大将軍八神社の歴史-修学旅行・観光の簡単解説
大将軍八神社の歴史を時代別年表にまとめ
大将軍八神社の歴史を簡単にまとめています。大将軍八神社は794年（延暦13年）の桓武天皇による平安京遷都の際、桓武天皇の勅願により、大将軍神を奈良・春日山山麓から平安京大内裏の北西角の地に勧請したのが起源です。当初、大将軍堂と称されました。（時代別年表・重要人物下記参照）
【平安京】
●784年（延暦3年）に奈良・平城京（へいじょうきょう）から京都・長岡京（ながおかきょう）に遷都したが、造長岡宮使長官・藤原種継（ふじわらのたねつぐ）の暗殺事件が起こり、平安京への再遷都が検討されました。792年（延暦11年）1月・5月に第50代・桓武天皇（かんむてんのう）が遷都前に候補地であった平安京を視察し、翌793年（延暦12年）に藤原小黒麻呂・紀古佐美らが派遣され、同年1月に和気清麻呂（わかのきよまろ）の建議もあり、桓武天皇が平安京遷都を決定し、794年（延暦13年）10月22日に長岡京から平安京に遷都しました。
【大将軍八神社の起源・始まり】
●大将軍八神社は794年（延暦13年）の桓武天皇による平安京遷都の際、桓武天皇の勅願により、大将軍神（だいしょうぐんしん）を奈良・春日山（かすがやま）山麓から平安京大内裏（だいり）の北西角（陰陽道の天門）の地に勧請したのが起源です。当初、陰陽道（おんみょうどう）のお堂として、大将軍堂と称されました。祭神・大将軍神は陰陽道・道教の信仰による方位を司る星神で、神の方位を犯すと厳しい咎めを受けるとされ、古来から非常に恐れられてきました。
【平安時代（794年頃～1185年頃）の歴史・出来事】
●平安時代中期から鎌倉時代に80体の大将軍神像群（重要文化財）が造られました。大将軍神像群は武装像が50体、束帯像が29体、童子像が1体で、立体星曼荼羅（りったいまんだら）様に安置されています。
●1178年（治承2年）11月12日に「山槐記（さんかいき）」によると第80代・高倉天皇（たかくらてんのう）の中宮・建礼門院徳子（けんれいもんいんとくこ）の安産祈願の為に奉幣使（ほうへいし）が参向したと言われています。建礼門院徳子は1178年（治承2年）11月12日に第81代・安徳天皇（あんとくてんのう）を産みました。なお「山槐記」の記述が現存する文献上の初見です。
●平安時代以降に王城鎮護の神として、朝廷や武士に篤く祟敬され、その後民間にも拡大しました。
【鎌倉時代（1185年頃～1333年頃）の歴史・出来事】
●鎌倉時代から戦国時代に京都の上・中・下の大将軍堂内、上大将軍堂として信仰されました。
【南北朝時代（1337年頃～1392年頃）の歴史・出来事】
●南北朝時代から約100年間、八坂神社（やさかじんじゃ）の管理下にあったと皇族・伏見宮貞成親王（ふしみのみやさだふさしんのう）の日記「看聞御記（かんもんにっき）」に記されています。「看聞御記」には1416年（応永23年）～1448年（文安5年）の出来事が記されています。
【室町時代（1336年頃～1573年頃）の歴史・出来事】
●室町時代中期に応仁の乱（1467年（応仁元年）～1477年（文明9年））で荒廃したと言われています。その村の氏神として信仰されるようになりました。
【江戸時代（1603年頃～1868年頃）の歴史・出来事】
●江戸時代に暦の神・八将神、素戔嗚尊（すさのおのみこと）とその御子八神（天津彦根命（あまつひこねのみこと））が習合し、第45代・聖武天皇（しょうむてんのう）、桓武天皇も祀り、社名を大将軍八神宮に改めました。その後白虎大将軍の通称で、京都西方守護で信仰されたり、方除厄除十二社参りの流行で参詣を集めたりしました。
●1840年（天保11年）に門前に標石が建立されました。
【明治時代以降（1868年頃～）の歴史・出来事】
●明治維新後の神仏分離令・廃仏毀釈（はいぶつきしゃく）により、祭神が素戔嗚尊とその御子神八柱（天津彦根命）に変更され、社名が大将軍八神社に改められました。
●明治時代に府社に列せられました。
●1929年（昭和4年）頃に八棟権現造の社殿が再建されました。
●1972年（昭和47年）に大将軍神像群の79体が重要文化財に指定され、2003年（平成15年）にその後発見された像が1体が追加され、合計80体になりました。
●1975年（昭和50年）に方徳殿（収蔵庫）が神饌所跡に建立され、大将軍神像群を収蔵されました。
●1983年（昭和58年）に5社で西大路福社ご利益巡りが始まり、1984年（昭和59年）に7社による西大路七福社ご利益巡りなり、その一社になりました。わら天神宮・平野神社・熊野神社衣笠分社・大将軍八神社・西院春日神社・若一神社・吉祥院天満宮を巡ります。
【大将軍八神社ゆかりの桓武天皇】
第50代・桓武天皇は737年（天平9年）に第49代・光仁天皇（白壁王）と高野新笠の第1皇子として生まれました。母が百済系渡来人氏族・和氏の出身であったことから官僚として大学頭・侍従に任じられ、770年（宝亀元年）に父が光仁天皇に即位すると親王宣下とともに四品が授けられました。772年（宝亀3年）に光仁天皇の皇后・井上内親王が天皇を呪詛したとして皇后を廃され、その後異母弟で、皇太子・他戸親王も皇太子を廃されると翌773年（宝亀4年）に皇太子になりました。781年（天応元年）に父から譲位され、45歳で桓武天皇に即位しました。仏教政治の弊害を除く為に僧侶の不法を取り締まり、784年（延暦3年）に長岡京の遷都、794年（延暦13年）に平安京の遷都を行って律令国家としての強化・拡大を図りました。また奥羽の蝦夷平定の為に坂上田村麻呂を将軍として遠征させ、地方行政の整備なども行いました。なお第50代・桓武天皇は806年（延暦25年）に崩御しました。
【大将軍八神社の歴史 備考】
*参考・・・大将軍八神社（アクセス・マップ・歴史・見どころ・・・）ホームページ
