妙心寺見どころのマトメ-修学旅行・観光の解説

妙心寺(Myoshin-ji Temple)

妙心寺見どころのマトメ・解説

妙心寺見どころを簡単にまとめてポイント解説します。妙心寺は花園天皇の離宮が前身とされ、見どころには雲龍図が描かれている法堂(重文)・梵鐘(国宝)・大方丈(重文)と小方丈(重文)があります。また修学旅行生や観光客に人気がある三門(重文)・仏殿(重文)・庭園(名勝・史跡)・寝堂(重文)・経蔵(重文)・大庫裏(重文)・玄関(重文)・浴室(重文)・開山堂(重文)などの見どころもあります。なお国宝・重要文化財・名勝・史跡などの文化財を中心に解説しています。

【貴重な梵鐘(国宝)・黄鐘調の鐘の解説】

★概要:梵鐘は紀年銘文(きねんめいぶん)のある梵鐘として日本最古と言われ、1,300年以上の歴史あると言われています。梵鐘はかつて法堂の北西に建立されていた鐘楼に釣られていたが、現在は法堂(重要文化財)の中で展示されています。梵鐘は高さ約1.5メートル・口径約86センチの青銅製です。なお梵鐘は上部の乳(ちち)の一部が乳の出がよくなるという民間信仰から引き剥がされています。
★歴史:梵鐘には「戊戌(つちのえいぬ)年四月十三日壬寅収 筑前糠屋評造春米連広国鋳鐘」と刻まれ、698年(第42代・文武天皇2年)に九州筑紫で鋳造されたと言われています。梵鐘は九州・筑紫(つくし)で鋳造され、大宰府(だざいふ)・観世音寺(かんぜおんじ)の梵鐘と兄弟鐘と言われています。なお梵鐘は1696年(元禄9年)に建立された鐘楼(重要文化財)に釣られていたが、1962年(昭和37年)に放火で鐘楼が焼失し、法堂の中で展示されています。
★評価:梵鐘は音色が雅楽(ががく)の黄鐘調(おうじきちょう)に合う為、古来から黄鐘調の鐘として有名です。梵鐘は随筆家・吉田兼好(よしだけんこう)の「徒然草(つれづれぐさ)・鎌倉時代後期」220段にも記されています。

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【注目の法堂(重要文化財)・圧巻の雲龍図の解説】

★概要:法堂は山内で最大の建物で、鏡天井に直径約12メートルの雲龍図「八方にらみの龍」が描かれていますす。法堂は修学旅行や観光で絶対に見る価値があるスポットです。法堂は中央に須弥壇(しゅみだん)があり、住職が法を説いたり、法要を行ったりします。法堂には鏡天井(かがみてんじょう)に絵師・狩野探幽(かのうたんゆう)が描いた雲龍図(うんりゅうず)があります。なお法堂には黄鐘調の鐘と言われる梵鐘(国宝)も展示されています。
★歴史:法堂は1656年(明暦2年)または1657年(明暦3年)に再建されました。
★様式:法堂は禅宗様(ぜんしゅうよう・唐様(からよう))です。法堂は一見二階建てに見える一重もこし(裳階)付きで、屋根が入母屋造(いりもやづくり)の本瓦葺(ほんがわらぶき)です。法堂は桁行五間・梁間四間です。法堂は鬼瓦は龍になっており、火伏せの意味があるとも言われています。
★雲龍図:雲龍図は見る角度により、表情や動きに変化が現れることから「八方にらみの龍(はっぽうにらみのりゅう)」と言われています。雲龍図は絵師・狩野探幽が55歳の時に8年の歳月を掛けて描いたと言われています。
★豆知識:ケヤキの柱は原木を四つ割にして丸く削られ、高さ約8メートル・周囲約2メートルあります。ケヤキは富士山山麓から海路で運ばれてきたと言われています。

