狸谷山不動院の歴史-修学旅行・観光の簡単解説

狸谷山不動院の歴史を時代別年表にまとめ
狸谷山不動院の歴史を簡単にまとめています。狸谷山不動院は平安時代初期に桓武天皇が平安京の鬼門守護として、咤怒鬼不動明王を安置したのが起源と言われています。1249年(建長3年)に石窟に咤怒鬼不動明王が移されたと言われています。(時代別年表・重要人物下記参照)
【平安京】
●784年(延暦3年)に奈良・平城京(へいじょうきょう)から京都・長岡京(ながおかきょう)に遷都したが、造長岡宮使長官・藤原種継(ふじわらのたねつぐ)の暗殺事件が起こり、平安京への再遷都が検討されました。792年(延暦11年)1月・5月に第50代・桓武天皇(かんむてんのう)が遷都前に候補地であった平安京を視察し、翌793年(延暦12年)に藤原小黒麻呂・紀古佐美らが派遣され、同年1月に和気清麻呂(わかのきよまろ)の建議もあり、桓武天皇が平安京遷都を決定し、794年(延暦13年)10月22日に長岡京から平安京に遷都しました。
【狸谷山不動院の起源・始まり】
●狸谷山不動院は平安時代初期に桓武天皇が平安京の鬼門(北東)守護として、咤怒鬼不動明王(たぬきふどうみょうおう)を安置したのが起源と言われています。
【鎌倉時代(1185年頃~1333年頃)の歴史・出来事】
●1249年(建長3年)に本堂内にある高さ・深さともに2丈からなる石窟に咤怒鬼不動明王が移されて安置されたと言われています。
【江戸時代(1603年頃~1868年頃)の歴史・出来事】
●1604年(慶長9年)に剣豪・宮本武蔵(みやもとむさし)が吉岡一門との決闘前に滝行を行って、己に克つ不動心を感得したとも言われています。
●1715年(正徳5年)に木食正禅養阿上人(もくじきしょうぜんようあしょうにん・朋厚房正禅法師)が3年間修業し、1718年(享保3年)に再興しました。木食正禅養阿上人は木食行実践の為に石窟に入山し、その後自ら刻んだ身の丈5尺の石造不動尊像を狸谷山修験道(しゅげんどう)の本尊として安置したと言われています。石造不動尊像は桓武天皇が安置した咤怒鬼不動明王と尊容が同じとも言われています。なお村人は伝説の咤怒鬼不動明王が息を吹き返したと歓喜したと言われています。
木食正禅養阿上人は1687年(貞享4年)頃に村上庄右衛門の子・茂八郎として丹波国桑田郡保津村に生まれたとも言われています。幼少の頃に父を亡くし、京都・銀座の手代になりました。その後泉涌寺・雲竜院の恵雄のもとで出家し、1711年(宝永8年)に和歌山・高野山に上り、木食恵昌に師事し、五穀を断って木の実を食する木食行に入りました。その後信濃・美濃などを行脚し、七条大宮の梅香庵に住し、洛中洛外の無縁墓地を回って供養しました。享保年間(1716年~1736年)に狸谷不動院で木食行に入りました。幕府に弾圧されたこともあったが、1741年(元文6年)に法橋上人位を授与され、名を養阿に改めました。1763年(宝暦13年)に安祥院で即身仏になったとも言われています。
【明治時代以降(1868年頃~)の歴史・出来事】
●明治維新後の神仏分離令・廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により、修験道が廃止されて荒廃しました。
●明治時代後期に郷土の有志が咤怒鬼不動明王の再現を願って、誰もが参拝できるように250段の階段を整備し、森林伽藍の基礎を築きました。
●1944年(昭和19年)に大僧正・亮栄和尚(りょうえいおしょう)を招聘し、修験道大本山一乗寺狸谷山不動院として寺法を制定し、1947年(昭和22年)に寺地が拡張され、本堂が建立されました。亮栄和尚は中興1世貫主として、寺門と修験道の両輪の繁栄を目指す「寺験興隆」を旗印に再興しました。
【狸谷山不動院の開基である第50代・桓武天皇】
第50代・桓武天皇は737年(天平9年)に白壁王(第49代・光仁天皇)と高野新笠の第1皇子として生まれました。母が百済系渡来人氏族・和氏の出身であったことから官僚として大学頭・侍従に任じられ、770年(宝亀元年)に父が光仁天皇に即位すると親王宣下を受けました。772年(宝亀3年)に皇后・井上内親王が光仁天皇を呪詛したとして皇后を廃され、その後異母弟である皇太子・他戸親王も皇太子を廃されると翌773年(宝亀4年)に皇太子になりました。781年(天応元年)に父から譲位され、桓武天皇に即位しました。784年(延暦3年)に長岡京の遷都、794年(延暦13年)に平安京の遷都を行って律令国家としての強化・拡大を図りました。最澄・空海を重用して平安仏教の確立にも尽力しました。また奥羽の蝦夷平定の為に坂上田村麻呂を将軍として遠征させ、地方行政の整備なども行いました。なお第50代・桓武天皇は806年(延暦25年)に崩御しました。
【狸谷山不動院の歴史 備考】
*参考・・・狸谷山不動院(アクセス・マップ・歴史・見どころ・・・)ホームページ