葵祭見どころ・路頭の儀(時代行列)斎王代・勅使

葵祭見どころ・路頭の儀(時代行列)
葵祭見どころを紹介しています。葵祭の最大の見どころは5月15日に行われる路頭の儀(時代行列)です。(順延あり)路頭の儀では平安装束を身に着けた人約500名・馬約40頭・牛4頭・牛車2台・輿1丁などが京都御所・下鴨神社・上賀茂神社の全長約8キロを巡行します。葵祭のヒロインである斎王代は十二単を着て、8人の供奉者が担ぐ屋根付きの腰輿に乗っています。
●2025年4月14日、斎王代は東京芸大大学院生・山内彩さん(25歳)に決まりました。
*参考・・・京都新聞ホームページ
★葵祭2025の最新情報
【葵祭日程(要確認)】
葵祭・路頭の儀は例年5月15日に行われます。ただ悪天候の場合、翌16日に順延されます。ちなみに途中降雨の場合、巡行が打ち切られる場合があります。
葵祭2025日程(時代行列・流鏑馬神事・・・)
【路頭の儀(時代行列) 簡単概要】
路頭の儀では平安装束を身に着けた人約500名・馬約40頭・牛4頭・牛車2台・輿1丁が巡行します。時代行列は勅使(ちょくし)などの本列と斎王代(さいおうだい)などの斎王代列に分かれています。葵祭の本来の主役は天皇の使者で、行列の最高位者である勅使です。しかし現在、十二単(じゅうにひとえ)などの煌びやかな衣装を身に着けた斎王代が葵祭のヒロインで、葵祭の見どころになっています。斎王代は十二単(じゅうにひとえ)を身に着け、垂髪(おすべらかし)の髪に金属製の飾りである心葉(こころば)を頂きに付け、額の両側には飾り紐である日蔭糸(ひかげのいと)を下げ、白塗りにお歯黒を施し、手に桧扇(ひおうぎ)を持ち、紅色の帖紙(たとう)を懐に入れています。なお時代行列は第1列の警護列(検非違使など)・第2列の幣物列(御幣櫃など)・第3列の走馬列(馬寮使など)・第4列の勅使列・第5列の斎王列に分類されることもあります。
葵祭路頭の儀
【本列(ほんれつ) 路頭の儀(時代行列)】
本列は乗尻(のりじり)・検非違使志(けびいしのさかん)・検非違使尉(けびいしのじょう)・山城使(やましろつかい)・御幣櫃(ごへいびつ)・内蔵寮史生(くらりょうのししょう)・馬寮使(めりょうつかい)・牛車(ぎっしゃ)・御馬(おうま)・和琴(わごん)・舞人(まいびど)・陪従(べいじゅう)・内蔵使(くらづかい)・勅使(ちょくし)・牽馬(ひきうま)・風流傘(ふりゅうがさ)などで構成されています。本列は検非違使などの警護列・御幣櫃などの幣物列・馬寮使などの走馬列・勅使などの勅使列に分けることもできます。
★第1列の警護列
●乗尻は行列を先導する騎馬隊です。乗尻はかつて六衛府(りくえふ・ろくえふ)の衛士(えじ)が務めました。なお六衛府は左右近衛府(このえふ)・左右衛門府(えもんふ)・左右兵衛府(ひょうえふ)で、衛士は御所の警備する兵士です。
●検非違使志は看督長(かどのおさ)・火長(かちょう)・如木(にょぼく)・無位無冠の白丁(はくちょう)を率いて行列を警備する検非違使庁の武官です。検非違使志は警備や雑用などに従事する舎人(とねり)の引く馬に騎乗し、弓矢を持つ調度掛(ちょうどがけ)と鉾を持つ鉾持(ほこもち)を従えています。なお看督長は現在の警官です。
●検非違使尉は行列を警備をする検非違使志の上官で、警備責任者の判官です。検非違使尉は警備や雑用などに従事する舎人の引く馬に騎乗し、弓矢を持つ調度掛と鉾を持つ鉾持を従えています。
●山城使は前後に乗馬に付き添う馬副(うまぞい)従えて警備する山城国司の次官・山城介(やましろのすけ)です。山城使は警備や雑用などに従事する舎人が馬の口を取り、後に乗馬に付き添う手振(てふり)・童(わらわ)・雑務をこなす雑色(ぞうしき)・取物舎人(とりものとねり)・無位無冠の白丁などを従えています。なお山城国司は上賀茂神社・下鴨神社などがある山城国を管轄していました。
★第2列の幣物列
●御幣櫃は上賀茂神社・下鴨神社に供える御幣物(ごへいもつ)を納めています。御幣櫃は注連縄(しめなわ)が掛けられて無位無冠の白丁が担ぎ、御所の警備する衛士が先導します。
●内蔵寮史生は御幣物を管理する内蔵寮の文官です。内蔵寮史生は雑務をこなす雑色・無位無冠の白丁を従えています。
★第3列の走馬列
●馬寮使は走馬(そうま)を管理する武官・左馬允(さまのじょう)です。馬寮使は騎乗し、弓矢を持つ調度掛を従えています。
