祇園祭祇園囃子(コンチキチン)・囃子方

月鉾

祇園祭祇園囃子

祇園祭祇園囃子は山鉾で奏でられるお囃子で、コンチキチンと言われています。ただ祇園囃子は全ての山鉾で奏でられるのではなく、長刀鉾・函谷鉾・月鉾・船鉾・鶏鉾・放下鉾・菊水鉾・岩戸山・四条傘鉾・綾傘鉾・北観音山・南観音山・大船鉾・鷹山など囃子方がある山鉾だけで奏でられます。

【祇園祭2025 日程】

祇園祭2025は2025年7月1日(火曜日)の吉符入(きっぷいり)から2025年7月31日(木曜日)の疫神社(えきじんじゃ)の夏越祭(なごしさい)までの1ヶ月に渡って行われます。
●祇園祭の主要行事の日程を確認できます。(下記リンク参照)
祇園祭2025日程一覧(宵山屋台・山鉾巡行・・・)

【祇園囃子 歴史・簡単概要】

祇園囃子は室町時代末期に能楽(能(のう)・狂言(きょうげん))をヒントに奏でられるようになり、江戸時代に現在のような様式に整えられたと言われています。ちなみに能・狂言はとともに平安時代に起こった猿楽(さるがく)が起源です。明治維新前までは猿楽と言われていたが、明治維新後は能楽と言われるようになりました。祇園囃子には山鉾巡行中に賑やかにお囃子を奏でることにより、疫病の元とされる疫神(えきじん)を誘い出して引き寄せ、山鉾町に持ち帰って蔵に封じ込める役割があるとも言われています。祇園囃子は親しみを込めて、「コンチキチン」とも言われ、山鉾の囃子方によって奏でられます。
祇園囃子を奏でる囃子方は独特の音色を響かせ、リズムを刻む鉦(かね・摺り鉦)、旋律(メロディー)を奏でる笛(能菅(のうかん))、テンポを司って全体を統制する太鼓(たいこ・締め太鼓)から構成されています。鉦は譜(ふ・楽譜(がくふ))が体に染みつかないと演奏することができないことから小学生が囃子方に入門すると先ず全員が鉦方を担当し、15年ほど掛けて鉦の技術を習得します。その後技量が認められると笛方か、太鼓方かを選択して担当します。なお祇園囃子は山鉾巡行や宵山などで奏でられます。
祇園祭山鉾巡行(前祭)祇園祭山鉾巡行(後祭)

【長刀鉾(なぎなたほこ) 祇園囃子】

長刀鉾は鉾頭に疫病邪悪を祓う大長刀を付けていることに由来しています。鉾頭にはかつて三条小鍛冶宗近が造った大長刀が付けられていたが、現在は木製の大長刀に銀箔を張ったものが付けています。なお長刀鉾はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(前祭)の先頭を巡行します。また現在唯一生稚児が乗って巡行する山鉾でもあります。
長刀鉾の祇園囃子には「地囃子」・「上げ」・「神楽」・「唐子」・「兎」・「流し」・「朝日」・「青葉」・「鼓」・「霞」・「筑紫」・「千鳥」・「柳」・「獅子」・「四叟」・「扇 」・「巴」・「九段」・「緑」・「柏」・「御凌)」・「四季」・「浪花」・「古」・「太郎」・「美知賀」・「ぬけ」・「日和神楽」など30数曲の曲目があります。
長刀鉾(簡単概要・ちまき・・・)

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【函谷鉾(かんこほこ) 祇園囃子】

函谷鉾は中国の戦国時代(紀元前403~221年)に斉の孟嘗君が鶏の声により、函谷関を脱出できたという故事に由来しています。なお函谷鉾はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(前祭)の5番目、鉾では長刀鉾に次いで2番目に巡行します。
函谷鉾の祇園囃子には「地囃子(曳き出し)」・「出わか」・「出函谷」・「出鶴」・「出葉津美」・「小松」・「神楽」・「唐子」・「白山」・「松」・「地囃子(渡り)」・「地囃子(筑紫)」・「松-流し」・「常目-萬歳」・「巴、一二三(筑紫)」・「一二三(渡り)」・「若葉、小横」・「虎、小横」・「函谷-美登里」・「榊-初音」・「鶴-朝日」・「末-神楽」・「龍、立横」・「竹-流し」・「亀-四季、横」・「翁、霞」・「梅、一二三」・「千鳥-流し」・「若」・「納め囃子(日和神楽)」など40数曲の曲目があります。
函谷鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【月鉾(つきほこ) 祇園囃子】

