嵐山と金春禅鳳作の能「嵐山」

嵐山と金春禅鳳作の能「嵐山」

嵐山は古くから紅葉が和歌に詠まれ、鎌倉時代中期に後嵯峨上皇が吉野山から桜を移植すると桜も和歌に詠まれました。更に嵐山の桜は室町時代に金春禅鳳作の能「嵐山」に登場します。能「嵐山」はシテ方の五流で演じられています。

【嵐山桜見ごろ(例年時期)・2024年開花満開予想】
嵐山の桜見ごろは例年3月下旬頃から4月上旬頃です。ただ桜の開花状況や見ごろ(満開)はその年の気候などによって多少前後することがあります。なお2025年1月下旬頃から京都の桜開花・桜満開・桜見ごろ情報を発信します。
嵐山桜見ごろ

【嵐山 歴史・簡単概要】
嵐山は淀川水系の一級河川・桂川に架かる渡月橋の西、京都府京都市西京区にある標高約382メートルの山です。嵐山は国の史跡・国の名勝に指定されています。また嵐山は「日本さくら名所100選」・「日本の紅葉の名所100選」にも選ばれています。嵐山は平安時代に貴族の別荘地で、古くから歌枕として多くの和歌などに詠まれる景勝地でした。なお嵐山と言う場合、山自体ではなく、桂川の右岸・嵐山と桂川の左岸・嵯峨野を含めたエリアを指し、京都を代表する観光地になっています。

【嵐山と金春禅鳳作の能「嵐山」】
嵐山は古くから紅葉名所とされ、小倉百人一首の撰者・藤原定家(ふじわらのていか)が「吹きはらふ 紅葉のうへの 霧はれて 峯たしかなる 嵐山かな」と詠みました。その後鎌倉時代中期に後嵯峨上皇(第88代・後嵯峨天皇(ごさがてんのう))が奈良・吉野山(よしのやま)から桜を移植すると桜名所にもなり、後宇多上皇(第91代・後宇多天皇(ごうだてんのう))が「嵐山 これも吉野や 移すらん 桜にかかる 滝の白糸」と詠みました。嵐山の桜は戦国時代(室町時代後期)の1518年(永正15年)に金春禅鳳(こんぱるぜんぽう)が制作した能「嵐山」に登場します。能「嵐山」は金春流(こんぱるりゅう)だけでなく、観世流(かんぜりゅう)・宝生流(ほうしょうりゅう)・金剛流(こんごうりゅう)・喜多流(きたりゅう)で演じられています。金春流・観世流・宝生流・金剛流・喜多流はシテ方の五流と言われています。
能「嵐山」では帝(みかど)から臣下に奈良吉野から京都嵐山に移植した桜の様子を見てくるようにという勅命が下り、勅使が嵐山を訪れると美しく咲く桜を目にします。勅使は桜を守っている老夫婦に出会い、桜に向かって礼拝する姿を不思議に思って問います。老夫婦は嵐山に蔵王権現(ざおうごんげん)の神木である吉野の桜を移植したのだから嵐山の桜も蔵王権現の神木で、礼拝していると答えます。また嵐山には吉野の木守の神(こもりのかみ)・勝手の神(かつてのかみ)が時々訪れ、その力によって嵐山という荒々しい地名を持つ場所でも花が風で散ることなく美しく咲くと言います。その後老夫婦は自分達が木守の神・勝手の神であると言い、勅使に夜を待てと告げて雲に乗って去りました。夜になると勅使の前に木守の神・勝手の神が現れ、嵐山の景色を讃えながら舞います。南方から芳しい風が吹き、瑞雲(ずいうん)が棚引き、金色に光輝きながら力強い姿の蔵王権現が現れ、国土と衆生を守る誓いを示します。木守の神・勝手の神は蔵王権現と一体で、名前だけが違うことを示し、嵐山に登って花に戯れ、梢を駆け、桜が咲く春の盛りを寿ます。

【金春流・金春禅鳳 嵐山】
金春流は飛鳥時代の秦河勝を遠祖、鎌倉時代から春日大社・興福寺に仕えた猿楽・円満井座(竹田座)を起源とし、金春三郎豊氏が流祖です。金春流はシテ方の五流(観世流・金剛流・宝生流・喜多流)の中で最古の流派と言われています。ただ室町時代に活躍した第53世宗家・毘沙王権守が記録をたどれる最も古い人物です。桃山時代に豊臣秀吉・豊臣秀次が金春流を学んで全盛を誇ったが、江戸時代以降に振るわなくなり、観世流に次ぐ序列になりました。金春流は芸風がシテ方の五流の中で最も古風と評されています。
金春禅鳳は1454年(享徳3年)に金春宗いんの子、金春禅竹の孫として生れました。1460年(寛正元年)に春日若宮おん祭の後に祖父に伴われ、興福寺大乗院門跡・尋尊に参上したのが文献上の初見です。祖父・父のもとで修業し、1472年(文明4年)に奈良古市の祭礼能で父の代演を務めました。その後室町幕府10代将軍・足利義稙の贔屓によって全盛を誇る観世流に対抗し、興福寺の衆徒・古市澄胤の後援を得て奈良から京都に進出し、青蓮院門跡・尊応准后の援助で催した粟田口の勧進能がよく知られています。1528年(大永8年)までに出家して禅鳳を名乗り、嫡男・金春七郎氏昭に大夫を譲ったとも言われています。金春禅鳳はシテ方金春流の大夫だけでなく、「嵐山」・「生田敦盛」・「一角仙人」・「東方朔」・「初雪」などを制作しました。なお金春禅鳳は1532年(天文元年)に亡くなったと言われています。

【嵐山と金春禅鳳作の能「嵐山」】
*京都には多くの桜名所があり、その桜見ごろを下記リンクから確認できます。
京都桜見ごろ2025(清水寺・哲学の道・原谷苑・・・)

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