松尾大社の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

松尾大社見どころ

松尾大社の見どころは本殿・拝殿・楼門・祈願杓子・鳥居・松風苑などです。

松尾大社の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには祭神・大山咋神を祀る松尾造の本殿(重要文化財)、松尾祭の際に神輿の拝殿廻しが行われる拝殿、重森三玲・完途が作庭した松風苑などがあります。また楼門・鳥居等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【松尾大社の歴史・簡単概要】

松尾大社は太古の昔、松尾山の山霊を頂上に近い大杉谷の上部の磐座に生活の守護神として祭神・大山咋神を祀ったのが起源とも言われています。その後5世紀頃に秦の始皇帝の子孫と称する渡来系氏族・秦氏が松尾山の神を秦氏一族の総氏神として祀り、開拓に従事したとも言われています。701年(大宝元年)に秦忌寸都理が文武天皇の勅命によって現在の場所に社殿を建立し、知満留女を斎女として松尾山山上の磐座に祀られていた神霊を社殿に移して祀りました。

【祭神・大山咋神を祀る松尾造の本殿(重要文化財)-見どころ】

  • 概要:本殿は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。本殿は祭神・大山咋神(おおやまぐいのかみ)・中津島姫命 (なかつしまひめのみこと)を祀っています。本殿は珍しい松尾造(両流造)で、室町時代(1336年~1573年)の特徴が見られる彫刻や文様などがあります。本殿には金具に神紋・フタバアオイが施されています。
  • 歴史:本殿は1285年(弘安8年)に焼失し、1397年(応永4年)に再建されました。その後1542年(天文11年)に大改修され、1851年(嘉永4年)と1924年(大正13年)に大修理が行われたと言われています。1971年(昭和46年)に屋根の葺き替えなどが行われました。
  • 様式:本殿は松尾造と言われています。松尾造は本殿以外に福岡・宗像神社(むなかたじんじゃ)と広島・厳島神社(いつくしまじんじゃ)にしか見られないと言われています。本殿は三間社(さんげんしゃ)両流造(りょうながれつくり)で、檜皮葺(ひわだぶき)です。本殿は向拝(こうはい)を接して釣殿(つりどの)に接続し、釣殿の東側に接して回廊が南北に延びています。回廊には本殿正面に中門、北側に北清門、南側に南清門があります。
スポンサーリンク(Sponsor Link)

【松尾祭の際に神輿の拝殿廻しが行われる拝殿-見どころ】

  • 概要:拝殿は修学旅行・観光で見逃せません。拝殿は中門の正面に建立されています。拝殿では春の祭礼・松尾祭の際に神輿が拝殿の周りを3周する拝殿廻しが行われます。拝殿では大祓式(おおはらいしき)などの神事が行われます。また拝殿では年末から年始に掛け、新年の干支(えと)の大絵馬(えま)が掲げられます。
  • 歴史:拝殿は江戸時代(1603年~1868年)初期に建立されたと言われています。
  • 様式:拝殿は入母屋造(いりもやづくり)の檜皮葺です。

【御神宝を収蔵する校倉の神庫-見どころ】

  • 概要:神庫は本殿の北側に建立されています。校倉は松尾大社の御神宝を収蔵しています。なお神庫がある場所はかつて仮殿があったと言われています。
  • 歴史:神庫は江戸時代(1603年~1868年)初期に建立されたと言われています。その後1863年(文久3年)に現在の場所に移されたと言われています。
  • 様式:神庫は校倉造(あぜくらづくり)で、檜皮葺です。

【高さ約11メートルで、祈願杓子が差されている楼門-見どころ】

  • 概要:楼門は修学旅行・観光で見る価値があります。楼門は高さ約11メートルで、華美な装飾がない和様系です。楼門は左右に随神(ずいしん)を安置しています。楼門は周囲に金網が張り巡らされ、金網にたくさんの杓子が差されています。差された杓子は祈願杓子と言われ、願い事を記せば、叶うとも言われています。なお楼門は松尾祭の際に神輿が通ります。
  • 歴史:楼門は1667年(寛文7年)に建立されたと言われています。
  • 様式:楼門は入母屋造の檜皮葺です。
  • 豆知識:杓子はご飯をすくうから転じ、「救う」に通じているとも言われています。

【神輿を収蔵する神輿庫-見どころ】

  • 概要:神輿庫は神輿を収蔵しています。松尾祭では月読社の唐櫃(からびつ)と大宮社・櫟谷社・宗像社・四之社・衣手社・三宮社の6基の神輿が巡行します。神輿庫には奉納された酒樽(さかだる)が高く積まれています。酒樽は渡来系氏族・秦氏が酒造技術に優れ、室町時代(1336年~1573年)末期から「日本第一酒造神」と信仰されるようになったことに由来しています。
  • 歴史:神輿庫は1863年(文久3年)に神庫が建立されていた現在の場所に移されたと言われています。

【参道に建立されている一の鳥居・二の鳥居-見どころ】

  • 概要:一の鳥居(大鳥居・二の鳥居は参道に建立されています。一の鳥居には額「松尾大神」が掛けられています。一の鳥居の横には「松尾大社」と刻まれた石柱が建立されています。二の鳥居には有栖川宮幟仁親王筆による額「松尾大神」が掛けられています。二の鳥居には脇勧請(わきかんじょう)と言われる12本の榊(さかき)の小枝の束が下げられています。なお榊の小枝の束は閏年に13本になります。
  • 豆知識:榊の小枝の束は枯れ方により、農作物の出来を占いました。榊が完全に枯れると豊作になると言われています。

