天龍寺の見どころ完全ガイド|曹源池庭園などの観光スポット解説

天龍寺(Tenryu-ji Temple)

天龍寺の見どころまとめ|おすすめ観光スポット

天龍寺は世界遺産に登録された京都屈指の観光名所で、観光や修学旅行で絶対訪れたい人気スポットです。天龍寺には夢窓疎石が作庭した曹源池庭園をはじめ、「八方睨みの龍」が描かれている法堂、方丈など多彩な見どころが揃っています。このページではおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【曹源池庭園(特別名勝・史跡)の見どころ解説|天龍寺最大の見どころ】

曹源池庭園(そうげんちていえん)は天龍寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。曹源池庭園は江戸時代に「都林泉名勝図会(みやこりんせんこめいしょずえ)」に紹介された観光名所で、天龍寺の中で一番写真・SNS映えします。曹源池庭園は曹源池(心字池(しんじいけ))を中心とした池泉回遊式の名園です。また嵐山(あらしやま)・亀山(かめやま)・愛宕山(あたごやま)を借景にした雄大な景観を持つ借景式の名園でもあります。曹源池庭園は面積約1,200坪で、中央に登龍門(とうりゅうもん)の故事になぞらた龍門の滝(りゅうもんのたき)に見立てた2枚の巨岩が配され、三尊石(さんぞんせき)・坐禅石(ざぜんいし)・石橋・鶴島・亀島などがあり、蝋梅(ろうばい)・梅・シャクナゲ(石楠花)・カエデなどが植えられ、四季折々に美しい光景が見られます。特に紅葉が絶景で、曹源池庭園の早朝参拝を行っています。(要確認)喧騒が少ない時間帯は心で感じられます。
★曹源池庭園は天龍寺開山で、作庭の名手ある夢窓疎石(むそうそせき)が最晩年に作庭した傑作と言われています。曹源池庭園は南朝初代で、第96代・醍醐天皇(だいごてんのう)の皇子・前中書王兼明親王(さきのちゅうしょおうかねあきらしんのう)の山荘にあった池泉を改修したとも言われています。
★曹源池庭園の名称は夢窓疎石が池の泥をあげた際、池の中から「曹源一滴(そうげんのいってき)」と刻まれた石碑が現れたとこに由来することが豆知識です。「曹源一滴水」は正しい源から流れ出る真実の禅を意味しています。

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【法堂の見どころ解説|雲龍図「八方睨みの龍」】

法堂は天龍寺の中心的な堂宇で、禅寺を象徴する堂宇でもあります。法堂は須弥壇(しゅみだん)に本尊・釈迦三尊(しゃかさんぞん)像、後の壇に光厳上皇(北朝初代・光厳天皇(こうごんてんのう))の位牌(いはい)、夢窓疎石像・足利尊氏(あしかがたかうじ)像を安置し、厳粛な雰囲気に包まれています。天井には日本画家・加山又造(かやままたぞう)が描いた雲龍図(うんりゅうず)「八方睨みの龍(はっぽうにらみのりゅう)」があり、天龍寺の見どころになっています。どこから見ても目が合う迫力満点の雲龍図として有名で、場所を変えて見上げると堪能できます。
★法堂は1864年(元治元年)に禁門の変(きんもんのへん・蛤御門の変(はまぐりごもんのへん))で焼失しました。現在の法堂は江戸時代(1603年~1868年)後期に天龍寺の塔頭(たっちゅう)・雲居庵(うんごあん)の禅堂(選佛場(せんぶつじょう))として建立され、明治時代(1868年~1912年)に移築されました。
★法堂は寄棟造(よせむねづくり)の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。
★雲龍図「八方睨みの龍」は1997年(平成9年)に法堂移築100年・夢窓国師650年遠諱記念事業として、加山又造が描いた傑作です。縦約10.6メートル・横約12.6メートルの天井に厚さ約3センチのヒノキ(桧)板159枚を張って漆(うるし)を塗り、更にその上に白土を塗り、直径約9メートルの二重円内に「八方睨みの龍」が描かれています。かつて法堂に描かれていた日本画家・鈴木松年(すずきしょうねん)筆の雲龍図は一部が大方丈に保存されています。

【大方丈の見どころ解説|天龍寺最大の堂宇】

大方丈は天龍寺境内で最大の堂宇で、訪れるべきスポットです。大方丈は天龍寺の美を象徴する曹源池庭園の観覧席になっており、広縁や落縁から望む曹源池庭園は格別です。大方丈は六間取り(表三室・裏三室)で、中央の48畳敷きの室中に本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)坐像を安置しています。また天龍寺8代管長・関牧翁(せきぼくおう)筆の扁額(へんがく)「方丈」が掛けられ、日本画家・物外道人(もつがいどうじん)筆の雲龍の襖絵(ふすまえ)が飾られています。
★大方丈は1899年(明治32年)に再建されました。
★大方丈は正面約30メートル・奥行き約20メートルで、正面と背面に幅広い広縁(ひろえん)、その外に落縁(おちえん)が巡らせたれています。屋根は入母屋造(いりもやづくり)の桟瓦葺です。
★釈迦如来坐像は平安時代(794年~1185年)後期に造仏され、天龍寺が見舞われた8度の火災から焼失を免れた天龍寺最古の仏像です。釈迦如来坐像は像高約88.5センチで、かつて漆箔(うるしはく)でした。
★天龍寺には法要や来客の接待などに使われている小方丈(書院)もあります。小方丈は1924年(大正13年)に再建されました。

