1714年(正徳4年)の「都名所車(みやこめいしょぐるま)」と祇園祭
1714年(正徳4年)の「都名所車」と祇園祭
「都名所車」は江戸時代中期の1714年(正徳4年)に刊行され、洛中洛外の寺社の由来などが記載されています。旅行者が巡りやすいように寺社などが配列されています。「都名所車」には八坂神社(祇園社)も掲載されています。
【祇園祭2026 日程】
祇園祭2026は2026年(令和8年)7月1日(水曜日)の吉符入から2026年(令和8年)7月31日(金曜日)の疫神社の夏越祭までの7月1ヶ月に渡って行われます。
祇園祭2026日程一覧(宵山屋台・山鉾巡行・・・)
【祇園祭 歴史・簡単概要】
祇園祭(ぎおんまつり)は平安時代前期の869年(貞観11年)に全国に疫病が流行し、牛頭天王(ごずてんのう)・素戔嗚尊(すさのおのみこと)の祟りであるとし、卜部日良麿(うらべのひらまろ)が神泉苑(しんせんえん)に国の数と同じ66本の鉾を立て、悪霊を移して穢れを祓い、薬師如来(やくしにょらい)の化身とされる牛頭天王を祀り、更に牛頭天王を主祭神とする八坂神社から3基の神輿を送り、病魔退散(びょうまたいさん)を祈願した祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)が起源と言われています。970年(天禄元年)から毎年に行われるようになりました。
祇園祭歴史年表・由来(869年~)
【1714年(正徳4年)の「都名所車(みやこめいしょぐるま)」】
「都名所車」は江戸時代(794年~1185年)中期の1714年(正徳4年)に刊行され、洛中洛外の寺社の由来などが記載されています。旅行者が巡りやすいように寺社などが配列されています。ルートは前半が上賀茂から出発し、東山の名所を巡って伏見の御香宮まで南下します。後半が下鳥羽から北に向かい、東寺から下京を巡り、寺町通を経て相国寺か ら西に向かい、妙心寺に至って大徳寺近辺で終わります。「都名所車」には八坂神社(祇園社)も掲載されています。
「都名所車」の「祇園社(八坂神社)」に「七日の晩より四條の川原すずみ上は三條の橋の下より松原まで川原の中にかりやを立茶やにすずみ床をならべ商人はおもひおもひの見せをかざり其他太平記講談歌念佛あやをり品玉上るりかたるさしもにひろき川原もおしあい群集せり」と記され、6月7日の夜から北側の三条大橋の下から南側の松原通(まつばらどおり)までの四条河原で納涼床が行われていたことが分かります。鴨川の河原に仮屋が建てられ、茶屋に納涼床が並べられ、商人が思い思いの店を出し、「太平記(たいへいき)」の講談や歌念仏(うたねんぶつ)なども行われ、広い河原に群衆が押し合うように集まりました。八坂神社では6月7日にハイライトである前祭の山鉾巡行と神輿渡御の神幸(しんこう・神輿迎え(みこしむかえ))が行われていました。卯の刻(午前5時~6時)に前祭の山鉾巡行は始まり、四条通・京極通・松原通を巡行しました。未の刻(午後1時~2時)に神幸は始まり、3基の神輿が八坂神社から四条寺町の御旅所(おたびしょ)に渡御しました。昼間は祇園祭の山鉾巡行・神幸に大勢の見物人が集まり、夜間は夕涼みの為に鴨川沿いの納涼床に大勢の人々が集まったようだ。
「都名所車」の「都年中行事」に「六月十四日 同神事 七日より十四日まで四條寺町の御旅参り此間四條の川原夕涼とて諸色商人見世を出し茶やには川上に床をならべ遊興をなす十八日のみこし洗までなり」と記され、6月7日から6月14日に御旅参りが行われ、6月7日から6月14日に夕涼(納涼床)が行われていたことが分かります。祇園祭では6月7日の神幸(神輿迎え)で3基の神輿(大政所(おおまんどころ・大宮)・少将井(しょうしょうい)・八王子(はちおうじ))が八坂神社から四条寺町の御旅所に渡御し、6月14日の還幸(祇園会)で3基の神輿が四条寺町の御旅所から八坂神社に戻った為、6月7日から6月14日の間は御旅所に3基の神輿が泰安され、大勢の人々が御旅所をお参りしました。また祇園祭では6月18日にその年の最後の行事となる神輿洗式(みこしあらい)が行われ、3基の神輿が鴨川の水で祓い清められて神輿蔵に納められました。6月7日から6月18日の間は夜間に四条河原で夕涼(納涼床)が行われ、いろいろな商人が店を出し、鴨川の上に床が並べられ、人々が遊興を楽しみました。ちなみに日程は旧暦の為、6月は新暦の7月に相当し、6月は現在ほどではないと思うが、蒸し暑かったものと思われます。
●鴨川納涼床は例年6月7日から6月18日に行われていた祇園祭の神事が起源とも言われています。鴨川納涼床は江戸時代前期の1650年(慶安3年)頃に始まったとも言われています。当初、四条河原を中心に行われていたが、1600年代末に北側の三条から南側の五条で行われるようになり、1700年代に水からくりなどの見世物小屋・露店が出店するようになりました。1750年(寛延3年)頃から10日ほどの期間が6月から7月までの2か月間に伸び、その後地域が北側の二条まで拡大され、1800年代に見世物小屋が減少し、茶屋が多くなったと言われています。現在、鴨川納涼床(川床)は例年5月1日から9月30日に行われています。(要確認)
【1714年(正徳4年)の「都名所車」と祇園祭 備考】
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祇園祭2026日程(ちまき販売・宵山屋台・・・)