嵐山と向井去来(むかいきょらい)

嵐山と向井去来(むかいきょらい)

嵐山は古来から山水の美を兼ねた景勝地で、平安時代以降に皇族・貴族らが離宮・山荘などを営みました。江戸時代中期には俳諧師・松尾芭蕉の門人で、俳諧師・向井去来が落柿舎を営みました。松尾芭蕉は落柿舎を3度訪れています。

【嵐山 歴史・簡単概要】
嵐山は一級河川・桂川(大堰川)に架けられて渡月橋の西側、京都市西京区に位置する標高約382メートルの山です。嵐山は古くから景勝地で、平安時代以降に紅葉名所として知られるようになり、皇族・貴族らが訪れ、付近に離宮・山荘などが営まれるようになりました。また嵐山では後嵯峨上皇(第88代・後嵯峨天皇)が奈良・吉野山から桜の木を移植すると桜名所にもなりました。嵐山は「日本さくら名所100選」・「日本の紅葉の名所100選」に選ばれています。また嵐山は国の史跡・国の名勝にも指定されています。なお嵐山・嵯峨野には桂川(大堰川)が流れて渡月橋が架けられ、世界遺産である天龍寺・二尊院・常寂光寺・化野念仏寺・虚空蔵法輪寺などの寺社が点在し、竹林の道(竹林の小径)などがあり、京都随一の観光地になっています。
嵐山桜見ごろ嵐山紅葉見ごろ

【嵐山と向井去来(むかいきょらい)】
嵐山は古来から山水の美を兼ねた景勝地で、平安時代以降に皇族・貴族らが離宮・山荘などを営みました。現在、天龍寺(てんりゅうじ)が建立されている場所には後嵯峨上皇(第88代・後嵯峨天皇(ごさがてんのう))の離宮・亀山殿(かめやまどの)が造営されていました。江戸時代中期には俳諧師・松尾芭蕉(まつおばしょう)の門人で、俳諧師・向井去来(むかいきょらい)が落柿舎(らくししゃ)を営みました。向井去来は洛東・聖護院(しょうごいん)近くに寓居も構え、落柿舎の入口に蓑(みの)と笠(かさ)が掛けられていれば在庵、なければ外出中ということを表していたそうです。落柿舎には1689年(元禄2年)に「おくのほそ道」の旅に出た松尾芭蕉が秋に初めて訪れ、12月24日に向井去来と松尾芭蕉が鉢叩きを聞きました。松尾芭蕉は1691年(元禄4年)にも再度落柿舎を訪れ、4月18日から5月4日まで滞在して「嵯峨日記(さがにっき)」を記し、その後に野沢凡兆宅に移り、向井去来らとともに代表句集「猿蓑(さるおみ)」を編纂しました。ちなみに5月2日には向井去来は松尾芭蕉・河合曽良とともに大堰川(おおいがわ・桂川))で船遊びを楽しみました。更に松尾芭蕉は亡くなった年の1694年(元禄7年)5月22日にも訪れ、同年10月12日に大坂南御堂前の花屋仁右衛門宅で亡くなりました。なお嵐山では向井去来が「柿主や こずゑは近き あらし山」、松尾芭蕉が「嵐山 藪の茂りや 風の筋」・「六月や 峯に雲置 あらし山」という俳句を残しています。
落柿舎は江戸時代中期の1685年(貞享2年)に俳諧師・向井去来が嵐山嵯峨野に結んだ草庵が起源とも言われています。落柿舎は「拾遺都名所図会」によると「小倉山下、緋の社のうしろ山本町」にあったと言われています。1704年(宝永元年)の向井去来没後に荒廃し、江戸時代後期の1770年(明和7年)に向井去来の親族で、蝶夢(ちょうむ)門下の井上重厚(いのうえじゅうこう)が天龍寺(てんりゅうじ)の塔頭(たっちゅう)・弘源寺(こうげんじ)跡に再建し、捨庵(すてあん)と称したとも言われています。明治時代初期に再建されたとも言われています。なお落柿舎の名称は「落柿舎記」によると庭に40本の柿の木があり、その柿の実が一夜の内にほとんど落ちたことに由来しています。

【向井去来 嵐山】
向井去来は1651年(慶安4年)に儒医・向井元升の二男として肥前国(長崎市興善町)に生まれました。少年の頃に父とともに京都に移住したが、一時福岡にいた叔父のもとで武芸を学びました。堂上家に仕えたが、武芸を捨てて、京都嵯峨野の落柿舎(らくししゃ)で浪人生活を送りました。1684年(貞享元年)から其角を介し、文通で俳諧師・松尾芭蕉(まつおばしょう)の教えを受け、1686年(貞享3年)に江戸に下って初めて松尾芭蕉と会いました。1689年(元禄2年)に「おくのほそ道」の旅に出て、京都を訪れた松尾芭蕉を落柿舎に招きました。1691年(元禄4年)に松尾芭蕉が再び落柿舎を訪れ、4月18日から5月4日まで滞在し、「嵯峨日記」を記しました。その後5月4日に野沢凡兆宅に移り、野沢凡兆とともに松尾芭蕉の代表句集「猿蓑(さるおみ)」を編纂し、松尾芭蕉から俳諧の真髄を学びました。ちなみに向井去来は篤実な性格から松尾芭蕉に信頼され、松尾芭蕉は「西三十三ケ国の俳諧奉行」と言いました。向井去来は「去来抄」・「旅寝論」など重要な蕉風俳論を記しました。なお向井去来は1704年(宝永元年)10月8日に亡くなりました。

【嵐山と向井去来(むかいきょらい)】
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