【重要な仏殿(重要文化財)・釈迦如来坐像の解説】

★概要:仏殿は妙心寺の本堂にあたり、本尊だけでなく、妙心寺の重要人物も祀られています。仏殿は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。仏殿は須弥檀(しゅみだん)に妙心寺の本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)坐像(拈華(ねんげ)の釈迦像)、脇侍(きょうじ)に摩訶迦葉(まかかしょう)・阿難尊者(あなんそんじゃ)を安置しています。また祖師堂(そしどう)に達磨大師(だるまだいし)・百丈禅師(ひゃくじょうぜんじ)・臨済禅師(りんざいぜんじ)を祀り、土師堂(どちどう)に道教(どうきょう)の神を祀り、祠堂(しどう)は利貞尼(りていに)・見性院(けんしょういん)・明智光秀(あけちみつひで)などの位牌を祀っています。仏殿は正面に扁額(へんがく)「祈祷(きとう)」が掛けられています。
★歴史:仏殿は1827年(文政10年)に再建されました。
★様式:仏殿は一見二階建てに見える一重もこし(裳階)付きで、屋根が入母屋造の本瓦葺です。仏殿は桁行三間・梁間三間です。
★仏像:本尊・釈迦如来は天正年間(1573年~1593年)に造仏され、猷通寺から寄進されたと言われています。
★豆知識:仏殿は4本の大梁(はり)の内、2本が仁和寺(にんなじ)、1本が宇治、1本が中国・江州(こうしゅう)から運ばれたとも言われています。

【大方丈(重要文化財)・狩野派の障壁画の解説】

★概要:大方丈には狩野派の障壁画が飾られています。大方丈は石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)・奥の院から勧請された阿弥陀如来(あみだにょらい)・観音菩薩(かんのんぼさつ)・勢至菩薩(せいしぼさつ)を祀っています。大方丈には北側に三室・南側に三室の合計六室があります。北側三室には絵師・狩野洞雲(かのうどうしゅん)、南側三室には絵師・狩野探幽(かのうたんゆう)が描いた障壁画(しょうへきが)が飾られています。
★歴史:大方丈は1654年(承応3年)に建立されました。
★様式:大方丈は屋根が入母屋造のこけら葺(こけらぶき)です。大方丈は桁行約29.5メートル・梁行約21.7メートルです。

【小方丈(重要文化財)・麒麟閣(麟徳殿)の解説】

★概要:小方丈(旧玉鳳院御殿)には絵師・片山尚景(かたやまなおかげ)が描いたとも言われる水墨画(すいぼくが)の襖絵(ふすまえ)が飾られています。
★歴史:小方丈は1603年(年慶長8年)に塔頭(たちゅう)・玉鳳院(ぎょくほういん)の御殿として建立され、1656年(明暦2年)に妙心寺に移されました。
★様式:小方丈は屋根が入母屋造のこけら葺です。小方丈は桁行約15.9メートル・梁行約10メートルです。
★豆知識:小方丈は花園法皇が離宮の麒麟閣(きりんかく)に開山・関山慧玄(かんざんえげん)を迎えたことから麒麟閣(麟徳殿)とも言われています。

【美しい前庭・大方丈庭園・小方丈庭園(名勝・史跡)の解説】

★概要:庭園には趣が異なる3つの庭園があり、四季折々に美しい光景を眺めることができます。庭園は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。庭園には前庭・大方丈庭園・小方丈庭園があります。前庭は勅使門と三門の間にある放生池(ほうじょうち)を中心とした庭園です。大方丈庭園は白砂のみで構成された庭園です。小方丈庭園は枯山水式庭園です。小方丈庭園には樹齢200年の馬酔木(あせび)が植えられています。
★歴史:前庭は江戸時代初期に作庭されたとも言われています。大方丈庭園は1654年(承応3年)の大方丈再建時に作庭されたとも言われています。小方丈庭園は江戸時代後期に作庭されたとも言われています。

【寝堂(重要文化財)・前方丈の解説】

★概要:寝堂は法堂と廊下で繋がり、法堂の控室になっています。寝堂はかつて住持(じゅうじ・住職)が接客に使っていたそうです。寝堂は前方丈・礼(らい)の間とも言われています。
★歴史:寝堂は1656年(明暦2年)に建立されたと言われています。
★様式:寝堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。寝堂は桁行三間・梁間三間です。

