大徳寺の見どころ完全ガイド|山門などの観光スポット解説

大徳寺(Daitoku-ji Temple)

大徳寺の見どころまとめ|国宝・重要文化財とおすすめ観光スポット

大徳寺は京都を代表する観光名所で、観光や修学旅行で訪れたい人気スポットです。大徳寺には千利休切腹の原因になった山門をはじめ、宗峰妙超の墓所がある方丈、小堀遠州が作庭した東庭がある方丈庭園など多彩な見どころが揃っています。このページでは国宝・重要文化財やおすすめの観光スポットを分かりやすくまとめて解説し、歴史・建築様式なども交えて紹介します。

【山門(重要文化財)の見どころ解説|大徳寺最大の見どころ】

山門(三門)は大徳寺観光で最も有名な見どころで、必ず訪れるべき定番スポットです。諸説があるが、山門は茶人・千利休(せんのりきゅう)切腹の原因とも言われています。歴史ミステリーの舞台です。山門は釈迦三尊(しゃかさんぞん)像や雪駄(せった)を履いた千利休の木像を安置しています。また長谷川等伯(はせがわとうはく)が描いた龍図があり、雲英宗偉筆の額「金毛閣」が掛けられています。
★山門は下層(1階)が1525年(大永5年)に連歌師・宗長(そうちょう)らが寄進し、上層(2階)が1589年(天正17年)に千利休が建立し、千利休が金毛閣(きんもうかく)と名付けました。金毛とは金毛の獅子(優れた禅僧)を意味するそうです。山門は禅宗寺院の三門(山門)の中で東福寺(とうふくじ)の三門に次いで古いと言われています。
★山門は五間三戸二階二重門(ごけんさんこにかいにじゅうもん)で、両脇に山廊(さんろう)があります。屋根は入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)、山廊は切妻造(きりづまづくり)の本瓦葺です。
★山門は上層に雪駄を履いた千利休の木像を安置し、門を通る者は木像の下をくぐることになり、関白・豊臣秀吉の「不敬不遜」との怒りを買って、千利休切腹の原因になったとも言われています。千利休は1591年(天正19年)4月21日(旧暦2月28日)に切腹(自刃)し、首は一条戻橋(いちじょうもどりばし)で梟首されました。

スポンサーリンク(Sponsor Link)

【方丈庭園(特別名勝・史跡)の見どころ解説|枯山水の名園】

方丈庭園は江戸時代初期を代表する枯山水の名園で、訪れるべきスポットです。方丈庭園は比叡山(ひえいざん)・東山を借景にし、東西に延びる葛石で区画され、方丈の前に広がる南庭と方丈の東にある東庭に分けられます。南庭は一面に白砂が広がり、中央に一対の盛砂が配され、築地塀沿いに木々と石組みで深山幽谷が表現されています。東庭は石が七・五・三に配され、七五三の庭・十六羅漢の庭とも言われています。
★方丈庭園は正中年間(1324年~1326年)~嘉暦年間(1326年~1329年)の大徳寺創建の際に作庭されたが、その後火災で荒廃し、1635年(寛永12年)の方丈再建の際に整備されました。東庭は寛永年間(1624年~1644年)に小堀遠州(こぼりえんしゅう)が作庭し、南庭は1636年(寛永13年)に大徳寺169世・天佑紹杲(てんゆうじょうこう)が作庭したとも言われています。

【方丈(国宝)の見どころ解説|宗峰妙超の墓所】

方丈は一部が大徳寺開山である大燈国師(だいとうこくし)・宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)の墓所である雲門庵(うんもんあん・開山堂)になっており、訪れるべきスポットです。方丈・玄関は土塀(どべい)に囲まれ、方丈は朝廷の勅使(ちょくし)・幕府役人の接待や宗教行事などに使われました。方丈には計8室に絵師・狩野探幽(かのうたんゆう)が描いた「山水図」・「禅会図」・「竜虎図」・「竹林禽鳥図」・「梅柳禽鳥図」など襖絵84面(重要文化財)があります。1966年(昭和41年)に火災で「猿曳図」が焼失し、2009年(平成21年)に復元されました。なお方丈は唐門などとともに特別公開されることがあります。
★方丈は1635年(寛永12年)に再建され、玄関は翌1636年(寛永13年)に建立されました。方丈・玄関は大徳寺48世・一休宗純(いっきゅうそうじゅん)の参徒で、豪商・後藤益勝(ごとうますかつ)の寄進により、大燈国師・宗峰妙超の300年遠忌を記念して建立されたと言われています。
★方丈は正面約29.8メートル・側面約17.0メートルで、前後2列・左右4列の計8室があり、屋根が入母屋造の桟瓦葺(さんがわらぶき)です。方丈は大燈国師・宗峰妙超が墓所となる寺院を建立する必要はないと遺言した為、方丈の一部が墓所・雲門庵になっています。雲門庵は一部が方丈北面の広縁(ひろえん)を越えて北側に突出しています。玄関は土間廊(どまろう)で、屋根が唐破風造(からはふづくり)の桟瓦葺です。

