清凉寺の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識

清凉寺(Seiryo-ji Temple)

清凉寺の見どころは本堂・多宝塔・仁王門・阿弥陀堂・狂言堂などです。

清凉寺の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには「三国伝来の釈迦像」と言われる釈迦如来を祀る本堂(府指定文化財)、多宝塔(府指定文化財)、仁王像を祀る仁王門(府指定文化財)などがあります。また阿弥陀堂・狂言堂等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。

【清凉寺の歴史・簡単概要】

清凉寺は第52代・嵯峨天皇の皇子である左大臣・源融の山荘・棲霞観があった場所です。源融の没後に弥陀三尊像を造立して安置し、棲霞寺と号したのが起源とも、945年(天慶8年)に重明親王妃が新堂を建てて等身大の釈迦像を安置したのが起源とも言われています。987年(永延元年)に奝然上人が愛宕山を中国の五台山に模し、「三国伝来の釈迦像」を安置する寺を建立しようとしたが亡くなり、弟子・盛算が師の遺志を継いぎ、棲霞寺内に釈迦堂を建立しました。

【「三国伝来の釈迦像」を祀る本堂(府指定文化財)-見どころ】

  • 概要:本堂は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。本堂は「三国伝来の釈迦像」・「生身の釈迦」とも言われる本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)像(国宝)を安置し、釈迦堂とも言われています。また本堂は鎌倉時代(1185年~1333年)に造仏された地蔵菩薩(じぞうぼさつ)立像(重要文化財)も安置しています。本堂には中国僧・隠元隆琦禅師(いんげんりゅうきぜんじ)筆による額「栴檀瑞像(せんだんずいぞう)」が掛けられています。
  • 歴史:本堂は1637年(寛永14年)に嵯峨大火で焼失し、1701年(元禄14年)に江戸幕府5代将軍・徳川綱吉(とくがわつなよし)の生母・桂昌院(けいしょういん)の発願と大坂の豪商・住友吉左衛門(すみともきちざえもん)の援助によって再建されました。なお桂昌院は内内陣の宮殿厨子(ずし)を寄進しました。
  • 様式:本堂は和様(わよう)と禅宗様(ぜんしゅうよう)の折衷の建物です。本堂は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
  • 仏像:釈迦如来像はインドの優填王(うでんおう)がお釈迦さまの37歳の姿を栴檀(せんだん)の木で造らせた霊像を模刻したもので、インドから中国を経て日本に伝来したことから「三国伝来の釈迦像」と言われています。また釈迦如来像は生きているお釈迦さまを生き写していることから「生身の釈迦」と言われています。釈迦如来像は歴史的価値があります。
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【江戸での出開帳で寄進された多宝塔(府指定文化財)-見どころ】

  • 概要:多宝塔は本堂に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。多宝塔は多宝如来(たほうにょらい)を安置しています。多宝塔は尾垂木を竜頭にした江戸風になっています。
  • 歴史:多宝塔は1700年(元禄13年)に江戸(東京)・護国寺(ごこくじ)で釈迦如来像の出開帳を行った際に寄進によって江戸で建立され、その後1703年(元禄16年)に船で部材が運ばれて建立されました。
  • 様式:下層は本瓦葺、上層は本瓦型の銅瓦葺(どうばんぶき)です。

【阿吽の仁王(金剛力士)を祀る仁王門(府指定文化財)-見どころ】

  • 概要:仁王門は修学旅行・観光で見逃せません。仁王門は清凉寺の出入口です。仁王門は渡月橋から真っすぐ伸びた道路の突き当たりに建立されていることから「(嵐山)嵯峨野の顔」とも称されています。仁王門は初層(一階)に室町時代(1336年~1573年)に造仏された阿吽(あうん)の仁王(におう・金剛力士(こんごうりきし)像、上層(二階)に十六羅漢(じゅうろくらかん)像を安置しています。
  • 歴史:仁王門は1784年(天明4年)に再建されました。
  • 様式:仁王門は和様と禅宗様の折衷の二重門(二階建て)です。仁王門は入母屋造の本瓦葺です。なお仁王門は総ケヤキ(欅)造です。

【「光源氏移し顔」の阿弥陀如来を祀っていた阿弥陀堂-見どころ】

  • 概要:阿弥陀堂は修学旅行・観光で見逃せません。阿弥陀堂は本堂の東に建立されています。阿弥陀堂は聖徳太子像などを安置しています。阿弥陀堂ではかつて阿弥陀三尊(あみださんぞん)坐像・兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)立像などを安置していたが、現在は霊宝館に移されています。阿弥陀如来像は「光源氏移し顔」と言われています。なお阿弥陀堂の前には雪のような八重の白梅があります。
  • 歴史:阿弥陀堂は1863年(文久3年)に再建されたとも言われています。なお阿弥陀堂は旧棲霞寺(せいかじ)の起源とも言われています。
  • 様式:阿弥陀堂は入母屋造の本瓦葺です。

【一照院の位牌所として創建された大方丈-見どころ】

  • 概要:大方丈は江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)と側室・英勝院(於大の方)が夭折した娘・一照院の位牌所として創建したと言われています。大方丈には狩野探幽(かのうたんゆう)が描いた襖絵が飾られました。
  • 歴史:大方丈は1637(寛永14年)に焼失し、享保年間(1716年~1736年)に再建されたと言われています。

