伏見稲荷大社の七不思議解説-修学旅行・観光の豆知識・雑学
伏見稲荷大社の七不思議はお山の土・千本鳥居・無数のお塚・おもかる石などです。
伏見稲荷大社の七不思議を簡単にまとめてポイント解説します。七不思議には稲荷山の土であるお山の土、千本鳥居、無数のお塚、おもかる石、しるしの杉、御産婆稲荷のロウソク、社殿のない大八嶋社、劔石などがあります。(詳細下記参照)
【稲荷山の土であるお山の土】
- お山の土の概要‐お山の土は本殿の背後にそびえる標高約233メートルの稲荷山の土で、不思議なことに田畑に撒くと五穀がよく実ると言われています。稲荷山は農業の神で、五穀豊穣を司る稲荷大神(いなりのおおかみ)が降臨したことからそう言われるようになったとも言われています。
- お山の土の豆知識‐稲荷山の土を米粒大に丸めて銀色に塗った「粒粒(つぼつぼ)」や柚(ゆず)の形をした容器である「柚でんぼ」が土人形の元祖と言われている伏見人形の起源とも言われています。
- 稲荷山‐稲荷山は東山三十六峰の最南端に位置する標高約233メートルの山です。稲荷山には上之社神蹟(一ノ峰)・中之社神蹟(二ノ峰)・下之社神蹟(三ノ峰)・菊大神・田中社神蹟(荒神峰)・荷田社神蹟(間ノ峰)・長者社神蹟(釼石)や1万基以上とも言われるお塚(小さな祠)などがあります。また田中社・大杉社・眼力社・傘杉社・薬力社・長者社・大岩大神・熊鷹社・三徳社などの摂末社も祀られています。
【「願い事が通った御礼」等で奉納された千本鳥居】
- 千本鳥居の概要‐千本鳥居(せんぼんとりい)は本殿から奥宮(奥の院)に向う参道にあります。千本鳥居の奉納には「願い事が通る」・「願い事が通った御礼」という意味があります。千本鳥居は願い事が叶うようにと祈願しながら通るといいと言われています。ちなみに伏見稲荷大社全体では約1万基の鳥居があるそうです。鳥居の奉納は江戸時代以降に盛んになりました。千本鳥居は現世から神の坐す幽界への関門として建てられたとも言われています。
- 千本鳥居の豆知識‐千本鳥居の朱塗り(しゅぬり)は稲荷塗り(稲荷朱)と言われ、稲荷大神が楓を好んだことに由来するとも、破邪(はじゃ)の呪力(じゅりょく)を示すものとも言われています。また赤土の持つ生命力を表しているとも言われています。
【稲荷山にある無数のお塚】
- 無数のお塚の概要‐無数のお塚は稲荷山にある伏見稲荷大社の摂社・末社とは別に1万近くのあると言われています。なおお塚の奉納は明治時代中頃に始まったそうです。
- 無数のお塚の豆知識‐無数のお塚は稲荷大神を信仰する参拝者が個人的に奉納したものです。
【石灯籠の空輪であるおもかる石】
- おもかる石の概要‐おもかる石は灯籠(とうろう)の前で願い事をし、おもかる石は不思議なことに持ち上げて予想よりも軽く感じると願いが叶い、重く感じると願いが叶わないと言われています。
- おもかる石の豆知識‐おもかる石(燈籠の石)は奥宮の右にある一対の石灯籠の空輪(くうりん)の部分です。
【稲荷山の杉であるしるしの杉(験の杉)】
- しるしの杉の概要‐しるしの杉(験の杉)は例年2月の初午の日に行われる初午大祭(はつうまたいさい)の際に参拝者に授与されます。なお初午大祭は奈良時代初期の711年(和銅4年)2月の初午の日に稲荷大神が稲荷山に降臨したことに由来し、平安時代から続いているそうです。
- しるしの杉の豆知識‐しるしの杉は自宅に持ち帰って植え、根が付けば吉、根が付かねば凶と言われています。
- 行事‐稲荷山の杉は古来からご神木とされ、1月5日に行われる大山祭では神職が杉の小枝を烏帽子に挿します。
【荷田社にある奴禰鳥居(ぬねとりい)】
- 奴禰鳥居の概要‐奴禰鳥居は二ノ峰と三ノ峰の間にある間の峰(あいだのみね)にある荷田社(かだしゃ)にある石鳥居です。奴禰鳥居は笠木(かさぎ)と貫(ぬき)の間に特異な合掌(がっしょう)状の破風扠首束(はふさすづか)があります。
- 奴禰鳥居の豆知識‐奴禰鳥居のような特異な鳥居は伏見稲荷大社と錦天満宮(にしきてんまんぐう)内の日出稲荷(ひのでいなり)しかないそうです。
【御産婆稲荷(おさんばいなり)のロウソク】
- 御産婆稲荷のロウソクの概要‐御産婆稲荷のロウソクは三ツ辻から下りた稲荷山の麓にある伏見稲荷大社の摂末社・御産婆稲荷社にあります。燃えさしのロウソクを自宅に持ち帰り、自宅でロウソクに火を灯して燃え尽きる時間が短ければ、お産も短い時間で楽に済むと言われています。
- 御産婆稲荷のロウソクの豆知識‐御産婆稲荷社近くにはかつて狐の夫婦が棲んで子育てをしていたことからお産が軽く、安産である狐が安産の神として祀られ、御産婆稲荷と言われるようになったと言われています。
【社殿のない大八嶋社(おおはちしまのやしろ)】
- 大八嶋社の概要‐伏見稲荷大社の摂末社・大八嶋社は本殿の西にある八嶋池の畔にあるが、古来から社殿はありません。大八嶋社は朱の玉垣で囲われ、大八嶋大神(おおはちしまのおおかみ)を祀っています。
- 大八嶋社の豆知識‐大八嶋は日本神話に登場する男神・伊邪那岐(イザナギ)と女神・伊邪那美(イザナミ)が生み出した日本列島の別名で、日本列島そのものが社殿ということのようです。
【稲荷山にある新池(しんいけ)】
- 新池の概要‐新池は奥宮(奥の院)から三つ辻に至る参道の傍らにあります。行方不明者を探している人が新池に向かって手を打つとこだまが返ってきた方向に手掛かりがあると言われています。新池はこだま池・谺ヶ池(こだまがいけ)とも言われています。
- 新池の豆知識‐新池の畔にある伏見稲荷大社の摂末社・熊鷹社(くまたかしゃ)で願い事をして新池に向かって柏手を2回打ち、こだまが近くから返ってきたと感じれば、願い事は早く叶い、遠くから返ってきたと感じれば、願い事が叶うには時間が掛かると言われています。
【御剣社の劔石(つるぎいし)】
- 劔石の概要‐劔石は四つ辻と一ノ峰の中間にある伏見稲荷大社の摂末社・御剣社(みつるぎしゃ)の裏手にあり、御剣社のご神体です。なお御剣社の左にある井戸・焼刃の水(やきばのみず)は平安時代初期に鍛冶職人・三条小鍛治宗近(さんじょうこかじむねちか)が稲荷大神のお使いである子狐の力を借りて、名刀・子狐丸(こぎつねまる)を鍛えたと言われています。
- 劔石の豆知識‐劔石は雷神が封じ込められているとも言われ、雷石(かみなりいし)とも言われています。
【伏見稲荷大社 備考】
*参考・・・伏見稲荷大社(七不思議・見どころ・・・)ホームページ