西明寺の歴史-修学旅行・観光の簡単解説

西明寺紅葉

西明寺の歴史を時代別年表にまとめ

西明寺の歴史を簡単にまとめています。西明寺は天長年間(824年~834年)に真言宗の宗祖である弘法大師・空海の甥で、十大弟子の一人である智泉大徳が神護寺の別院として創建したのが起源と言われています。(時代別年表・重要人物下記参照)

【前史(神護寺)】

★神護寺は824年(天長元年)に和気清麻呂(わけのきよまろ)の五男・和気真綱(わけのまつな)と六男・和気仲世(わけのなかよ)の要請により、いずれも和気氏ゆかりの神願寺(じんがんじ)と高雄山寺(たかおさんじ)を合寺し、名称を神護国祚真言寺(じんごこくそしんごんじ)と改めたのが起源と言われています。ちなみに神願寺は781年(天応元年)に和気清麻呂が国家安泰を祈願して河内国(大阪府)に創建したと言われています。高雄山寺は神願寺創建と同時期に和気清麻呂が山城国(京都府)に創建し、白雲寺・月輪寺・日輪寺・伝法寺とともに愛宕五寺・愛宕五坊とも言われました。高雄山寺(神護寺)は809年(大同4年)に真言宗(しんごんしゅう)の宗祖である弘法大師(こうぼうだいし)・空海(くうかい)が入寺し、その後一切を付嘱されました。なお槇尾山西明寺(槇ノ尾)は高雄山神護寺(高雄・高尾)とかつて神護寺の別院だった栂尾山高山寺(栂ノ尾)とともに三尾(さんび)の名刹と言われていす。

【西明寺創建(起源・由来)】

★西明寺は平安時代前期の天長年間(824年~834年)に弘法大師・空海の甥で、十大弟子(四哲)の一人である智泉大徳(ちせんだいとく)が神護寺の別院で、戒律道場として創建したと言われています。ちなみに智泉大徳は809年(大同4年)に弘法大師・空海が高雄山寺(神護寺)入寺した際、智泉大徳も随行していたとも言われています。なお智泉大徳は弘仁年間(810年~824年)に弘法大師・空海とともに高野山(和歌山)に入り、825年(天長2年)に高野山東南院で亡くなったと言われています。

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【平安時代(794年頃~1185年頃)の歴史・出来事】

★平安時代末期に西明寺が荒廃したと言われています。

【鎌倉時代(1185年頃~1333年頃)の歴史・出来事】

★建治年間(1275年~1278年)に和泉国(大阪府)槙尾山寺の我宝自性上人(がほうじしょうしょうにん)が再興し、本堂・経蔵・宝塔・鎮守などが再建されました。
★1290年(正応3年)に後宇多法皇(第91代・後宇多天皇(ごうだてんのう)から号「平等心王院」を賜り、神護寺から独立しました。

【室町時代(1336年頃~1573年頃)の歴史・出来事】

★永禄年間(1558年~1570年)に兵火によって焼失し、神護寺に合併されて別院になったとも言われています。

【江戸時代(1603年頃~1868年頃)の歴史・出来事】

★1602年(慶長7年)に明忍律師(みょうにんりっし)が再興し、真言有部律の本山になったと言われています。
★江戸時代前期に客殿が移築され、当初は食堂と称されていました。
★1700年(元禄13年)に江戸幕府5代将軍・徳川綱吉(とくがわつなよし)の生母・桂昌院(けいしょういん)の寄進により、現在の本堂が再建されました。また同年に表門も寄進によって建立されました。なお現在の本堂は江戸時代前期に第108代・後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の中宮・東福門院(とうふくもんいん・徳川和子(とくがわまさこ))の寄進によって再建されたという説もあるそうです。
★元禄時代に聖天堂・鐘楼が建立されました。鐘楼に吊るされている梵鐘には月潭道澄(1636年~1713年)の銘文が刻まれています。

【明治時代以降(1868年頃~)の歴史・出来事】

★明治維新後の神仏分離令・廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により、明忍律師が設けた戒律道場が廃止されたと言われています。

【智泉大徳:西明寺開山】

智泉大徳は789年(延暦8年)に真言宗の宗祖である弘法大師・空海の姉の子として讃岐国(香川)で生まれました。797年(延暦16年)に空海に連れられて奈良・大安寺の勤操に預けられ、802年(延暦21年)に空海の従者になり、804年(延暦23年)に受戒したと言われています。804年(延暦23年)7月に空海とともに従者として遣唐使船で唐(中国)に渡り、806年(大同元年)10月に帰国しました。809年(大同4年)に空海が第52代・嵯峨天皇の勅命によって入京して高雄山寺(神護寺)に入るとそれに従ったと言われ、812年(弘仁3年)に杲隣・実恵とともに高雄山寺の三綱に選ばれました。その後空海とともに高野山に入り、東南院に住したが、825年(天長2年)に東南院で亡くなったと言われています。空海は駆け付け、先に亡くなった智泉の死を悼んだと言われています。智泉大徳は真済・真雅・実恵・道雄・円明・真如・杲隣・泰範・忠延とともに空海の十大弟子に数えられています。

【西明寺歴史-修学旅行・観光ガイド 備考】
*参考・・・西明寺(アクセス・マップ・歴史・見どころ・・・)ホームページ

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