金戒光明寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

金戒光明寺(Konkai Komyo-ji Temple)

金戒光明寺の見どころは文殊塔・御影堂・大方丈・山門・アフロ仏などです。

金戒光明寺の見どころを簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには高さ20メートルを超る文殊塔(重要文化財)、勅額が掛かる山門(登録有形文化財)、アフロ仏と言われる五劫思惟阿弥陀仏などがあります。また御影堂・大方丈等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【金戒光明寺の歴史・簡単概要】

金戒光明寺は1175年(承安5年)に浄土宗の開祖・法然上人が比叡山黒谷を下り、草庵を最初に結んだのが起源と言われています。浄土宗最初の寺院で、白川の禅房とも言われていたそうです。その後法然上人が弟子で、白川門徒の祖・法蓮房信空に白川の禅房(本房)を黒谷の本房とともに与えたと言われています。鎌倉時代(1185年~1333年)に第5世・素月房恵顗が伽藍を整え、紫雲山光明寺と号し、南北朝時代(1337年~1392年)に第8世・我観房運空が北朝第4代・後光厳天皇に戒を授けたことから金戒の二字を賜り、金戒光明寺と言うようになりました。

【文殊菩薩を祀り、本朝三文殊に数えられた文殊塔(重要文化財)】

  • 文殊塔の概要:文殊塔は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。文殊塔は高さ約22メートルの三重塔で、シンボルです。文殊塔は仏師・運慶(うんけい)作とも言われる文殊菩薩(もんじゅぼさつ)・脇侍(きょうじ)を安置していました。現在、文殊菩薩・脇侍は御影堂に安置されています。なお文殊塔は奈良・安倍文殊院(あべもんじゅいん)と天橋立・智恩寺(ちおんじ)ととともに本朝三文殊に数えられました。
  • 文殊塔の歴史:文殊塔は1633年(寛永10年)に豊永堅齋が江戸幕府2代将軍・徳川秀忠(とくがわひでただ)の菩提(ぼだい)を弔う為に建立したと言われています。文殊塔建立には「建塔記」が残されています。
  • 文殊塔の様式:文殊塔は三間三重塔婆(さんげんさんじゅうとうば)で、屋根が本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
  • 文殊塔の仏像:文殊菩薩・脇侍は応仁の乱(おうにんんおらん)によって廃寺になった岡崎・宝幢寺(ほうどうじ)の本尊だったとも言われています。
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【阿弥陀如来・法然上人を祀る御影堂(登録有形文化財)】

  • 御影堂の概要:御影堂は文殊塔に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。御影堂は大殿(だいでん)とも言われ、内陣に法然上人坐像(法然上人75歳の御影)を安置しています。また御影堂は本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像や京都七観音や洛陽三十三所観音霊場第の6番札所になっている千手観音(せんじゅかんのん)立像(吉備観音(きびかんのん))も安置しています。なお御影堂は文殊塔に安置されていた文殊菩薩・脇侍も安置しています。
  • 御影堂の歴史:御影堂は1934年(昭和9年)に火災によって焼失し、1944年(昭和19年)に再建されました。
  • 御影堂の様式:御影堂は屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。
  • 御影堂の仏像:手観音立像(吉備観音)は遣唐使(けんとうし)・吉備真備(きびのまきび)が唐(中国)から持ち帰った栴檀(せんだん)を自ら刻み、廃寺になった吉田寺に本尊として安置したとも言われています。

【今尾景祥筆の障壁画がある大方丈(登録有形文化財)】

  • 大方丈の概要:大方丈(講堂)には謁見の間・松の間・虎の間などがあります。松の間は日本画家・今尾景祥(いまおけいしょう)が描いた「松図」、虎の間は日本画家・久保田金僊(くぼたきんせん)が描いた「虎図」に由来しています。
  • 大方丈の歴史:大方丈は1934年(昭和9年)に火災によって焼失し、1936年(昭和11年)に再建されました。
  • 大方丈の様式:大方丈は屋根が入母屋造の本瓦葺です。
  • 大方丈の庭園:大方丈には法然上人の生涯をゆかりの人やゆかりの地で表現した枯山水式庭園・紫雲の庭があります。紫雲の庭は2006年(平成18年)に作庭されました。

【車寄・応接室・座敷がある玄関(登録有形文化財)】

  • 玄関の概要:玄関(応接室・座敷)は大方丈の東側にあり、寺務所と繋がっています。玄関は正面中央に唐破風造(からはふづくり)の銅板葺(どうばんぶき)の車寄があり、板敷の応接室と書院造(しょいんづくり)の座敷もあります。
  • 玄関の歴史:玄関は1936年(昭和11年)に建立されました。
  • 玄関の様式:玄関は木造平屋建で、屋根が瓦葺一部銅板葺です。

【吹寄菱欄間がある唐門(登録有形文化財)】

  • 唐門の概要:唐門は大方丈の南正面にあります。唐門は扉と壁に繊細な吹寄菱欄間(らんま)があります。
  • 唐門の歴史:唐門は1936年(昭和11年)頃に建立されました。
  • 唐門の様式:唐門は切石積基壇に建立された四脚門(しきゃくもん)です。唐門は屋根が向唐破風造の銅板葺です。

