます。権殿は仮殿で、渡殿(わたどの)とも言われています。なお権殿は本殿と同じように板壁に獅子・狛犬が描かれています。
  • 歴史ポイント:権殿は本殿と同じく、1863年(文久3年)に式年遷宮で建て替えられました。
  • 様式ポイント:権殿は本殿と大きさ・形状が同じで、本殿と同じ三間社流造で、屋根が檜皮葺です。
  • 式年遷宮:権殿では第42回式年遷宮の際、2014年(平成26年)6月に賀茂別雷命の神霊が本殿から権殿に遷され、2015年(平成27年)10月の正遷宮で神霊が本殿に戻されました。

【細殿(重要文化財)・立砂】★修学旅行・観光見学

細殿・立砂は修学旅行・観光で絶対見る価値がある最大のハイライトです。細殿・立砂は上賀茂神社の象徴的な存在です。細殿は前に2つの円錐状(えんすいじょう)の砂の山である立砂(盛砂)があります。立砂は向かって左側に3本(陽)、右側に2本(陰)の松葉が差されており、数を確認しながら眺めましょう。細殿・立砂はインスタ映えします。

  • 見どころポイント:細殿は拝殿で、二ノ鳥居をくぐったところに建立されています。細殿は天皇・上皇・斎王(さいおう)の参拝の際に著到殿(ちゃくとうでん)として使われ、装束(しょうぞく)などを整えました。また細殿は1708年(宝永5年)に内裏が炎上した際に第113代・東山天皇(ひがしやまてんのう)の行在所(あんざいしょ)とされました。
  • 歴史ポイント:細殿は1628年(寛永5年)に建て替えられました。
  • 様式ポイント:細殿は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。細殿は正面・奥行が桁行(けたゆき)五間・梁間(はりま)二間です。
  • 行事:細殿では例年7月1日に賀茂御戸代能(かもみとしろのう)が行われ、観世流(かんぜりゅう)の能・大蔵流(おおくらりゅう)の狂言が奉納されます。なお秋巡業大相撲京都場所の際に細殿前で横綱奉納土俵入りが行われることがあります。
  • 立砂:立砂は神代の昔に主祭神・賀茂別雷命が降臨した神体(秀峰)・神山を模したと言われています。立砂は鬼門(きもん)に撒く清めの砂の起源と言われています。

【忌子殿(重要文化財)・巫女】

  • 見どころポイント:忌子殿は幣殿の奥に建立されています。忌子殿の「忌子」は賀茂氏から選ばれた巫女(みこ)を意味し、巫女は賀茂斎院(さいいん)に奉仕していました。賀茂斎院では第52代・嵯峨天皇(さがてんのう)の皇女・有智子内親王(うちこないしんのう)などが葵祭などに奉仕しました。
  • 歴史ポイント:忌子殿は1628年(寛永5年)に建て替えられました。
  • 様式ポイント:忌子殿は屋根が入母屋造の檜皮葺です。忌子殿は正面・奥行が桁行四間・梁間三間です。

【舞殿(重要文化財)・橋殿】★修学旅行・観光見学

舞殿は修学旅行・観光で見る価値があるハイライトです。舞殿は川の上に建立された珍しい建物で、日本百名橋に選ばれています。す。舞殿には橋としての魅力もあります。

  • 見どころポイント:舞殿は境内を流れる御手洗川(みたらしがわ・ならの小川)を跨ぐように建立され、橋殿(はしどの)とも言われています。
  • 歴史ポイント:舞殿は1863年(文久3年)に建て替えられられました。
  • 様式ポイント:舞殿は屋根が入母屋造の檜皮葺です。舞殿は正面・奥行が桁行六間・梁間一間です。
  • 行事:舞殿では例年6月30日に行われる夏越大祓(なごしのおおはらえ)の際に人形(ひとがた)が御手洗川(ならの小川)に流されます。また舞殿では例年1月5日に新年竟宴祭(しんねんきょうえんさい)も行われ、舞楽(ぶがく)が奉納されます。

【外幣殿(重要文化財)・馬場殿】★修学旅行・観光見学

外幣殿は見逃せない存在です。外幣殿では奉納行事が行われ、奉納行事も魅力になっています。

  • 見どころポイント:外幣殿は一の鳥居をくぐった先に建立され、馬場殿(ばばでん)・御所殿(ごしょでん)とも言われています。外幣殿は葵祭の際に使用されています。なお外幣殿は法皇・上皇の御幸(ごこう)の際などにも使用されました。
  • 歴史ポイント:外幣殿は1628年(寛永5年)頃に建て替えられ、1880年(明治13年)に改修されました。
  • 様式ポイント:外幣殿は屋根が入母屋造の檜皮葺です。外幣殿は正面・奥行が桁行五間・梁間三間です。
  • 行事:外幣殿では例年中秋に賀茂観月祭(かもかんげつさい)が行われ、様々な奉納行事が行われます。 なお例年1月16日の武射神事(むしゃじんじ)では外幣殿前の射場で大的式(おおまとしき)・百手式(ももてしき)が行われます。