月鉾は鉾頭に新月型を付けていることに由来しています。月鉾のかつての鉾頭・新月型には1573年(元亀4年)の刻銘があり、祇園祭の全山鉾の中で最古の銘と言われています。また月鉾は全山鉾の中で最も重量が重いとも言われています。
月鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【鶏鉾(にわとりほこ) 祇園囃子】

鶏鉾は中国の堯の時代に天下がよく治まり、訴訟用の太鼓(諫鼓)に用がなくなり、苔が生えて鶏が宿ったという故事に由来しています。なお鉾頭には三角の中に鶏卵を象徴する金の円が付けられています。
鶏鉾の祇園囃子には「地囃子(イキシ)」・「常」・「鶴」・「梅」・「小松」・「神楽」・「唐子」・「都」・「乕」・「戻り地囃子(チャンチキチン)」・「松」・「旭」・「常杢」・「萬歳」・「赤隈」・「千鳥」・「亀」・「小横」・「竹」・「巴」・「一二三 」・「鶏」・「流」・「若」・「日和神楽」などの曲目があります。
鶏鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【菊水鉾(きくすいほこ) 祇園囃子】

菊水鉾は室町時代末期町内に千利休の師である茶人・武野紹鴎の大黒庵があり、その屋敷にあった菊水井(きくすいい)に由来しています。なお鉾頭には金色の透かし彫の菊花が付けられています。
菊水鉾の祇園囃子には「地囃子」・「上げ(上げ囃子)」・「井筒」・「初音」・「三番叟」・「あとあり」・「神楽」・「唐子」・「唐子付地囃子(唐子上げ)」・「はつか」・「三光」・「戻り地囃子」・「戻り上げ」・「菊」・「日の出」・「紅葉」・「翁」・「さざれ石」・「獅子」・「青鸞」・「戻り上げ」・「鯉」・「一二三」・「巴」・「鶴」・「立田」・「四季」・「乱れ」・「乱れ上げ」・「童」・「永」・「お福」・「麒麟」・「流し」・「日和神楽」などの曲目があります。
菊水鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【放下鉾(ほうかほこ) 祇園囃子】

放下鉾は真木の天王座に放下僧の像を祀っていることに由来しています。鉾頭の日(太陽)・月・星の三光が下界を照らす形がお菓子の洲浜に似ていることから州浜鉾・すはま鉾とも言われています。なお放下鉾はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(前祭)の21番目に巡行します。
放下鉾の祇園囃子には「渡り(奉納囃子)」・「霞に千鳥(渡り霞)」・「五」・「日和」・「藤」・「地囃子」・「男蝶」・「壱」・「弐」・「参」・「四」・「六」・「七」・「鳩」・「八」・「九」・「拾」・「獅子牡丹」・「旭」・「松」・「神楽」・「乱」・「翁」・「兎」・「緑に朝顔」・「虎」・「日和神楽」などの曲目があります。
放下鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【船鉾(ふねほこ) 祇園囃子】

船鉾は神功皇后の新羅遠征の際の出船に由来しています。船鉾は大船鉾が凱旋の船と言われるのに対し、出陣の船鉾と言われています。なお船鉾はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(前祭)の最後尾を巡行します。
船鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【綾傘鉾(あやがさほこ) 祇園囃子】

綾傘鉾は鉾頭が金の鶏と金幣の古い形式の傘鉾です。傘の前を赤熊を付けた棒振りとお囃子の行列が巡行します。なお綾傘鉾は1864年(元治元年)の大火で焼失し、明治時代に一度復興したが、すぐに中断し、1979年(昭和54年)に改めて復興しました。
綾傘鉾の祇園囃子には「渡リ打出シ」・「第一」・「第二」・「第三」・「第四」・「第五」・「第六」・「神楽」・「大和舞」・「翁」・「翁上」・「錦」・「雁金」・「雪」・「旭」・「若」・「霞」・「竹」・「末」・「千鳥」・「オマツ」・「日」・「月」などの曲目があります。
綾傘鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【四条傘鉾(しじょうかさほこ) 祇園囃子】