【本尊・阿弥陀如来像を祀り、本堂である阿弥陀堂(登録有形文化財)】

  • 阿弥陀堂の概要:阿弥陀堂は山内最古の建物と言われています。阿弥陀堂は金戒光明寺の本堂で、恵心僧都(えしんそうず)・源信(げんしん)が最後に造仏したと言われている本尊・阿弥陀如来(あみだにょらい)像を安置しています。阿弥陀如来は恵心僧都・源信最後の造仏の為、「ノミおさめ如来」・「お止めの如来」とも言われ、体内にノミ(鑿)が納められています。
  • 阿弥陀堂の歴史:阿弥陀堂は1612年(慶長10年)に関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の子・豊臣秀頼(とよとみひでより)が再建しました。阿弥陀堂は山内最古の建物とも言われています。
  • 阿弥陀堂の豆知識:阿弥陀堂は豊臣秀頼が方広寺(ほうこうじ)大仏殿を再建した際の余材で再建されたと言われています。

【経典を納める経堂(登録有形文化財)】

  • 経堂の概要:経堂は経典を納める堂塔です。旧経堂は現在、納骨堂になっています。
  • 経堂の歴史:経堂は1689年(元禄2年)に建立されました。
  • 経堂の様式:経堂は屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺です。経堂は桁行三間・梁行三間です。

【勅額「浄土真宗最初門」が掛けられている山門(登録有形文化財)】

  • 山門の概要:山門は修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。山門は石段の上に建立され、大きさ・高さに圧倒されます。山門は楼上に宝冠釈迦如来(ほうかんしゃかにょらい)像・文殊菩薩・普賢菩薩(ふげんぼさつ)・十六羅漢(じゅうろくらかん)などを安置しています。山門には第100代・後小松天皇(ごこまつてんのう)による勅額「浄土真宗最初門」が掛けられています。なお山門には絵師・中殿暁園(なかどのぎょうえん)が描いた「蟠竜図」もあります。
  • 山門の歴史:山門は1860年(万延元年)に再建されました。ちなみに山門は応永年間(1394年~1428年)に建立されたが、応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))で焼失しました。
  • 山門の様式:山門は禅宗寺院に見られる三門様式で、禅宗以外の寺院では珍しいと言われています。山門は二階二重門(にかいにじゅうもん)の楼門です。山門は屋根が入母屋造の本瓦葺です。

【2代目・直実鎧掛けの松(京都市指定保存樹)】

  • 直実鎧掛けの松の概要:直実鎧掛けの松は武士・熊谷直実(くまがいなおざね)が鎧(よろい)を洗って掛け、出家したとも言われています。なお直実鎧掛けの松は2代目です。
  • 直実鎧掛けの松の歴史:熊谷直実はたとえ人を殺めても念仏を唱えれば極楽浄土(ごくらくじょうど)で往生できるという法然上人の教えに感化し、法然上人の門に入って出家したと言われています。熊谷直実は1184年(元暦元年)一の谷の合戦で、16歳の平敦盛(たいらのあつもり)を討ちました。

【アフロ仏(アフロ阿弥陀)と言われる五劫思惟阿弥陀仏】

  • アフロ仏の概要:アフロ仏(アフロ阿弥陀)は頭髪(螺髪(らほつ))がアフロヘアのように特異な五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)です。五劫思惟阿弥陀仏は気が遠くなるような長時間、思惟をこらして修行した結果、髪が伸びて渦高く螺髪が積み重なった様子を表しています。アフロ仏はインスタ映えします。
  • アフロ仏の歴史:五劫思惟阿弥陀仏は江戸時代(1603年~1868年)中頃に造仏されたとも言われています。

【染井吉野などの桜・ライトアップが行われる紅葉】

  • 桜・紅葉の概要:金戒光明寺はあまり知られていない桜名所・紅葉名所です。紅葉の見ごろにライトアップが行われ、幻想的・神秘的な光景が見られます。
  • 桜の概要:金戒光明寺では山内に染井吉野・枝垂桜など約100本の桜が植えられ、例年4月上旬頃に見ごろを迎えます。
  • 紅葉の概要:金戒光明寺では山内にカエデなどが分布し、例年11月中旬頃から下旬頃に見ごろを迎えます。

【西雲院・西翁院・龍光院などの塔頭】

  • 塔頭の概要:金戒光明寺には西雲院(さいうんいん)・西翁院(さいおういん)・龍光院(りょうこういん)など18の塔頭があります。塔頭は祖師や高僧の死後、その弟子が祖師・高僧を慕って寄り沿うように創建した小さな寺院です。
  • 塔頭の歴史:西雲院は1616年(元和2年)に宗厳が第27世・了的から法然上人ゆかりの紫雲石(しうんせき)を贈られて創建したと言われています。

【金戒光明寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・金戒光明寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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