夢窓国師・夢窓疎石(むそうそせき)と嵐山

夢窓国師・夢窓疎石と嵐山

嵐山は第50代・桓武天皇の行幸の頃から遊興の地になり、平安時代(794年~1185年)に紅葉名所になりました。鎌倉時代(1185年~1333年)に後嵯峨上皇・亀山上皇が吉野山から桜を移植して桜名所にもなり、夢窓国師・夢窓疎石も吉野山から山桜数千本を嵐山に移植しました。

【嵐山桜見ごろ(例年時期)・2024年開花満開予想】
嵐山の桜見ごろは例年3月下旬頃から4月上旬頃です。ただ桜の開花状況や見ごろ(満開)はその年の気候などによって多少前後することがあります。なお2025年1月29日、ウェザーニュースは桜の開花が平年並で京都で3月26日に開花すると予想しました。
嵐山桜見ごろ

【嵐山 歴史・簡単概要】
嵐山は淀川水系の一級河川・桂川に架かる渡月橋の西、京都府京都市西京区にある標高約382メートルの山です。嵐山は国の史跡・国の名勝に指定されています。また嵐山は「日本さくら名所100選」・「日本の紅葉の名所100選」にも選ばれています。嵐山は平安時代に貴族の別荘地で、古くから歌枕として多くの和歌などに詠まれる景勝地でした。なお嵐山と言う場合、山自体ではなく、桂川の右岸・嵐山と桂川の左岸・嵯峨野を含めたエリアを指し、京都を代表する観光地になっています。

【夢窓国師(むそうこくし)・夢窓疎石(むそうそせき)】
嵐山は794年(延暦13年)に平安京遷都を行った第50代・桓武天皇(かんむてんのう)の行幸の頃から都人の遊興の地になり、平安時代に京都を代表する紅葉名所になりました。また鎌倉時代(1185年~1333年)に後嵯峨上皇(第88代・後嵯峨天皇(ごさがてんのう))と亀山上皇(第90代・亀山天皇(かめやまてんのう)が奈良・吉野山(よしのやま)から桜の木を移植して桜名所にもなり、後宇多上皇(第91代・後宇多天皇(ごうだてんのう))が「嵐山 これも吉野や 移すらん 桜にかかる 滝の白糸」と詠みました。その後鎌倉時代末期から南北朝時代(1337年~1392年)に天龍寺(てんりゅうじ)開山である夢窓国師・夢窓疎石も奈良・吉野山(よしのやま)から山桜(やまざくら)数千本を嵐山に移植しました。夢窓疎石は南北朝時代に嵐山や亀山を借景した池泉回遊式庭園で、国の特別名勝・史跡に指定されている曹源池庭園(そうげんちていえん)を作庭しました。また夢窓疎石は普明閣(ふみょうかく(三門))・絶唱谿(ぜっしょうけい(大堰川))・霊庇廟(れいひびょう(後醍醐天皇の廟・旧鎮守八幡宮))・曹源池(そうげんち(大方丈の林泉))・拈華嶺(ねんげれい(嵐山))・渡月橋(とげつきょう)・三級巖(さんきゅうがん(嵐山の音無瀬の滝・川中にある三層の巨岩))・万松洞(ばんしょうどう(松並木))・龍門亭(大堰川畔の茶亭)・亀頂塔(きちょうとう(亀山山頂の九重の塔))からなる天龍寺十境(亀山十境)を定めました。夢窓国師・夢窓疎石は江戸時代(1603年~1868年)に俳諧師・松尾芭蕉(まつおばしょう)が「花の山 二丁上がれば 大悲閣」と詠んむ桜名所・嵐山の礎になりました。
吉野山では飛鳥時代(592年~710年)に修験道の祖である役行者・役小角が修行中に蔵王権現を感得し、衆生を救う為に桜に刻み、山上ヶ岳と吉野山に祀りました。桜は蔵王権現の神木とされ、蔵王権現に祈願する際には桜の苗木を寄進することが風習になり、桜がたくさん植えられています。現在、吉野山には白山桜など約200種・約3万本の桜が植えられ、桜が集中して植えられている場所は下千本・中千本・上千本・奥千本と言われています。

●夢窓疎石は1275年(建治元年)に伊勢国(三重県)に生まれました。第59代・宇多天皇の9世孫で、母方が平氏と言われています。幼少時に出家し、母方の一族の争いで甲斐国(山梨県)に移り、1283年(弘安6年)に甲斐(山梨)・平塩寺の空阿に師事して天台宗・真言宗などを学びました。1292年(正応5年)に奈良・東大寺戒壇院の慈観のもとで受戒し、京都・建仁寺の無隠円範に禅宗を学びました。その後鎌倉に赴き、東勝寺の無及徳詮・建長寺の葦航道然・円覚寺の桃渓徳悟・建長寺の一山一寧に学び、1305年(嘉元3年)に浄智寺の高峰顕日から印可を受けました。その後各地を遊歴し、1325年 (正中2年) に南朝初代で、第96代・後醍醐天皇の勅によって京都・南禅寺の住持になりました。その後北条氏に請われて鎌倉に入り、鎌倉幕府が滅亡すると再び南禅寺に入りました。南北朝時代(室町時代)に室町時代初代将軍・足利尊氏の帰依を受け、京都・苔寺の中興開山になり、京都・天龍寺の開山になりました。夢窓疎石は1351年(観応2年・正平6年)10月20日に亡くなりました。なお夢窓疎石は歴代天皇から国師号を生前に夢窓国師・正覚国師・心宗国師、死後に普済国師・玄猷国師・仏統国師・大円国師を賜与され、七朝帝師とも称されました。

【夢窓国師・夢窓疎石と嵐山】
*京都には多くの桜名所があり、その桜見ごろを下記リンクから確認できます。
京都桜見ごろ2025(清水寺・哲学の道・原谷苑・・・)

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