四条傘鉾は傘の上に花瓶・赤幣・若松を飾った応仁の乱以前に起源を持つ古い形式の傘鉾です。四条傘鉾は1871年(明治4年)を最後に途絶えていたが、1985年(昭和60年)に傘鉾が再興され、1988年(昭和63年)から巡行に加わっています。なお四条傘鉾では棒振り踊りが披露されます。
四条傘鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【岩戸山(いわとやま) 祇園囃子】

岩戸山は天照大神が天の岩戸を開いて現れる日本神話に由来しています。岩戸山は室町時代の絵師・狩野永徳が描いた洛中洛外図屏風に描かれ、すでに車輪がついていたそうです。岩戸山はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(前祭)の22番目を巡行します。
岩戸山(簡単概要・ちまき・・・)

【大船鉾(おおふねほこ) 祇園囃子】

大船鉾は1864年(元治元年)の元治の大火で焼失したが、2014年(平成26年)に150年振りに巡行に復帰しました。大船鉾は船鉾とほぼ同型だが、船鉾よりも一回り大きくなっています。大船鉾は船鉾が出陣の船鉾と言われるのに対し、凱旋の船と言われています。なお大船鉾は祇園祭山鉾巡行(前祭)の最後尾を巡行します。
大船鉾(簡単概要・ちまき・・・)

【北観音山(きたかんのんやま) 祇園囃子】

北観音山は山の上には楊柳観音像・韋駄天立像を祀っていることに由来しています。北観音山はかつて舁山だったが、曳山に改められました。また北観音山は応仁の乱の頃から南観音山と一年交代で巡行していたが、明治時代から毎年巡行するようになりました。北観音山はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(後祭)の2番目または6番目を隔年で巡行します。なお北観音山は上り観音山とも言われています。
北観音山の祇園囃子には「地囃子」・「壱番」・「弐番」・「参番」・「四番」・「五番」・「六番」・「八番」・「神楽」・「唐子」・「福」・「朝日」・「月」・「獅子」・「九番」・「八千代」・「花」・「三番叟」・「菖蒲」・「鳴子」・「霞」・「柳」・「唐草」・「駒形」・「六角」・「常磐」・「百番」・「流し」・「寿」・「榮」・「祝」などの曲目があります。
北観音山(簡単概要・ちまき・・・)

【南観音山(みなみかんのんやま) 祇園囃子】

南観音山は楊柳観音像・善財童子像を祀っていることに由来しています。南観音山は応仁の乱の頃から北観音山と一年交代で巡行していたが、明治時代から毎年巡行するようになり、かつては祇園祭後祭の最後尾を巡行していました。南観音山は現在はくじ取らずで、祇園祭山鉾巡行(後祭)の2番目または6番目を隔年で巡行します。なお南観音山は下り観音山とも言われています。
南観音山の祇園囃子には「渡り地囃子」・「渡り壱番」・「渡り貮番」・「渡り参番」・「神楽」・「藤」・「壱番」・「貮番」・「参番」・「四番」・「五番」・「六番」・「七番」・「八番」・「九番」・「十番」・「朝日」・「長」・「於蝶」・「四季踊り」・「牡丹」・「於福」・「阿蘭陀」・「長月」・「翁」・「浪」・「千鳥」・「御影」・「花」・「柳」・「龍」・「横」・「豊年」・「百」・「日和神楽」などの曲目があります。
南観音山(簡単概要・ちまき・・・)

【鷹山(たかやま) 祇園囃子】

鷹山は応仁の乱以前に創建され、くじ取らずで、大船鉾の直前を巡行していました。しかし1826年(文政9年)の激しい夕立によって懸装品を汚損し、1864年(元治元年)の元治の大火(禁門の変)により、御神体の鷹匠・犬飼・樽負と一部の懸装品を残して焼失しました。
鷹山は長く休山(休み山)だったことから祇園囃子が伝承されず、北観音山を基礎とした祇園囃子が編曲・構成されています。ただ2021年(令和3年)に藤舎名生が作曲した「調(しらべ)」・ゆっくりと進行する「序(じょ)」・楽しさを表現した「楽(らく)」・テンポの速い「遊(ゆう)」・鷹が飛び立つ姿をイメージした「飛(ひ)」のオリジナルの新曲5曲が加わりました。
鷹山(簡単概要・ちまき・・・)

【祇園祭祇園囃子 備考】
祇園祭2025日程(ちまき販売・宵山屋台・・・)

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