御香宮神社の見どころ簡単解説-修学旅行・観光の豆知識
御香宮神社の見どころは本殿・表門・拝殿・御香水・庭園などです。
御香宮神社の見どころを個別に簡単にまとめて解説します。文化財・見どころには神功皇后を祀る本殿(重要文化財)、社名「御香宮」の由来になり、伏見七名水に数えられた御香水、中根金作が復元した庭園などがあります。また表門・拝殿等も見逃せません。なお修学旅行や観光で見るべき文化財・見どころの概要・歴史・様式・豆知識などを解説しています。
- 主祭神・神功皇后を祀る本殿(重要文化財)
- 伏見城の大手門を前身とする表門(重要文化財)
- 徳川頼宣の寄進で建立された拝殿(府指定有形文化財)
- 社名「御香宮」の由来になった御香水
- 中根金作が復元した庭園・遠州ゆかりの石庭
【御香宮神社の歴史・簡単概要】
御香宮神社は起源が明確ではありません。当初、御諸神社と称していたが、862年(貞観4年)に境内の椎の木の根元から香のよい香水が湧いたことから第56代・清和天皇から「御香宮」の名称を賜り、勅令によって社殿が修復されたと言われています。その後応仁の乱で焼失したが、関白・豊臣秀吉が伏見城を築城した際、鬼門の守護神として城内に移されました。しかし大阪の陣により、豊臣家が滅ぶと江戸幕府初代将軍・徳川家康が元の場所に戻し、本殿が建立されました。
【主祭神・神功皇后を祀る本殿(重要文化財)-見どころ】
- 概要:本殿は修学旅行・観光で絶対に見る価値がある文化財です。本殿は豪壮で、華麗な桃山時代(1583年~1603年)の特徴を持っています。本殿は主祭神に神功皇后(じんぐうこうごう)、相殿神に第14代・仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、第15代・応神天皇(おうじんてんのう)、第16代・仁徳天皇(にんとくてんのう)、高良大明神(こうらだいみょうじん)、宇倍大明神(うべだいみょうじん)、瀧祭神(たきまつりのかみ)、河上大明神(かわかみだいみょうじん)、菟道稚郎子尊(うじのわきのいらつこのみこと)、白菊大明神(しらぎくだいみょうじん)を祀っています。なお本殿には徳川家を表す三つ葉葵(みつばあおい)の紋や皇室を表す菊の紋などがあります。
- 歴史:本殿は1605年(慶長10年)に江戸幕府初代将軍・徳川家康の命により、京都所司代・板倉勝重(いたくらかつしげ)が普請奉行(ふしんぶぎょう)として再建しました。1990年(平成2年)に麒麟(きりん)・鶏(にわとり)などの極彩色の彫刻が復元されました。ちなみに本殿は桃山時代(1583年~1603年)に関白・豊臣秀吉が伏見城を築城した際に伏見城内に遷され、鬼門の守護神になりました。
- 様式:本殿は五間社(ごけんしゃ)流造(ながれづくり)で、檜皮葺(ひわだぶき)です。本殿は向拝(こうはい)三間です。
【伏見城の大手門を前身とする表門(重要文化財)-見どころ】
- 概要:表門は本殿に次ぎ、修学旅行・観光で見る価値がある文化財です。表門は伏見城の大手門を前身としています。表門は蟇股(かえるまた)に楊香(ようこう)・敦巨(かっきょ)・唐夫人(とうふじん)・孟宗(もうそう)などの中国二十四孝の彫刻があります。表門には瓦に三つ葉葵の紋があります。
- 歴史:表門は1622年(元和8年)に水戸黄門(みとこうもん)とも言われる徳川光圀(とくがわみつくに)の父で、水戸徳川家初代・徳川頼房(とくがわよりふさ)の寄進により、伏見城の大手門を移築して建立されました。
- 様式:表門は薬医門(やくいもん)です。表門は切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。
【徳川頼宣の寄進で建立された拝殿(府指定有形文化財)-見どころ】
- 概要:拝殿は修学旅行・観光で見逃せません。拝殿は華麗な建物になっています。拝殿は中国の登龍門(とうりゅうもん)の故事に基き、唐破風(からはふ)に極彩色の彫刻があります。
- 歴史:拝殿は1625年(寛永2年)に紀州徳川家初代・徳川頼宣(とくがわよりのぶ)の寄進によって建立されました。拝殿は伏見城の車寄だったとも言われています。1997年(平成9年)に半解体・修理が行われ、極彩色に復元されました。
- 様式:拝殿は中央が通り抜け可能な割拝殿(わりはいでん)構造です。拝殿は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺です。
【備前長光が造刀したと言われる金熨斗付太刀(重要文化財)-見どころ】