【蘇りの水とも言われる亀の井-見どころ】

  • 概要:亀の井は社殿の背後にあります。亀の井は松尾山から湧き出る湧水です。亀の井は酒に混ぜると腐敗しないと言われ、現在も醸造家が持ち帰って酒に混ぜるとも言われています。亀の井は諸病にも効果があると言われ、蘇りの水とも言われたそうです。なお亀の井は茶の湯や書道にも使われたそうです。
  • 豆知識:亀の井は祭神・松尾神の神使である亀に由来しています。松尾神は緩流では亀、急流では鯉に乗ったとされ、亀と鯉が神使とされています。

【重森三玲・重森完途親子が作庭した松風苑-見どころ】

  • 概要:松風苑(しょうふうえん)は本殿に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値があります。松風苑は昭和の日本庭園を代表する庭園のひとつとされています。松風苑には上古の庭・曲水の庭・蓬莱の庭があります。松風苑には当初計画になく、即興的に作庭された枯山水式庭園・即興の庭もあります。
  • 歴史:松風苑は1975年(昭和50年)に作庭家・重森三玲(しげもりみれい)が作庭しました。ただ重森三玲の死後は長男・重森完途(しげもりかんと)が引き継いで完成させました。
  • 上古の庭:上古の庭は巨石の石組により、磐座(いわくら)を飛鳥時代(592年~710年)以前の上古風に表した庭園です。
  • 曲水の庭:曲水の庭は洲浜(すはま)・築山(つきやま)などにより、清流を平安時代(794年~1185年)風に表した庭園です。
  • 蓬莱の庭:蓬莱の庭は蓬莱島を鎌倉時代(1185年~1333年)風に表した池泉式庭園です。

【夫婦和合・恋愛成就のご利益がある相生の松-見どころ】

  • 概要:相生の松(あいおいのまつ)は本殿近くにあります。相生の松は雌雄根を同じくしていたことから夫婦和合・恋愛成就のご利益があると言われています。なお相生の松は樹齢約350年と言われていました。
  • 歴史:相生の松は1956年(昭和31年)・1957年(昭和32年)に相次いで枯れ、現在は大注連縄(しめなわ)を巻いて覆屋を設けて保存されています。

【神使ゆかりの撫で亀さん・幸運の双鯉-見どころ】

  • 概要:撫で亀さん・幸運の双鯉(そうり)は本殿前の左右にあります。撫で亀さんは撫でると霊威により、健康長寿のご利益があると言われています。幸運の双鯉(そうり)は出世開運のご利益があると言われています。
  • 豆知識:亀と鯉は祭神・松尾神が緩流では亀、急流では鯉に乗ったとされ、神使とされています。

【山吹まつりが行われる黄色い・白い山吹-見どころ】

  • 概要:山吹(やまぶき)は境内や参道に約3,000株分布しています。一ノ井川沿いでは黄色い山吹が咲き、上古の庭では白い山吹が咲きます。
  • 行事:山吹が見ごろを迎える例年4月から5月に山吹まつりが行われます。山吹まつり期間中にイベントが行われることもあります。

【月読神社などの摂末社(摂社・末社)・御旅所-見どころ】

  • 概要:松尾大社には月読神社・三宮社・四大神社・衣手社・金刀比羅社・三宮神社・衣手神社・櫟谷宗像神社・綱敷行衛天満宮などの摂末社(摂社・末社)があります。また西七条御旅所・朱雀御旅所などの御旅所もあります。
  • 月読神社:月読神社は日本最古の正史「日本書紀(にほんしょき)」によると487年(顕宗天皇3年)に阿閉巨事代への月神の神託を受け、第23代・顕宗天皇(けんぞうてんのう)の勅命によって天月神命(あめのつきのかみ)を祀ったのが起源と言われています。

【神幸祭で船渡御が行われる松尾祭-見どころ】

  • 概要:松尾祭(まつおさい)では神幸祭(しんこうさい)で神輿の舟渡御(ふなとぎょ)が行われます。松尾祭は例年4月から5月に行われています。松尾祭では4月20日以降の日曜日に神幸祭(おいで)、3週間後の日曜日に還幸祭(おかえり)が行われます。神幸祭では松尾大社から御旅所に月読社の唐櫃と大宮社・櫟谷社・宗像社・四之社・三宮社・衣手社の6基が巡行し、還幸祭では御旅所から松尾大社に戻ります。
  • 豆知識:松尾祭では唐櫃・神輿が桂川を渡る船渡御が行われます。

【福豆まき・追難行事などが行われる節分祭-見どころ】

  • 概要:節分祭(せつぶんさい)は例年節分(立春の前日)に行われています。節分祭では厄除け・招福を祈願します。節分祭では追難行事(ついなぎょうじ)・鳴弦破魔弓神事(めいげんはまゆみしんじ)・四方奉射神事(しほうほうしゃしんじ)が行われます。神事終了後に福男・福女による福豆まきが行われます。

【松尾大社 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・松尾大社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

関連記事

京都観光おすすめ

  1. 錦市場(Nishiki Market)
  2. 竹林の道(Bamboo Forest Path)
  3. 嵐山
ページ上部へ戻る