【多宝殿の見どころ解説|天龍寺の聖域】

多宝殿は天龍寺の聖域です。多宝殿は前方に階段付き向拝(こうはい)を持つ拝堂(はいどう)と後方の祠堂(しどう)を相の間で繋ぎ、祠堂に後醍醐天皇の木像を安置し、両側に歴代天皇の尊牌も祀り、厳粛な雰囲気に包まれています。周辺に紅白の枝垂梅や枝垂桜が植えられ、春に花を添えます。
★多宝殿は1934年(昭和9年)に天龍寺7代管長・関精拙(せきせいせつ)老師が再建しました。
★多宝殿は南朝(奈良吉野行宮(よしののあんぐう))にあった紫宸殿(ししんでん)を模したとも言われ、建築物として価値があります。屋根は鎌倉時代(1185年~1333年)頃の入母屋造の檜皮葺(ひわだぶき)です。
★多宝殿ではかつて亀山上皇(第90代・亀山天皇)の離宮が営まれ、後醍醐天皇の学問所だった場所と言われているのが豆知識です。歴史好きには見逃せないスポットです。

【八幡社の見どころ解説|天龍寺の鎮守社】

八幡社は天龍寺の鎮守社で、八万大菩薩(はちまんだいぼさつ・八幡神)を祀っています。八幡社はかつて「十境」に数えられた霊庇廟(れいひびょう)です。「十境」は霊庇廟・曹源池・普明閣(ふみょうかく)・絶唱谿(ぜっしょうけい)・拈華嶺(ねんげれい)・渡月橋(とげつきょう)・三級巖(さんきゅうがん)・万松洞(ばんしょうどう)・龍門亭(りゅうもんてい)・亀頂塔(きちょうとう)です。
★八幡社は1344年(興国5年・康永3年)に夢窓疎石の霊夢によって建立されたと言われています。かつては亀山山頂に祀られていたが、1875年(明治8年)に現在の場所に移され、1937年(昭和12年)に増改築されました。

【庫裏の見どころ解説|天龍寺の台所兼寺務所】

庫裏(くり)は元々台所であったが、寺務所の機能を持つ建物で、方丈・客殿と棟続きになっています。庫裏は伽藍を守る護法神・韋駄天(いだてん)像を安置し、玄関に住職・平田精耕(ひらたせいこう)筆の「達磨(だるま)図」の大衝立(ついたて)が置かれています。
★庫裏は1899年(明治32年)に建立されました。
★庫裏は切妻造(きりづまづくり)で、煙出し櫓(ろう)があります。白壁を縦横に区切り、曲線の梁(はり)が用いられています。

【龍門亭の見どころ解説|篩月謹製の精進料理】

龍門亭は1346年(興国7年・貞和2年)に夢窓疎石が選んだ「十境」に数えられた龍門亭を再現したものです。龍門亭では篩月(しげつ)謹製の精進(しょうじん)料理を食べることができます。(要確認)精進料理は天龍寺観光の特別な体験としておすすめです。なお精進料理は平安時代から鎌倉時代に禅宗の僧が中国から修得し、日本に伝えたとも言われています。
★龍門亭は2000年(平成12年)に夢窓国師650年遠諱記念事業として建てられました。

【勅使門・中門(府指定文化財)の見どころ解説】

天龍寺にはいずれも府指定文化財に指定されている勅使門・中門があります。勅使門は境内の東端、中門は大方丈の東側に建立されています。
★勅使門は天龍寺最古の建築物で、歴史価値があります。勅使門は元々伏見城(ふしみじょう)の門として建てられ、その後御所に移築されたと言われています。慶長年間(1596年~1615年)に御所の明照院の禁門(きんもん)になり、1641年(寛永18年)に天龍寺に移築された言われています。勅使門は四脚門(しきゃくもん)で、屋根が切妻造の銅板葺(どうはんぶき)です。
★中門は親柱が棟木(むなぎ)を受ける禅宗様(ぜんしゅうよう)の門です。中門は慶長年間(1596年~1615年)に建立されたと言われています。中門は四脚門で、屋根が切妻造の本瓦葺です。

【祥雲閣・甘雨亭の見どころ解説|茶室】

天龍寺には茶室である祥雲閣(しょううんかく)・甘雨亭(かんうてい)があります。祥雲閣・甘雨亭は多宝殿に向かう廊下の右側にあります。祥雲閣は表千家(おもてせんけ)の書院形式の茶室・残月亭(ざんげつてい)を写した茶室です。甘雨亭は4畳半台目の茶室で、裏千家14代・淡々斎(たんたんさい)が命名しました。祥雲閣・甘雨亭は1934年(昭和9年)に多宝殿を建立した際の記念事業として建てられました。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
天龍寺見どころ(平和観音・愛の泉など)

【天龍寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
●住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
●アクセス:嵐電(京福電鉄)の「嵐山駅」下車徒歩すぐ、JR西日本の「嵯峨嵐山駅」下車徒歩約10分、阪急の「嵐山駅」下車徒歩約15分、バスの「嵐山天龍寺前」または「京福嵐山駅前」下車徒歩すぐ
*参考・・・天龍寺(見どころ・アクセス・・・)公式ホームページ

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