高山寺歴史-光仁天皇の勅願によって創建されたのが起源
高山寺歴史-修学旅行・観光ポイント
高山寺の歴史は774年(宝亀5年)に光仁天皇の勅願によって創建され、神願寺都賀尾坊と称したのが起源です。1206年(建永元年)に明恵上人が後鳥羽上皇の院宣によって神護寺十無尽院を賜り、華厳宗の根本道場として再興しました。なお歴史は時代別に年表にまとめ、重要人物も紹介しています。
【度賀尾寺・都賀尾坊】
★高山寺(こうざんじ・こうさんじ)が建立されている場所は古代から山岳修行(さんがくしゅぎょう)の場で、小寺院が建立されていたとも言われています。度賀尾寺(とがのおじ)・都賀尾坊(とがのおぼう)などと言われる寺院があったとも言われています。
【高山寺の起源・始まり】
★高山寺は奈良時代後期の774年(宝亀5年)に第49代・光仁天皇(こうにんてんのう)の勅願によって創建されました。高山寺は当初、神願寺都賀尾坊(じんがんじとがのおぼう)と称しました。
【平安時代(794年頃~1185年頃)の出来事・事件】
★814年(弘仁5年)に高山寺は名称を都賀尾十無尽院(とがのじゅうむじんいん)に改めました。
★1181年(養和元年)に明恵上人(みょうえしょうにん)が9歳で神護寺(じんごじ)に入山しました。
★平安時代後期に高山寺が神護寺の別院になり、神護寺十無尽院(じんごじじゅうむじんいん)と称されました。
【鎌倉時代(1185年頃~1333年頃)の出来事・事件】
★1206年(建永元年)に華厳宗(けごんしゅう)の僧・明恵上人が後鳥羽上皇(第82代・後鳥羽天皇(ごとばてんのう))の院宣によって神護寺十無尽院を賜り、華厳宗(けごんしゅう)の根本道場として高山寺を再興しました。高山寺の寺号は後鳥羽上皇から賜った勅額「日出先照高山之寺」に由来しています。「日出先照高山(日、出でて、まず高き山を照らす)」は「華厳経(けごんきょう)」の中にあり、「朝日が昇って、真っ先に照らされるのは高い山の頂上だ」ということから高山寺が光り輝く寺院になれとの意味が込められているとも言われています。
★1216年(建保4年)に石水院が建立されました。
★1218年(建保6年)に明恵上人が仏師・快慶(かいけい)作の本尊・釈迦如来(しゃかにょらい)などとともにて賀茂の別所に移ったが、その後高山寺に戻りました。
★1228年(安貞2年)に石水院が水難によって禅堂院に移されました。
★1232年(寛喜4年)に明恵上人が高山寺置文を定め、その後禅堂院で亡くなりました。
【室町時代(1336年頃~1573年頃)の出来事・事件】
★室町時代中期に応仁の乱(1467年(応仁元年)~1477年(文明9年))が起こり、山名宗全(やまなそうぜん)を総大将とする西軍が高山寺を占拠しました。
【戦国時代(1493年頃~1590年頃)の出来事・事件】
★1547年(天文16年)に兵火によって金堂など高山寺の伽藍の多くを焼失しました。
【江戸時代(1603年頃~1868年頃)の出来事・事件】
★1634年(寛永11年)に秀融・永弁らが仁和寺から古御堂を高山寺に移築して金堂を再建しました。
★1636年(寛永13年)に秀融・永弁が開山堂を再建しました。
★慶安年間(1648年~1652年)に永弁が高山寺の塔頭(たちゅう)・十無尽院を復興しました。
★1717年(享保2年)に御廟・開山堂・禅堂院や塔頭・宝性院などが焼失しました。
★1723年(享保8年)に禅堂院が焼失し、その後開山堂・御廟が再建されました。
【明治時代以降(1868年頃~)の出来事・事件】
★1868年(明治元年)に華厳宗本山・高山寺になり、真言宗(しんごんしゅう)兼学になりました。
★1872年(明治5年)に真言宗の所轄になり、御室派(おむろは)に属することになりました。
★1966年(昭和41年)に仁和寺(にんなじ)の真言宗御室派から独立し、真言宗系単立寺院になりました。
【高山寺の中興とされる明恵上人】
明恵上人は1173年(承安3年)に高倉上皇(第80代・高倉天皇)の武者所に仕えていた平重国と紀伊国湯浅城城主・湯浅宗重の四女の子として生まれました。1180年(治承4年)に両親が亡くなり、翌1181年(養和元年)に神護寺に入って密教・華厳を学び、1188年(文治4年)に叔父で、文覚の弟子・上覚を師事して出家し、奈良・東大寺戒壇院で修行者が遵守すべき具足戒を受けました。東大寺尊勝院で華厳学の研究に励みました。1206年(建永元年)に後鳥羽上皇(第82代・後鳥羽天皇)から高山寺を賜りました。明恵上人は華厳教学の研究などの学問や坐禅修行などの観行に励み、戒律を重んじて顕密諸宗の復興に尽力しました。なお明恵上人は「摧邪輪」・「摧邪輪荘厳記」・「華厳唯心義」・「華厳信種義」などを記しました。また明恵上人は40年の夢想を記録した「夢記」も記しました。
【高山寺 備考】
*参考・・・高山寺(歴史・見どころ・・・)ホームページ