【唐門(国宝)の見どころ解説|桃山の三唐門】

唐門は西本願寺の唐門・豊国神社の唐門ととともに桃山の三唐門に数えられ、訪れるべきスポットです。唐門は随所に龍(りゅう)・鯉(こい)などの彫刻があり、日が暮れるまで見続けることから日暮門(ひぐらしもん)と言われています。唐門は日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)の陽明門(ようめいもん・日暮門)のモデルになったとも言われています。
★唐門は関白・豊臣秀吉(とよとみひでよし)が造営した聚楽第(じゅらくてい)の遺構と言われています。その後1573年(天正元年)~1614年(慶長19年)に越後国村上藩主・村上忠勝(むらかみただかつ)が譲り受けて大慈院近くに移築したと言われています。1886年(明治19年)に明智門が売却されると方丈前に移築されました。2003年(平成14年)の京都府教育委員会による解体・修理の際、飾り金物から年号「天正」の刻銘が発見されました。また「越後住人村上周防守頼勝」と記された慶長八年(1603年)銘の棟札も発見されました。
★唐門は四脚門(よつあしもん)で、屋根が切妻造の檜皮葺(ひわだぶき)です。前後に軒唐破風(のきからはふ)付きです。

【法堂(重要文化財)の見どころ解説|雲龍図「鳴き龍」】

法堂にはドーム状になった天井に絵師・狩野探幽が35歳の時に描いた雲龍図があります。雲龍図は敷瓦の上で手を叩くと共鳴することから「鳴き龍」と言われています。
★法堂は1325年(正中2年)から宗印禅者を檀越として創建され、室町時代中期に応仁の乱(おうにんのらん)で焼失し、その後一休宗純が再建しました。現在の法堂は1636年(寛永13年)に相模小田原藩2代藩主・稲葉正則(いなばまさのり)が父・稲葉正勝(いなばまさかつ)の遺志によって再建しました。
★法堂は屋根が入母屋造の本瓦葺で、二階建てに見える一重もこし(裳階)付きです。

【仏殿(重要文化財)の見どころ解説|大徳寺の本堂】

仏殿は大徳寺の本堂で、訪れるべきスポットです。仏殿は須弥壇(しゅみだん)に江戸幕府4代将軍・徳川家綱(とくがわいえつな)が寄進した本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)坐像を安置しています。天井に剥落(はくらく)が進んでいるが、絵師・狩野元信(かのうもとのぶ)が描いた雲龍図(うんりゅうず)があります。また絵師・海北友松(かいほうゆうしょう)が描いた障壁画(しょうへきが)もあります。
★仏殿は大徳寺1世である大現国師・徹翁義亨(てっとうぎこう)が創建し、室町時代中期に応仁の乱で焼失し、その後一休宗純らが再建しました。現在の仏殿は1665年(寛文5年)に京都の豪商・那波常有(なわじょうゆう)の寄進によって再建されました。
★仏殿は屋根が入母屋造の本瓦葺で、二階建てに見える一重もこし(裳階)付きです。仏殿は北側に廊下、南端に木造渡廊があります。

【侍真寮・寝堂・経蔵(重要文化財)の見どころ解説】

大徳寺にはいずれも重要文化財である侍真寮(じしんりょう)・寝堂(しんどう・茶堂(ちゃどう))・経蔵があります。
★侍真寮は宗務本所の東側に建立された後継住持の居室です。侍真寮は室町時代後期(1467年~1572年)に建立されました。侍真寮は桁行約12.2メートル・梁間約4メートルで、屋根が切妻造の桟瓦葺です。
★寝堂は応接間として使われ、茶堂と言われています。寝堂は1630年(寛永7年)に長州藩・毛利(もうり)家の家老・益田玄蕃頭元祥(ますだげんばのかみもとなが)が建立したと言われています。寝堂は屋根が切妻造の檜皮葺です。
★経蔵には経典を納める八角輪蔵(はっかくりんぞう)があります。経蔵は1636年(寛永13年)に那波宗旦(なわそうたん)が再建しました。1981年(昭和56年)からの解体・修理の際、地下から室町時代(1336年~1573年)前期の礎石が見つかりました。経蔵は屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺です。

【庫裏・浴室・鐘楼(重要文化財)の見どころ解説|】

大徳寺にはいずれも重要文化財である庫裏・浴室・鐘楼があります。
★庫裏は本来台所です。庫裏は応仁の乱で焼失し、文明年間(1469年~1487年)に淡路屋寿源(あわじやじゅげん・淡路屋某法名滴澗)が再建したと言われています。現在の庫裏は1636年(寛永13年)頃に旧方丈の古材によって再建されました。庫裏は桁行約26メートル・梁間約19メートルで、屋根が正面切妻造・背面入母屋造の桟瓦葺です。庫裏には室町時代の様式が残されていると言われています。
★浴室には南宋(中国)の書家・張即之(ちょうそくし)が書いた額が掛けられています。浴室は1620年(元和8年)に京都の豪商・灰屋紹由(はいやじょうゆう)が再建しました。浴室は屋根が切妻造の本瓦葺です。
★鐘楼は袴腰(はかまごし)が漆喰(しっくい)で塗られた珍しい形式です。鐘楼は1583年(天正11年)に建立されました。鐘楼は屋根が入母屋造の本瓦葺です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
大徳寺見どころ(梶井門・千体地蔵塚など)

【大徳寺の見どころ 備考(参考リンク・・・)】
●住所:京都府京都市北区紫野大徳寺町53
●アクセス:バスの「大徳寺前」下車徒歩すぐ
*参考・・・大徳寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

関連記事

京都観光おすすめ

  1. 錦市場(Nishiki Market)
  2. 竹林の道(Bamboo Forest Path)
  3. 嵐山
ページ上部へ戻る