- 概要:金熨斗付太刀は長さ約69.7センチ(二尺三寸)です。金熨斗付太刀は関白・豊臣秀吉が願文を添えて奉納したとも言われています。なお金熨斗付太刀は東京国立博物館に委託されています。
- 歴史:金熨斗付太刀は備前長光(びぜんながみつ)が造刀したと言われています。
【社名「御香宮」の由来になった御香水-見どころ】
- 概要:御香水は修学旅行・観光で見逃せません。御香水は社名「御香宮神社」の由来になっています。御香水は京の名水の代表として、名水百選に数えられます。なお御香水(石井の御香水)は白菊井・常盤井・春日井・竹中清水・田中清水・苔清水とともに伏見七名水に数えられました。
- 歴史:御香水は862年(貞観4年)に境内から突然に湧き出たと言われています。御香水は徳川家康の九男・徳川義直(とくがわよしなお)、紀州徳川家初代・徳川頼宣、水戸徳川家初代・徳川頼房の産湯に使われたと言われています。その後明治時代(1868年~1912年)に枯れたが、1982年(昭和57年)に復元されました。
【中根金作が復元した庭園・遠州ゆかりの石庭-見どころ】
- 概要:庭園は修学旅行・観光で見る価値があります。庭園・遠州ゆかりの石庭は小堀遠州が作庭した石庭を起源としています。庭園は枯山水式庭園です。庭園では手水鉢(ちょうずばち)に「文明九年(1477年)」の銘があります。また庭石には1868年(明治元年)の鳥羽・伏見の戦いによって焼かれた痕跡がある石もあるそうです。
- 歴史:庭園は1957年(昭和32年)に造園家・中根金作(なかねきんさく)が復元しました。ちなみに庭園は1623年(元和9年)に伏見奉行に任じられた小堀遠州(こぼりえんしゅう)が伏見奉行所内に作庭したが、明治時代(1868年~1912年)以降に陸軍工兵隊・米軍キャンプ場を経て、1957年(昭和32年)に市営住宅地になった際に御香宮神社に移されました。
- ところがらの藤:庭園には後水尾上皇(第108代・後水尾天皇(ごみずのおてんぬ))が命名した「ところがらの藤」も植えられていました。
【若宮八幡社・恵比須社・八坂社などの摂末社-見どころ】
- 概要:境内には若宮八幡社・恵比須社・八坂社・住吉社・豊国社・大神宮・春日社・天満社・新宮社・熊野社・那智社・金札社・稲荷社・弁天社・松尾社・東照宮などの摂末社(摂社・末社)があります。
- 東照宮:東照宮は祭神として徳川家康を祀っています。
【徳川宗将が建立し、大手筋に移された鳥居-見どころ】
- 概要:鳥居は江戸時代(1603年~1868年)中期に紀州藩第7代藩主・徳川宗将(とくがわむねのぶ)が建立しました。ちなみに鳥居は紀州徳川家の祖・徳川頼宣が熊野石で建立したが、地震によって倒壊したことから木鳥居に代えられ、その後大手筋に移されました。
【徳川家康の孫・千姫の初延祝いに奉納された千姫神輿-見どころ】
- 概要:千姫神輿は日本一重い神輿とも言われています。千姫神輿は秋の御香宮神幸祭(ごこうしんこうさい)の際に特別公開されます。
- 歴史:千姫神輿は江戸幕府2代将軍・徳川秀忠(とくがわひでただ)の娘で、徳川家康の孫娘、そして豊臣秀頼(とよとみひでより)の正室・千姫(せんひめ)の初延祝いに奉納されたと言われています。
【数学の問題・解法を描いた算額-見どころ】
- 概要:算額は絵馬堂に2つあります。算額は数学の問題・解法を描いたものです。
- 歴史:算額は1つが1863年(文久3年)に西岡天極斎、もう1つが1683年(天和3年)に山本宗信が奉納したものです。なお山本宗信が奉納した算額の解答は八坂神社(やさかじんじゃ)にあるそうです。
【「おそらく椿」・「ところがらの藤」などの樹木-見どころ】
- 概要:御香宮神社には小堀遠州(こぼりえんしゅう)が「これほど見事な椿はおそらくほかにはない」と讃えた「おそらく椿」、後水尾上皇が命名した「ところがらの藤」、京都市指定天然記念物である蘇鉄(そてつ)などの樹木があります。なお「おそらく椿」は関白・豊臣秀吉が伏見城を築城した際、各地から集められたもので、樹齢400年以上と言われています。
【花傘総参宮が行われる御香宮神幸祭-見どころ】
- 概要:御香宮神幸祭は例年10月に行われています。神幸祭では初日と最終日の前日に花傘総参宮が行われ、最終日に3基の神輿などが氏子地区を巡行します。なお神幸祭はかつて伏見祭とも言われ、洛南随一の大祭と称されました。
【御香宮神社 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・御香宮神社(見どころ・アクセス・・・)ホームページ