【摩尼殿とも言われる弁天堂-見どころ】

  • 概要:弁天堂は本堂の後にある池に面して建立されています。弁天堂は摩尼殿とも言われています。
  • 歴史:弁天堂は江戸時代(1603年~1868年)後期に建立されたとも言われています。
  • 様式:弁天堂は宝形造(ほうぎょうづくり)で、軒唐破風(のきからはふ)付きです。

【一切経が納められている一切経蔵(輪蔵)-見どころ】

  • 概要:一切経蔵(輪蔵)には唐紙製の明板本(みょうばんぼん)の一切経5,408巻が納められています。一切経は奝然上人(ちょうねんしょうにん)が宋(中国)から持ち帰ったと言われています。一切経蔵は傳大士(ふだいし)・笑仏を祀っています。
  • 歴史:一切経蔵は江戸時代(1603年~1868年)中期に建立されたと言われています。

【清凉晩鐘・五台晨鐘と言われ梵鐘を釣る鐘楼-見どころ】

  • 概要:鐘楼は1484年(文明16年)に鋳造された梵鐘(京都府指定文化財)を釣っています。なお梵鐘は嵯峨八景・嵯峨十景に数えられ、清凉晩鐘・五台晨鐘とも言われました。
  • 歴史:鐘楼は江戸時代(1603年~1868年)に建立されました。

【嵯峨大念仏狂言が演じられる狂言堂-見どころ】

  • 概要:狂言堂は修学旅行・観光で見逃せません。狂言堂は境内の西に建立されています。狂言堂では京都三大念仏狂言に数えられる嵯峨大念仏狂言が演じられています。狂言堂では嵯峨大念仏狂言保存会による嵯峨大念仏狂言(国の重要無形民俗文化財)が演じられます。なお嵯峨大念仏狂言は壬生狂言と同じく、円覚上人が始めたと言われています。

【奈良・法隆寺の夢殿を模した聖徳太子殿-見どころ】

  • 概要:聖徳太子殿(しょうとくたいしでん)は多宝塔の西に建立されています。
  • 様式:聖徳太子殿は奈良・法隆寺(ほうりゅうじ)の夢殿(国宝)を模して建立されました。ちなみに夢殿は739年(天平11年)に行信僧都(ぎょうしんそうず)が聖徳太子を偲び、聖徳太子一族の住居であった斑鳩宮(いかるがのみや)の旧地に建立した言われています。

【小堀遠州が作庭したと言われる庭園(方丈前庭)-見どころ】

  • 概要:庭園(方丈前庭)は修学旅行・観光で見逃せません。庭園は方丈の前にある枯山水式(かれさんすいしき)庭園です。庭園では四季折々に美しい光景が見られます。庭園は紅葉の名所と言われ、紅葉シーズンは特に美しいと言われています。
  • 歴史:庭園は小堀遠州(こぼりえんしゅう)が作庭したと言われています。

【大坂城三ノ丸跡で発掘された豊臣秀頼首塚-見どころ】

  • 概要:豊臣秀頼(とよとみひでより)首塚は1983年(昭和58年)に築かれました。1980年(昭和55年)の大坂城三ノ丸跡の発掘調査により、3人の頭蓋骨などが発見されました。頭蓋骨のひとつは20代の男性で、介錯された傷や左耳の障害などから関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)の子・豊臣秀頼と推測され、ゆかりのある清凉寺に移されました。
  • 歴史:豊臣秀頼は1615年(慶長20年)6月4日に母・淀殿(よどどの)とともに山里曲輪で自害したと言われています。

【美しい桜・紅葉-見どころ】

  • 概要:清凉寺は桜の名所・紅葉の名所です。境内に染井吉野・枝垂桜などの桜が植えられ、例年4月上旬頃から中旬頃に見ごろを迎えます。境内にモミジ・桜などが分布し、例年11月下旬頃から12月上旬頃に見ごろを迎えます。

【阿弥陀三尊像などを収蔵・展示する霊宝館-見どころ】

  • 概要:霊宝館は文化財を収蔵・展示しています。霊宝館では旧棲霞寺の本尊・阿弥陀三尊像なども収蔵・展示しています。なお霊宝館は4月・5月・10月・11月に特別公開されます。

【京都三大火祭に数えられるお松明式(涅槃会)-見どころ】

  • 概要:お松明式(おたいまつしき)は仏教の開祖・お釈迦様(おしゃかさま)が80歳で入滅したとされる例年3月15日にが行われています。お松明式はお釈迦様が荼毘(だび)に付される様子を再現した行事で、京都の最古の行事のひとつとも言われています。お松明式では高さ7メートルの3本の松明を早稲・中稲・晩稲に見立てて、その火勢の強弱によってその年の農作物の豊凶を占います。
  • 豆知識:お松明式は8月16日の五山送り火・10月の由岐神社の祭礼・鞍馬の火祭とともに京都三大火祭に数えられています。

【京の三大狂言に数えられる嵯峨大念仏狂言(重要無形民俗文化財)-見どころ】

  • 概要:嵯峨大念仏狂言(さがだいねんぶつきょうげん)は例年3月15日・4月・10月などに行われています。嵯峨大念仏狂言は壬生狂言と同じく、鎌倉時代(1185年~1333年)末期に円覚上人が始めたと言われています。なお嵯峨大念仏狂言は国の重要無形民俗文化財です。
  • 豆知識:嵯峨大念仏狂言は千本ゑんま堂(引接寺)のゑんま堂大念仏狂言・壬生寺の壬生狂言とともに京の三大狂言に数えられています。

【清凉寺・嵯峨釈迦堂 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・清凉寺・嵯峨釈迦堂(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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