【保管庫に使われた高倉殿(重要文化財)】

  • 見どころポイント:高倉殿は神職などが直会(なおらい・御神酒(おみき))を頂いたり、神器(しんき)などを保管したりしています。高倉殿は祭事用の保管庫に使われていたそうです。
  • 歴史ポイント:高倉殿は1628年(寛永5年)頃に建て替えられました。
  • 様式ポイント:高倉殿は屋根が入母屋造の檜皮葺です。高倉殿は正面・奥行が桁行六間・梁間二間です。

【東西の御供所(重要文化財)】

  • 見どころポイント:御供所は権殿の左右にあり、それぞれ東御供所・西御供所になります。御供所では神饌(しんせん)の調理・盛り付けを行います。西御供所は南端が直会所(なおらいしょ)になっています。
  • 歴史ポイント:御供所は1628年(寛永5年)頃に建て替えられました。
  • 様式ポイント:御供所は屋根が切妻造(きりづまづくり)の檜皮葺です。東御供所は正面・奥行が桁行五間・梁間二間、西御供所は桁行八間・梁間二間です。

【供僧が使用した楽屋(重要文化財)】

  • 見どころポイント:楽屋は仏事に奉仕する供僧(ぐそう)が使用していました。
  • 歴史ポイント:楽屋は1628年(寛永5年)頃に建立され、1880年(明治13年)に改修されました。
  • 様式ポイント:楽屋は屋根が切妻造の檜皮葺です。楽屋は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。

【神職の祓所だった土屋(重要文化財)】

  • 見どころポイント:土屋は神職の祓所(はらえど)でした。現在も神職が神事を行う際に穢れ(けがれ)を祓っています。土屋には一面白砂が敷かれています。
  • 歴史ポイント:土屋は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式ポイント:土屋は屋根が入母屋造の檜皮葺です。土屋は正面・奥行が桁行五間・梁間二間です。

【ご神宝を保管する神宝庫(重要文化財)】

  • 見どころポイント:神宝庫はご神宝を保管していました。神宝庫では2012年(平成24年)に屋根の檜皮葺が葺き替えられ、一般に公開されました。
  • 歴史ポイント:神宝庫は1628年(寛永5年)に建立されました。
  • 様式ポイント:神宝庫は屋根が切妻造の檜皮葺です。神宝庫は正面・奥行が桁行三間・梁間二間です。

【唐門(重要文化財)・神山】

  • 見どころポイント:唐門は左右に袖塀(そでべい)があります。なお唐門は背後に神体(秀峰)・神山があります。
  • 歴史ポイント:唐門は1628年(寛永5年)頃に建立されました。
  • 様式ポイント:唐門は屋根が切妻造の檜皮葺です。

【朱塗りの楼門(重要文化財)】★修学旅行・観光見学

楼門は細殿・立砂に次いで、修学旅行・観光で見る価値があるハイライトです。楼門は本殿を参拝する際の出入口になっています。美しい朱塗りの楼門はインスタ映えします。

  • 見どころポイント:楼門は二階建てに見えるが、二層目に上がることはできないそうです。
  • 歴史ポイント:楼門は1628年(寛永5年)に建立されました。
  • 様式ポイント:楼門は三間一戸(さんげんいっこ)の楼門です。楼門は屋根が入母屋造の檜皮葺です。

【渉渓園・中根金作】★修学旅行・観光見学

渉渓園は見逃せない存在です。渉渓園は桜・カエデ・ツツジ・アセビなどが植えられ、四季折々に美しい光景が見られます。

  • 見どころポイント:渉渓園(しょうけいえん)は摂社・賀茂山口神社(かもやまぐちじんじゃ)前に作庭されています。渉渓園は面積約500坪です。
  • 歴史ポイント:渉渓園は1960年(昭和35年)に浩宮徳仁親王(ひろのみやなるひとしんのう)が誕生し、奉祝事業として、平安時代の雅を伝える賀茂曲水宴(かもきょくすいのえん)を復活させる為に作庭されました。渉渓園は作庭家・中根金作(なかねきんさく)が作庭しました。
  • 行事:渉渓園では例年4月の第2日曜日に賀茂曲水宴が行われ、平安時代の雅な曲水宴が再現されます。また渉渓園では例年3月3日の桃の節句に流し雛(ながしびな)が行われることがあります。

●上記以外の見どころは下記リンクから確認することができます。
上賀茂神社見どころ(鳥居・馬場など)

【上賀茂神社見どころ-修学旅行・観光見学ガイド 備考(参考リンク・・・)】
上賀茂神社を修学旅行・観光で訪れるなら桜シーズン(2月上旬頃~3月上旬頃)がおすすめです。上賀茂神社には葵祭にゆかりがある斎王桜・馬出しの桜・鞭打ちの桜などが植えられ、桜に彩られた美しい情景を見ることができます。なお植物の見ごろはその年の気象条件の影響を受けます。
*参考・・・上賀茂神社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

関連記事

京都観光おすすめ

  1. 錦市場(Nishiki Market)
  2. 竹林の道(Bamboo Forest Path)
  3. 嵐山
ページ上部へ戻る