【経蔵(重要文化財)・八角輪蔵の解説】

★概要:経蔵は内部に八角輪蔵(はっかくりんぞう)があります。八角輪蔵には一切経(いっさいきょう)6,527巻の経巻が納められています。経蔵は傅大士(ふだいし)像を安置しています。また下部に四天王(してんのう)・梵天(ぼんてん)・帝釈天(たいしゃくてん)・阿吽(あうん)の金剛力士(こんごうりきし)も祀っています。なお経蔵は第92代・伏見天皇(ふしみてんのう)宸筆の扁額「毘盧蔵(びるぞう)」が掛けられています。
★歴史:経蔵は1673年(寛文13年)または1674年(延宝2年)に大坂・淀屋辰五郎(よどやたつごろう)の寄進によって建立されました。
★様式:経蔵は一見二階建てに見える一重もこし(裳階)付きで、屋根が宝形造(ほうぎょうづくり)の本瓦葺です。経蔵は桁行一間・梁間一間です。
★ご利益:八角輪蔵は回転させると経文を全て読誦した功徳(くどく)を得られます。

【大庫裏(重要文化財)・韋駄天像の解説】

★概要:大庫裏は本来台所です。大庫裏には櫓煙出し(ろうけむりだし)があり、竈(かまど)が5つあります。大庫裏は韋駄天(いだてん)像を安置しています。
★歴史:大庫裏は1528年(享禄元年)に再建され、1653年(承応2年)に改築されたと言われています。
★様式:大庫裏は屋根が切妻造のこけら葺です。大庫裏は桁行約25.8メートル・梁行約18メートルです。

【玄関(重要文化財)・真前唐門の解説】

★概要:玄関は大方丈に繋がっています。玄関前には唐破風(からはふ)を備えた真前唐門があります。
★歴史:玄関は1654年(承応3年)に再建されました。
★様式:玄関は屋根が唐破風造の檜皮葺(ひわだぶき)です。玄関は桁行五間・梁間一間です。

【珍しい浴室(重要文化財)・明智風呂の解説】

★概要:浴室(明智風呂)は蒸風呂・洗い場があります。浴室は跋陀婆羅菩薩(ばっだばらぼさつ)を祀っています。浴室は明智風呂とも言われています。
★歴史:浴室は1656年(明暦2年)に再建されました。ちなみに浴室は1587年(天正15年)に明智光秀(あけちみつひで)の叔父・密宗和尚(みっそうおしょう)が明智光秀の追善菩提の為に建立したと言われています。
★様式:浴室は屋根が切妻造の本瓦葺です。浴室は桁行五間・梁間正面五間・背面三間です。

【圧巻の三門(重要文化財)・円通大士坐像の解説】

★概要:三門は高さが約16メートルあり、6月の山門懺法会の際に山門内部が特別拝観できます。三門は修学旅行や観光で見る価値があるスポットです。三門は上層に円通大士(えんずうだいし)坐像(観音菩薩(かんのんぼさつ))・善財童子((ぜんざいどうし)・月蓋長者(がっかいちょうじゃ)・十六羅漢(じゅうろくらかん)像を安置しています。三門は柱などに飛天(ひてん)・鳳凰(ほうおう)などが描かれています。
★歴史:三門は1599年(慶長4年)に再建されました。三門は京都の中で東福寺(とうふくじ)の三門・大徳寺(だいとくじ)の山門に次いで古いと言われています。
★様式:三門は高さ約16メートルの五間三戸二階二重門(ごけんさんこにかいにじゅうもん)で、山廊(さんろう)付きです。三門は屋根が入母屋造の本瓦葺です。
★行事:三門では例年6月18日に山門懺法会(さんもんざんほうえ)が行われ、日頃知らず知らずの内に犯している自らの過ちを懺悔します。

【厳かな開山堂(重要文化財)・玉鳳院の解説】

★概要:開山堂は塔頭(たっちゅう)・玉鳳院(ぎょくほういん)にあります。開山堂は開山である関山慧玄・無相大師の木造を安置しています。開山堂は山内で最も神聖な場所とされています。開山堂では常に常夜灯(じょうやとう)が灯され、常に常香盤でお香が焚かれているそうです。開山堂は微笑庵とも言われています。
★歴史:開山堂は室町時代中期(1393年~1466年)に建立されました。開山堂は山内で最古の建物と言われています。開山堂は1537年(天文6年)に東福寺から移されたと言われています。
★様式:開山堂は屋根が入母屋造の本瓦葺です。開山堂は桁行三間・梁間四間です。

●上記以外は下記リンクから確認することができます。
妙心寺見どころ(四派の松・放生池など)

【妙心寺 備考(参考リンク・・・)】
*参考・・・妙心寺(見どころ・アクセス・・・)ホームページ

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