●牛車(唐庇網代杏葉車(からひさしあじろきょうようしゃ))は勅使が乗る御所車(ごしょぐるま)です。牛車は藤・杜若(かきつばた)などで飾り付けられ、牛童(うしわらわ)・車方・車役・替え牛が付いています。なお牛車は江戸時代(1603年~1868年)中期に第112代・霊元天皇(れいげんてんのう)から賜ったものです。
●御馬は上賀茂神社・下鴨神社で走らせて神々に見せる馬です。御馬は頭・尾に葵・桂・紙垂れを付け、馬の世話をする馬部(めぶ)が引きます。
★第4列の勅使列
●和琴は神前の奏楽用で、舞人(まいびど)の前を運ばれます。和琴には河霧の銘があります。
●舞人は歌舞の堪能者な近衛府の武官です。舞人は騎乗し、雑務をこなす雑色・警備や雑用などに従事する舎人・無位無冠の白丁を従えています。なお舞人は日本伝統歌舞の東遊(あずまあそび)などを舞いました。
●陪従は上賀茂神社・下鴨神社で歌を歌って楽器を奏でる近衛府の武官です。陪従は騎乗し、楽器を携えて、雑務をこなす雑色・警備や雑用などに従事する舎人・無位無冠の白丁を従えています。
●内蔵使は勅使が神前で奏上する御祭文(ごさいもん)を奉持する内蔵寮の次官です。内蔵使は騎乗し、乗馬に付き添う馬副・無位無冠の白丁を従えています。
●勅使は天皇の使者で、行列の最高位者でした。勅使は四位近衛中将が勤めたので、近衛使(このえづかい)と言われました。勅使は飾太刀(かざりたち)を差し、内蔵寮の役人である朧(くとり)が口を取る飾馬に騎乗し、警備や雑用などに従事する舎人・牛馬の世話をする居飼(いかい)・乗馬に付き添う手振を従えています。ちなみに江戸時代(1603年~1868年)の元禄年間(1688年~1704年)には輿に乗った時もあったそうです。勅使は下鴨神社・上賀茂神社で行われる社頭の儀(しゃとうのぎ)で、紅紙(べにがみ)に天皇のお言葉が書かれた祭文(さいもん)を奏上します。なお現在、勅使は宮内省の掌典(しょうてん)職役人が勤めているが、時代行列には加わらず、近衛使代と言われる代行者が参加しています。
●牽馬は勅使の替え馬です。牽馬は警備や雑用などに従事する舎人が引きます。
●風流傘は本列の殿(しんがり)になります。風流傘には牡丹(ぼたん)・杜若などの造花が飾り付けられ、取物舎人(とりものとねり)が持ちます。
【斎王代列(さいおうだいれつ) 路頭の儀(時代行列)】
斎王代列は命婦(みょうぶ)・女嬬(にょじゅ)・采女(うねめ)・斎王代(さいおうだい)・騎女(むなのりおんな)・蔵人所陪従(くろうどどころべいじゅう)・牛車(ぎっしゃ)などで構成されています。
●命婦は高位の女性が着る小袿(こうちき)を着る高級女官です。命婦は花傘を差し掛けます。
●女嬬は食事を管理する女官です。
●采女は地方豪族から天皇に贈られた女性です。采女は天皇・皇后の日常の雑役を行います。
●斎王代は十二単とも言われる重さ約30キロの五衣裳唐衣(いつつぎぬものからぎぬ)を着て、8人の供奉者が担ぐ屋根付きの腰輿(およよ)に乗っています。腰輿は四方が開放され、御簾(みす)が取り付けられて四方輿(こし)とも言われています。なお斎王代はかつて天皇の娘である未婚の内親王(ないしんのう)または女王(じょうおう)から選ばれ、葵祭に奉仕していた斎王の代理です。斎王代は葵祭行列保存会が茶道関係者の推薦により、着物を着慣れた京都ゆかりの女性から選ぶそうです。
葵祭斎王代(衣装・化粧)
●騎女は斎王付きで、神事を司る巫女(みかんこ)です。騎女は騎馬しています。
●蔵人所陪従は雅楽を奏でる蔵人所の文官です。蔵人所陪従は楽器を携えています。
●牛車(唐庇八葉車)は斎王が乗る女房車です。牛車は葵・桂・桜・橘(たちばな)で飾り付けられています。
【平安騎馬隊(へいあんきばたい) 路頭の儀(時代行列)】
路頭の儀では平安時代に京都の治安維持を担っていた検非違使をイメージした西陣織の和装制服を着用した平安騎馬隊が先導します。馬には笠置号・大文字号・鞍馬号・大江号・小倉号・愛宕号など京都府ゆかりの名前が付けられています。なお平安騎馬隊(京都府警平安騎馬隊)は1921年(大正10年)に京都府警察に創設され、騎馬警官が配置されました。
【葵祭見どころ・路頭の儀(時代行列) 備考(参考リンク・・・)】
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葵祭2025日程(路頭の儀・前儀・後儀・・・)